犬のしつけがQ&Aで分かる!

犬に主人として認められるためにはどう接していけばいいか?

質問内容内容:我が家の犬はもうすぐ4カ月になる雄のコーギーです。家に迎え2カ月弱になります。躾でいろいろ悩みがありますが、特に悩んでいるのは吠える・噛むことです。

主人と2人暮らし(共に40歳)で、世話は2人でしていますが、朝は主人だけが行っています。主人は犬好きで普段から温厚な性格のため、犬に対してもやさしく構っています。(叱る時は叱ります)

一方私は神経質で厳しい面があり、犬に対しても叱ってることが多く冷たかもしれません。また、犬を飼うのも初めてで最初はビクビクしたり気にかけて犬の行動を伺っていたため、犬から下に見られている感じがします。

普段2人でいると犬は主人の側に寄っていきます。私1人だけの時でもあまり来ません。

悩みの吠え・噛むについてですが、吠えに関しては、インターフォン・電話でも鳴くようになってきました。ただ、それ以上に私に対しての吠え(要求吠え)が多くて困っています。

夫婦共働きで日中はお留守番(12時間くらい)の状態です。私が先に帰ってきた時に、犬のトイレの片づけや家事をするため犬から離れたり、ゲージに入れたままにすると「ワンワン(かなり大きく 声低い)」 と鳴きます。要求吠えと思っているので無視しているのですが、鳴きやんだ頃に行くとまた吠えたり、私の腕を噛んだりします。

また、犬をゲージに入れていて私がソファーに座っていても「出せ」と吠えます。この時も無視して鳴きやまないようであれば別の部屋に行きます。

ただし、マンションのため苦情が心配であまり長く無視できないことが多くあります。

噛むことに関しては、叱った時(家具をかじった時等)や誉めようとした時(お座り出来た時等)に、手を近付けると噛んできます。噛み方としてちょっと噛んで離れ、また近寄って噛むといった具合で す。「駄目」と言うと遠くに逃げて伏せをして私を見ています。

手を上から近付けると駄目だと聞いたので下から手を近付けてみましたが変わりません。

これらの行動は主人にはほとんどせずに私に対して行われます。主人に対しては、おとなしく待っているか、鳴いた時も「キュウ~ン」とか「キャンキャン(高い声)」といった鳴き声だそうです。この差からすると私は犬に嫌われているんでしょうか?私は飼い主には向いてないなのかもと悩んでいます。

また、本を読ませていただいて、主従関係を築くために1日に何度か(興奮した時とか)仰向けにさせています。すぐにおとなしくなるのですが、「いい子」と言わない前にバタバタして逃げてしまうので、犬は嫌なことされていると思ってしまい、ますます私から離れていくようで心配です。ベタベタしすぎない、気にしすぎないと思い接しているのですが、構ってくれる主人の近くにいるほうが犬も落ち着いているような気がしてなりません。

私自身、犬を飼うのは大賛成ではなかったため、犬に対しての愛情も主人と比べると少ないのかもしれません。ただ、家族となったからには犬と良い関係を築きたいと思っています。そのためには飼い主がしっかりしないとと思っているのです が、思えば思うほど空回りばかりしているような気がします。

これから散歩デビューもあり(まだワクチンが終了していないため散歩してません)、犬と私だけの関係も増えてきます。主人として認められるためにはこれからどうやって接していけばいいでしょうか?

 

返答内容

今回は、過去の接し方を中心にもう少し具体的に伺いたいと思いました。サポート要領でもご案内しております通り、下記のお知らせ項目をご通知いただきたいと思います。

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・過去の接し方と、一日の流れ ※①~⑥は必ずお知らせください
【ポイント】(※本書を読む前の、以前の状況を正直にお知らせください)
①過去はどういうタイミングで、どういう「スキンシップ・遊び」をされてきましたか?
②過去はどういうタイミングで、どういう「しつけ・褒め方・叱り方」をされてきましたか?
③過去はオヤツ、抱っこ、猫なで声でナデナデなどされてきましたか?
④(散歩はまだできない)
⑤過去は一日のタイムスケジュールはどんな流れでしたか?
⑥愛犬のハウス・トイレ周りの構成、環境など(なるべくお写真メール添付でお願いします)
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そして上記に追加で、

⑦誰かが家に居る時は犬は放し飼いですか?
⑧ご夫婦が二人で居る時はケージ内で犬は要求吠えしますか?

もお知らせくださいませ。

その中で、特に①②③を、ご夫婦でそれぞれどうされてきたか具体的にお知らせくださいませ。

では、お待ちしております。

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過去の接し方について回答します。

①スキンシップについては、結構犬を触ったりだっこしたりしていると思います。
日ごろ仕事でお留守番させているため、犬と一緒にいる時間がないため、私から触りに行くという感じです。(嫌がられますが・・・)

遊びには、コングやタオルで引っ張りあいとかボールで遊ばせたりしています。最近ボールに紐をつけてみました。1日15分~20分くらいです(夜)

私と主人を比べると私のほうがあまり接していませんし、ムラがあると思います。(接しないときはソファーに座って近付かない、ゲージに入れるとか)主人はいつも同じ態度で接しているような気がします。犬と同じ床に座ってよく犬に話かけています。

②餌を見せながら、お座り、伏せ、待てを躾しています。最近は餌がなくてもお座り、伏せはできるようになりました。今はおいでを練習中ですが、餌を使わないと出来ないし私ではなく餌を見ているのはわかります。

最近は遊びの最中にお座り、伏せ、待ても入れています。主人は出来た時にはオーバーに誉めていますが、私は性格的に叱ることは強く言えても誉め方がオーバーにできません。

③オヤツはお正月にリンゴをあげてしまいました。普段はあげません。抱っこ、猫なで声でなでなでは今もしています。主人も同じです。

⑤1日(平日)の流れは
6:00~7:00 主人が餌やトイレ掃除し、家の中で散歩の練習をしたり、遊ぶ
私は6:30くらいに起きますが、仕事の準備をしてほとんどかまってません。
7:00 主人出勤 犬はゲージに入れます。
7:15 私が出勤
7:15~19:00 一人でゲージで留守番(長くて犬に申し訳ない気持ちです)
19:00~20:00 帰ってきたら犬にご飯をあげます。
トイレ掃除や自分たちの夕ご飯を作り、犬はリビングで遊ぶ(というか、私を見て吠えたりしてあきらめると一人で遊ぶか暴走している)
20:00~23:00 主人が帰宅して夕ご飯食べたりする時はゲージに入れたりします。(吠えるから)
その後は、3人で遊んだり躾の練習したりします。(この時は、犬に結構触れてます)

23:00にもう1回餌をあげます(仔犬は3回と言われているのですが、この時間の餌はあまり食べなかったりします)
23:00~ 就寝
*土日は夜の部分が早まります。昼もゲージから出したり遊んだりします。

⑥リビングにゲージを置いています。トイレもゲージの中にあり、仕切り扉があります。犬がいるスペースとしては半分にベットを置いてその残りはプラスチックトレーのままでしたが、あまりベットに寝ないので、最近は半分のスペースで犬いっぱ いになったため、ベットは取ってしまっています。

トイレも小さくなってきて、ゲージから出した際にトイレ側の扉から入った時に前足しか入っていないのにしてしまうこと多くなってしまいました。

写真添付できませんでした。すみません。

⑦ゲージから出すときは最近まで、リードをゲージにつないで行動範囲を狭めていました。→フローリングに行かないようにと、飼い始めゲージから出したら、ものすごく動き回り触ることもできなかったため。

最近、 リードでつないだままだとストレス解消されないかなと思い、リードをやめました。ただし、フローリング部分にいかないように部屋に仕切りを置いています。ソファーが少し高いのですが、そこに飛び乗ってしまい、降りるときに足に負担がかかっているのではと心配で、仕切りについてはさらに検討中。

⑧二人でいる時は要求吠えはしません。ただし、二人ともいるが、私だけリビングにいて主人が視界に入らないような時は、出せと要求吠えしたりはします。

何かこう書いてきたら 、私は主人に比べると良い接し方をしていないと反省してしまいました・・・
よろしくお願いします。

 

返答内容

まず全体的なお話からですが、奥様も旦那様も、それぞれ良かった接し方・悪かった接し方があります。

そして、今の月齢では良くても、これから問題になってくる接し方もあります。


まず、生後4・5か月くらいまでの子犬では、何かを無理に教え込んだり厳しく叱ろうと思われない方が良いです。もちろん態度は毅然としないといけないのですが、結果は一切期待しないことです。

「早く結果を出したい、この先が不安・・」という思いが、無意識に焦りになり、気が付いたら感情的に怒っていた・・・ということがよくあります。

とにかく子犬の知能が低すぎる時期ですので、厳しく叱っても意味がよく理解できず、防衛本能が刺激されるだけになってしまいます。

そして、家族間で差があるとさらにそうなってしまいます。

皆で一貫性をもってやり続ければ、犬も理解できるのですが、人によって差があると、厳しくする人に対して敵対心だけがつのってしまいます。

さらに今回は、日中の留守番がとても長いです。その分を取り戻そうと、しつけも遊びも無理をしてしまうのです。

でも、犬からしてみたら、それは留守番時とのギャップが大きくなるだけです。このギャップは、つまりストレスなんです。

まずはあせって結果を求めないこと、ギャップを大きくしないことを意識しましょう。

・夫婦間のギャップ
・昼夜のギャップ
・平日と休日のギャップ

です。「留守番が長くて犬に申し訳ない気持ち」と「しつけが遅れて不安な気持ち」がギャップを作ってしまいます。


そして、もう過ぎたことなので余談ですが、生後4か月未満の子犬に12時間の留守番はあまりにも長すぎます。

情緒も不安定になりますし、トイレのしつけも難しいですし、一番良くないのは何も食べれないので低血糖になってしまうことです。

まだ幼いので、作り置きで大量にエサを置いて行くのも危険です。

もし今後また子犬を飼われることがあるようでしたら、同じことはしてはいけません。

また、一番良いのは6か月くらいまでは誰かがお昼に一回帰って、エサ・トイレ・水の世話が出来ればベストです。

6か月過ぎて歯が生え変われば、消化器官もシッカリしてきますので、朝と夜の2回で良いです。

ペットショップは子犬を売りたいので「大丈夫です」と言いますが、「最低限死なない程度に大丈夫です」という意味です。


では個別に見ていきます。

>結構犬を触ったりだっこしたりしている・・
>抱っこ、猫なで声でなでなでは今もしています・・

↑月齢的にはそろそろ止めないといけません。犬の本能には従属的に映る態度なのです。これを続けると、権勢本能や成犬としての感覚が鋭くなってくる時期に完全に主従関係が逆転してしまいます。

子犬でも感じる本能は持っていますので、要注意です。

かと言って、犬と接することが悪いのではありません。スキンシップも大事ですし、物事も覚えさせないといけませんし、主従関係を教えなければいけません。

でも、いきなり厳しいリーダーウォークも仰向けも無理ですし、犬が理解できず防衛本能が刺激されるだけになってしまいます。

そこで「遊びを通じて主導性と毅然さを見せてあげること」なんです。


>家の中で散歩の練習をしたり・・

↑これがまさしくそれなんです。おそらく遊び半分でされていたと思います。

犬にリードを付けて、飼い主さんがそれを持って一緒に過ごすだけでも、自然と犬の行動全体を主導する形になりますので、自然と示せるのです。

これが良かったです。ですので、団らんでも遊びでも、犬をケージから出す時は常にリードを付けて持っておく癖にしてください。

それが出来ない時間帯は、出さないことです。リードを付けてどこかに繋ぎっぱなしは厳禁です。


ですので、家事をしている時に犬が吠えるようならば、リードをご自分の腰に一周縛りつけてそこに犬を付けると良いです。(動くときに犬を踏まないようにご注意です)

犬は一切無視してそれをやると、毅然さと主導性を自然と示すことができます。

それと、もしそれをしている余裕が無い場合は、ケージに毛布など厚手の布を掛けて目隠しするのも良いです。

静かになったら数センチだけ開ける・・それでも静かにできたらまたもう少し開ける・・・というふうに、これもギャップを作らないように少しずつ適応させてください。

ただし家に居る時に、「常に犬を出してリードを付けて・・」だけをしてしまうと、それも犬の癖になり、要求の対象になりますので、やる時は毅然さを貫くことと、「ケージの布掛け」も併用してください。


>タオルで引っ張りあい・・

↑これはいけません。対面しての力比べになりますので、対抗心が強くなったり人間の動きに過敏になる癖がつきます。興奮癖・噛んで引っ張る癖がつきやすいです。

あくまで、追わせる対象はコングにしてください。

それと、散歩をしない日は最低でも遊びを30分以上してください。もう4か月ですので、体力もついてきてエネルギーがあり余っています。

散歩が始まれば、犬もまた変わってきますが、散歩をした日でも、主導型コング遊びで狩猟本能の発散と主従関係作りは少しでも取り入れてください。


>主人は出来た時にはオーバーに誉めて・・
>私は性格的に叱 ることは強く言えて・・

↑これは両方いけません。オーバーに強く叱ることも褒めることもいけません。犬は興奮があおられるだけでせっかく教えても理解できなくなってしまいます。

そして、怒声で怒っても防衛本能が刺激されるだけですし、オーバーに褒めると従属的に映ります。

叱る時も褒める時も、リーダーらしく静かに堂々としてください。

そして、犬を「叱って直す」という感覚は持たない方が良いです。犬は自己否定したり、叱られたことと自分がした行為を結び付けて反省する知能がほとんどありません。

叱ることは、あくまで褒めるための過程です。

注意音と同時に、悪い型を止めて良い型を作ってあげて、そこに指示音ジェスチャーを関連付けながら、ポンポンポンで褒める・・・ここまでをセットにしてください。


何気ない接触も、ただ意味なく猫なで声でナデナデではなく、オテでもスワレでも何でも良いので何か犬に指示を出して行動させて褒める・・・指示で出来なければ、こちらから型を作ってあげて、指示音ジェスチャーで褒める・・

そういう接し方ならば、スキンシップにもなるし、物事も覚えるし、主従関係も保てる・・ということなのです。


では今日は以上ですが、同じような状況だった例はQ&Aサイトにもたくさん載せてあります。そして、まだしばらくは子犬の知能も経験値も何もない猛獣状態(笑)ですので、一切期待してはいけません。

7・8か月からやっと知能が高くなってきますが、そこでもまだ、ただ単にズル賢いだけ(笑)なんです。

1歳過ぎるまでは、そんなレベルだと思っていてください。

ただ、吠えとなるとご近所迷惑もありますので、忙しい時は「ケージの布掛け」、時間がある時は「犬にリードを付けて持って毅然と過ごす」(そろそろリーダーウォークも始めて良い月齢です)ということをしてください。

そして、「主導型コング遊び」でしっかり遊びながら関係作りをし、発散もさせる。お散歩デビューも少し遅れています。お散歩が始まればまた変化もあるでしょう。

まずは旦那さんと良く話し合って、ルールを決めることと、強弱のすり合わせを指摘し合いながら調整していくことです・・・

 

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【著者:運営責任者】
犬のしつけアドバイザー
堀川春広
株式会社ホリページ代表取締役
https://www.horipage.com/
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