犬のしつけがQ&Aで分かる!

保護犬の興奮癖・吠え・噛みつきのしつけ

質問内容先日「犬と家族の絆」を購入させていただきました。購入のきっかけとなりました犬について相談いたします。当方の状況を説明いたします。

家族は夫婦と女の子2人(学生)です。
先住犬は2歳のミニチュアダックスフント♀
問題の犬は推定6歳のミニチュアダックスフント♂

6歳ダックスは飼い主放棄で動物愛護センターに持ち込まれました。理由は、飼い主にお孫さんが生まれ玄関先で飼ったら吠えまくり、外に出したらさらにひどくなり、ご近所からの苦情が出たようで保健所に持ち込まれました。

愛護センターで4ヶ月保護団体の預かりさん宅で2ヶ月過ごした後、縁があって我が家に来ました。

預かりさん宅では先住犬との折り合いが悪くリビングでは飼えなくて、子供部屋で飼っていて中学年生のお子さんが面倒を見てくれていたようです。極端の犬嫌いで、当初うちの2歳ダックスからも逃げていましたが、2歳ダックスがおとなしい方なので割と早いうちに慣れてきました。

散歩中に犬にあっても、さ~っと通り過ぎていきます。うちに来る前に行われた保護団体での里親会での様子を見ましたが、他の犬を避けてベンチの下に逃げ込み動かないようでした。

ハウスでの就寝、リーダーウォーク・お座り、お手、おかわり、まて、全てできます。言葉もかなり理解しています。しかし。これは一番最初の飼い主から仕込まれたもので落ち着いているときは完璧にこなします。

トイレもケージ内にします。ただ、1ヶ所ソファーにマーキングをしてしまいます。散歩は全くの問題なしです。散歩中はマーキングもしません。ひっぱりも全くなく飼い主の言う通りに動きます。ただもくもくと前を向いて歩きます。

問題は、とても興奮しやすいことです。家人が部屋を出ようとするとき、台所で何かをしている時、子どもがけんかしている時!?

先住犬が吠えた時、大きな物音がした時、興奮して走り回り吠えまくります。ひどい時は私は仕事で毎日6時ころ帰りますが、帰宅後ずーっと吠え続けている時もあります。

興奮し過ぎて手がつけられません。短いリードをつけていて引っ張って押さえれば少し治まります。が、リードを離すとまた吠えまくります。最もひどいのは掃除機です。

掃除機は見ただけで吠えまくり狂ったようになります。吠えるのが治まってもドアをチックのようになめまくります。背も届く範囲、ぺろぺろなめまくりビターアップルを塗るまで舐め続けています。

1度興奮してしまうと発狂に近くなります。

昨日はとうとう興奮しているときに主人が抱き上げたら噛まれてしまいました。噛むことの罪悪感はかなりあるようで、しばらく隅に隠れて出てきませんでした。先週には私も噛まれてしまいました。あまりに吠えるので首輪を抑えつけてNO!といって怒ったら噛まれてしまいました。

うちでは去年看取った犬が椎間板ヘルニアを患った後、可哀そうで甘やかした結果、痛い時や気に入らない時に噛むようになり噛む犬には本当に困っていました。

今回も同じようなことになってしまいそうなので、犬のしつけをしてお互い信頼関係のある落ち着いた楽しい生活を送りたいと思っています。

毎日何度も仰向けにしていますが大人しく仰向けになります。散歩も毎日いろいろな時間にいつも違う道で1時間近くします。朝起きてから15分~30分は無視してケージから出さずにいます。朝は大人しく待っています。外出時はケージに入れます。

帰宅時はものすごく興奮してケージから出してくれと吠えますが、荷物の片づけぐらいは済ませてから出します。

家人が1人のときはとても大人しくよほどのことがない限り大人しくしています。家人が何人もいてばたばたしていると些細なことで興奮して吠えまくります。

オスですので声も大きくご近所にも顔を合わせるたびに謝るような状態で困ります。

問題はまだありますが、とりあえずは興奮してしまうこと、発狂して吠えまくること、どうにかして噛むようなことのなくなるようにしたいのです。

ご助言お願い致します。

 

返答内容

過去に甘やかしで失敗されたご経験があるので、接し方については今回はクドクド申し上げません(^-^)

本書とQ&Aサイトを熟読していただいて、意識設定は深めていただければと思います。

そして今回のダックス君には、あせって期待しないことと、過去の境遇を可愛そうに思うことを気を付けましょう。

ダックス君はもともと少し興奮しやすい子だとは思いますが、環境の変化も色々あり過ぎて、かわいそうだった面もあります。アチコチ自分の居場所や家族が変わったら、どんな犬だって落ち着けずに興奮します。不安になります。

でも、そんな境遇を可愛そうに思う人間側の事情も、犬には理解できないことですので、毅然さは保ってください。

まずは環境を整えて安定させてあげましょう。

もともと犬は、暗くて狭い場所が好きです。穴熊の狩猟犬として作出されたダックスはなおそうですし、6歳ダックス君は特に「ベンチの下に隠れる」ということですので、ぜひ①クレートハウスを用意してあげてください。

穴倉感覚で落ち着けます。そして、吠える場合の応急的な対応としては、ケージやクレート全体に毛布などの厚手の布をかけて②目隠しすることです。

ただ部屋を暗くしても意味はありません。犬は暗視力が高いので部屋が暗くても普通に周囲が見えています。

そして、飼い主さんに時間がある時は、③リーダーウォークです。無言で犬にリードを付けてケージから出し、お部屋で厳しい態度で、「シ!・・シ!・・シ!」の注意音を出しながらリーダーウォークをしてください。

④また、家族が二人以上居る時には協力して、犬が吠えたくなる状況をあえて作って集中的に練習することです。(お一人でもできないことはないです)

忙しい時や予期せぬ時にはなかなかうまく対応できないものですが、準備してやれば、人間側は落ち着いて練習できます。

例えば、玄関チャイムを誰かに鳴らしてもらう・・誰かに掃除機を持って来てもらい部屋の出入り口付近で遠目からチラチラ見せる・・

ダックス君が、今なんとかガマンできるかできないかくらいのレベルを探ってください。

パソコンでユーチューブなどの動画を見せても良いですし、携帯の着信音を聞かせても良いです。何でも良いです。

そこで犬が吠えた瞬間、もう一人の方が「シ!」の注意音でリードをチョンと引き上げて注意するのです。

優しいレベルなら、犬は注意で止めることができます。そこで褒められ落ち着くことができれば、犬も飼い主さんも自信が付いていきます。優しいレベルが何度もクリアできたら、もうちょっとだけ難しく・・それがクリアできたらまたもう少し難しく・・

というふうに段階を作ってあげると良いです。急に難易度を上げないで、優しいレベルでの経験を繰り返して、自信を付けさせてあげてください。

6年間の習慣や癖はなかなかすぐには抜けませんが、犬も哺乳類ですので生涯学んで適応する能力も持っています。

それを信じて続けるしかありません。

そして、⑤飼い主さんの指示や注意を聞きたくなるような関係作りも意識してください。先住ダックスちゃんと比較してイライラしたり落胆しないことです。

犬はみんな個性があります。悪い犬ではなく、個性なのです。

何気ない接し方に十分ご注意いただいて、遊びも主導型コング遊びにしましょう・・・

 

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【著者:運営責任者】
犬のしつけアドバイザー
堀川春広
株式会社ホリページ代表取締役
https://www.horipage.com/
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