犬の多頭飼いの環境・吠えのしつけ方など
はじめまして。堀川さんの犬のしつけプログラムを拝見させて頂きました●●と申します。
昨日読み終えましたが、犬を飼い始めて9年間ストレスになるような事ばかりしてきた事に気付かされました。
多頭飼いで朝から晩まて仕事で留守が多い環境の中、どこまで改善できるか不安です。飼い主失格と思われるでしょうが、飼ってる以上少しでも改善させたい気持ちです。
以下に詳細を記しますので、どうかアドバイスお願いします。
問題の内容:
・早朝に散歩の要求吠え
・ご飯の準備中の要求吠え
・家族の帰宅、ピンポンに吠える
・家の周りの人の気配に吠える
・散歩中、人、犬、自転車に吠えて飛びかかろうとする
・食糞(ヨーキーとミックス)
犬種:ビョンフリーゼ♂9歳、ヨーキー♂6歳、ミックス(ビションとペキニーズ)♀4歳
犬を飼った動機は、家を建てて興味本位で最初の子を飼いました。それから犬の可愛さにハマってしまい、子供もできなかったので増えていってしまいました。
家族構成:私40代、夫40代
犬と接する時間→平日朝1~2時間、夜2~4時間位
土日朝3時間、夜2~4時間位
過去の接し方:
①リビングで放し飼いなので近づいてきたらナデナデ、抱っこしてました。ボール遊びは以前から時々してました。
②しつけというしつけは殆どしていません。ご飯の前にオスワリ、マテをさせて食べさせているぐらいです。粗相をしても怒る事はないです。大きい声で「あ~オシッコしちゃった~」等はつい言っちゃいますが・・・
③オヤツはバナナをたまに手渡しであげてます。抱っこ、ナデナデ、声掛けはよくしてます。
④散歩は最近は土日主人が朝30分程してます。毎週行きだしてから毎朝主人が起きると要求吠えをするようになりました。
以前は平日夜も散歩してましたが、最近他人に吠えるのがひどくなり、近所迷惑になるので土日だけ吠えてもいい広い場所に連れていってます。
⑤タイムスケジュール
6時45分主人起床、要求吠え開始。
7時に私が起床、それまで吠えてます。
7時30分主人出勤。
時間がある時はボール投げを10分してご飯をあげて、8時45分に私が出勤。出勤の時は静かです。
18時私が帰宅。ワンワン吠えます。
22時ぐらい迄家の事したりしてるので殆ど構ってあげてません。
23時主人帰宅。ワンワン吠えます。
ボール遊びを10分くらいしてご飯をあげて私達も寝る準備です。
⑥写真はスマホからのせいか添付不可能でした。文章でわかりにくいかもしれませんが・・・
16畳のリビングを3分の1でゲートで区切り、ビションが3分の1の方へ、残りは他2匹と分けてます。
ビションはトイレ、水、寝る為のクッションを置いてます。体が長いのでクレートは買いませんでした。
ほか2匹はキャリーを2個、トイレ2箇所置いてますが、ヨーキーが寂しがり屋なのか1個のキャリーに2匹入って寝てます。ビションは寝る時は3分の1のクッションで寝ますが、私達がリビングにいる時とトイレはわざわざゲートを飛び越えてきて広いエリアの方にします。
色々問題行動を直す前に、まず3匹をどう配置していいか分かりません。
リビングで放し飼いはストレスになると書いてありますが、リビングを3分割にして1匹づつにした方がいいですか?
ヨーキーがミックスの子にくっつきたがるので2匹は一緒がいいのかなあと思って今は一緒にしてますが...
あと散歩は今はビションとミックスを二股のリードで一緒に散歩してますが、1匹づつの方がいいですか?
問題行動を起こすのは殆どビションとミックスです。ヨーキーはオシッコをあっちこっちしちゃうのと、他の子が興奮して吠えた時に仕切ろうとするのか噛み付いて止めようとします。
たまにお客が来て慌てて私が動くと私の足を噛み付く事もあります。
甘やかしや社会化不足等で手に負えない状況になってしまいましたが、まず何からやっていったらいいでしょうか?
お返事お待ちしております。
頑張っておられますね(^_^)
まず、↓これらの症状からして、やっぱり主従関係がずれているのは事実です。
>散歩の要求吠え・・
>ご飯の準備中の要求吠え・・
>お客が来て慌てて私が動くと私の足を噛み付く事も・・
この関係を修正しつつ、直接の教えも並行して続けていきましょう。
■まずは、お二人の意識改革からです。
長年の習慣と関係がありますので、激変しすぎると、犬が適応できずにかえってマイナスになってしまいます。
表面上のテクニックだけ押し付けても、犬も納得できませんので、お二人の知識・根本意識から変えて、自然に態度や振る舞いが変わるのが良いです。
一貫性が出て、毎日自然と続けることができますので、犬も徐々に認めるようになっていきます。
まずはそれが大前提であり、根本の土台になりますので、絶対に忘れないでください。
ここを外してしまうと、犬は見抜きます。
「教えを聞きたくなる関係」 「褒められて嬉しくなる関係」 「要求されない関係」
この根本の主従関係があるかないかで、同じ教え方をしても、結果が全く違ってきます。
本書とQ&Aも必ず熟読いただければ、自然と変わっていけますし、過去を反省されたということは、もう変わり始めています。
さて、では直接的に進めていただきたいことをお話ししていきます。
■環境の調整
>ヨーキーがミックスの子にくっつきたがるので2匹は一緒がいいのかなあと思って今は一緒にしてます・・
↑この文面からして、おそらくどちらかを避妊・去勢はされているのだと思いますので、出来れば3頭みんな一緒に過ごさせていただきたいです。
お互いに群れのルールを学び合ったり、留守番時の退屈しのぎや寂しさを紛らわすことができます。
それが多頭飼いのメリットになりますので、一緒にしないと意味がなくなってしまいます。
もちろん、去勢・避妊の問題があるのであれば、それを先に解決しないといけませんし(ガンなどの予防にもなります)、ケンカが激しいのであれば、飼い主さんが居る時を利用して徐々に慣らして、教育もしていかないといけません。
(ケンカの問題がもしある場合は、また別途ご相談ください)
それを解決した上で、三頭は一緒に過ごさせてください。
トイレは個数があったほうが良いです。
クレートハウスとベッドは大きなものが一個あって、みんな一緒に寝れたほうが良いです。
仕切る範囲ですが、長年の放し飼いからあまりにも狭くすると適応できない可能性もあるので、まずはリビングの三分の一くらいの範囲をゲージ柵で仕切って、その中で三頭一緒に過ごさせて、中にはクレートハウス・水・トイレ、という4点セットにしましょう。
さて、本題の吠えのしつけですが、おそらくメールの文面からして、まだ『布掛け目隠し』をされていないのだと思います。
吠えの教え方にも色々ありますが、まずはご自宅で吠える場合は、『布掛け目隠し』から入ってください。
もし今クレートハウスが二つあるようでしたら、吠える犬だけそちらに入れて扉を閉めて、そこに毛布などの厚手の布を掛けて、暗く目隠ししましょう。
イヌ科の動物は地面の穴倉を巣穴にする習性がありますので、暗く目隠しすることで落ち着く犬が多いです。
クレートが一個しかない場合は、そこに吠える犬を入れて、吠えない犬も入っていたらそのまま一緒にして、扉を閉めて布掛けしましょう。
そして、少し様子見しても吠えが収まらない場合は、吠える犬を出して、その場のお部屋で厳しくリーダーウォークしましょう。
その際には、「シ!シ!シ!」の注意音を出しながら関連付けしながら、厳しい態度で強めに切り返してリーダーウォークを行います。
多頭飼いの場合は、吠える犬に連鎖してみんなで吠えてしまう傾向があって難しいですが、まずは布掛けから根気よく取り組んでいきましょう。
関係作りも影響しますので、直ぐの結果は求めないで、淡々と続けることです。
次に、家族の誰かが家に居て、団らん時に、犬が物音に吠えた場合のしつけ方です。
まず、家に誰か居る場合は、犬を仕切りから出しても構わないのですが、放しっぱなしにされないで、犬にリードを着けてそれを持っておく癖にすると良いです。
そうしておくと、犬が吠えたり噛んだりした瞬間に、注意音と同時にリードをチョンと引き上げて注意して、現行犯で教えやすいからです。
あるいは、そのままリーダーウォークに移行しても良いです。
そして、そうやって過ごすことで、自然と犬の行動全体を主導する形になるので、そうやって過ごすことそのものが、主従関係作りに良いのです。
3頭いるので大変ですが、それぞれ一頭ずつにリードを着けて、3本を持っていてください。
あるいは、長めのリードをご自分の腰に一周縛って、そこに犬を付けると、両手が空いて良いです。
そうやって過ごして、吠えた時には注意音とリードのチョン引きで教えます。
そして、お休みの日などご夫婦でいる時は、玄関チャイムをわざと鳴らして練習したり、お一人の場合は、携帯やPCから音を出して練習しても良いです。
あとは、そうやってリードを着けて持って過ごすことで、トイレにマメに誘導することもできます。
定期的にマメに連れていって、「チチチチ」などの指示音でうながしてください。もちろん、普段犬がオシッコしている場面を見逃さないようにして、その音の関連付けをコツコツ続けておかないと意味はありません。
共働きですのでチャンスは少ないですが、起床後・食後・ケージから出した瞬間や遊び始め、散歩の始めなどは興奮刺激が入って、利尿脱糞作用が高まりますので、そのチャンスを活かしてコツコツ関連付けしておきましょう。
続きまして散歩中の吠えですが、この時は「シ!」の注意音と同時に、リードをチョンと引き上げて注意します。吠えが収まらない場合は、引き上げる強さも調整ながら、繰り返してください。
また出来れば、飼い主さんがしゃがんで犬にスワレの型を作ってあげて、注意音と同時に首輪をチョンと引き上げたり、犬の口を手で一瞬閉じて注意します。
ただし、いきなり人や犬に無理に対面させないことです。
できるだけ距離を保ちながら、そこで練習し、離れた距離で成功できるようになったら、少し距離を縮めてまた練習・・・の繰り返しで、徐々に難易度を上げていきましょう。
>ビションとミックスを二股のリードで一緒に散歩してますが、1匹づつの方がいいですか?・・
吠えのしつけを集中的にする場合は、やっぱり一頭ずつのほうが良いです。
ですが、共働きで時間的にどうしても難しいということであれば無理ですし、また多頭飼いの場合はみんな一緒に居たいですから、三頭一緒に連れて行っても良いです。
もし時間があれば、特に吠える子だけ先に少しの時間でも良いので単独で行って、集中的に教えれば一番良いです。
現在は、ご近所を気にして週末だけのようですが、少ないと結局、教えたり慣れるチャンスも少ないので、良い方向に行かない場合が多いです。
天気の良い日はできるだけ多く出て、運動・発散させること自体がストレス解消になって、吠えが低減することもあります。
もちろん、先ほどお話しした、吠えた時の注意法は徹底していただきたいですし、教えを聞きたくなる関係作りも基本になります。
それと、ご自宅での主導型コング遊びも重要ですし、お家の中をグルグル回ってリーダーウォーク兼、運動させることもできます。
できるだけ、一日の中の運動時間は、トータルで1時間以上は確保していただきたいです。
「小型犬だから運動は無しで良い」というわけではありません。
どんな犬も、もともとは活発ですし、ストレス発散は必要です。また、有酸素運動は健康にも大きく影響します。
もちろん、大型犬と小型犬は歩幅が違いますので、例えばお散歩ならば歩く距離自体は違ってきますが、小型犬のペースで一定時間以上の運動が必要なことには、変わりがありません。
また、高齢犬で老衰がかなり進んでいる犬はもちろん別ですが、小型犬で10歳未満でしたらまだまだ元気です。
吠える元気がある間は、余裕で元気一杯なのです(笑)
さすがに15歳過ぎてきたら、もう好きにさせたほうが良いですが、小型犬でしたら12・13歳くらいまでは全く変わらず元気です。(パグやブル系は除く)
かえって、動かせないと老化は進みます。
最後に食糞のしつけですが、環境からして難易度は高いです。
ですが、食糞の原因がストレスや発散不足だったり、主従関係の問題からきている場合は、食糞のしつけを何もしないでも治る可能性もあります。
今回は、吠えのしつけが最優先ですので、まずはそれと関係作りをしばらく頑張って、食糞は様子見をしてください。
他の問題が無くなって、そこでもまだ食糞があるようでしたら、食糞のしつけに取り組みましょう。
まずは、ウンチの場面をたくさん見つける必要がありますので、オシッコの時の指示音の関連付けと同じように、起床後・食後・ケージから出した瞬間や遊び始め、散歩の始めなどは興奮刺激が入って、利尿脱糞作用が高まりますので、そのチャンスを活かしてコツコツ関連付けしておきましょう。
ウンチの場面を見つけられた場合は、マテが有効です。
マテをさせて、ウンチを回収しながら褒めてください。
この習慣と、「褒められて嬉しい関係」が定着することで、食糞は消えていきます。
マテは、普段の遊びの中で、型を作ってあげて指示音ジェスチャーで褒めて関連付けしながら教えていきましょう。
食糞防止シロップなども売っていますが、効かない犬が多いのと、健康にも良くないので買わないことです。
あとは、ドッグフードの量が足りない可能性もありますので、太り過ぎでないならば、ちょっと量を増やしてみてください。
それと、年齢に合ったドッグフードにすることも重要です。糖質を減らしてタンパク質が多くなるので、同じフード量でも太りにくいので、量を増やして満足感を与えられます。
では今日は以上になりますが、今日お話しした内容はすでにQ&Aサイトでたくさん解説しております。
ご購入のタイミングやメールの内容からして、まだQ&Aを熟読されておられないようにお見受けいたしました。
情報のつまみ食いは危険ですので、ぜひご熟読いただいて意識と知識を深めてください。
それでは、これから頑張って続けていきましょう(^_^)