犬のしつけがQ&Aで分かる!

犬のしつけ飼い方で外飼いの環境・吠え・散歩時の臭い嗅ぎ・遊び

質問内容はじめまして。堀川さんの書籍を子犬の購入と同時に読み始めました。書籍は解りやすく何度か読み返しました。

Q&Aは「はじめに犬のしつけとは」と、気になる質問を読みました。が、事例がとても多く参考になって良いのですが、色々読んでいくと前に読んだ大切なことを忘れているような気がして心配になりました。

また、「Q&A集は他の犬の・・・・」の注意書きを何度も見ているうちに、直接聞いてみたほうが良いのかと思いメールしました。

・愛犬の犬種:柴犬で月齢5ヶ月。性別メス。飼い始めてから約3週間。外飼いです。そして先住の雑種犬12才オスがいます。この犬も外飼いです。

・家族構成:夫婦二人と子供二人、祖父母で6人家族です。


・子犬購入からの接し方

①過去はどういうタイミングで、どういう「スキンシップ」をされてきましたか?
自営業のため10時と15時の休憩中に、お座り・オテ・あお向けをしています。

②過去はどういうタイミングで、どういう「遊び」をされてきましたか?
質問③にて。

③過去はどういうタイミングで、どういう「しつけ・褒め方・叱り方」をされてきましたか?
スキンシップ=しつけ(お座り・オテ・あお向け)です。
褒め方は肩のあたりをポンポンで「よし」です。
叱り方は甘噛みの時は口を閉じて「ダメ」、また口の前に手を出し噛まなかったら「よし」です。

④過去はオヤツ、抱っこ、ナデナデ、声かけなどされてきましたか?
オヤツはあげません。
抱っこ、ナデナデは妻が可愛いからとしていましたが、最近やめてくれました。子供がたまにします。
意味の無い声かけはありません。

⑤過去は散歩は何分、どんなやり方でしたか?
1回20~30分を1日1~2回

⑥一日のタイムスケジュールはどんな流れでしたか?
7時 エサ・散歩(30分)
10~15時 休憩所にてリードで係留(10時~12時、いったん犬小屋に戻り15時に休憩所とい うことも有り)
17時 散歩
19時 エサ


・愛犬のハウス周りの構成、環境など
・ケージ、ハウス、トイレの写真などありましたらファイル添付ください
ファイル添付しました。(今後、0.7坪程の屋根付きの檻の中に犬小屋を置く予定です)

●今回質問したい子犬についての状態・性格(個人的な見解です)

飼い始めの何日かは声帯がおかしいのかと思うぐらい吠えませんでした。基本的に吠えるということが殆んどありません。小石に向かって吠えたりするようなことが何度かあっただけで、最近はそのようなこともありません。

人なつこい性格なのか、知らない人に吠えることもなく「かわいいね~」と言われながら撫でられています。

散歩では主人より前に出て引っ張ろうとせず、アスファルトで子犬から1m程近くに草むら等が無ければ、リーダーウォークの様なものができています。

飼い始めから「あお向け」を徹底したせいか、よしよしと肩をたたいてるうちに自らあお向けになります。逆にお座りの練習で腰を上から押すだけであお向けになることも多く、お座りの練習が進みません。

●家に先住犬(12才)がいます。噛んだり凶暴ではないのですが無駄吠えが悩みでした。来客や風が強い日、遠くで雷の音がしてたり、訳も分からず吠えてる事もありました。電気が流れる首輪や天罰等を行いましたが、駄目でした。

夜中に吠えることも多く 大変でした。現在は年のせいか以前ほどは吠えなくなり、先住犬については躾はあきらめています。

先住犬の無駄吠えへの躾で苦労をしたため、子犬には吠えることが殆んどない様に躾を行いたいと思っています。

質問①

現在のところ殆んど吠えた事がありません。ただ、1~2日に1回ぐらい吠えるのですが(何に吠えてるのか分かりません。ちょっと遠くを見て吠えている気がします)、その時に無駄吠えへの躾は現行犯で行うと書いてあったので、注意しようと思 い玄関を開けるとそれまで吠えていた犬が、吠え止み私の方をしっぽを振って見ます。

犬がしっぽを振っているところへ駆けつけて口をふさいで注意するのですが、これでいいのでしょうか?

質問②

リーダーウォークについてですが、犬が先に行こうと引っ張るというのは殆んどありません(幸運なことに)。ただ、道端の草むらに興味があるらしく真横に引っ張り匂いを嗅ごうとします。

私は真っすぐ歩く、リードが真横に引っ張られるという感じです。芝生の様な草むらを歩くと、匂いばかり嗅いでいて私が止まっても向きを変えても犬にとっては何も変わりません。こういう場合どうしたらいいのでしょうか?

質問③

ひも付きボールに少しじゃれる程度であまり興味が無さそうなうえ、私が「だせ」で手を出すか出さないかのうちに咥えるのをやめてしまうため、 特に遊びは無かったのですが、昨日は狂ったようにボールを追いかけ落ち着きがなくなり、私の方を見向きもしませんでした。

落ち着きがあるのがとりえで良かったのですが、この様なボール遊びを続けていくと落ち着きのない犬になってしまいそうで、今後ボール遊びをしていいのかどうか考えてしまいました。

長くなりまして申し訳ありません。返答は急がなくても大丈夫です。手が空いたときにでもお返事ください。

 

返答内容

犬の外飼いも室内飼いも、それぞれメリット・デメリットがあります。

外飼いの場合は、いつもナデナデ・チヤホヤすることがないので、室内飼いに比べれば主従関係が大きく崩れる要素はないのですが、吠えとトイレのしつけがとても難しいのです。

それはやはり、現行犯でその瞬間に教えることができないからです。

①吠えのしつけ

>しっぽを振っているところへ駆けつけて口をふさいで注意するのですが、これでいいのでしょうか?・・

↑これは絶対にいけません。犬は数秒前にやったことを叱られても意味が分かりません。ましてや今、犬は「シッポを振って静かに待っていた」わけです。

そこで叱ったら犬は大混乱で、単なる人間嫌いになるだけです。

犬の外飼いで吠えのしつけは本当に難しいのです。本来は、犬は室内飼いにしていただきたいのです。

しつけの面だけでなく、犬の健康にも大きく影響します。寒暖差のストレスや血行不良・音や臭いや視覚刺激による緊張の連続というのは、活性酸素をためこみ炎症を起こし、臓器の機能不全になるか癌で死ぬことになります。

犬は番犬としての特性を、何万年もかけて人間に強化されてきた動物です。その習性は簡単には消せません。

ちゃんと準備をすれば、家の中が汚れたり臭くなることはありませんので、出来れば室内飼いにしていただきたいのです。

しかし、どうしてもご無理であれば、同じ外飼いでもストレスを減らす工夫をしないといけません。

まず、鎖などでの直接の繋ぎ飼いが激しいストレスです。「外敵は侵入しやすい・でも自分は逃げられない」ということが分かっていますので、これは神経質になります。

「行動範囲が広い・狭い」という意味ではありません。犬はむしろ狭くて暗い場所が落ち着きます。

ですので、まずは暗くて狭い巣穴感覚の犬小屋は必須なのと、それを囲うケージ(柵)が欲しいのです。

>今後、0.7坪程の屋根付きの檻の中に犬小屋を置く予定です・・

↑ぜひそうしてください。できれば、去勢・避妊して二頭一緒に居させてください。遊び相手にもなりますし、子犬の教育もしてくれますし、安心するのでストレスや吠えにも良い影響が出ます。

狭くても良いんです。外敵が侵入しない安心感と自分も逃げれる安心感です。そして、道路から離れた場所で、人や車などの往来がない事です。

見取り図を拝見しましたが、良くないです。家から相当離れていて家族が見えませんし、すぐに教えることもできません。そして、「休憩所に連れて行き繋ぐ」ということが一番よくありません。

犬の居場所は固定してあげてください。安心できる「巣穴」に居させてください。アチコチ移動するということは、その範囲が自分のテリトリーになります。

テリトリーが広いほど、それを守ろうとする神経を使います。過敏になります。

テリトリーが広いわけですので、遠くの音にも反応して吠えなければいけなくなります。

これはとてつもないストレスなんです。

見取り図を拝見する限り、道路に面してはいませんので良い環境です。犬小屋を自宅にくっ付ける配置が最善です。普段はそこにずっと居させてください。社交化は、散歩でも何でも、飼い主さんが時間を作って外に連れ出せば良いだけです。


②良い基準値は今の時期に作っておいた方が良いです。

例えば、飼い主さんが道路の右を歩くのであれば、犬は飼い主さんの左に付かせるように練習しましょう。

リードを短く持って犬をピッタリ左わきに付かせ褒める・・ちょっとリードを緩めてみる・・犬が勝手な方に歩いたらまた引き寄せてピッタリ左わきに付かせ褒める・・・

こんな繰り返しで習慣付けてあげましょう。

ただし、いきなり誘惑の強い場所で練習しても難しすぎますので、まずは草などがない自宅の敷地内でたくさん練習することです。

「人の左に付く」という癖が、犬の中で定着していきますので、それまでは毎日毎日繰り返しましょう。

そして、犬にもいろんな経験・発散もさせないといけません。場所を決めて時間を作って、そこで飼い主さんの監視のもと、ゆっくり臭い嗅ぎをさせれば良いです。満足するまでクンクンさせる時間も作って良いです。飽きればまた歩きたくなるものです。

飼い主さんが止まって「クンクンよし」と言った時は臭い嗅ぎして良い・・でも飼い主さんが歩いている時は付いて歩かなければいけない・・というメリハリを毎日経験させてあげることです。

ですので、「今は歩く」と決めたら、毅然と「ダメ」でリードを引き上げて臭い嗅ぎを阻止してください。小走りや早歩きでそこを去っても良いです。併用してください。

腐肉食動物にとっては、草や土の臭いはとても強い誘惑ですし、まだ成犬にならない間は経験不足で興味しんしんです。

しばらくは結果は求めないで、淡々と教え続けることです。


③ボール遊びはしてください。捕食動物の本能は発散させてあげないといけません。

そして、スワレ・マテなど、こちらから型を作ってあげることです。犬任せにするから「遊ばない」「興奮しすぎる」ということになります。

犬にリードを付けて、コイでしっかり引き寄せて褒め、首輪をつかんでスワレの型を作り褒め、ダセで手で取り出し手の平に乗せて見せて褒める・・犬が落ち着いたらまた転がしてあげる・・

「何をどうすれば良いのか」を、こちらから型を作ってあげて犬に体現させることです。

まだ成犬になっていない、経験も主従関係も何もない段階の犬は、単なる小さな猛獣です。

指示だけで何かさせようとしたり、ちょっと教えてすぐ結果を求めても無理なのです。子供にハシや鉛筆の持ち方を教えるように、その都度その都度、何度も何度も型を作ってあげて、体現させて教えていかないと理解できないし定着もしないのです。

では今日は以上ですが、これから反抗期もありますので、1歳までは変化が激しいです。

良くなったり悪くなったり、性格が変わったりする感じも出てきますが、動揺しないで毅然とやるべきことを続けてください。今はそういう時期です・・・

 

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【著者:運営責任者】
犬のしつけアドバイザー
堀川春広
株式会社ホリページ代表取締役
https://www.horipage.com/
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