犬の飼い主が認知症で、犬のしつけもされていなかった場合の家族の対応
初めまして。飼い主が認知症になり、犬の世話をしているのですが、躾が出来ておらず、困っています。
まず、飼い主70代と私50代は内縁で、5年になります。
犬はミニチュアダックス♂8歳、ポメラ二アン6歳♀、チワワ♂5歳です。
3匹とも室内犬で、放し飼いで、お座りすら出来ません。
オシッコもあちこちする上にポメは膀胱結石を起こしているので3匹ともオムツしています。
無駄吠えも酷く、認知症の介護もあり、ほとほと困っています。
最低無駄吠えだけでもやめさせたいのですが、飼い主本人が認知症で、犬を躾ようとしてもイジメているように取ってしまいます。
ポメも食事制限が必要ですが、飼い主本人が何でもあげてしまい、それを止めると認知症の癇癪を起こすので犬の治療は諦めました。
周りの方々も介護と犬の世話は無理なので犬を手放すようアドバイスくださいますが、飼い主本人の生きがいにもなっており、不可能です。
私自身は外飼いの雑種を飼っていたことがあり、無駄吠えやリードは躾ておりました。
ただ、多頭飼いは初めてですし、状況が状況なので本当に困っています。
飼い主がデイサービスで留守の間にでも何とか躾訓練出来ませんでしょうか?
アドバイス宜しくお願い致しますm(_ _)m
頑張っておられますね(^_^)
今回は、日中ずっとデイサービスのほうに行かれているのであれば、チャンスはあると思います。
まずはクレートトレーニングからです。(ケージ内で過ごす練習)
飼い主さんが夕方帰ってこられたら、寝るまでは犬達は出してかまいませんが(その時間を遊び・運動の時間にする)、日中デイサービスに行っている間は、ケージ内で過ごせるように練習です。
いきなりケージに閉じこめっぱなしでは適応できませんので、毎日少しずつ増やしながら慣らしていきます。
それも、楽しいことと結び付けてあげます。
ご飯をケージ内で食べさせたり、ケージ内でコング遊びしてあげる→出して遊ぶ→またケージ内・・・ということを繰り返しながら、徐々にケージ内での時間や入る回数を増やしていきます。
最初は扉も閉めません。慣れを見ながら、閉める回数時間を増やしていきます。
練習は、ほんの少しずつコツコツです。
例えば、今日は5分×3回→明日は6分→明後日は4回・・・などのように、ちょっとずつ計画的に増やしていきます。
ケージ内で過ごせるようになってくると、それだけで吠えが減る子もいますし、『布掛け目隠し』という方法で更に落ち着けることもできます。
他にも、注意音とリードを使って、吠えを注意する教え方もあります。
また、散歩によってストレスが発散する子もいますので、日中、奥様にお時間がある時は、お散歩もたっぷりしてあげてください。それで吠えなくなる子もいます。
さて、飼い主さんが家に居る時は、犬達を出してもかまいません。
ただし、ゴミや異物など、犬が口にしそうな小さなものは置かないようにします。
どうしても食べ物を与えたいようでしたら、ドッグフードにします。
遊びたがる時は、コング遊びをしていただいてください。
また、ケージの件や食べ物の件でワガママを言われる時は、子供に教えるように、「この子たちは病気だから、病院の先生に言われているんだよ。死んじゃったら悲しいでしょ。」と説明してください。
ただ単に「ダメ!止めなさい!」では、子供と同じで理解できず、かんしゃくを起こすだけです。
・なぜダメなのか
・それをすることでどんな結果になってしまうのか
・どんな気持ちになってしまうのか
・悲しいのか
・嬉しいのか
・悲しいことにならないようにするために、どうすれば良いのか
を説明してあげてください。
認知症の進行がどこまで進んでいて、知能がどこまで残っているのか存じ上げませんが、出来る説明はしてあげてください。
その中で、「良いウソ」はついてかまいません。
「子供に教えるとしたら、これなら分かるかも」というお話を作っても良いので、分かりやすく説明してあげてください。
「イジメているように取ってしまいます・・」ということですので、かなり知能はあるのだと思います。
さて続いてトイレですが、ケージに慣れてくれば、中のトイレも使えるようになります。
ただそこまでには、いくつかの段階が必要です。
完全に放し飼いになっていましたので、教える手間と時間はかかります。
まずは、現在のオムツのままで良いです。
その中でも、オシッコ・ウンチの時は、しゃがんだりする動作が必ずあるはずです。
その瞬間を見逃さないように注意して、「チチチチチ・・」の音を出して褒めて関連付けしてください。
何日も何日も、しばらく続けます。
続けると、例えば起床後・食後・ケージから出た興奮時などで、指示音を出すと、条件反射で排泄する確率が高まります。
そこでも音で褒めてあげます。
そうなったら次の段階です。
オムツを止めて、お部屋中にトイレシートを敷きましょう。
そこでも、犬の排泄を見逃さないようにして、音の関連付けもしますが、先ほどの段階で、少しずつ指示で排泄できるようになっていますので、遊びや団らんの途中で何度もケージ内のトイレに連れて行き、指示音でうながしてください。
もちろんそこで出来たらしっかり褒めますし、お部屋で漏らしてしまっても、叱ったりガッカリされないで、音の関連付けをしてあげてください。
ということで、今日はポイントだけお話しいたしましたが、上記の方法も、「言うことを聞きたくなる関係」が有るか無いかでまったく結果が違ってきます。
犬との関係作りも含めて、吠えやトイレのしつけも、本書とQ&Aで学んでいただきたいと思います。
ただし、今までの放任もありましたし、飼い主さんとのギャップが大きくなりすぎると、犬達も混乱して適応できませんので、急がず無理せず、少しずつ展開して強度も調整しないといけません。
それでは、これから頑張って続けていきましょう(^_^)