私(中年男性)にだけ噛み付く保護犬のしつけ
我が家のワンちゃんは、保護犬としてやってきました。
迷い犬として警察に保護され施設のゲージの中に約一月ほど居まして、飼い主が名乗り出ることがなく、我が家で引き取りました。
家族構成は、私と妻40代、小学生低学年の子供二人、の4人家族で、妻が子どものころに一度犬を飼ったことがあるらしいですが、ほぼ犬を飼うのが初めての状態です。
犬の種類ですが、柴犬に近いミックスだと思われます。毛色は、白に近い薄茶色、体重が約12キロ。オスで、年齢は、動物病院で確認したところ、「一概には言えないが歯石の付き方からみると5歳くらいかな」と言われました。
先生の本では、屋内飼いを勧めておられますが、都合で屋外飼いにしております。飼育環境については、写真を添付いたしますのでご確認ください。またアドバイス等よろしくお願いいたします。
うちの犬は、餌を与えるときに吠えますが、普段は無駄吠えなどありません。我が家に来たばかりのころは、深夜帯や明け方に吠えるようなこと(要求吠えと思う)がありましたが、今はありません。
滅多やたらに噛みつく様子はありませんが、触ろうとするとかみつく素振りをみせます。このとき手を引かなければ噛みつかれます。
妻や子どもにはじゃれつく様子を見せ、犬好きの近所のおばちゃんには、おやつをもらえるので、しっかりオスワリをしてシッポをふり、愛想よくふるまうので外面はいいのかなと、、。(ただ、油断すると誰にでもマウント行為をします。)
散歩は、一日に朝40分(6:00~)、私がラジオ体操に行くのに連れていきます。夕方(16:30~)は、1時間、子どもと一緒に田舎なので農道や林道あちこち行きます。
人に対する飛びつきや、ほかの犬に対する飛びつきなどありません。ほぼ無視の状態です。人が触ろうとしなければいい子です。
そんな我が家の犬ですが、私は今までに、3回ほど噛みつかれ病院送りにされています。
1回目は、保護施設から引き取るときです。
保護施設のゲージにいる犬に首輪とリードを取り付け、この作業の時は噛まれませんでしたが、元気よくゲージから出てきた犬に引っ張られながらマイカーの止まっているところまで行き、後部荷台を開けて乗せようとしましたが、踏ん張って乗ろうとしなかったので抱えて乗せたところ、いきなり唸り声をあげて右手を噛みつかれました。
さらに荷台にはゲージがあり、ふいにその中にはいったのでゲージ扉を閉めようとしたところまた左手を噛まれてしまい、イテテの両手出血、何とか車を運転して家に帰りました。
2回目は、その日、餌をあげるときに左手を噛まれました。(頭を撫でようとしたからと思います。)
この時は、ついカッとなって首輪をもって横倒しにし、その上にのって押さえつけました。力を緩めると起き上がって猛烈に抵抗してくるのでなかなか力を緩めることができず、10分くらい馬乗りになって押さえつけていたと思います。
結構きつく首輪を締めあげたので体罰になってしまいました。以後気を付けなければと反省しきりです。
なんとかリードを操作して噛まれないように注意しながら離れることができたのですが、その後すぐ落ち着き、犬は僕の血だらけの手をなめに来ていました。(初日のこのことがきっかけで、インターネットを調べ先生の本を取り寄せた次第です。)
3回目は、2週間くらい経ったころですが、コングを使って遊んでいる時、仰向け固めを遊びの中でやってみようと思ってやったのですが怒らせてしまい、皮手袋をしていたのですが出血するほど噛まれてしまいました。この時も、きつく押さえつけてしまいました。
それからは、私は犬に触らないように注意しております。ただ、散歩で私の左後方にキープした時など、ほめたい時、噛まれないようにポンポンとすると、嫌なのか、噛みつこうとする反応のような動きや、水を払うときのように体をぶるぶるふるわせます。
散歩出発時、散歩用のリードに付け替えるのですがその時は噛みつきません。
ただし今朝、散歩用リードを付け替えるときに初めて噛みつこうとしました。よって今朝は散歩中止です。
散歩に出発した直後は前へ前へと引っ張っていきます。マーキングなども10メートルおきにします。本で紹介されたリーダーウォークを散歩時に空き地や駐車場などがあればそこで集中して10分ほどやります。
散歩中も、強く引っ張ればリーダーウォークをします。
少しずつですが、我が家に来た当初より、引っ張りぐせがなくなったように思います。
散歩後半は、疲れからか真横キープでおとなしくついてくる時があります。このとき、ほめてポンポンします。ただ、先ほども説明した体をぶるぶるをします。
散歩は、一日2回、朝50分(6:00~)、ラジオ体操に行くのに私が連れていきます。夕方(16:30~)、1時間、田舎なので農道や林道あちこち私(たまに、家族全員や子どもも一緒に)が散歩に行きます。
人に対する飛びつきや、ほかの犬に対する飛びつきなどありません。触ろうとしなければいい子です。ただ、手で触ろうとすれば怒るくせに、ブラッシングは、気持ちよさそうにします。
食事のとき、「オスワリ」と指示すると、ワンワンと吠えながら、前足をフセの様にして(開き気味)後ろ脚は、中腰姿勢(これも開き気味)つまり、犬が獲物を追い詰めてワンワンと吠えたてているような姿勢になります。
オスワリになっていないので、しつこくオスワリができるまで連呼して、ふいにオスワリができた時に、餌の入ったお皿を前に置いて、次はマテと指示します。
マテと言っている間は、一応まってくれています。そのあとのヨシの掛け声で食べています。オスワリになった瞬間、ポンポンとほめてやりたいのですが、触ろうとすると唸ったり噛みつこうとするのでできません。
もう直ぐ去勢手術の予定です。予防接種、ワクチン等すべてその時に一緒にやるつもりです。
動物病院で健康を見てもらったのですが、その時待合室では、不思議にも私にぴったりくっついてしっかりオスワリをして待っていました。先生に診察台に乗せてと言われたのですが、噛まれるかもしれないのでできませんでした。
現在のところ、仰向け固めは猛烈に抵抗され、噛まれて病院送りにされそうなのでできません。
姿(型)を取らすのも触れませんので、ふいにやった瞬間をとらえて音とジェスチャーでをやり続けていこうかなと思います。ポンポン褒めは、タイミングをみてできそうな時にやっていきます。
とりとめもない長い話ですいません。なんとかスキンシップを図れる犬になってもらいたくてメールいたしました。よろしくお願いいたします。
頑張っておられますね(^_^)
今回は、ミックス君の生い立ちを考慮して、もう少し待ってあげていただきたいのと、しつけ方の工夫も必要です。
まず犬の状況を知って、理解してあげましょう。
過去のトラウマや恐怖がよみがえる場面では、どうしても条件反射で反応してしまう面があります。
保護犬の場合は、決まったパターンを経験しますね。
・追いかけられる
・捕まえられる
・首輪とリードを付けられる
・ゲージに入れて扉を閉められる
・車に乗せられる
という経験をしますが、犬の知能には「なぜ自分が突然そんなことをされなければいけないのか」を理解できる知能はありません。
恐怖、不安、緊張・興奮、嫌な感覚が残ります。
人好きな犬でシッポを振っていた場合でも、それは興奮の証であり、嫌な感覚は残ります。
動物は食と安全に関わる記憶が鋭いですが、それが残ってしまい、条件反射で出てしまうのです。
特に、嫌な経験をした時と同じ条件が多ければ多いほど強く反応します。相手の年齢・性別にも反応します。
犬を最初に捕まえた時の人やゲージ内に入れた時の人が、同じような中年男性だった場合は、その後も中年男性に反応しやすいです。
また、前の飼い主さんが同じく中年男性で、放置飼いや虐待をしていた可能性もあります。
↓それでこういう反応をする場合があります。
>妻や子どもにはじゃれつく様子を見せ、犬好きの近所のおばちゃんにはしっかりオスワリをしてしっぽをふり愛想よく・・
また、自分の犬が居なくなった・保護されているのに、名乗り出ないような状況ですから、前の飼い主さんからも良い教育は受けてこなかったはずです。
今回は、犬が悪いのではなく、育った環境が悪かったのです。
本当に素性に問題がある犬ならば、いつでもどこでも誰にでも唸って噛みついてきますが、そうではないからです。
さて今後ですが、まずは絶対に焦ったり感情的にならないことです。
「妻や子供は犬と仲が良いのに自分だけ・・」というのも、気にされなくて良いです。上記の要因が影響しています。
また、しつけ方や接し方も家族間で差を作らないことです。
噛み癖が落ち着くまでは、接触系のしつけ方は避けて、リード系のしつけ方にしましょう。
それも厳しいリーダーウォークよりも、主導型コング遊びをしてあげてください。
まだ家に来て日も浅いですし、保護された恐怖や嫌悪感がまだしばらく残りますので、無理されないことです。犬はそういう経験の感覚を、けっこう長く引きずります。
毅然さと主導性を保った上で、遊びを通して信頼関係を構築していきましょう。
その中で、教える機会がある時は教えます。
コングやエサ皿の出し入れやリードの脱着では、お互い緊張状態があるでしょう。
まず防備ですが、革手袋もいろいろ種類があります。もう少し高いやつですと、かなり厚手の物も売ってます。それにしても良いですし、今お持ちの物をもう一枚買って、二重にしても良いです。
腕もカバーしたほうが良いですので、腕輪を二つ買って二重にしたり、ジーンズ生地の昔で言う『ジージャン』の古着を着ても良いです。(厚手の生地の古着があれば何でも良いです)
防備をキチンとして、リラックスしてください。
緊張・興奮や犬に対する嫌悪感が強いと、雰囲気もそうですし体臭(フェロモン)で犬にも伝播してしまいます。
ちょっと感情的になったり、嫌悪感や恐怖心がある時は、犬には近づかないほうが良いです。
「犬のしつけは自分の責任だから」というお気持ちも素晴らしく、重要なのですが、あまり気張りすぎると、それが犬の緊張興奮をあおってしまう場合があります。
もちろん逆に、犬を甘やかしたりチヤホヤではそれもまた主従関係の逆転になってしまいます。
奥様と子供さんたちも、今後の事を考えれば、そういう知識・意識は持っておいていただくようにお話しされておいてください。
最初は「外面が良い」で済むのですが、長く一緒に暮らしていくと、オヤツにナデナデやチヤホヤの接し方では、いずれバカにされて主従関係が崩れていきます。
子供さんもまだ小さいですので、犬に本気で噛まれると危険です。なるべく単独で接触させないことです。ご両親のどちらかが一緒で、犬と触れ合いましょう。
さて防備を整えたら、機会を見てしつけを行います。
エサやりやコング遊びの時や、犬を触った時に噛むと思いますが、噛んだり噛みそうになったり唸ったりした時は、その瞬間に「シ!」の注意音を出しながら、リードやつないであるワイヤーをチョンと引き上げて教えてください。
そして、あえてまた触ったり手を見せて、また犬が噛もうとしたらその瞬間に「シ!」の注意音を出しながら・・・
これを反復で繰り返して教えていってください。
ただ、まだ一週間くらいはされないで様子を見てからにされてください。
それまでは散歩だけにしたり、コングを投げてあげるだけ、くらいの接し方で良いです。もちろんその中で、リードの脱着などもあると思いますので、そこで犬が唸ったりした時はその方法で注意してください。
一週間後くらいから、反復練習したり、リーダーウォークを強化したりしましょう。
それをしばらく続けて、噛み癖の反応が収まってきたら、仰向けにもチャレンジしましょう。
ただそれも、コング遊びのじゃれ合いの中で、一瞬してすぐ開放・・・という程度から始めてください。
最後に飼育環境ですが、良い外壁があって良かったです。
ただし、それだけでは直射日光と雨風がまだ当たりますので、出来れば犬小屋の上に大きめの屋根を設置できればベストです。
外壁と犬小屋がくっ付いていますので、それを利用すると良いです。
外壁の上に乗せて固定するような感じで、角の三角部分から犬小屋全体を覆う大きめの屋根にしましょう。
外壁の角の上に乗せて固定すれば、あとは庭の中央側に柱が一本あれば十分です。
(添付写真を参照してください)
屋根があれば、雨の日もエサ皿と水皿を普通に置いておけますし、人がぬれずに犬の世話もやりやすいです。
それから、犬をつないでおくワイヤーが長すぎます。
あまりにも犬の行動範囲が広すぎると、テリトリーを守るための神経をたくさん使い、ピリピリする子がいます。権勢本能が強くなりやすいです。
運動・遊び・散歩は、メリハリを持って飼い主さん主導の下でたっぷりすれば良いだけですので、普段の居場所に運動場は要りません。犬小屋に出たり入ったりができる長さがあれば、それで十分です。
では今日は以上です。
それでは、またQ&Aを熟読いただきながら頑張って続けていきましょう(^_^)