犬のしつけがQ&Aで分かる!

子犬のしつけ飼い方で食糞・甘噛み・要求で吠える

質問内容・ボストンテリア犬の男子・間もなく3か月・飼い始めてちょうど1週間目です。

・家族構成 50代夫・私・20代娘&息子。私以外はフルタイム就労。

・過去の接し方と、一日の流れ ※①~⑥を必ずお知らせください
【ポイント】(※本書を読む前の、以前の状況を正直にお知らせください)

「スキンシップと遊び」・サークルから出していじりながら、ボール遊び等をする。まだ子犬だからしつけは無理だろうという考え方で、噛まれてもそのまま。おすわりだけはできるので、よくできたねーとデレーっと褒める。

予防注射はしていないので、散歩はまだ。

サークルから、要求吠えをする。ご飯の後にサークルへ戻すとひとしきり吠え続ける。私が4時くらいに起床すると起きていて(その時に起きるのかも?)昼もあまり寝てなくて、子犬は14時間くらい寝るなんて言うのは間違っているのではないかと思いました。

トイレは、おしっこはトレイにするのですが、やはり命中できないこともあります。ウンチは、朝私が起きる前にしている時や日中でも見ていないと食べたりしているみたいです。子犬なので、食糞だとは思わないのですがやはり止めさせたい。

ただ四六時中監視できないし困ります。ダメということは言うのですが、何がダメなのかわかっていないようです。サークルは90X60くらいで、中にベッドとトイレトレーを入れればほぼいっぱいです。

他にハウスを置くスペースもないのですが、室内放し飼いにするつもりはなく、以前にyahoo知恵袋か何かで、そういう人はペットを飼う資格ないなんて書いてありました。

他の誰かと同じように、盲導犬やセラピードッグのイメージを膨らませていたので、毎日ウンチのついたトレーやタオルを洗い、汚物の世話をしているだけで楽しくもなく、ちょっとうんざりしています。

夫は、動物が大好きなので、甘噛みOKで、子犬にしつけなんてできないと考えています。ボステリは、暇さえあれば、サークルの網を齧り、トイレやベッド(プラ製)も齧り飛び跳ねて暴れます。一歩外に出せば、狂ったように走り回り、もちろん抑制できません。

堀川さんが言われるように、小さい猛獣です。丸くなって寝ているときはかわいいんですけどね。

すみません、ご相談の主旨がよくわからないですよね。
トイレ(食糞?)のことが一番問題です。サークルに仕切りのあるものが良かったのかと思いますが。

ご飯は、サークルの中で食べさせるのでしょうか?
あまり寝ないのは、運動が足りないのだと夫が言いますが、そうでしょうか?
狂ったように飛んだり跳ねたりが必要なのでしょうか?

ボステリはパワフルだとは聞いていましたが、これほどだとは思いもしませんでした。

20年近く前に、パグを飼っていました。若年性と思われる糖尿病で数年の命でした。食餌量に制限が有ったため、何時も空腹状態で、食糞が常態化していました。お互いに辛い思いはしたくないので、ずっと諦めていたのですが、やっぱり飼いたいねということで、今回迎え入れました。大切にしていきたいのでどんなことでも結構です。

アドバイスお願い致します。長文になりまして申し訳ありません。

 

返答内容

まず、優先順位をもし決めるとしたならば、食糞は最後です。甘噛みと要求吠えのしつけを優先しないといけません。

そして、子犬のしつけは家に来た瞬間から始めないといけません。と言っても、「アレコレさせて教える・・」ということではなく、「チヤホヤしない!」ということです。

そういう普段の何気ない接し方から全てが、犬の問題行動に関わっているからです。例えば食糞でも要求吠えでも同じですが、チヤホヤされる癖が付き人間との関係を誤解しているから要求するわけであり、要求が満たされないからストレス行動を見せるわけです。

犬のしつけは、あらゆること全てがつながっています。これを絶対に忘れてはいけません。

もともと犬は本能で糞を食べる場合があります。まだ栄養が残っているのでそれを感じ取って食べます。犬はミミズの干からびた死骸でも・腐葉土でも・肥料でも食べます。犬は本来腐肉食動物だからです。

犬の食糞は自然な行為でもあります。ただし、それをストレスが増長させているのも事実です。寝ないのもストレス・興奮が影響しています。

犬の問題行動は、「アレコレ手法を使って止めさせる・・」ではなく、「問題行動を起こしたくなる原因を考えそれを改善する」ことの方が100倍大切です。

そして、「問題行動を起こしたくなる原因」を作っているのは、ほぼ100%人間側です。今回で言えばチヤホヤしたことです。特に、家に来た最初の数日が大事です。犬はそこでもう基準値を作ってしまうからです。

さてまず、食糞そのものは、すぐアレコレして直そうと考えないでください。トイレのしつけ全般にも言えますが、絶対に叱ってはいけません。よけいに隠れてしようとするからです。

まずは普段の何気ない接し方を根本から変えること(飼い主さん家族の意識改革)でストレスを与えないことと、食事回数を分散すること、ウンチをしている場面を現行で見かけたら静かにマテの指示で回収しながら静かに褒めること・・この繰り返しで良いです。

食糞防止シロップなども売っていますが、ほとんど効かないので買わない方が良いです。

最初にお話したように食糞のしつけは無理に意識しないでください。本来は犬のしつけの中でも一番難しい部類に入ります。それよりもまずは、根本の関係作りや人間との接し方のルール・基準値を幼少期にしっかり植えつけることです。

これから接し方を変えていくと、一時的に犬のストレスは増します。今までチヤホヤしていたので、そこから変わると当然犬は面白くないのでイライラ反発もしてきます。しかし、これは通るべき道ですので避けられません。やるべき正しいことは毅然と一貫してください。

そしてそれは、「アレもしよう・・コレもしよう・・」ではなく、「何もしない・・」ということも時に大切だということです。意味なくジロジロ見つめ、声掛けナデナデ抱っこにオヤツ・・これらはすべて、犬の本能にとっては主従関係の誤解を与える行為なのです。

下位の犬は、上位やリーダーにすり寄ってナメナメ挨拶してきます。上位は下位に、飛びつきやマウンティング行為で、相手の体の上に乗ろうとします。それと同じことなんです。だから誤解します。子犬ですので知能は低いですが、「本能の感覚」は鋭く持っているのです。

要求吠えは、一貫して口閉じで叱ってください。甘噛みも同じです。もう生後1か月も過ぎると、親犬はチヤホヤなど一切せずに淡々と子犬を叱ってしつけます。それを数か月続けてやっと少しずつ消えていく・・そういうものなのです。

甘噛みの場合は、口閉じも良いですが、噛まれた指を子犬の口の中に少し押し込むのも良いです。「シ!」の注意音と同時にそれをやって注意してください。また手を見せる→噛んだら「シ!」の注意音と同時に押し込みで注意→また見せる・・というふうに集中して反復で教えていきましょう。

手を見せても噛まない瞬間がきますので、「○○良い子」で肩付近を軽くポンポンして褒めてください。それで興奮してまた噛むこともありますが、そうしたらまた同じ教えを繰り返してください。

普段の何気ない接触や遊びも、常に主導性と毅然さを意識してください。「ちょっと犬を触りたいな・・」と思われたら、オテでもスワレでも何か指示を出して行動させて褒めてください。指示で出来なければ型を作って教えて褒めます。

遊びは主導型のコング遊びにしてください。3か月過ぎたので少しずつ運動もさせていきましょう。遊びや散歩も始まればストレスの度合いもまた変わってきます。

犬のしつけが浸透するまでしばらくは、ケージから出すときはリードを付けて持っておく癖にしましょう。行動全体が主導できます。トイレの失敗も暴走もある程度防げます。お散歩デビューの練習にもなります。

リードを付けてコング遊びでもすれば、楽しく慣れていけます。

ただし、最初からガツガツ制御したりいきなりリーダーウォークはしないでください。何日もかけて首輪とリードに慣らしてください。最初は付けるだけで持たないで、プラプラしたまま遊べば良いです。

その中で時々持ってみる・・一緒に歩いてみる・・というように、優しいレベルから徐々に段階を作ってあげると良いです。

>他にハウスを置くスペースもない・・

↑もしケージの柵が分解できるタイプなら、可能です。柵を一面外してその中にハウスを入れて位置を調節し、そこでヒモで結びつければ良いです。ベッドが入るスペースがあるのならば、そこにクレートは置けます。クレートの中にベッドを入れましょう。(ベッドはなくても良いですが)

ですが、いずれにしてもまだ3か月で特に男の子ですので、これからまだ大きくなります。6か月くらいでだいたい将来の大きさが見えてきますので、また半年過ぎたら再考されてください。

あるいは、既存のケージの柵の一部と天井に木の板でもくくり付ければ、それも立派なハウスになります。

>ご飯は、サークルの中で食べさせるのでしょうか?・・

↑そうしてください。落ち着いて食べれますし、「ハウス」が良い場所だということをしっかり理解させないといけません。

>あまり寝ないのは、運動が足りないのだと夫が言いますが、そうでしょうか?・・

↑一部あります。散歩が始まったり主導型のコング遊びをしていけばまた変わってきます。そして主原因は、最初にお話したようにチヤホヤされる癖がついたことによるストレスです。

>狂ったように飛んだり跳ねたりが必要なのでしょうか?・・

↑犬の遊びは本来激しいものです。ボステリ君はこの月齢での普通の行動をしているだけです。もちろんストレスの影響もありましたが、捕食動物としての本能の発散も必要です。

>盲導犬やセラピードッグのイメージを膨らませていた・・

↑盲導犬やセラピードッグも世話は同じで大変です。排せつ物の処理やグルーミングだって犬は自分で出来ません。

人間というは、入ってくる情報を自分の都合の良いように処理するので、現実とのギャップが大きくなります。ましてやテレビや映画は編集して良いところだけを見せています。

しかし、反対に言えば、普段テレビでは分からない「素晴らしい感覚」も発見することができます。オヤツや犬のしつけグッズに頼らないで、良い関係が作れた犬との暮らしは、想像をはるかに超えて素晴らしいものです。

もちろん、それは子犬の知能ではまだ無理ですし、月日を重ねるからお互い理解しあえる部分もあります。焦らないで急がないで、長期目線で続けることです。

知能の高い人間の子供ですら、物事を理解し成長するまで何年もかかります。相手は知能の低い犬です。ましてや子犬です。知能も経験も理性も何も無いのです。今は求める時期ではなく、ひたすら「与える時期」(教える時期)です。それは理解してあげないといけません。

絶対に、「ご家族全員で」本書内の子犬編・Q&Aサイトの子犬カテゴリ・メールでご案した子犬解説ページ・本書の販売サイト・メールの返信・・を熟読してください。

そして、家族会議です。接し方のルール作り、意識の共有、まずはそこからですね・・・

 

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【著者:運営責任者】
犬のしつけアドバイザー
堀川春広
株式会社ホリページ代表取締役
https://www.horipage.com/
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