散歩で引っ張り他人に吠え飛びつく大型犬のしつけ
初めて御相談します。定年を契機に、〇〇から田舎の古民家を修復して田舎暮らしをするため転居しました。
〇〇に住んでいる時に雑種犬を屋外で飼っていましたが12年目に亡くしました。亡くした時の悲しみがあまりにも大きくて、以後犬を飼うのをためらっていましたが、常に飼いたいという願望がありました。
私たちの年齢と、これから何をしたいのかを考え、夫とともに何度か話し合いましたが、まだ元気なうちに犬との生活をしたい、室内でゆったりと犬と過ごしたいという結論に至りました。
そんな話を離れて暮らす子供たちにしたところ、プレゼントしてくれるということになり、それならと人懐こく、従順なラブラドールレトリーバーを希望しました。
半年前に我が家に到着しました。
今、困っていることですが、
①散歩時に引っ張る。
②散歩時に道路に落ちている石や草、煙草など食べようとする。
③散歩中、人に会うと跳びついて行こうとする。
④家の中で遠くに人が見えても吠える。
などです。
犬種:ラブラドールレトリーバー
月齢:9か月
性別:オス(去勢すみ)
家族:夫婦60代二人暮らし
一日の愛犬との同居時間: 家の周囲で畑仕事など3時間程度を除いて、ほとんど一緒。
①過去はどういうタイミングで、どういう「スキンシップ・遊び」をしてきたか
飼い始めてからは犬が中心になっていました。常に視線が犬に行っていましたし、遊びも自分たちの仕事を差し置いてボール遊びや紐のひっぱりっこなどしていました。
ビーズクッションで寝ることが多く、私たちもテレビを見る時にその隣で横になることが多かったです。夜には夫は犬と一緒にクッションで一緒にうたたねしていることが多くありました。
②過去はどういうタイミングで、どういう「しつけ・褒め方・叱り方」をしてきたか
基本的な「排泄」、「座れ」、「待て」、、「伏せ」、「良し」はできます。排泄については失敗しても叱らないと意思統一していましたので、今は室内で失敗することはありません。
排泄は散歩と室内の両方できます。
興奮すると他のしつけが中途半端になりがちです。散歩時の引っ張りがひどくなると声を荒げてしまったり、ひどくなると叩いていまうこともありました。夫は馬鹿にされると犬のしつけにならないという考えで、言うことを聞かないと叩くことが多かったです。
③過去はオヤツ、抱っこ、ナデナデ、声かけなどしてきたか
オヤツはあげないでいましたが、6か月過ぎくらいからトレーニングの時に食事のドッグフードを一粒ずつあげていました。ナデナデ、声かけや抱っこは存分にしていました。
④過去は散歩は何分、どんなやり方だったか
40分~50分を最初は朝6時頃だったのが、5時頃になり、夕方は4時頃の2回。コースはほぼ同じで、時々車で違う場所に行ってました。
⑤過去は一日のタイムスケジュールはどんな流れだったか?
5時頃 散歩
7時30分頃に食事 (私たちが食べ終わってから)
私たちが畑仕事をしたり、山に行ったりしている間はケージの中
私たちが家に居る時はケージの外で家の中を自由に動き回る間で「取ってこい遊び」や引っ張りっこ遊び
16時頃に散歩
19時30頃に食事
その後は自由に家の中で動き回る
22時頃に就寝
⑥愛犬のハウス・トイレ周りの構成、環境など(添付写真)
田舎なので、土地はありますので、夫がこの度家の庭に小さなドッグランを作りました。
これまで様々な犬のしつけ本を読んだり、ネットのブログなどを見たりして参考にしてきましたが、リードを引っ張るのが改善しませんでした。
これから、ますます大きくなってくるので、散歩が大変になります。なんとか楽しく散歩ができるようにしたいと考えていますので、よろしくお願いします。
まずラブ君の月齢ですが、急に知能が高くなっている時期ですのと、体力もあり余っていますし、自我・権勢本能・独立心も強く出てくる時期です。
これから学んでいく時期ですので、あせらないで取り組んでいきましょう。
ただし、過去の飼い主さんの接し方にも間違いがありました。これを直さないで表面上のテクニックだけ何かしようとしても、絶対に犬のしつけは上手くいきませんので、それだけは忘れないようにされてください。
かといって体罰はいけません。犬は自分がした行為と体罰を結び付けて反省する知能は持っていません。興奮があおられて防衛の感覚が強くなってしまうだけです。
怒声で怒っても意味はありません。
「何をどうすれば良いのか」を型を作ってあげて、そこに指示音ジェスチャーで褒めて、シンプルに教えていきましょう。犬の知能ではそうしないと理解できないのです。
大げさに褒めたりナデナデも、従属的で犬に関係を誤解させてしまうのと、興奮をあおるだけです。
かといって、食べ物で釣ってしまうと、犬との本当の関係が見えなくなってしまいます。
シンプルに体現で、型を作ってあげる教えでも、ちゃんと犬は理解できますので、表面上の即効性を求めないで根気良く続けていきましょう。
体罰は無くても、犬はちゃんと相手を認めます。毅然さと主導性を一貫すれば良いのです。
「体罰をしつつ、かたや抱っこにナデナデ・・」。これでは犬は理解できずイライラするだけなのです。
犬を褒める時も堂々と、指示音ジェスチャーを関連付けながら静かにポンポンポンで褒めてください。興奮させてしまうと何も覚えられません。
何気ない犬との接触や挨拶だって、主導性と毅然さは保てます。
フセでもスワレでも良いです、何か犬に指示を出してあげてください。犬が出来たらまた指示音ジェスチャーで褒めて、さらに定着させます。指示で犬がしなかったら型で教えてあげれば良いだけです。
そういう接し方なら、ちゃんとスキンシップもできますし、主従関係も深めることができるわけです。
まず、その普段の何気ない接し方しぐさ態度を見直して徹底されてください。この意識がないと、リーダーウォークなどの手法も意味がなく、かえって逆効果になる場合が多いです。
主従関係が出来るまでで良いですので、犬をケージから出す時はリードを付けて持っておく癖にされると良いです。散歩中もそうですが、大型犬ですのでリードを手だけで持たないようにします。
リードの端は輪になっていますが、そこに1回通してご自分の腰にキュッと縛ってください。
そしてそこに犬を付けて、手で細かいコントロールをしてください。
家の中でもそうやってリーダーウォークを時々行ってください。自分の主導性と毅然さをしっかり犬に示して関係作りをするためにです。
犬が家の中から人を見かけて吠えた時は、瞬間の現行犯で「シ!」の注意音でリードをキュッと引き上げて注意することもできます。
そして、ラブ君を放し飼いにしないことです。直接見ていられない時はケージ内で過ごさせる癖を付けてあげてください。
放し飼いでテリトリーが大きくなると、それを守るための神経もストレスも大きくなります。お写真が逆光で少し見にくかったのですが、クレート型ハウスが無いようでしたら、あった方が犬はより落ち着いて安心できます。
「紐のひっぱりっこ」←これは止めましょう。犬の中で、遊びと普段の引っ張りの区別がつかなくなり、引っ張り癖や興奮癖が付きやすいです。
遊びは、主導型のコング遊びが一番おすすめです。
では今日は以上ですが、↓この意識を根本から変えられるかが分かれ目です。
>飼い始めてからは犬が中心になっていました。常に視線が犬に行っていましたし、遊びも自分たちの仕事を差し置いて・・
↑過去のミックス犬との思い出や、子供さんが独立した、お孫さんも同居でない・・こういう背景から犬を溺愛したくなるのは当然なのですが、人間側の都合は犬には理解できません。
犬はただ本能で感じ、自分の優位性を確信していくだけです。
本書・Q&Aサイトを熟読していただいて、犬の本能や特性をしっかり頭に入れて意識してください。ご夫婦で、お互いの行動態度を分析し合って改善にお努めくださいませ・・・