犬のしつけがQ&Aで分かる!

ケガのある保護犬のしつけ

質問内容
はじめまして。ネットでワンちゃんのしつけを色々見ていたろところ、堀川さんのブログを見て、過去の事例など拝見させて頂き思い切ってメールさせて頂きました。

まだ教材を購入していないのですが、教材を購入する前にうちのワン子の状況にも合うのか知りたかったので、失礼とは思いましたがメールさせて頂いております。

今年の1月初めあたりに捨て犬だったチワワを保護しました。

弱り切っていたため病院に連れていったところ、かなりの栄養失調で、人間を全く信用していない、ネグレクトに合っていた可能性があると言われました。

うなったり、噛まれそうになることがあるので、堀川さんのしつけを知り、信頼関係を作りながら出来たらいいなと思うのですが、そのチワワは推定年齢10歳で、心臓に疾患があり、つねに爆弾を抱えてるとお医者さんに言われ、骨に異常はなかったのですが、背骨が曲がり、ヘルニアの可能性があるとのことで前足もびっこ引いています。

寝転がっている時以外、座っている時も少しゆらゆら、ふらふらしています。

お散歩は10分も経たないくらいで、背中が痛そうに尻尾を丸めはじめるので、あとはバギーにのせてお散歩しています。

こういった子にも堀川さんの教材で改善できますか?

リーダーウォークもできるようになりますか?

今は食欲もあるし、家の中は元気に動き回っていますが、10歳でハンデもあるので。。

他に先住犬のトイプーが2匹いて、この子たちは有り難いことに性格も穏やかなとてもいいこなので、しつけの環境(サークルなどのしつけはしていません)はかえたくないのですが、堀川さんの教材みながらチワワだけしつけしても大丈夫ですか?

チワワだけサークルしつけしたり、毅然とした態度していると、チワワが余計にひがみぽくなったりしないのかなーと思ったりしまして。。。

普段はとてもいい子なのですが、堀川さんのおっしゃる通り、かわいそうだからと構いすぎていて、今では思い通りにならないと唸って牙をむき、噛みつきそうになります。

堀川さんの教材はこういったハンデも持った子、こういった状況でもしつけは可能ですか??

ご連絡よろしくお願い致します。


返答内容
頑張っておられますね(^_^)

>堀川さんの教材はこういったハンデも持った子、こういった状況でもしつけは可能ですか?・・

↑はい、もちろん可能ですし、どんな犬にも本質を外してはいけません。

ただし今回は、①ケガの回復を第一優先にしないといけないのと、②保護犬の場合は本格的なしつけの前にもう一つ段階を作ってあげないといけません。


①ケガの回復を第一優先にしましょう

もちろん、命の問題もありますが、ケガの痛みが躾の妨げになったり、信頼関係を失う原因にもなってしまいます。

ヘルニアとなれば、悪化すると下半身の神経を断絶しかねません。とても危険ですので、しばらくは接触系のしつけをしないようにして、獣医さんとよく相談しながら犬の行動を抑えていきましょう。

そして、ケガの痛みがあると、例えば、犬を何気なく触ったり、お座りさせただけでも痛みが走って、その痛みや嫌悪感と飼い主さんから触られることが関連付けられてしまうので、飼い主さんを嫌いになったり避けたがるようになります。

今は絶対に無理に接触しないで、とにかく安静にして、ケガの回復・治療に専念されてください。

ただその中で、犬が自分から動く分には良いです。

まったく動かないと筋肉も代謝も落ちてかえってよくありませんので、犬が自発的に動いてリハビリできる時間・環境は作ってあげましょう。

お散歩ですが、まだ道路などは歩かせないほうが良いです。

もともと、以前の環境下で散歩の経験が無かったかもしれませんし、外の世界自体に慣れていない上にケガがあるのに歩かせるのは、かなりのストレスです。

まずは、犬OKの公園など、キレイで安全な場所を見つけて、そこに移動してから練習していきます。そこまでは、バギーに乗せたり、肩掛けバッグに犬を入れて顔だけ出させて移動します。先住犬のトイプーちゃんだけ歩かせてください。

キレイで安全な場所に着いたら、飼い主さんはノンビリ座って、チワワちゃんにリードを着けて持っておきます。

チワワちゃんは、飼い主さんの周囲だけリードの届く範囲で、自分の体と相談しながら動いたり周囲を観察すれば良いです。

そして室内でも、時間を作って、リードの届く範囲で犬が自分で動けるようにしてください。

ヘルニアと足の痛みが治るまでは、リードを持って飼い主さんが歩かないようにしてください。犬が自発的に歩くだけにして、「歩かせる」ということはされないでください。

お薬も飲みながら、完治まではだいぶかかるかもしれません。

また、ヘルニアが治っても、心臓病があるので、負担がかからないように、犬が止まったらもう歩かせないほうが良いです。

ただ、いずれは主導型の遊びもしていただきたいので、室内の狭い範囲で、5分から10分をめどに主導型コング遊びをしましょう。


②保護犬の場合は本格的なしつけの前にもう一つ段階を作ってあげる

保護犬の場合は、もともと人間との信頼関係を失っていたり、信頼関係を感じた経験すらない子もいます。

そういう子の場合は、あえて主従関係が崩れるのを承知の上で、甘く接してあげないといけない場合もあります。

ですので、いきなり厳しいしつけを展開するのではなく、ワンクッション置いて、軽い主導型の遊びだけにしたり、あえて躾らしい躾をしないという段階を作ってあげることも重要です。

ですが、それはチヤホヤするという意味ではありません。

ネグレクトにしても、虐待にしても、人と接触すること自体がストレスになる犬が多いので、かえってベタベタ接触をしないほうが良いのです。ベラベラ話しかけるのもNGです。

「愛情たっぷり接してあげたい」という気持ち(行動)が、逆効果になってしまうのです。

チヤホヤ・ベタベタはせず、食事やお水などの世話をしつつ、姿はたくさん見せて、軽い主導型の遊びで楽しい時間を共有する・・・

というだけのほうが、今は良いです。


あとは、ヘルニアや足の完治を祈って治療に専念し、それが治ったら、心臓病を考慮しながら少しずつしつけを強化していくことです。

>今は食欲もあるし、家の中は元気に動き回っていますが・・

↑こういう状況になってきて良い方向に進んでいますので、希望を持って、根気よく少しずつやっていくことです。

それでは、これから頑張って続けていきましょう(^_^)

飼い主さんからのお返事.png
こんにちわ。以前に保護したチワワの件でメールさせて頂いた●●です。

さっそく教材、Q&Aを読みまくりながら、とにかくうまく出来なくても形にこだわらず、主導性を頭に毅然とした態度で接しています。

ケガの具合なのですが、MRI検査をしないとヘルニアなのか、脳の萎縮で後ろ足のふらつきがあるのかどうか、わからないらしく、ただこの子は心臓に疾患があるので、MRIの検査が出来ない(麻酔をつかうため)そうで、なぜ背骨が曲がってフラフラしているのかは、結局わかりそうにありません。(T_T)

首も4つ足で立っている時、首を上に傾けることが出来ないみたいで目だけで立っている私に視線を送る感じです。

なので首に負担がかかないように首輪ではなく、ハーネスにしています。

病院の治療はとりあえず、ステロイドと痛み止めの処方になりましたが、どちらも体にかなり悪いので一切飲ませず、漢方薬を飲ませています。

そのおかげでか、背骨や首の見た目にかわりはないですが、かなり元気に歩けるようになりました(^○^)

お散歩もバギーにのせていると、自分も歩きたいと言わんばかりに、少しソワソワして、おろしてあげると、尻尾をブンブンふって歩くようになりました!!

ですが、少し歩かせたらまたバギーに乗せるようにしています。(お散歩時、歩かせるのは週に2回程度にしています)

・現在出来ているしつけ

リーダーウォークは家の中でするようにしています。ゴハンの前、うなったり、噛もうとしたらリーダーウォーク(この時には必ずしています)

あとは、コミュニケーションがてらする時があります。ですが無理ない程度で1分もせず軽く終わらせるようにしています。

あおむけ固めは背骨や首のことがあるのでまだ1度もしていません。

Q&Aにもあった噛まれそうになったら、軽く口を閉じさせてダメ!(これをしたらますます怒ったので今はしていません。)

噛もうとしたら手を口の中にいれてダメ!(これは怖くてできません(笑))

いちおう革のグローブは買っていますが。。。

なので、噛まれそうになったら今のところ、リードをチョンと引き上げて、だめ!の効果音と、すぐにリーダーウォークして、マテ、コイ、オスワリ、オテをさせています。

噛まれそうになった時の対応はこれしか出来てないです。

あまりに激しく興奮して怒る時は(私に怒るのではなく、知人に)ハウスさせるとおとなしくなります。

待て、こい、お手、ハウスなど、都度できたら、「●●(チワワの名前です)イイ子、ポンポン」しています。

ハーネス&リードはハウスさせてる時以外は常につけています。

だんらんの時やコミュニケーションをとりたい時以外はハウスさせています。

おもちゃには全く興味をしめしてくれません。ぬいぐるみは唯一好きみたいで、ですが舐めて、たまにガジガジするくらいの興味です。

まだうなったり、噛んできそうになったりなどありますが、トレーニングをはじめる前よりは本当に改善してきたように思います。

おかげ様で私自身の不安もかなり軽くなっています(T_T)

疑問に思っていることがありますが、Q&Aにも少し似たようなことあったので試しつつ、とりあえずまだトレーニング期間の日も浅いので、しばらく続けてみて、改善しないようならまたご相談させて頂きたいなと思っています。

今回はこれでいいのかな~という確認とご報告のメールをさせて頂きました。

お忙しいところこのようなメールですみません。引き続き焦らず頑張っていきたいとおもっています。


返答内容
頑張っておられますね(^_^)

やり方は今の内容で良いです。その調子で進めてください。

ただ、リーダーウォークはまだ無理な切り返しはされないで、飼い主さんの気持ちだけリーダーウォークでいてください。

今は軽い運動、その子が喜ぶ楽しい遊びで運動して、リハビリを続けて、健康と体力を回復させましょう。

その遊びの中で、リードで主導してあげるだけでも、しつけや関係作りの効果があります。

それでは、またQ&Aを熟読いただきながら、頑張って続けていきましょう(^_^)


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【著者:運営責任者】
犬のしつけアドバイザー
堀川春広
株式会社ホリページ代表取締役
https://www.horipage.com/
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