犬のしつけがQ&Aで分かる!

ドーベルマンの子犬を飼い始めたが先住のチワワが吠える

質問内容
こんにちは。犬と家族の絆、一気に読ませていただきました。いろいろなことを実践したいと思っています。

今回の質問は二か月半のドーベルマンの仔犬のことです。家にはチワワを7匹、わんこ部屋(6畳間)で飼っていて、私たちの住む空間にはヨーキーが一匹います。(計8匹)

チワワは最高齢で6歳です。

この度、番犬としてドーベルマンを迎え入れ、将来はリビングのほうで生活させたいと考えていますが、大きくなるまでは、わんこ部屋で昼間は過ごさせようと思い、入れましたら、お母さんチワワが吠えまくり、お父さんチワワも威嚇していて、他のチワワも吠えています。

ドーベルマンのほうが既に身体は大きいのですが縮こまって萎縮しています。でも幼犬なので、遊びたいから寄っていっては吠えられ、これはストレスだろうと感じました。このまま日にちが経つのを待っていれば、仲間として受け入れられるのか心配になりました。

大きい犬をチワワ達は見たことがありません。また、お母さん犬が一番吠えますが、この子は窓から見えるカラスにも吠えまくっています。もともと吠えない他の4匹は、ドーベルマンを見ても吠えたりはしません。

吠える子たちをいったん別の場所に、とも考えましたが、先に住んでる子たちのほうが優先だと思いますし、どうするのが一番いいのでしょうか?

しつけをする以前に、このような問題が生じてしまい、困ってしまいました。

これからしつけにおいて、いろいろご相談もあるかと思いますが、まずこのことについてどのようにしたら良いのか教えて下さると有り難いです。よろしくお願いします。


返答内容
今回の件、まずは環境ですが、全頭をリビングで一緒に飼って、しつけしましょう。

群れごとに部屋を分けるのは良くありません。

別れた犬同士がなじめず、でも臭いや音など存在は強く感じることになり、ストレスが大きいです。

それと、チワワ群が一つの群れになり、そのテリトリーを支配しているのがチワワの母父になりますので、当然群れを守るために権勢本能・警戒心も強くなります。威嚇吠えもしたくなります。その部屋で放し飼いならばなおさらです。

群れのリーダーは、人間家族がならなければいけません。環境も接し方も全て影響しています。

チワワ群を別室&放し飼いにしてはいけないのです。


そして、これだけ頭数が多くなりますと、散歩や社会化も十分できなかったはずです。

それでは、知らない犬や動物に吠えたくなるのも無理はありません。そういう下地を作ってしまったうえで、調教テクニックで「吠えを止めさせよう」としても無理があります。ストレスの上塗りになってしまいます。寿命も短くなってしまいます。

毎日散歩して社会化・順化をしてこそ、ストレスを感じさせない本当の犬のしつけになります。

特にドーベルマンとなれば、チワワちゃん達のように「箱入り娘」のように育てたら大変なことになります。運動量も必要です。


そこで、これは個人的なご提案になりますが、もしご友人・知人で犬好きな人がいらっしゃれば、チワワちゃんの内の何頭かを里子に出しても良いのではないでしょうか。動物病院に「里親募集」の案内状を貼らしてもらっても良いでしょう。(父母犬の避妊去勢もされてください)

もちろん、みんな家族の一員ですから、そんなことはしたくないというお気持ちも十分承知しておりますが、このままの環境では、全ての犬と人間家族全員が不幸になる可能性があります。

多頭飼いのメリットとしては、噛み癖などを群れのメンバーが教えてくれるので楽な面もありますし、留守番も退屈しなくて良いのですが、デメリットして興奮・威嚇吠えの連鎖や、散歩が疎かになり他人・他の動物など外の世界に順化しにくいという面があります。

もちろん、ご家族全員で勉強されてご覚悟いただき、「全頭同じ部屋で飼い、ゲージもクレートハウスも用意して環境を整え、毎日散歩と主導型の遊び・しつけを徹底する!」というご決意があれば、そして一貫して実行できれば、それは素晴らしいことです。ぜひそうされてください。

しかし、それが徹底できないのであれば、何頭かを里子に出すほうが、犬達にとっては幸せなことです。人間側の悩みも減ります。


最後にもう一点ですが、「番犬としてドーベルマンを迎え入れ」という感覚は、大変危険です。

「何をもってして番犬か」という定義にもよりますが、例えば、犬の知能では「郵便屋さんや来客には吠えないが・泥棒には吠える」というような区別はできません。

番犬として育てたならば、「見慣れない人・動物には全て吠えて威嚇して噛みつく」ということになります。

大型犬で力も強いですので、ドーベルマンが本気で突進したら大人の人間でも制御できません。以前、反町隆史さん松嶋菜々子さんご夫妻が飼っていたドーベルマンが他人に噛みついた事件がありましたが、番犬として飼っていなくても、躾け方を間違うとそうなってしまうのです。

それを番犬として育てたならば、さらに悲惨な結果になります。

絶対に、幼少期から他人や動物に触れ合いさせ、社会化・順化させ、主従関係をしっかり作って、穏やかな良い子に育てないと危険です。


今回まずは、環境をどうされるのか。ご家族で良く話し合っていただき、ご決断ください。

ご決断されたら、本書だけでなくQ&Aサイトも全て皆さんで熟読していただいて、ルールを決めて注意し合いながら一貫して犬のしつけをしていくことです。

その上で、また問題があればご相談くださいませ。

それでは、これから頑張って続けていきましょう(^_^)


飼い主さんからのお返事.png
堀川さん、丁寧なお返事をありがとうございました。

今日仕事から帰ってきてみましたら、すっかり馴染んで吠えるチワワは居ませんでした。でも、年齢が違うので、ドーベルマンが遊びたいと思ってもみんなはそれには無視するので、一人で遊んでいました。

メールでいただいたいくつかの件、私たちは夫婦2人なので、帰ってきたら主人と相談します。

住まいは○○の郊外で広いドッグランのような庭があり、チワワやヨーキーはいつもそこで遊んでいますが、散歩をしないといけないのですね。獣医さんにはチワワは散歩しなくても大丈夫と言われたことがあるのでお庭でいいかと思っていました。

でも、ドーベルマンは散歩はさせようと思っていました。何歳ころから散歩できるのでしょうか。一回目のワクチンが終わったところです。

それと、番犬というのは、主人の仕事の帰りが遅いため、夜に家の中に私一人の時間が多いので、万が一侵入者が来たときのためと考えていました。見た目で相手がちょっとでもひるむように、大きい犬を選びました。最近付近で事件が発生し、とても恐ろしい思いになったため、セキュリティだけではなく安心感も欲しかったのです。

大型犬は小さい頃からシェパードを飼っていて、二代いたので約18年間くらい世話をしました。その二匹とも、ある時期警察犬学校に入りました。まだ私は小学生から中学生だったので、その意味はよくわかりませんでした。また、子供の頃両親はそれほどしつけに注目していなかったので、リーダーウォーキングなどはできていませんでした。

御本にありますように、今後そこから始めて、人間主導の生活になるよう頑張りたいと思います。本当にいろいろ考えてくださったメールで嬉しかったです。これからもよろしくお願いします。


返答内容
>チワワは散歩しなくても大丈夫と言われた・・

↑こうするのが良いということではなく、「とりあえず飼えます」ということです。また、社会化や外の世界への順化は別のお話です。しつけ・健康のことを考えれば、してあげるべきです。今からでも少しずつ練習しましょう。

例えば、野良犬として生まれて、生後6か月までに人間との触れ合いが無く育った犬は、怖がって人間に近づくことすらできなくなる・・・という実態があります。

それだけ、哺乳類にとっては経験がとてつもなく重要だということです。

ドーベルマン君ですが、最後のワクチンが終わったら散歩に出てください。3か月近くなったら、首輪とリードに慣れさせ、人と一緒に歩く練習をし、歩けるようになったら外の散歩を始めましょう。

その辺も全てQ&Aサイトで解説しています。情報のつまみ食いをせず、必ずご夫婦でQ&Aサイトを熟読されてください。

そして、お子様がいらっしゃらないご家庭では、ついつい無意識のうちに擬人化や甘やかしをしてしまいがちです。それだけないように、意識だけはお持ちになってください。

防犯に良いのは、「大型犬・猛犬注意!」などの看板や標識を置くと良いです。ホームセンターに行くと売ってますので、玄関、お部屋の窓ガラス、裏口など、何か所かに貼っておくと良いです。

それでは、これから頑張って続けてください(^_^)

飼い主さんからのお返事.png
堀川さん、お返事ありがとうございました。読ませていただき、出来ることから始めます。

いま、わんこの部屋はリビングの一角にあってガラス張りの6畳間くらいの広さです。その中にチワワがいて、寝床としてのクレートを置き、端っこにトイレを置いています。この部屋のドアを開け放すとみんな家中を歩けます。

ドーベルマンは大きくなると思って、リビングの端っこにサークルを置いて、クレートを置いています。でも昨日は、他のわんことも慣れたほうがいいと思い、ガラス張りの中のほうに入れました。

具体的に堀川さんの言われる形を実践するとした場合、一匹一匹に対してサークルを作ったほうがいいのでしょうか?
今は、ガラス張りの壁をサークルに見立てて、その中にチワワ達が居るような感じです。その中ではなく、外にサークルをチワワ分も置くべきですか?

あと、ドーベルマンのしつけですが、首輪はつけていて問題ありませんが、リードを昨日つけてみたら、かじって遊んでしまいます。まだ私自身がリーダーウォークに慣れていないせいか、歩くという段階にもなりませんでした。

リードを付けっぱなしでリードに慣れさせるということをしたほうがいいとありましたが、首輪と同様に一日中つけておいてもいいということでしょうか?

それから、仰向け固めはまだやっていませんが、今から始めるのがいいですか?
これも初めてで、要領を得ていませんが、慣れたいと思います。初歩的な質問で申し訳ありませんが、よろしくお願いします。


返答内容
>リビングの一角にあってガラス張り・・

↑これだったら良いです。リビングと一体になっていて、犬の吠えなどがすぐに注意できて群れを人間が主導できるような体勢ならば、それで良いです。

>一匹一匹に対してサークルを作ったほうがいいのでしょうか?・・

↑これだと多頭飼いのメリットがありませんので、一つの中にみんな寄り添って居て良いのです。

ただ、犬の頭数がとても多いですので、今あるクレートに全頭が入りきらないようでしたら(バロン君が大きくなるので無理だと思いますが)、今あるサークルをクレート型に改造しても良いです。

出入り口の部分以外、天井と側面に木の板をくくり付けると良いです。あるいは、サークルの半分だけ施工しても良いです。

べニア板なら加工しやすいですし、化粧べニアなら質感も良いです。そうすれば無理にサークルやクレートも増やす必要はなくなります。

また、単品の金属柵も売っていますので、全体の大きさも調整できます。床面は、小さ目の汎用トレーをいくつか買って、それをガムテームでくっ付ければ、全体の大きさの変化に対応できます。水汚れ系もガードできます。

あとは、ガラス部屋から外がダイレクトに見えないようにカーテン等してください。

以上ができれば、それだけでもかなり落ち着ける環境です。


>リードを昨日つけてみたら、かじって遊んでしまいます・・

↑急には適応できませんので、まずは遊びを通じて慣れていくことです。

犬にリードを付けて、それを飼い主さんが持った状態でコング遊びしてください。そうやって自然に犬を主導することで、主従関係を少しずつ示していけます。自然とお散歩の練習にもなっています。

まずは、キレイな形や良い結果をすぐに求めないで、「遊び」で良いんです。その楽しい遊びの中で、リードにも慣れさせる・・主導性を見せていく・・・ということで良いのです。

人間の子供だって、幼稚園では遊びから入って、その中で勉強したり集団生活を学ばせますね。知能の低い犬ならば、なおさらそういう段階を作ってあげないといけません。


>首輪と同様に一日中つけておいてもいいということでしょうか・・

↑ですので、これはそうではなくて、遊びや団らんでゲージから出す時です。


>仰向け固めはまだやっていませんが、今から始めるのがいいですか?・・

↑同じ理由で、これも遊びの中に少しずつ混ぜ込んでやっていきましょう。


以上は、すでにQ&Aサイトにたくさん解説を載せてあります。知りたい事だけをメールでご質問されると、情報のつまみ食いになってしまいとても危険です。

必ずご夫婦でまず本書とQ&Aサイトも全体的に熟読されてください。

それでは、これから頑張って続けてください(^_^)


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【著者:運営責任者】
犬のしつけアドバイザー
堀川春広
株式会社ホリページ代表取締役
https://www.horipage.com/
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