気が強く噛む吠えるケンネルコフの子犬のしつけ
こんばんは。ちょうど2か月前にペットショップで購入した犬の躾で悩んでおり、ネットで調べ事をしていた時にサイトにたどり着き、おやつも体罰もいらない躾の仕方に興味を持ちました。
下記のような状況でも、お利口になる見込みはありますか?
4か月になる雄のミックス犬(プードル×ビションフリーゼ)です。
咳が治らず(現時点ではケンネルコフの重症化の診断)、現在も治療中のため予定していた3回目のワクチンも打てない為、散歩デビューの目途が立たず、首輪もリードも付けたことがありません。
咳は酷いけど、それ以外は元気で、家の中を走るのも好きで、足も速く運動量が多い犬のような気がします。
サークル(1.5帖ほど)の中でも寝ている時以外は常に一人でベッドやおもちゃで暴れており、散歩が出来ない為、1日にご飯の前後に3.4回ほどサークルから出してあげます。
問題点:
・気が強い性格で優しさがない
・コマンドを出した時にアイコンタクトが出来ない
・落ち着きがなく、一時もじっとしていられない
・無駄吠え(ワンワン・うなる・遠吠えのような威嚇)
・噛み癖
・何でも食べようとする誤飲(紙類・絨毯の毛をむしって食べる)
毛足が長い絨毯の毛をむしり取って食べた際、口を強引にあけて取り出すようになってから、私への噛みつきがエスカレートし、手は傷だらけで流血したことも数回あるし、歩くときはパンツのひざ上あたりを噛みつき、叱ると余計にムキになり噛みつきます。
主人は吠えたり、噛みそうになると怖い声で叱り、強く叩くので、抵抗するけど服従傾向にあります。(力で抑えつけるタイプ)私は、痛いのは可哀想なので軽めに叩くことしか出来ないし、叩きたくありません。
専業主婦でいつも家におり、犬の咳が酷いので心配で甘やかし過ぎたから上下関係が逆になってしまったと思います。
実家では過去に2匹犬(柴・シーズー)を飼ったことがありますが、躾に困ったことがなく、とても穏やかで素直な良い子でした。
手を噛まれた記憶がなく、聞き分けもよかったので、まさか犬を飼うことでこんなにも苦労することになるとは思いもよらず、この2か月気が休まらず、悩み過ぎて胃炎になり、犬を買ったことを後悔しています。
私の見解では、先天性の性格もあるけど、散歩に行けないから体力が有り余っていてストレスがたまっているのかなと思っています。
散歩に行って運動したら疲れて落ち着くかもしれないけど、いつワクチンが打てるが未定なので散歩デビューできる日が来るか目途がたちません。ワクチンが終了しないと躾教室にも行けません。
長々と失礼しました。上記のような状況でも躾で改善できますでしょうか?
まず、今回は優先順位を健康においてください。
ケンネルコフを甘く見ないことです。子犬は死んでしまう場合も多いです。
しつけ・運動は二の次にして、まずはケンネルコフの完治をお考え下さい。
しつけが始まると、大なり小なりストレスは出ます。人間もそうですが、ストレスは自律神経のバランスを崩し活性酸素が多くなり、各部に炎症を起こしたり免疫力が低下します。
重度の感染症にかかっている場合は、特にケアしないといけません。
まず、『犬が叱られてしまう要素』を作らないこと、減らすことです。(教え方も工夫する)
今の月齢の子犬は、まだ『知能も経験も何もない猛獣状態』が普通です。
叱っても理解力が乏しく、興奮や防衛本能をあおってしまうだけになります。特に体罰はそうなります。アイコンタクトもまだ無理です。
(以前ご経験された二頭は特に良い子だったのです。今回のミックス君が悪い犬なのではありません)
まずはケージ内に居させ、団らんや遊びで出すときは、犬にリードを付けてそれを持っておく癖にされてください。
そうすれば、暴走も噛み付きも誤飲も制御して防げます。
叱る回数は減ります。
もし噛まれた場合も、「シ!」の注意音でリードをチョンと引き上げて離して注意します。
噛まれても、痛くなったり感情的にならなくて済むように、作業用の革手袋をしましょう。ホームセンターで500円くらいで買えます。
そうやって教えても、まだこの月齢ですとパニックやグダグダになりますので、興奮が収まらない場合は、ケージに戻してそっとしておいてください。
落ち着いたらまた出して、団らんされたり遊べば良いです。
遊び方は、『主導型コング遊び』にします。
犬にリードを付けて、それを飼い主さんが持った状態で遊びます。
コングを転がす前に、スワレ・マテの型を作ってあげて、指示音ジェスチャーで褒めて教えます。
そういう繰り返しで、指示の意味や落ち着きも覚えていきます。主従関係も深まっていきます。
また、4カ月になりましたので、リーダーウォークも始めて良いです。お散歩デビューまでの練習にしてください。もちろん、主従関係の構築でもあります。
お部屋や廊下など、家の中で出来る範囲でいろんな場所を歩いてください。
ただし、滑りやすい場所は関節に良くないので、マットなどを敷いた範囲だけにしましょう。
今はあまり長く出さないで、一日の中でトータルで、コング遊び30分・リーダーウォーク(お散歩の練習)30分くらいに抑えてください。
ケージの中には、布製のぬいぐるみやゴム系のおもちゃは入れないことです。
皮ガムか、天然コットン100%の歯磨きロープです。
コングは飼い主さんと遊ぶ時のための特別な存在であり、『飼い主さんの物』として扱います。ケージに入れっぱなしにしないことです。
犬の健康状態を見るやトイレのしつけの際は、犬をジロジロ見たり声かけナデナデしないようにしましょう。
横目でチラ見したり、鏡に映して観察すると良いです。排泄が始まったら、指示音だけ出して関連付けすれば良いです。
>心配で甘やかし過ぎたから上下関係が逆になってしまった・・
↑これは間違いなく出てきます。
病気・手術・老犬になってもそうですが、犬の知能では「自分が病気だから優しくしてもらっているんだ」などとは理解できません。
犬の本能で冷淡に反応するだけです。
特に、子犬の成長期ではそれが基準値になり、自分の立場を根本的に誤解していきます。
また、甘やかしでチヤホヤ・ベタベタも、犬の興奮をあおって免疫力を低下させてしまいます。
>ワクチンが終了しないと躾教室にも行けません・・
↑犬のしつけ教室はおすすめしません。
大半のところは、オヤツやオモチャで釣ったり、しつけグッズを売りつけたり、別の高額なコースを斡旋したり・・・というものが多いです。
ただし、犬や他人に慣れる社交性を上げる場としてはとても良いですので、「オヤツで釣ったりしない」という意識がしっかり持てるのであれば、無料ならば行かれても良いです。
オヤツで釣ったり、有料の教室ならば、私ならば行きません。
人や犬に触れる機会は、散歩やドッグランやお店などに行けば、いくらでも作れるからです。
犬のしつけ自体は、自分でやれば良いだけですし、自分でやらないと意味もありません。
さてご夫婦ですが、しつけ方に矛盾やギャップを作ってはいけません。
犬は一貫されないと理解できず、ギャップや矛盾にイライラしたり苦しむだけです。一貫しても難しいのですから、一貫できないとまったく理解できません。
体罰をすると、それが嫌なのでその人の前では何となく大人しくしますが、それは信頼関係でもなんでもなく、反撃のチャンスを狙っています。そして、その人以外の弱い対象を見つけて攻撃するようになってしまいます。
ご主人と奥様の中間点を見つけて、そこで一貫しましょう。
もちろん、それが間違っていればいけませんので、本質は学ばれてください。
では、ざっと概要だけお話いたしましたが、メールだけではお伝えしきれませんので、本教材で学ばれることをおすすめいたします。
特に、Q&Aサイトでは膨大な事例を載せてあります。病気の子犬のしつけやケアの事例もあります。Q&Aサイトの検索機能をご活用ください。
それと、前述いたしました通り、まだこの月齢では『猛獣状態』が普通ですので、しばらく期待はされないことです。
今くらいから知能が上がって色々覚えていきますが、今度は5カ月から反抗期が始まり、7・8カ月ではさらにズル賢くなり難しさのピークになります。
10カ月から1歳くらいまでは不安定ですので、そのおつもりで、やるべきことは淡々とやりながら、でも期待せず子犬の成長を待ってあげないといけない時期です。
まずはケンネルコフを完治させることを優先し、お話した『叱る回数・強度が小さくて済む工夫』を実践されてください。
それでは、これから頑張って続けていきましょう(^_^)