保護された犬のしつけではどのように接すれば良いか

犬はヨークシャテリア9歳オスですが、犬を飼うことになった経緯は、元の飼い主の飼育放棄から保健所に3か月おり、ボランティアの手によって保護。私の職場の方から話がきて今回飼う事になりました。引き取って1か月経ちます。
ケージの場所は、1階は置くところがなく、2階にあります。トイレと布団が一体型です。ケージに入れる際は(自分からなかなか入りませんが)お尻をそっと押すと、「ハウス」の声かけでゆっくり入ります。
その後も暴れることなく、吠える事なく静かです。しかし、朝9時ごろに入ると昼すぎから吠え始めます。夕方まで間隔を置いて。静かだなと思っても「さっきまで吠えていた」と言われます。また、私が帰ったと分かると、吠え始めます。
朝も食事の時間のアピールか7時ごろになると吠え始めます。夜の間は静かです。
今まで、昼ごろから吠え始めても誰も相手にしません。夕方になると姑が暗くなるからと、電気を付けに行ったり私は夜勤もある仕事で、夫も不規則勤務なので、私の夜勤の日は夜、朝ともに姑が食事を出します。
朝は吠えていても、食事の時間だからと与えている状態。夜は家族と台所で与えています。基本、私が休みでも家事や買い物などでケージに入ってもらっています。
姑から「吠えたときに顔を見せて、もう少し待てやごはんをあげたりすると吠えるのが止む」と言うのです。私は、帰ってきても吠えていたら、顔を出さず止むまで待っているのですが1時間ほども吠えまくり、このまま待っていて良いのか。姑の言う方が我が家の犬には合っているのか、悩んでしまっています。
また、気になっているのが、私がいつも愛用している座椅子でケージから出るとくつろいでしまいます。私が無視してテレビなど観ているとこっちを見ろと言わんばかりに、グルっグルっと体を後ろに跳ねながら少々唸っている様子があります。
フリーの状態で2階に置き1階へ降りると吠えてバタバタっと走り回ったり落着きがありません。どうにか、主従関係を確立したいと思っているのですが、焦ってはいけないと思いつつも自信がありません。
ウンチは外でするとの習慣でずっと散歩と一緒になっています。朝、夕の30分程ずつ。コース、時間はきっちり同じではありません。
コングを投げる(取ってくる事はありません)一人で噛んで遊ぶ、引っ張りあいは出来ず、離してしまいます。遊びは出来ていないと思います。ケージから出るときに「座れ」「待て」をさせますが、あけるとすぐ出てきてしまいます。
静かに待っていたら「よしよし」と撫でてしまいます。とにかくずっと顔を見ていて足をちょんちょんとかいてきます。興奮すると無視し「お座り」で座ったら撫でるといった感じです。おやつはコングに詰めて与えています。2回ほど。
家に来た当初は、飼い主が休みの時にフリーにしてしまいましたが、今は、休みでも、10~11時ごろから夕方までケージにいれています(2週間ほど経過)仕事の場合は9~夜7時ごろまでケージです。
とにかく近所迷惑にならない様に吠えるのが一番の悩みと家族が思っています。おすわり、まて、ふせ何とか出来る状態ですが、すぐに立ったり、背中を向けて撫でろのサインを出してきます。

まず今回は、ヨーキー君の生い立ちや過去を知ってあげること、犬の特性を知ってあげることから始めましょう。
飼育放棄されるくらいですので、ヨーキー君は犬のしつけをまともに受けてきませんでした。
そして、ボランティアさんの存在も、もちろんありがたいのですが、ほぼ100%甘やかしをされます。
さらに、家に来て最初の頃は犬をチヤホヤされたり気遣ったりされたと思います。もちろんそれは、人間の心理としては自然なことなのですが、犬にはそんな心情は理解できません。
犬は、「僕がかわいそうな境遇だから甘やかしてくれるんだな・・」などとは、まったく思考できません。
犬は新しい環境(相手)に来て、最初の接触を基準値にします。気遣われ、大事に扱われることで、「自分がリーダーだ・・好きにして良いんだな・・」という程度にしか理解できないのです。
仮に、見た目がゴツイ大型犬だったら、飼い主さんはそうはしないでしょう。でも犬の本能は、小型犬でも何犬種でもオス犬でもメス犬でも変わりません。
ですので、まず今回は、いったん上手くない関係の基準値ができてしまったので、根気は要ります。しかも待っているだけでは解決しません。
意識改革と現実の行動、両方を強化しながら続けないといけません。
まず意識設定は、本書とQ&Aを何度も熟読してください。その度に気付いたり、犬のしつけを続けるための心のエネルギーになります。
そして今回は、具体的にやっていただきたいのが、リーダーウォークです。とは言っても、形式的に表面上するのではなく、犬にリードを付けて持って過ごす(主導する)習慣を付けていただきたいのです。
ケージから出す時は犬をフリーにしないで、リードを付けて持ってから出すことです。リードを持ったまま犬と遊んでください。コングはヒモ無しで良いです。
オヤツを詰めて与えるなどはしないでください。コングは飼い主さんと遊ぶ時のための特別な物であり、「飼い主さんの物」という認識でいてください。
(オヤツは栄養のバランスも崩れていますし、要求されますし、好き嫌いを覚えてドライフードを食べなくなってしまいます)
犬が一人遊びを始めても、「コイ」でリードを引いて来させポンポン褒め、「ダセ」でコングを手で取り出して回収してポンポン褒める・・スワレ・マテをさせ褒めたらまた転がしてあげる・・
という遊びをしましょう。
犬に噛まれるのが怖ければ、ホームセンターで作業用の革手袋を買ってください。500円くらいで買えます。
ナデナデ褒めは止めましょう。犬の世界では下位が上位にすり寄ってナメナメ挨拶します。それと類似するので、猫なで声でナデナデは犬に誤解されやすいです。
褒める時は、良い型と指示音ジェスチャーを関連付けながら、犬の肩付近をポンポンポンと褒めると良いです。
団らん時も、犬にリードを付けて持っていてください。そんな中で犬が唸ったりワガママな態度を見せ始めたら、無言で現行犯でそのまま厳しくリーダーウォークしてください。
お母様にも、そうしていただいてください。「吠えたらオヤツやゴハンでなだめる・・」というのは止めてください。ドンドン犬の要求がエスカレートしていきます。
無視だけでもいけません。犬は「吠え」が許されているという感覚になりますので、退屈吠えなどが癖になって抜けなくなります。
面倒がらずに、犬にリードを付けてそのままリーダーウォークをするか、あるいは忙しい時は、ケージに厚手の布をかけて暗くしてください。人の姿が見えないことと、暗くなるので犬が落ち着く要素になります。
ですので、夕方のお母様の電気点けもご不要です。もともと犬の暗視力は、とても高いですので、布でも掛けない限り、犬には夜でも普通に周囲が見えています。犬はほとんど色盲ですので、昼と夜(明暗)の差もあまり強く感じていないんです。
では、今日は以上ですが、もう一度思考をリセットしていただいて、ご自分が犬のリーダーであることを強く強く意識してください。しばらくは根競べの精神戦ですよ(^-^)
でも、乗り越えないといけない壁です・・・