7ヶ月去勢後で散歩中に噛む・飛びつくようになった大型犬のしつけ
こんにちは、質問をさせていただきたいです。
犬の情報:
・ラブラドールレトリバーのオス(去勢済)
・半年前に我が家へ来て、今は生後7ヶ月半です。
・飼うことになった動機は、父がラブラドールを勧めてきて、私もラブラドールの頭の良さと凛々しさに惹かれ、飼うことを決めました。(1年ほど前から、保護犬を飼い主の元へ行けるよう育てるボランティアをやっていました。今はやっていません。)
・家族は、父50代、母30代、弟(小学生)、私(姉・中学生)
・犬との同居時間は、父は仕事で週2くらい、母はほぼ一緒に弟と私は学校がある日は6時間ほどです。
・けっこう甘やかしてしまったかもしれません。なにもない時も撫でてしまったりしました。叱るときはノー!と低い声で言います。褒めるときは高い声でよしよし!いい子!などと体を撫でてあげながらいうことが多いです。
オヤツ、声かけ、なでなではしました。散歩は1日2回、朝と夕方に30分くらいです。
1日のスケジュールは、朝散歩→ご飯→学校(母は犬とは散歩や外に連れ出したことはないので、サークルの中にいます)→帰宅後散歩→ご飯→寝る。といった感じです。
サークルはこれです。C59BAE10-FA01-4003-A3A4-1A0DC27B836F
そして相談したい問題です。
最近去勢手術をして、10日間エリザベスをつけ生活していました。
その間は大きなイタズラもなくいい子でしたが、3日ほど前エリザベスが外れたのを機に、散歩に行けば飛びつく&噛み付く(甘噛みではなく、興奮してガブ!とかなり本気で)など、問題行動が出始めました。
散歩以外は家の中のサークルで過ごしています。その中にいるときはおとなしく、暴れたりはしません。
あと、もうひとつは犬同士との触れ合いが苦手なようです。ドッグランに連れて行ったことがありますが、他の犬みたいにじゃれたりできません。
遊びたそうに追いかけていくのですが、勢いがすごく、威嚇しているかのようにも見えます。そして、警戒して背中の毛がたってしまいます。
どうすれば治せるでしょうか?
よろしくお願いしますm(_ _)m
頑張っておられますね(^_^)
これから色んなお話をいたしますが、重要なことですので、必ずお父様、お母様にもメールをご覧いただき、本書やQ&Aも必ず熟読いただくようにお願いいたします。
ご家族で一貫できないと、犬が理解できないどころか、矛盾でイライラして、特定の人を攻撃するようになってしまう場合があります。弟さんにも良く解説してあげて、良い手本を見せてあげてください。
まず、今回の原因は、4つほど考えられます。今後のこともありますので、知っておくと良いでしょう。
①月齢による変化
②手術・入院・エリカラ(エリザベスカラー)のストレス
③普段の接し方
④術後の接し方
の4つですが、それらが重なった結果でもあります。
犬は大体5か月くらいから歯が生え変わり、身体も精神も成犬へと変わっていきますが、生後7・8カ月くらいで一気に知能が上がり、成犬の本能が強く出ます。
ですが、その割にまだ経験不足ですので、ズル賢さや上手くいかないことばかりが目立つようになってしまうのです。
この変化の時期に、手術・入院・エリカラ装着のストレスが加わり、スイッチが入ってしまうのです。
また、今までの接し方・しつけ方が不十分だった場合は、この知能が急激に上がるタイミングで、犬に見抜かれ、主従関係が崩れてしまうのです。
さらに、手術後はどうしても犬を気遣いたくなります。ジロジロ見つめたり、ナデナデ声掛けもしたくなります。
しかし、犬の知能には「僕が手術したから心配して優しくしてくれているんだ・・」などという理解はできません。
犬は犬の本能で冷酷に反応するだけです。
そういった結果で、今の症状になっています。
ただ、私から見ますと、「今の症状で済んでいる」という見方です。
一般的には、この月齢でしたら、もっと苦労しているほうが多いです。
つまり、ラブ君の素性がとても良い子なのと、今までのしつけも頑張ってこられたということです。
さて、では今後のお話です。
まず今の月齢からして、もうしばらくの間、苦労されると思ってください。
今は反抗期のピークですので、簡単ではありません。もしかしたら、今はまだ問題の出始めで、もっと難しくなる可能性もあります。
犬は、今までの時期は幼く、飼い主さんを親代わりとして見ていましたが、反抗期からだんだん変化していき、今度は『強いリーダー』に従うという特性に変わっていきます。
これは人間も同じです。
夢華さんも、ご両親の言うことより、「友達や先生や別の大人の言うことが気になる」なんてこともあるんじゃないでしょうか。
これは、社会性のある群生哺乳類に共通する本能です。
まずは親に従い身体を成長させ、そこからは独立して社会での立場を作っていく・・・。こういう時期があります。
犬にもそういう時期があります。
ここからは、親代わりではなく、強いリーダーになってあげてください。
犬に認められて、
「言うことを聞きたくなる関係」
「褒められて嬉しくなる関係」
を作っていかないといけません。
大型犬のオスが相手ですので、ある程度体の強さも必要ですが、犬はそれよりも精神的な強さのほうを感じ取ります。
何気ない態度や振る舞いに、それが出て見抜かれてしまうのです。
もちろん、生まれつき気が強い人・弱い人がいますが、弱い人でも『犬の特性を知り・意識していくこと』で強くなります。成長していけます。
毎日毎日意識して続けると、段々変わっていきます。当たり前のようになり、一貫性も出ます。
それを犬が感じ続けて、「やっぱりこの人にはかなわない」と、認めるようになっていくわけです。
そのためにはまず、本書とQ&Aを何度も何度も熟読されてください。
続いて手法的なお話です。
①家の中で主導型のコング遊びをしましょう
②散歩に行く前に、家の中でリーダーウォークをしてから出かける
一日のスケジュールですが、メールを拝見する限り、遊びの時間があまりないようにお見受けいたしました。
運動不足・発散不足の可能性もあります。
お散歩の他に、最低30分は、主導型コング遊びをしてあげましょう。
一番良いタイミングは、散歩に出かける前です。そこですることによって、犬の発散がもうだいぶ出来ていますので、お散歩の時に落ち着けるわけです。
また、主導型で遊びますので、主従関係の意識も残っているので、散歩中も言うことを聞きやすいです。
これと同じ理由で、お散歩の前に、家の中や敷地内でリーダーウォークをするのです。
理想的な順番は、
コング遊び⇒リーダーウォーク⇒散歩
です。時間を置かずに連続で行います。
散歩中の噛み付き・飛びつきには、厳しい態度で、完全無視で、強い切り返しでリーダーウォークを行ってください。
それと、準備も大切です。
大型犬のオスですので、大人の男性でも制御は大変です。中学生の女性ならかなり難しいです。
まず、作業用の革手袋をホームセンターで買いましょう。500円くらいで売っています。
素手でリードをつかむと、滑りますし、手をケガしやすいです。そういう意味で、リードも革製が良いです。
それと、万が一、リードを持つ手が外れても良いように、自分の腰に一周縛っておくと良いです。
リードの持ち手の部分は、小さな輪になっていますね。そこに留め具のほうを通して、投げ縄のような形を作ります。
それを自分の腰に通せば良いのです。そして、犬を付けて、リードの余った部分を手で持ちます。
そうすれば、リードを持つ手が外れてしまっても、犬が引っ張れば引っ張るほど、自分の腰にリードがキュッと締まって、安全で楽です。
出来れば、最初しばらくはお父様のほうから、厳しくリーダーウォークをしていただきたいです。
ラブのオスとなると、相当力が強いですし、最初にビシッと示しておいたほうが良いです。
>犬同士との触れ合いが苦手なよう・・
↑これは心配されないで、気長に練習させてあげてください。
経験がないので、どう接していいのか、犬も分からないのです。
ただ、放して任せるのではなく、リードを付けて飼い主さんが持った状態で制御してあげてください。
犬が放されて、どうしていいか分からなくなると、ただ興奮のまま犬を追いかけ回すだけになってしまい、相手は逃げますので、さらに興奮して手荒く追い回し、余計に嫌われる・・・ということになってしまいます。
飼い主さんがリードや首輪をつかんで、犬を落ち着けてあげ、そうすると他の犬も寄ってきますので、寄ってきた犬をなでてあげて、優しく接するお手本を見せてあげてください。
今回は、犬同士で暮らすわけではありませんので、例えば、散歩で他の犬に吠えたり襲い掛かるようなことをしなければ、多少犬が苦手でも無関心でも全然かまいません。
ただ、犬を見るたびに激しく興奮したり攻撃的になるようではいけませんので、先ほどお話ししたように、制御しながら少しずつ触れ合いをさせて慣れさせていきましょう。
それでは今日は以上です。
またQ&Aを熟読いただきながら、頑張って続けていきましょう(^_^)