犬のしつけがQ&Aで分かる!

ラブラドールレトリーバーのしつけ無駄吠え・飛びつき・ひっぱり・噛み癖

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色々と犬のしつけに関するものを見ましたが、内容が一番安心でき納得できました。
メールさせていただいたのは、本を見てしつけを始める前に質問したいことがあったからです。

うちの犬は、黒のラブラドールレトリーバーのオスで、はっきりした年齢はわかりません。4年ほど前にお客様が(自営で会社を営んでおります。)迷い犬を連れてきて(首輪なしの状態で)、自分では飼えないから飼ってもらえないか・・と家にやってきたのが今や我が家の問題犬です。

ラブラドールは大きすぎて家の中では飼えないので、会社で外飼をしています。家族や従業員には危害を加えないのですが、無駄吠え・飛びつき・ひっぱり・噛み癖があります。走っているトラックに突進していくという変な(危険な)癖もあります。

散歩の途中で突然他人に飛びついて、たまに噛んだりする(大きな傷にはなりませんが)ことがあり、正直、精神的に苦痛になっている状態です。

主人は、「自分ではどうにもできんから、かわいそうだが安楽死させたらどうか・・」といいます。しかし、普段は可愛い会社の番犬なのです。

何とかならないものかとPCで検索していたところ堀川さんのHPにたどり着きました。知合いに聞いても、大きくなってからではしつけは無理、といわれるのですが本当にダメなのでしょうか?

私はできればしつけ直して、このまま飼ってあげたいと思っています。よろしくご指導お願いします。


m2.png悲観される必要はまったくありません。HPにも書きましたが、犬は犬の本能に従ってシンプルに環境に適応しているだけですので、何歳になっても犬のしつけは出来ます。そして犬の素性ですが、ラブラドール君は良い子です。
 
迷い犬なのに、家族と問題なく接することができるのは素晴らしい素性です。私にご相談される飼い主さんの多くは、家族にも牙をむくような深刻な状態の方もいらっしゃいます。
 
しかし、他人や動く物に攻撃性がありますね。ただ、これは一重に社会化の不足と環境のストレスです。それだけです。首輪がない迷い犬・・そこから前の飼い主が社会化や犬のしつけをしてこなかったのは容易に想像できますから、当然といえば当然の結果です。
 
ということは環境を整えてあげ、社会化を促進すれば、またその環境に犬は順応してくれます。素性も良い子です。もちろん、4年以上好き勝手やってきたなら、新しい環境や犬のしつけに順応するのも時間は多少かかりますが、やり続ければ必ず変化はあります。
 
苦しみを伴う不治の病でない限り、安楽死は絶対にいけません。日々後悔されることになるでしょう。家族として迎え入れた以上、これも運命の出会いです。生涯の最後まで精一杯しつけしてあげましょう。
 
では内容ですが、本題に入る前に環境の確認です。
 
外飼いですが、鎖での繋ぎ飼いでしょうか?
これは犬に非常にストレスがかかり、攻撃的になります。他人は容易に自分に近づける・・でも自分は逃げられない・・という状況です。ですので、ケージ(柵の囲い)を作り、その中に四方が壁になったハウスを置くべきです。犬のストレス度合いが全然違います。
 
それと一日の運動や遊びはどうでしょうか?
30分の散歩と30分のボール遊びなどが理想です。犬は捕食動物ですから、本能のはけ口も作ってあげないといけませんし、運動不足もストレスになります。
 
では、犬のしつけです。吠え・噛みつき・引っ張り・飛びつき・・何事の教えもそうですが、全ての基盤は主従関係にあります。それがないと犬は教えても聞く耳すら持ちません。外飼いですので、ベタベタの甘やかしはないと思いますが、犬には具体的に主従関係や物事の良し悪しを、シンプルにしつこく教えてあげないと何も学べませんし、分かっていません。
 
まず普段の何気ない接し方です。意味なく声をかけたりナデナデ・オヤツ・・・こういうことは一切止めます。かまいたいと思われたら、オテでもスワレでも何でも良いので必ず何か指示を出し→犬が従う→褒める・・というルールにしてください。
 
今あお向けが出来る状態なら、あお向けも織り交ぜます。暴れて無理ならリーダーウォークから始めます。散歩でも、もちろんそうなのですが、家でも時間があったら頻繁にリーダーウォークをしてください。特にゴハン前に時間をかけてやりましょう。キレイにコントロールすることは意識されなくて良いです。毅然とした態度を明確に示すことを意識しましょう。
 
ヒモ付ボール遊びも、飼い主が主導してやります。ボールを投げる前に必ずスワレ・マテをさせ、できたら褒めて投げる・・飼い主の判断でヒモを引いて回収する・・そうやって主導して主従関係を示していきます。
 
以上のことを繰り返し、犬との主従関係と信頼関係を作っていきます。
 
そして物事は、型と音(できるだけジェスチャーも)でシンプルに根気良く体現させて教えていきます。そうしないと犬の知能では覚えられません。
 
全てに共通する事ですが、悪い型を止めて・良い型をとらせて褒める・・やることはシンプルです。でも何度も何度も毎日毎日やる根気強さが必要です。
 
吠えと噛みつきなら、首輪をつかみ「ダメ」と同時にもう片手で口を軽く閉じます。悪い型は止まり、良い型になったので、ここで褒めます。開放して、また吠えたら再度首輪をつかみ「ダメ」と同時にもう片手で口を・・・この繰り返しです。開放しても吠えなったから・・噛まなかったら褒めて、何度も反復します。
 
そうやってシンプルに教えないと犬の知能では理解できませんし、主従関係が出来ていれば覚えようとしてくれます。だから大前提が主従関係になります。
 
引っ張りも飛びつきも、主従関係が深まって、リーダーウォークが浸透してくればなくなります。また散歩時についても、他人を避けないで、あえて他人に多く会わせて社会化を促進します。他人が見えたら、首輪をガッチリつかんでスワレをさせ、他人を良く見せます。(飼い主さんも一緒にしゃがんであげる。または動きが激しいなら、座っている犬に馬乗りになって首輪をガッチリつかむ)。吠えたら先ほどの型と音で教えます。他人とすれ違って、通りすぎる間、良い子にできた瞬間があったら、そこですかさず「○○良い子!」で褒めます。頭でも体でもどこでも良いので、ポンポンポンと軽くたたいて褒めます。
 
その繰り返しで他人にも慣れ、接し方も学んでいきます。(散歩と遊びの時間をしっかり確保してストレス発散も)。今回のラブラドール君の場合は、歯をむき出して唸るような強い攻撃性ではないはずです。飛びつきは接し方と興奮の抑え方が分かっていないだけです。
 
余談ですが、あまりに引っ張りが強くてキツイなら、リードを腰にしばって、手で補助すると楽です。
 
では、今回は以上です。次回またご相談される際は、HPのご案内の通り、もう少し過去の接し方や一日の流れを具体的にお知らせいただけますと、よりピンポイントでアドバイスできると思います。
 
自分を信じてやり続ければ、必ず結果は出ます。また家族と従業員さんの協力も必要です。まずは態度とリーダーウォークから頑張ってみてください(^-^)


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【著者:運営責任者】
犬のしつけアドバイザー
堀川春広
株式会社ホリページ代表取締役
https://www.horipage.com/
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