犬のしつけをはじめる前に
あなたの愛犬は、しつけグッズやオヤツなどの「物」を使わなくても、あなたや家族に対し笑顔で目を見つめていますか?
それだけで信頼関係と主従関係がどれだけ出来ているのかが分かります・・
エサやオヤツ、オモチャで釣れば、それを見るだけで人間の目を見なくなります。普段は言う事をまったく聞かず、オヤツやオモチャを見せた時だけとりあえず行動する・・あるいはチョークチェーンや悪臭スプレーの効果が嫌でしかたなく行動する・・
そんな表面上の関係は正しいでしょうか?
もし、あなたがそれだけで満足しているのならば、あなたはその犬の本当の能力や愛情を知らないことになります。
犬はオヤツをくれたり甘やかしをする人が好きなわけではありません。むしろ従属的な人物と認識し、支配行動を見せ、気に入らないことがあれば要求吠えしたり噛み付くようになります。オヤツがないと言う事を聞こうともしません。
これが主従関係の逆転です。犬の自由なようですが実際はそうではなく、権勢本能が強化され犬に過大なストレスを与えてしまっている状況です。多くの飼い主さんはそれに気が付いていないのです。
時には厳しく毅然とした態度をとり、主従関係を犬が認識する・・頼れるリーダーに従い生きることが犬の本当の幸せであるということに早く気付いて欲しいのです。
犬を主導し、リーダーシップを見せ、愛犬を安心して穏やかに暮らせるように「犬のしつけ」をするべきなのです。
まず申し上げたいのは、まったくあせる必要も不安になることも無い・・という事です。
初めて犬を飼いました。6ヶ月のミニチュアダックスでうちに来てから2ヶ月が経ちます。
名前を呼んでも来ない・トイレができない・甘噛みする・散歩では好き勝手に引っぱり回す・拾い食いをする等を治したいと思っているのですが、HPの目次には細かい項目までは出てなかったので上記のような行動にも対応しているのでしょうか?
躾をしていく過程で上記のような行動も修正されていくのでしょうか?
まず核心的なお話を率直に申し上げます。
犬のしつけというのは、各々の問題行動に対する対処法そのものが重要ではないということなんです。
ホームページでもお話いたしましたが、同じ手法を使っても、言う事を聞く人と聞かない人がいます。
これは犬が、人間のしつけの手法そのものを見ているわけではなく、人間一人ひとりの態度(自分にとってどういう存在か)、これを見て感じているのです。
だから主従関係がしっかり出来たならば、教えなくても甘噛みや要求吠え、引っ張りは段々と改善していきます。
そこが重要であり、しつけの全てなのです。
犬に毅然とした態度がとれない、甘やかしが止められない飼い主さんはいつまでたっても、どんな手法を使っても犬は言う事を聞いてくれないのです。
そして、犬の知能は低いです。シンプルな方法で何度も何度も、毎日毎日、根気良く教え続けなければいけません。
もし、○○様が何冊も本をお持ちならば、大切なことはもうご存知のはずです。
あとはあきらめず、強い気持ちでやり続けることです。
ただし本によっては、オヤツやオモチャで釣ったり、天罰方式やしつけグッズを使った手法もありますが、それはいけません。本当の主従関係は作れないからです。
そして使おうと思った時点で、すでに精神的に負けてしまっているからです・・
では、またご不明な点があればいつでもメールいただきたいと思います。
メールを拝見した限り、もう私が重視している「態度」の重要性については、十分ご理解されていると思います。
今そして、これからの課題としてメールを拝見した限り「トイレと物の破壊」になると思います。場合によっては「吠え」と「噛み付き」も顕著になるかもしれません。いずれにしても、まずリーダーとしての態度(リーダーは一人ではありません。ご家族全員がリーダーになってください。犬から見れば自分をリードしてくれる人は皆リーダーです)。
主従関係が確立できれば、犬は喜んで言う事を聞こうとします。ただし、犬には人間のような知能がありません。粗相をしたあと、少し経ってから言ってもまったく理解出来ませんし、同時に複雑な言葉を何個も言われてもまったく理解できません。
私はホームページで、「型」と「音」でシンプルに関連付けて現行犯で教える・・・。トイレにしても物の破壊にしても吠えにしても全て同じ事が言えます。このような解説をしています。
何度も何度もそうして根気良く、シンプルに伝えないと犬の知能では理解できないからです。もちろん、しつけがしっかり出来たならポメちゃんを放し飼いにされてもよろしいと思いますが、予想も出来ない危険もあります。物を飲み込んで死んでしまった犬もいます。ですので、成犬になり何年かして完璧にしつけが浸透してから放し飼いにされるのは良いと思いますが、しつけが浸透するまではやはりケージは必要です。
それと放し飼いは一見、自由で良いように思えますが犬にとってみたら自分が守るべき範囲が広くなりストレスが増します。マーキングのためにあちこちでオシッコもするでしょう。人間の視点でのみ見たり考えたりすると、思わぬ落とし穴に入っている場合もあります。それだけはご注意ください。
私は森田さんや遠藤さんの教材を具体的に拝見したわけではないですが、主従関係を重視するという大前提は同じです。とにかく何をするにも根気が大切です。
あせらず、イライラせず続ける事です。私は過去にオヤツ、チョークチェーン、スプレー、天罰方式などあらゆる手法を試して失敗しました。結局は「物」の使用を止め、根気良く態度から続けたのです。答えはそこにあったのです。とてもシンプルでした。
それなのにプロトレーナー達は「しつけグッズ」や「一時的な天罰方式」を推奨して高額な教材販売をしていました。それにガマンできず、私はホームページ作成スキルがあったので一般の飼い主さんに本当に大切な事を伝えたいと思いこのホームページを作ることにしたのです。
お話が長くなり申し訳ございませんでした。正直申し上げまして、核心はもうこのメールの内容そのものです。森田さんや遠藤さんのDVDのほうが表面上のテクニックは分かりやすいかもしれません。(私は見てないので分かりませんが)。毅然とした態度・リーダーシップ、シンプルな教え方をご家族全員が理解してやり続ければそれで良いのです。手法など何でも良いのです。時間は掛かりますが犬はちゃんと理解してくれます。
また時間をかけることで信頼と絆が深まるのです。
どうしても近所があり吠えさせるのは、あまり出来ない環境ですが、最近は、噛んだり吠えたりです(2人とも)。まだ妻の言うことは聞くほうです。噛んだら 「あー」と言いお座りしたら褒めるようにとショップに言われ妻はやっており多少は聞くが最近は外れます。
仰向けも以前からやれたりしますが気まぐれです。(遊びの中で)メールの内容で口を軽く閉じてダメと言うのを、教えていただきましたが、やり方として脇を抱え持ち上げ両指で口を閉じ目をにらみ「ダメ」で良いでしょうか?後ろ足はつけておいたほうがいいでしょうか?まず簡単なところからやり、仰向けにいきたいと思います。
まず、あお向けですが犬が一番分かりやすい方法なのです。実際に親犬が子犬をしつけるために・・リーダー犬が群れのメンバーを注意するために・・実際に使う方法です。だからそれが一番自然で犬に分かりやすい方法だと思っています。
ただしそれは、リーダーウォークもそうですが、あくまでリーダーとしての毅然とした態度を伝えるための、一つの手段でしかありません。どうコントロールするか・・どう抑え込むか・・方法論が重要ではないのです。
それらは主従関係を積み上げていく方法ですが、一方、例えば甘噛みや吠えの注意、トイレ、スワレ、マテ、フセなど具体的な行動については、型と音で何度も何度も体現させないと犬は理解できないのです。吠え噛みつきは、最初のメールのとおりに実践してください。
一日の流れを拝見すると、だいぶかまっておられますね。メールの内容のように、必ず主従関係が保てる遊び方、接し方にしてください。
またケージに入り・・と書かれていますが、遊びもしつけもケージの中でしないでください。落ち着くための場所です。しつけもしにくいと思うのですが、何かご事情があるのでしょうか。
それと外の散歩はされないのでしょうか。社会性が落ちストレスがたまるのと、自分で歩かせないとワガママになります。散歩を嫌がる子をそのままにすると、ますます怖がりになり社交性が落ち、他人や犬に激しく吠えストレスがたまります。
では、まず最初のメールのとおり少しずつ始めてください。
急に長時間したり体罰的になったりしてはいけません。大前提は態度です。そこだけから始めても良いです。
それと、お休みの日に急にしつけを強化するのもいけません。犬の知能も集中力も限界があります。あまりアレコレしようとお考えにならず、態度を徹底することから意識してください。急にハードルを上げないで出来ることから少しずつ・・
では、頑張って続けてください(^-^)
私は藤井聡さんの犬の訓練所に行ったことがあります。そこで習ったとか?森田誠さんはそうらしいです。(藤井さんより森田さんの方が今となっては正しいような気もしますが)。
藤井さんも、もちろん正しい所もあるし、肩書は異常なほどありますが・・それでは。
私のホームページをご覧いただければ、私の考え方はお分かりになると思いますが、私は物の効果を使いません。プロのドッグトレーナーさん達は、しつけグッズやオヤツを使い表面上の形を早く整えて、飼い主さんを納得させ集金します。
そして、その回転効率を早くすることを考えます。プロのドッグトレーナーさん達の目的はビジネスだからです。表向きは「主従関係、リーダーシップが大事です」と言っていても、結局は裏では、オヤツで釣ってチョークチェーンで犬の首をガツガツ絞めている・・という即効性の調教をしています。
私はかつて、物の効果を使ったあらゆる手法を試してみて、全て間違いだと気付きました。物の効果では本当の関係作りはできません。犬は相手の手法そのものを見ているわけではないからです。
私は時間がかかっても、物の効果に頼らない手法で関係作りを重視します。関係ができてくれば物事を教える手法はシンプルで良いんです。また、犬の知能ではシンプルでないと分からないのです。
「オペラント」というのは「条件付け」です。犬も人間も、それで物事を覚えたり行動の基準にします。何かをやってみて、良い事が起こればまたやりたくなりますし、嫌な事が起これば二度とやりたくないですね。
その条件付けに何を使うか・・ということです。藤井聡さんはオヤツで釣ります、森田誠さんはチョークチェーンで嫌悪刺激を与えて条件回避反応を利用します。天罰式や英国式・欧米式も物の効果。遠藤和博さんは両方使います。そのDVDが出回って、最近のちまたのドッグトレーナーさん達は、みんなオヤツで釣ってチョークチェーン(カラー)で嫌悪刺激・・流行ってますね。
表面上の調教効率が良いからです。特に出張訓練などは、その場で即効性を見せないと集金できません。組織化して素人トレーナーを雇っても、その手法で表面上一時的に整えることができるので、ビジネスに最適なのです。だからそういう調教だけのしつけ手法が流行ります。
ちなみに私は、プロのドッグトレーナーさんから指導を受けたことはありません。もちろん、今までいろんな書籍やDVDなどで研究してきましたので、参考にしている部分はありますが、物の効果ではないものです。
それと手法そのものも、本当は重要ではないのです。本当の関係作りを意識しないで、表面上の手法だけを断片的に上塗りしても、犬のしつけは絶対に成功しません。手法だけを追及され、こだわるようでしたら私の教材もサポートもお役に立てないでしょう。
同じ手法でも、使う人の意識や考え方によって、その効果はまったく違うものになってきます。だから、同じ手法を使っているのに「あの人の言う事は聞く・・でもこの人の言う事は聞かない・・」という反応を犬は見せるのです。
私は知的群生動物のリーダー達や親犬達の行動から学びました。当然、彼らは犬のしつけグッズやオヤツなんて使いませんよね(笑い)。ビジネスならまだしも、自分の家族との関係作りは、そんな手法で成り立つものではないのです。
では、頑張ってください(^-^)
堀川春広の犬のしつけ 「堀川春広の犬のしつけプログラム」へのご感想・結果評価など
藤井聡の犬のしつけ
森田誠の犬のしつけ
遠藤和博の犬のしつけ
英国式の犬のしつけ
昨日アドバイス頂いてから、やっているんですが、どうやったらいいのかわからないので教えて下さい。
噛み癖の時、「ダメ!」と言って犬の口を軽く閉じようとするのですが、口を持とうとすると、もっと暴れます。あお向け固めにして、無理やり持って口を閉じ、ずっと「ダメ!」と言い続けていると、おとなしくなるので口を軽く持ち直して「シ~!」っといい、もう噛まないだろうと、口をもっていた手を放すと、また噛んできます。
どうにもならないので、リーダーウォークして終わらせました。遊んでくれていると思っているのでしょうか。。。「ダメ!」と低い声で厳しく言っていると思うのですが。
>口を閉じながら「シ~!」の音を関連付けながら...
↑というのは、私が口を閉じながら「シー」といえばいいのでしょうか?
お庭に猫が来た時も、吠えるので、「ダメ!」と言って一連しようとするのですが、私のことより猫に夢中で、どうにもなりません。
毎日、地道にコツコツと頑張りますので、アドバイスよろしくお願いいたします。
本書にもメールにも書きました通り、あお向け・リーダーウォーク・主導型ボール遊びを使い分けると良いです。
結果を急ぐと、どうしても仰向けで強引になってしまうのですが、暴れや抵抗が激しい場合は無理しないでリーダーウォークから始めてください。
>どうにもならないので、リーダーウォークして終わらせました・・
↑ですので、これで良いんです。
それも無理ならボール遊びから始めてください。楽しい遊びを通して、少しずつ主導性を示していけば良いです。
抵抗が強いということは、それだけ関係が崩れていた証拠です。犬が自分の優位性を強く感じていた証拠です。犬のしつけによって、それが崩れていくわけですから、犬も抵抗するのが自然です。
ですので、そこでムキになってあせって結果を急がないで、徐々に徐々に主導性を示していってください。
>「ダメ!」と言い続けていると、おとなしくなる・・
↑これで良い型になっているわけですので、必ず口閉じの型と共にポンポンで褒めてください。叱って終わりにしないことです。
今は関係作りをしている時期ですし、犬にとっては「ダメ!」も「シ~!」も今の時点では何のことなのか、まだ分かっていないのです。
ですので、ひたすら今は「ダメ!」と「シ~!」の意味を覚えさせることを重視されると良いです。
>口を軽く持ち直して「シ~!」っといい、もう噛まないだろうと口をもっていた手を放すと、また噛んできます・・
↑これで良いんです。何度でも手をワザと見せて反応を見る・・噛んだら教える・・噛まなかったら褒めて反復・・時間をおいてまた練習・・ひたすらこの繰り返しです。
「三歩進んで二歩下がる」こともよくあります。犬のしつけはゼロから無段階で100にはなりません。一進一退を繰り返しながら徐々に結果が出ていくものです。関係が深まっていくものです。
犬のしつけは根競べです。犬が「もう分かったよ」と根負けするまで、ひたすら淡々と教え続けます。その気持ちの強さ、意識・・全て態度しぐさに表れてきます。犬はそれを敏感に感じ取り、一貫して続けられると、相手を認めるようになります。
>私が口を閉じながら「シー」といえばいいのでしょうか?・・
↑犬の口を手で閉じて、良い型を作るということです。そこに「シ~!」の指示音を関連付けながら褒める・・ということです。
叱るだけでは犬の知能では理解できないので、「何をしてほしいのか」「何をすれば褒められるのか」を体現で教えてあげないと犬は理解できないのです。
人間の子供にハシの持ち方や自転車の乗り方を教えるには、子供の体を使って実際に親が型を作って教えてあげますよね。同じことです。知能が低いので、シンプルに条件を整えて教えないといけないのです。
猫への吠えも同じことですし、犬や他人に対しても同じことですが、慣れも必要ですから、たくさん見せて会わせて経験させその場で口閉じで教えることです。
慣れと直接の教え・・両方必要です。
犬が夢中でジタバタする場合は、飼い主さんも横に並びしゃがんであげて犬の肩を組むように手を回し、その手で犬の首輪の前側をガッチリつかみます。軽く引けばスワレ・マテの型になります。
その状態で口閉じしてください。飼い主さんはその時、興奮して怒らないで、まず自分が落ち着くように意識しましょう。興奮するとよく「アドレナリンが出る」なんて言いますね。人間も犬も、精神状態でホルモンの分泌が目まぐるしく変わります。
犬にはその変化が、人間の体臭の変化からすぐ伝播してしまうんですね。脳波でも感情が伝播する、ということが科学的に証明されています。
よく「犬は飼い主に似る」なんて言われますが、私は前述の事が無関係ではないと推測しています。
まず落ち着いて淡々と続けましょう。知能の高い人間の子供ですら、落ち着きが出て物事を理解するには何年もかかります。相手はもっと知能の低い犬ですから、私なんかは犬に対して「よくやっているなー」「犬が人間と暮らしている時点で奇跡だよなー」と思うくらいです。
まずは、犬の知能の低さを理解してあげて、そこから少しずつ進歩させよう・・という大きな気持ちも必要です。その余裕もまた態度に出ますし、先ほどお話した伝播にも影響します。
まだ始められたばかりですから、すぐに結果を求めないことです。私はいまだに、犬には何も期待しません。覚えさせたい事、関係性をひたすら淡々と示しているだけです。
必ず結果は比例しますから、楽しみながらやり続けることです。
では、頑張ってください(^-^)