犬のしつけがQ&Aで分かる!

噛むボーダーコリー犬のしつけ

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我が家の犬は5歳のボーダーコリーなのですが、1歳くらいから時々噛むようになりました。

だいたいは怖いと思った時とか、して欲しくないと思った時なのですが、だんだんとひどくなり最近ではブラッシングもさせないし、首輪に散歩綱をつけ替えるのも飼い主がビクビクするくらいよく噛まれます。

普段は家に来る人に対して、警戒心が強くいろんなことに臆病で吠えることも多いです。
ドックトレーナーに任せたこともありますが、トレーナーを噛んでしまいお断りされてしまいました。

獣医さんに連れて行くのも一大決心をしないと行けないくらいです。
シャンプーも簡単には出来ません。

ほとほと悩んで噛む犬専門の本など購入したり、犬のしつけ方をずいぶんと調べたりして良さそうと思うことはしてみるのですが、改善どころか少しずつ悪くなってるように思います。
 
さわられるのも嫌がるような犬を、しつけることが出来るのでしょうか?
本の中には、むりやり犬をひっくり返してお腹を見せる状態にしてダランとなるまで押さえつけるなど、我が家の犬の今の状態では絶対に出来ない方法とかもあるのですが、そういったこちらが噛まれて怪我をするかもしれないやり方は実践することが出来ないと思います。
 
ちょっとずつでも良い方向に行けるように努力していくつもりですが、我が家の犬のような超恐がりの性格で恐怖から噛むようなタイプの犬にも使えるしつけ方かということを、教えていただいた上で購入したいと思います。
 
お返事お待ちしております。


m2.pngまず、私の犬のしつけ法の中には、「あお向け」もあります。ただし、噛み癖の強い犬には接触するタイプの方法では、お互いに無理がありますので、そういう犬の場合は「リーダーウォーク」と「主導型ヒモ付ボール遊び」をおすすめしています。

特にボーダーコリーは運動好きで狩猟本能も強いので、ボール遊びであれば犬も喜びますし、それを通して少しずつ主従関係を作っていきましょう。(もちろん主従関係が崩れてしまっているので、飼い主さんは最初は大変です。上手く遊びを主導できるまでご努力と根気は必要です。)

犬のしつけは関係の悪化度合いや段階に応じて、合う方法や強弱を変えていかないといけません。

ただし、もともとの主従関係が崩れた原因も忘れてはいけません。甘やかしや体罰、どれかあったはずです。甘やかしたつもりがなくても、犬の本能には従属的に見える人間の行為はたくさんあります。

例えば、ジロジロ見つめて意味の無い声掛けや挨拶、オヤツに抱っこにナデナデ・・過去になかったでしょうか。犬は犬の本能の視点で見て感じています。マレに素性の良い子はそれでも主従関係が崩れないのですが、マレです。普通の犬は関係が崩れます。

あるいは最初甘噛みがあって、それを止めさせようと体罰を加えた・・なかったでしょうか。犬は体罰を理解できる知能がありません。防衛本能で反応するだけです。

まず、頑張ってリーダーウォークをやってみましょう。

ボーダーコリーですから噛み付かれれば相当なことです。それに対し恐怖心をかなり持たれていますので、それも悪循環になる原因です。恐怖や興奮はホルモン(臭い)の変化や脳波の変化で犬に伝わり、犬の興奮と緊張が増長されます。

リラックスできるように、できれば皮製の厚手の手袋を準備されると良いです。お金をかけたくない場合はタオルを手にグルグル巻くと良いです。それと、要らないジーパンを二枚履きして足もガードします。家なら靴下とスリッパをはきましょう。まずは少しでも精神的にリラックスするようにできる準備はしてください。

それとボーダーコリーを嫌いにならないでください。反対に好き過ぎて従属的になってもいけません。これからまだ長~い根競べが待っていますので、ご自分を信じて平常心でのぞむように心の準備もしてください(^-^)

正しく接すれば、犬はちゃんと変わっていきます。犬は犬の本能でシンプルに環境に適応しているだけです。

さて、お話が反れまして失礼いたしました。リーダーウォークですが、これは散歩の練習手法ではありません。コントロールする手法だけを解説している書を見かけますが、それは大事なことではなく、これはリーダーとしての「態度を示す儀式」だと思ってください。

完全無視で、淡々と自分のペースで歩き、急に止まる・曲がる・Uターン・早歩き・ゆっくり歩き・・・

強い気持ちで続けてください。特にゴハン前に最低10分はしましょう。食べ物で釣るのではなく、食事を完全管理されると犬は主従関係を認識しやすくなるからです。ゴハン中も取り上げ中断し、スワレ・マテをさせ出来たら食べさせる・・ということもしてください。

なかなか犬の散歩中外でそれをするのは人目も気になるでしょうから、家でしっかりやってください。最初から激変するのではなく、最初は少しの時間から、毎日徐々に増やして段々強化していきましょう。

それからボール遊びです。絶対に与えっぱなしにしないで、飼い主さんが遊びを主導することです。

犬にスワレ・マテを指示し、できるまでボールを投げないでください。ご自分の眼のそばにボールを固定し犬と眼が合うようにします。目が合ったら「ヨシ」と声をかけてボールを投げましょう。

ボールはヒモ付にして、投げたらすぐ回収します。(たまには好きなだけ噛ませてストレス発散もさせてください)。ボールはコングが良いです。(コングは商品名です。本書をお買いいただくと用品説明サイトがご覧いただけます)。

そうやって、物事は全て主導します。毎日毎日、24時間一貫します。根気は要りますが、それを続けるから犬は相手を認めます。だから同じ教え方をしても、犬は覚えようとするのです。その関係が無ければ、教えても犬は聞く耳すら持ちません。

ですので、犬のしつけは単発の手法を上塗りしただけでは何の意味もないのです。全てつながっています。

ご家族がそれをやり続けるご覚悟があるかどうかです。それがあって続ければ必ず結果は比例します。結果が出ないのは態度が一貫していないからです。

かといって、犬も5年間好きにやってきましたから、そう簡単に結果は出ませんし反発することもあります。求め過ぎず、あせらず淡々と毎日続けることです。

上記のことだけでも、意識して続けると変わってくるでしょう。しばらく続けて、犬の態度が軟化してきたら、遊びの流れの中でなんとなく仰向けしてみれば良いです。できることから少しずつ強化していけば良いです。

では、頑張って続けてください(^-^)


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【著者:運営責任者】
犬のしつけアドバイザー
堀川春広
株式会社ホリページ代表取締役
https://www.horipage.com/
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