犬のしつけがQ&Aで分かる!

病気の迷い犬のしつけ飼い方

m1.png初めてメールいたします。昨年12月15日迷い犬と出会いました。
市役所で一時保護したあと、飼い主が現れないので私が引き取った後いったん知人に預けましたが、結局我が家で暮らすこととなりました。
 
すでに咳症状があり血液検査でフィラリア成虫陽性でした。高齢犬なので服薬治療を始めました。今のところ咳が時々出て心配ですが食欲はあります。
動物病院で犬歯から約9歳くらいだろうといわれました。左目まぶたの下に黒い腫瘍があり縛って処置してもらいました。背中にも2~3㎝ほどのこぶもあり経過観察中です。
 
 犬を保護したときは全身毛玉だらけで半年くらいは放浪していたのではないかといわれました。きっとそのころフィラリアに感染したのだと思います。首輪やチップもありませんでした。大型犬のゴールデンレトリバーそっくりでしたが、主治医の「狂犬病予防接種証明書」ではミックスとなっています。
12月17日の体重は17㎏ちょっとでした。ガリガリにやせていました。今日1月5日の診察では21㎏に増えました。
 
とても人なつっこい犬で、全身どこを触られてもいやがらず体重を預けてきます。スキンシップが大好きです。
なでなでしているときはいいのですが、離れるとしばらく泣いています。泣くと咳が出てしまうのでかわいそうなのですが数分で落ち着きます。大変おとなしくお利口さんです。お座りはすぐにできます。日中デッキで夜間だけ玄関の中に入れています。
 
我が家では猫を2匹家の中で飼っていますので、猫との共生と、犬を興奮させずになるべく長生きさせたいのでどのように暮らすことが一番良いのか苦慮しています。ゲージを買って犬の居場所を作ることで猫たちもだんだん慣れてくれるものでしょうか。

春まで犬の症状が今のまま咳だけで落ち着いてくれたら夜もデッキでよいのではと思っていますが、病気なので室内飼いの方がよいのか。なやむところです。リビングダイニングとデッキがガラス越しにみえるのでデッキで、ひなたぼっこしている姿やガラス越しのすぐ近くで眠っている姿を見ることができるので安心です。犬も人が近くにいる方が安心するようです。近所の方たちも犬好きで日中は気にかけてくれます。
 
お正月休みが終わると、私も仕事の関係で朝早くから夜までデッキに置くことになります。朝晩の数時間の低気温と北風(屋根があり風が直接当たらないところにはいますが)が気になります。
 
もう一つは、土を掘る動作なのか前足でマットや床をがりがりこすります。これはやめさせられないものでしょうか。動物の習性なので仕方ないのでしょうか。何かのストレスでしょうか。しばらくガリガリした後あごを乗せて休んでいます。
 
なんだかとりとめもないメールですみません。飼い主の不安が一番犬にも良くないと思うのですが、一日でも犬に長生きしてもらうために何をするのが一番良いのか、相談に乗っていただけるとうれしいです。よろしくお願いします。


m2.png今回は、犬のしつけと飼う環境面の、二つのお話になります。
 
普通犬は群生が強く初対面の人に対してフレンドリーですので、今は人なつっこさを見せますが、これから一緒に暮らし環境にも慣れて群れの仲間と認識するようになってくると、今度は群れの中の自分の立場や相手が自分にとってどういう存在か確認するようになってきます。
 
もちろん素性が良い子だということはメールですぐ分かったのですが、やはり犬としての本来の習性が段々出てきます。飼い主が毅然と接し続けないと、犬はやがて主従関係を誤認するようになります。また犬の過去を可愛そうに思って、それが無意識のうちに甘やかしになったり、かまい過ぎになったり、従属的に映ってしまう事があります。犬との関係をしっかり作られたいのであれば、本書で学ばれるのも良いと思います。
 
さて、当面はまず環境面での犬の飼い方になりますね。まず外飼いか室内飼いかハッキリ決めて、決めたら変えないことです。外飼いで、時々中に入れるとギャップがストレスになりますし、要求吠えするようになります。外飼いと決めたら犬を入れてはいけません。
 
ただし、今の体重はまだまだ少ないです。(最低でも25キロにしましょう)。見た目も体重の推移からしてもゴールデンですね。(獣医さんは証明できる血統書がなければ、必ず雑種犬とします)。長い期間栄養失調でしたから、冬毛の産生も足りないでしょうし、皮下脂肪も少ないでしょう。もし外飼いにするとしても、この冬だけは屋内で過ごさせてほしいですし、出来ればずっと屋内飼いしていただきたいです。
 
猫との共生も全然問題ないはずです。もう9歳ですから、落ち着きもあってすぐ慣れるでしょう。猫のほうが犬より身体能力が高いですし、高所に逃げられるので、猫のほうがあまり気にかけないようになると思います。
 
でも健康な状態であれば、もともとイギリス創出の犬ですから、外飼いで時々の氷点下も全然大丈夫です。寒ければ寒いだけ、下毛と皮下脂肪を産生して犬は適応する体を作ります。
 
もしどうしても屋内飼いは無理・・という場合は、以下をご注意ください。
 
・四方と天井が壁になったしっかりしたハウス(犬小屋)を設置
 
・鎖による直接のつなぎ飼いはNG。犬にとってみると敵は容易に侵入出来る・・でも自分は逃げれない・・これを常に感じているので非常にストレスが高まります。攻撃的で落ち着きがなくなります。ケージやサークル(囲い)で繋留義務を果たすようにしましょう。ケージがありその中にハウスとトイレと水ボトル・・この4点セットが基本です。
 
・冬場は直接雨風が当たらないようにし、さらにアクリル板やビニール版などで暴風壁を作る。犬小屋には毛布など防寒具を容易。
 
・夏場は、大きな屋根を更に追加して、直射日光が犬小屋と周辺に当たらないようにする。
 
・人間の家族の生活が見える場所に犬小屋の出入り口を向ける。
 
>マットや床をがりがりこすります・・
↑これは単に退屈しのぎの遊びです。止めさせるしつけは、主従関係を構築しつつ現行犯で叱るしかありません。ただし、犬の知能では自分の罪が認識できず、叱る人が見ていないときに悪さをします。(悪さという概念も犬自体にはないです)。根気良く現行犯で教えていくしかありません。また主従関係が出来ていないと、どんな教えも聞こうともしません。
 
それと、もちろんストレス解消の遊び、運動、散歩も必要です。フィラリアが治ったらやってほしいですが、今もやってはいけないわけではありません。飼い主さんが主導して、あまり動きの激しくないゆっくり散歩や走らせないボール遊びなどはやったほうが良いです。直接つなぎ飼いのストレスもあります。
 
では、ご参考になれば幸いです(^-^)


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【著者:運営責任者】
犬のしつけアドバイザー
堀川春広
株式会社ホリページ代表取締役
https://www.horipage.com/
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