子犬の飼育環境と吠え・噛むことの対処法としつけ方
今回は、将来犬と家族が笑顔で過ごせるよう、心に決めて勉強させていただきました。
・問題の内容:
■今の飼育環境で良いのか
→写真の通り、トイレとクレートの間に自動餌やりを置くので、自由に動けるスペースがなくなります。
今のゲージの左側にトイレ用のゲージをくっつけて、今のトイレスペースを広げたいと思いますが、クレートの場所は今のままで良いでしょうか?
■吠えの対処法
→普段は、一階に降りていたり、家事をしたりして、二人とも姿が見えないと吠えたり鳴いたりしています。
現行犯で叱れないのですが、現在は無視しています。
散歩中に初めて見たり聞いたりするものに吠えますが慣れると、吠えません。
初めてのお客さんには吠えますが、しばらくすると、落ち着きます。
■噛むことの対処法
→今は、手足を噛んだ時に口を押さえてしかります。→物を噛む時も対処した方がいいですか?コングに結んだ紐や、リードなど。口を押さえる時に、鼻も押さえてしまって苦しそうな時があります。
・愛犬の犬種、年齢・月齢、性別
ヨークシャテリア 4ヶ月半 雄
・飼い始めてからの年月日数
3ヶ月
・動機など
現在、私自身が治療中(病気、ケガではありません)であり、精神的な支えがあるほうが良いと考えていたことと、主人自身が犬を飼いたかったため犬を迎えました。
・ご家族全員の年代、性別
お義父さん(60代)
お義母さん(50代)
主人(30代)
私(30代)
・一日の愛犬との同居時間
14時間
・過去の接し方と、一日の流れ
①過去はどういうタイミングで、どういう「スキンシップ・遊び」をされてきましたか?
→生後3ヶ月半まではマンションに住んでいました。
朝方に一時間、私と犬で机の周りを追いかけっこしたり、おもちゃで引っ張りっこします。
共働きのため、9時から6時までは留守番をしてもらい、7時頃主人が帰宅してきたら、主に主人中心にゲージの外でお腹や手足を触ったり、おもちゃの引っ張りっこをしたり、手や足を使って遊んでいました。
後、主人はよく寝転がるので、その上に乗ったりしていました。
生後3ヶ月で引っ越しをし(ここで義両親と同居)、私達が起きてくるまで静かに待てるようになったので、朝の遊びはしていません。
→今は朝はお座りで、ポンポンと誉める程度。
帰宅後、私が30分程度おもちゃで引っ張りっこ。
→今は時間あるときは紐付きコングでの遊びと、時間ないときは、しばらく無視してお座りでポンポン。
晩ご飯中はゲージですごす(ゲージ内のおもちゃやゲージなどを噛む)
片付けが終わってから、30分程度散歩(毎回違うコース)
寝る前に時間あるときは、少しゲージ外でおもちゃの引っ張りっこ
→今は、紐付きコングで遊ぶか、お座りやフセでポンポン
②過去はどういうタイミングで、どういう「しつけ・褒め方・叱り方」をされてきましたか?
→誉め方はトイレシーツやトイレトレーで排泄した時や、手を噛まないとき、静かにゲージにいる時に誉めている。(排泄や甘噛みは声を高くして大袈裟に誉めていました。静かにしているとき「●●イイコ」の声かけ)
叱り方は、出来るだけ現行犯でダメの声かけ。
オシッコの失敗があまりに多く、無視をしながらの処理に疲れて、鼻先をオシッコにつけてしまったり、なんども続く甘噛みにしびれを切らして、思わず叩いてしまうことがありました。
→甘噛みに関しては、今は、口を閉じてダメで、ポンポンしています。
しつけは、トイレをしたらご褒美としてゲージ外に出し、失敗したら中に入れる。(シーシー、ウンウンの声かけ)
夜中に鳴いても相手をしない。
手足に甘噛みをしそうになったら、おもちゃを噛ませて誉める。
以前は、叱ったあとの誉めはありませんでした。
③過去はオヤツ、抱っこ、猫なで声でナデナデなどされてきましたか?
→オヤツをあげるとフードを食べなくなると聞いたので、1日分のフードからご褒美用として少しどけていました。
今の家では二階が居住スペースのため、階段の上り下りと病院での移動、ブラッシングで抱っこします。
普段、仕事でいないため、頻繁に声かけしていました。→今はしていません。
④過去は散歩は何分、どんなやり方でしたか?
→まだ散歩を始めて間もないですが、犬の食事前に、夫婦と犬で夜間に行きます。(今日は主人が休みで、夕方に私の会社の周りを散歩がてら歩いていました)
主に、主人が犬を連れていきます。
道が広く、二人が横並びで歩くときは、二人の間か後ろを、主人のペースに合わせて歩きます。
歩道が狭いところは、主人が前で私が後ろを歩きます。
犬は、主人の後ろを歩きます。
時々止まり、私の様子を見ながら歩いているようです。
毎回、いろいろのコース(大体30分)を歩きます。
近所に大きな幹線道路があるので、車の行き来は多いです。
歩くのは好きなようで、座りこむことはなく、マーキングの匂いを嗅ぎますが、短時間です。
始めて見たり聞いたりすることには、立ち止まったり、うなったり、吠えたりすることはありますが、徐々に慣れているように思います。
家の前が小学校と幼稚園があり、暑さと、もしものことを考えて夜間にしています。(主人が昔飼っていた犬が、子供を噛んでしまったことを気にしています)
⑤過去は一日のタイムスケジュールはどんな流れでしたか?
<生後3ヶ月まで>
午前4時半起床
→犬と遊んだり、ゲージの掃除(主人は寝てます)
午前5時半~7時半
→着替えや朝食、お弁当、掃除(犬はゲージ内で過ごす)
午前8時
→犬の朝ご飯
午前8時半
→主人と私は出勤
午後6時~7時
→私が帰宅
犬のご飯、犬と遊ぶ
午後7時
→主人帰宅
主人に犬を預けて、ご飯の用意
午後8時
→夕食(犬はゲージ内)
午後8時半~午後10時頃
→ゲージにいれたり出したりしながら遊ぶ(主人メイン)
午後11時
→犬のご飯
午前12時
→就寝(ゲージにシーツをかけ、テレビの音を小さくし、犬が落ち着ける環境を考えていました)
※今→電気は暗くし、犬はゲージ内で過ごさせる。シーツはしていません。
<3ヶ月~今>引っ越し後
午前6時半起床
→着替え、身仕度、朝食、掃除
(犬には挨拶だけをし、構いません)
午前8時
→夫起床、犬のご飯、犬のトイレ掃除、自動餌やり機のセット
午前8時半
→私出勤、夫出勤
午後6時半
→私帰宅、犬と遊ぶ
午後7時半
→主人帰宅、犬と遊ぶ(主人)
午後8時~午後9時
→食事、私片付け、犬はゲージ内
午後9時
→雨以外、30分程度散歩
午後10時半
→犬のご飯
午前12時
→就寝(就寝まで犬はゲージ内)
⑥愛犬のハウス・トイレ周りの構成、放し飼い・つなぎ飼い環境など
→基本はゲージ内、時間あるときは、決まったスペースで放し飼い。
向かって、左側は二階居住スペース入り口、奥は台所、手前は家族のくつろぎスペース、右側に寝室(普段寝る時は扉は開けて寝ます)
>今の飼育環境で良いのか・・
↑子犬が今4か月半ですので、これからまだ大きくなります。そうするとクレートハウスが小さくなりますので、もう1回買い換えることになります。
トイレ用のケージを追加するのではなく、大きいクレートハウスを買った際に、今のケージ柵の一面を外して、そこに新しいクレートハウスの出入り口を合体させたほうが良いです。
そうすればケージ内はトイレ以外のスペースが全部空きます。
もし出入り口を合体させた際に隙間ができたら、そこだけ単品の金属柵を追加して塞げば良いです。
今現在はこのままで良いです。
ケージ内には運動スペースは要りません。飼い主さんの主導のもとでメリハリをつけて出して、遊び・運動・散歩をたっぷりすれば良いのです。
>吠えの対処法・・
↑もう4か月過ぎて少しずつ体もしっかりしてきました。吠えた瞬間、「シ!」の注意音で首輪をチョンと引き上げても良いですし、仰向けしても良いですし、「シ!・・シ!・・シ!」と注意音を出しながらリーダーウォークしても良いです。
特に飼い主さんに吠える場合は、主従関係を示してあげないといけません。
ただ問題は、甘くしてしまうと「吠えればかまってもらえる」と犬が勘違いしてしまいますので、厳しい態度を貫かないといけません。
その自信がまだなかったり、来客や家事などで手が離せない時は、ケージかクレートに入れて毛布などの厚手の布を掛けて目隠ししてください。(光を通さないこと)。巣穴感覚で落ち着く犬が多いです。
クンクン鳴き程度で、ご近所迷惑にならないレベルならば、無視でそっとしてください。
散歩中に吠えた時は、「シ!」と同時にリードをチョンと引き上げて注意します。
いきなり知らない人に無理に対面させないで、例えば天気の良い日(真夏以外)にはどこかキレイで安全な場所に座って、少し離れた距離からノンビリ観察させて慣れさせていきましょう。もちろん吠えたら注意です。
たくさん経験させることと、現行犯で一貫して注意することを続けましょう。
メールを拝見する限りでは、学習能力が高くてとても素性の良い子です。
>噛むことの対処法・・
↑ダメな物を噛んだ時も、先ほどの吠えと同じようにシ!とリードや首輪のチョン引きで注意してください。コングを噛んだ時は褒めます。繰り返しでコツコツ教え続けることで、ちゃんと犬は理解していけます。
口閉じが難しい時は、お話したリードや首輪のチョン引きで注意しても良いですし、甘噛みされた場合は噛まれた指をそのまま犬の口の中に押し込むと良いです。
犬がのけ反って放すまで、ゆっくり押し込み続けます。
引き抜こうとすると、犬は抵抗反射でよけいに踏ん張って噛みますが、逆に押してみると意外にすんなり放します。
あとは、吠えのところでもお話したように、あお向けやリーダーウォークで主従関係を示すこともされてください。
【その他】
>おもちゃで引っ張りっこ・・
>手や足を使って遊んでいました・・
↑これは止めましょう。引っ張りっこは犬と対面しての力比べになるので、対抗心が出やすいのと、人間の動きに過敏に反応する癖が付きます。それによって、噛み癖・引っ張り癖・興奮癖がつきやすいのです。
>主人はよく寝転がるので、その上に乗ったり・・
↑これは止めましょう。犬も人間もそうですが、体位が関係を示します。マウンティングや飛びつきでも同じことですが、相手の体の上にわざと乗ったり、乗せられて立場を勘違いする犬が多いです。
犬は人間の体の上に乗せないようにしましょう。
スキンシップや団らんの時は、わきにピッタリ寄り添わせたり、股の間に入れてください。(犬は床です)
>声を高くして大袈裟に誉めていました・・
↑犬の興奮をあおってしまって、教えが入っていかないのと、その態度を従属的に感じる犬がいます。
褒める時もリーダーらしく、静かに堂々と褒めてください。ナデナデは従属的な下位の犬の挨拶(すり寄ってナメナメ)と同じになってしまいます。
犬の肩付近をポンポンポンで褒めて、良い型と指示音ジェスチャーとの関連付けも忘れないようにしましょう。褒める時に犬の名前を混ぜるのは良いことです。(叱る時は絶対に言ってはいけない)
>鼻先をオシッコにつけてしまった・・
>思わず叩いてしまうことがありました・・
↑これは絶対にいけません。
特にトイレだけは、いかなる場面でも絶対に叱ってはいけません。犬はただ排泄したくてしただけですので、場所の失敗という概念がまったく理解できませんし、叱られた行為と自分のした行動を結び付けて反省する知能がないのです。
叱ってしまうと余計に隠れて粗相するようになってしまいます。
それと、根本的に犬は叱られる意味をよく理解できません。人間の幼子も同じです。知能が低すぎて理解できず、防衛本能を刺激するだけになってしまいます。
特に体罰はそうです。
犬が直接噛んだり吠えたりした行為に対して、現行犯で止めさせる型を作り、そこに指示音ジェスチャーが関連付けされることでやっと理解できます。しかも繰り返し・繰り返し反復して教え、ある程度月齢が進んで知能が高くなってきてやっと身に付いていきます。
トイレの場合は、まずはどこでしても叱らないで音の関連付けを続け、その後、遊びなどの興奮刺激を与えながら音で促し、トイレで出来たらジェスチャーも交えながら褒めて、定着させていきましょう。
噛み癖の対処・教え方は、最初にお話した通りです。
>普段、仕事でいないため、頻繁に声かけしていました・・
↑普段、犬に留守番を長くさせている飼い主さんほど「寂しい思いをさせているから(自分もさみしい)」と、帰宅後や休日にベタベタ・チヤホヤしたくなるのですが、犬にとってみれば、それは留守番時とのギャップが大きくなるということです。そのギャップがストレスなのです。
もちろん、無視だけではスキンシップも物事の教えもできませんし、犬を飼う楽しみも無くなってしまいます。犬と接することが悪いのではなく、「主導性と毅然さを保って」たくさん接してほしいのです。
>主人が前で私が後ろを歩きます・・
↑道路状況にもよりますが、なるべく犬の後ろは歩かないでください。奥様が先を歩いた方が良いです。歩く順番も犬は関係性として認識します。(食べる順番などあらゆることがそうです)
>小学校と幼稚園があり、暑さと、もしものことを考えて夜間に・・
↑涼しくなったら、遠目から見せて慣れさせてください。
子供はチョロチョロ・キャピキャピするので、慣れてない犬にとっては怖い存在なのです。
慣れが無いと問題は解決しません。避けてしまうと逆に将来の事故につながります。遠目から見せて、少しずつ慣れさせていくことです。かえって、成犬としての権勢本能が出る前の子犬の内にやっておくべきです。
幼少期に色んなタイプの人に会わせて慣れさせて、人間好き・犬好きにさせておくことは非常に大切です。でも無理強いや急な対面はさせないで、遠目から少しずつ慣れさせていきましょう。
さて、今日の内容もすでにQ&Aサイトに掲載されている内容ばかりです。たくさん記事があって大変かもしれませんが、しっかり熟読されて、知識と意識を深めていただきたいと思います・・・