犬のしつけがQ&Aで分かる!

子犬のしつけでリーダーウォークと仰向けスワレ・マテが上手くいかない

質問内容
早速リーダーウォークとあおむけ固め、スワレ、マテをやっているのですが、なかなか思うようにはいかず、犬がまだ小さいので焦りは禁物と思いつつ、このままで良いのか不安になり、メールさせていただきました。

リーダーウォークの際は、こちらが止まったら止まりますが、いつも少し前を歩いており、リードが引っ張られるから止まるような感じです。

スワレ、マテは、エサやケージから出してもらいたい時などはしますが、ケージ外でリードを付けた状態でやってもほとんどしません。あおむけ固めは、だんだん受け入れてくれているようです。

昨日は、散歩終わりでケージ前でスワレをしたらすぐできたので、犬を褒めてリードを外してやると、脱兎のごとく走り出し、ラティスで囲ったウッドデッキ内を駆け回って収拾がつかなくなるような状態です。

ウンチを散歩途中でしていたのを、散歩から帰ってからウッドデッキでするようになり、良い傾向だと思うのですが、暴れまわっている途中でするようでは、ダメですよね。

今のまま続けていて良いでしょうか。これまで朝夕30分ずつ散歩していたのが、家の周りの道をリーダーウォークでグルグル回るだけになり、もっと走り回りたいと、欲求不満になっているような気がします。

犬:柴犬♀です。もうすぐ5ヶ月で、飼いはじめてから2か月ぐらいです。娘が動物好きで、どうしても飼いたいというので飼いはじめました。

家族:夫、私ともに40代、中学生の娘の3人です。夫が単身赴任中のため、平日は娘と二人です。たまに私の母が来ますが、動物は苦手のため、ほとんど相手はしません。私もフルタイムで働いているため、平日は朝8時過ぎから娘の帰宅する夕方まではお留守番になります。

【以前の状況】

①たまに庭で犬を放して遊ばせて、その時にペットショップで買った木を投げたりしていました。持って来いと言っても木はほっといて犬だけ来るか、無視されるかです。あとは、帰宅時になでたり抱っこしたり、は、やっていました。

②エサをあげるときにオスワリ、マテをして、できたらエサをあげてナデナデして褒めていました。甘噛みをしてきた時、口を手で閉じさせて「ダメ」と言って叱っていました。

③オヤツはあげずにフードだけあげていました。
抱っこはあまりしませんでしたが、ブラッシングの時は膝にのせていました。
ナデナデはお座りをした時や、帰ってきた時にやっていました。

④散歩は1回約30分で朝と夕方の2回やっていました。リードを短めに持っていましたが、好きなように歩かせていました。

⑤平日朝は6時前から6時過ぎまで約30分散歩→エサ、帰宅後も同様に散歩→エサで、散歩から帰ってきて、リードを外して、庭で放して遊ばせることもありました。土日はこちらの起床時間も遅くなるので、それに合わせて朝夕散歩、外(敷
地内)で遊ぶ時間を増やしていました。

⑥お迎え後、9月の中旬までは室内飼いで、予防接種が終わり涼しくなってきてから屋外飼いにし始めました。ウッドデッキにラティスで柵をして目隠しにし、その隅にケージ(屋根と壁を日曜大工で付けたもので中にトイレと水を設置)を置いています。初めはウッドデッキ内で放し飼いにしていましたが、本書で放し飼いはいけないというのを読み、遊ぶとき以外はケージの扉を閉めるようにしました。

予防接種が終わり、敷地内で放すことが多くなってから、どんどん凶暴になっていっているような気がしていました(リードを付けようとすると嫌がって噛もうとする、リードを噛むなど)。

本書を読み、ケージから出している時はなるべくリードを付けるようにして、リードを噛んだら何度もダメというようにして、大分落ち着いてきていると思います。

長くなってしまいましたが、よろしくお願いします。


返答内容
接し方・しつけ方・環境も修正されてこられましたし、まだ始められたばかりですので、このまま続けていただければ大丈夫です。ご心配ありません。

ただ、もう少し工夫されるとよろしいと思う点、この月齢の子犬の現状についても少しお話しておきたいと思います。

まず、カンナちゃんそろそろ反抗期に入ってきました。

ホルモンバランスの変化が激しく、イライラもしますし、身体が強くなり体力もついてきますので、運動量や発散が必要になります。

それと、まだまだ知能は低いですが段々と上がってきて、成犬としての権勢本能・自我・独立心が出てきます。

でも、まだまだ経験不足で知能も低い、関係作りも始められたばかりですので、一番難しい時期なんです。

それは理解してあげて、成長も待ってあげないといけません。

さらに、7・8か月は急に知能が高くなってズル賢くなります。

10か月くらいまでは、不安定で大変だと思っておられた方が良いです。

結果は期待しないで、「教える」に徹する時期なんです。求める時期ではなく、「与える時期」(教える時期)ということです。

例えば、スワレが出来る時と出来ない時がありますが、まだ当たり前の事として理解できていないのと定着していないので、ちょっと興奮のジャマが入ると出来ずにグダグダになってしまいます。

>ケージ外でリードを付けた状態でやってもほとんどしません・・

↑ですので、結果は求めないで、指示しても出来ない時はイライラせず型をこちらから作ってあげて静かに堂々と褒めてあげることで、犬が落ち着き体で覚えていくことが出来ます。


>あおむけ固めは、だんだん受け入れてくれているようです・・

↑良い調子です。このまま続けてください。


>褒めてリードを外してやると、脱兎のごとく走り出し収拾がつかなくなる・・

↑発散も経験も必要ですので、これも今は必要なことなんです。

身体の発育のために必要ですし、捕食動物の本能としても自然なことです。

ただし、メリハリをつけて、自由運動の時間と主従関係を作る時間を意識して作りましょう。

例えば30分お庭で過ごすとしたら、①最初の15分は犬にリードを付けて持って、その範囲の中でコングをチョコチョコ転がして主導型で遊ぶ・・・その中で時々リーダーウォークをする・・・

②そして残りの15分は自由運動・・・

というように、メリハリを付けましょう。

興奮してうまくできない場合は、①と②を逆にしてみて、最初に発散させてから関係作りや物事の教えをする・・・などもやってみてください。

ただ、いずれにしてもキレイに遊べる月齢ではありません。ジタバタ・グダグダで良いんです。そういう時期です。でも、飼い主さんの意識は主導性と毅然さを貫くことを忘れないでください。

それをコツコツ続けて、犬の知能の発達に伴って、少しずつ理解し飼い主さんを認めていくようになるのです。


そして、このメリハリはお散歩でも言えます。

例えば30分お散歩をするとしたら、①15分はリーダーウォークで厳しく・・・②15分はどこかキレイで安全な場所でノンビリ座って外を観察・・・

というふうにされてください。

外を散歩する目的は、長時間動き続ける有酸素運動と、外の世界や人間の文明への社会化(順化)です。

運動自体はお家でも出来るわけですので、外の世界に慣れることを重視されると良いです。

外では「いつもリーダーウォークばかり」だと、主従関係が出来るまではお互いにイライラするだけになりますので、②のような時間を作ってあげると良いです。


>ウンチを・・帰ってからウッドデッキでするようになり・・暴れまわっている途中でするようでは、ダメですよね・・

↑まずは、どこでしても絶対に叱らないで、音の関連付けをしてあげることです。

そして、遊びで少し興奮刺激を与えて、トイレの場所で指差し音出しをすることで、条件反射で排泄するようになります。そこでまた指示音ジェスチャーでしっかり褒めてあげることで、続けることで定着していきます。


>持って来いと言っても木はほっといて犬だけ来るか、無視するかです。

↑先ほどお話したように、犬にリードを付けて持って、主導型のコング遊びをしましょう。

犬の口にわざとコングを入れて「ボール」や「キャッチ」で褒めて、「ダセ」の音で手で取り出しながら、もう片方の手の平に乗せて見せながら褒める・・・

というふうに、こちらから型を作って指示音ジェスチャーで褒めて、意味を理解させ定着させてください。


>帰宅時になでたり抱っこしたり、は、やっていました・・

↑出かける前や帰宅直後は犬と接触しないでください。留守番時とのギャップが大きくなりますので、ストレスになります。犬も人間もそうですが、良い事も悪い事も、ギャップがストレスになります。人間の出入りや気配に過敏にもなります。

それと、態度が従属的なので主従関係が崩れます。

さらに外飼いの場合は、犬がそれを学習すると「こっちに来てかまってくれ!」と要求吠えするようになり、ものすごく大変です。これが犬の外飼いの難しさです。

特にお優しい方は、「外で一人ぼっちにさせてごめんね」という感情が、犬と会った時にチヤホヤ・ナデナデしたくなる要因です。気を付けなければいけません。


そして余談ですが、個人的には犬の外飼いはおすすめしません。

もちろん、各ご家庭でご事情もあるわけですが、犬の外飼いは室内飼いよりも吠えとトイレ(食糞含む)のしつけが難しく、犬の寿命が圧倒的に短くなります。心身ともにストレスが大きいです。

今回はウッドデッキや良いゲージもすでに設置されましたので、このまま外飼いであれば、防音対策と寒暖の差が少なくなるような工夫をしてあげてください。(でも「外でかわいそう」という感情で接しないことです)


>初めはウッドデッキ内で放し飼いにしていましたが、遊ぶとき以外はケージの扉を閉めるようにしました・・

↑お写真も拝見しましたが、それで良いです。犬も安心しますし、遊びや運動は、飼い主さんが主導して時間を作ってメリハリを持ってやれば良いだけです。


では今日は以上ですが、本書はもちろん、必ずQ&Aサイトの子犬系の記事も熟読されてください。子犬の現状も理解できますし、やるべき事や意識設定もご理解いただけます。

それでは、これから頑張って続けていきましょう(^-^)


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【著者:運営責任者】
犬のしつけアドバイザー
堀川春広
株式会社ホリページ代表取締役
https://www.horipage.com/
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