犬のしつけがQ&Aで分かる!

ゴールデンレトリバーを飼う環境やしつけ方など

質問内容
11年飼っていたゴールデンレトリバーを1ヶ月前に亡くし,悲しみに暮れました。もう少し時間がたったらまたゴールデンを飼おうと家族で話していました。優しいゴールデンが大好きでした。

家族構成は,夫・私(50代)・次男(高校生)・長男は上京して大学生(別居中)。

夫がホームセンターで4ヶ月になり値段の下がったゴールデンを見つけ、見に行ったところ、息子が気に入り飼うことになりました。今週末の日曜日に受け取りに行く予定です。

今まで飼っていた犬は,最初から屋外飼で鎖につないでいました。散歩は引っ張るし人には飛びつくし,子どもは突き飛ばすし,犬には飛びかかるし、脱走して,何度探したことか。何度訓練し士に出そうと思ったことか。

仕事が忙しくて,夫婦とも仕事をしていて,日中は外で留守番の時間がほとんどでしたから、脱走すると近づいても逃げて,呼んでも私の横をすり抜けたこともありました。

散歩は子どもがする約束だったのに、とてもできる状態にはならず、庭で時々放して,ボール遊びをするくらいでした。庭は広いので、庭の中を放して,トイレもさせて、勝手に運動させて,散歩の代わりにする始末。

年と共に落ち着きましたが,最後まで散歩の引っ張り癖を直すことができませんでした。それでも優しくて人なつっこいゴールデンが大好きでした。

先生のサイトを見て,亡くなった愛犬は幸せだったのだろうか?とても疑問になり,かわいそうな気もちでいっぱいになりました。

庭のチューリップの球根を食べられたり,植えた花を掘り起こされたりして,くどくど怒ってばかりでしたから私のことは好きではなかったかもしれません。

今週末に来る子犬は最初は室内飼いにしようと思っていますが、ゲージを置く場所を迷っています。猫がいるのですが,猫とどのように関わらせたら良いのか、とか。家族が見える場所なら、扉を隔てた場所でも良いのかとか。日中誰もいない家の中でゲージに閉じ込めておいてもよいのか、外の方が気晴らしになるのかなとか?

今は東京に住んでいる長男が犬の毛アレルギーがあり、毛がたくさん落ちることを考えると,完全に室内で飼うことにはまだ抵抗があります。昔は,屋外飼いで鎖につなぐのがが当たり前でしたものですから。

これから堀川さんのサイトを見て勉強しながら,家族で協力して新しい愛犬を育てていきたいと思います。よろしくお願いします。


返答内容
根本的には、犬は室内飼いをおすすめします。

息子さんのアレルギーですが、その犬の個体によって反応も違ってきます。また本当に毛に反応しているのか、毛についている特定のダニの死骸や糞尿に反応しているのかなど、様々です。

また、年齢にともなってアレルギーの反応は変わっていきます。もし、息子さんが幼少期のころにそう診断されたのでしたら、変わっている可能性も高いです。それと、猫は大丈夫で犬はダメ・・というのも珍しいので、成長した今は大丈夫かもしれません。

毎日掃除機をかけて、空気清浄器も付ければ大丈夫です。と言いますのも、私の姪っ子が二人とも犬アレルギーと病院で診断されたのですが、犬が居る部屋で過ごしても問題ないですし、触っても問題ないです。もちろんケースバイケースですので、無責任なことは申し上げられないのですが、犬を外飼いしているご家庭でも、少なからず家の中にも毛が結構入ってくるものです。(別の家族経由でくっ付いてくる)

年末にでも息子さんが帰ってきた時に、犬とちょっとだけ接してみて、反応を見てみても良いのではないでしょうか。


さて、今度は犬の立場からのお話ですが、犬の外飼いは心身ともにストレスが激しいです。「ゲージに閉じ込めておいてもよいのか、外の方が気晴らしになるのかなとか?」というのは間違いで、刺激が強すぎてストレスが強いんです。

臭い・音・視覚がダイレクトに伝わってきますので、神経を使います。そして、鎖やワイヤーでの直接の繋ぎ飼いがさらにストレスを増します。犬にも、「外敵は侵入できるけど自分は逃げられない」という状況が分かりますので、過敏になります。

それから、広い場所で放しておくと、そこは全てテリトリーになりますので、守るべき神経もその分だけ使うことになります。

もちろん、外を歩いたり運動する発散は必要ですが、普段の居場所・寝床は安心できる環境でなければいけません。だから野生下では、犬族は穴倉を掘って、安全な場所を作ろうとするのです。

それと、犬の外飼いは本来しつけが難しいものです。

先代のゴールデンちゃんは、問題点として「吠え」が明記されていませんでしたが、特に室内で長く過ごした犬を外に出すと、とても強い吠え癖が問題になります。現行犯で教えられないので、とても直すのに苦労します。

タイミング的にもちょっと難しいです。子犬が今4か月で現在11月ですが、本当に外飼いするのであれば生後半年までには外に出さないと適応しにくく、前述の吠えが問題になります。

しかし、ちょうどこれから冬に入るタイミングですので、外に出すのは危険です。3月もまだ寒いですし、4月以降となればかなり遅れて犬が適応しにくいです。その辺が問題です。


続いて猫ちゃんとの関わりですが、逃げられる高い台・場所(犬は登れないように)を多く作ってあげましょう。猫の寝床はそこに移動してあげましょう。

子犬は、動く物は何でも追いかけて飛びついて噛みついたりマウンティングします。その時に猫が逃げられる場所があれば大丈夫です。また、猫も学習して良い距離感を保つようにもなりますし、子犬が猫に叱られて学ぶことも多いです。激しい威嚇やケンカにならなければ、多少ヤンチャな遊び方は黙認されてください。

それと、もう4か月過ぎた大型犬種ですので、首輪とリードはしても良いです。(散歩の練習も早く始めないといけませんが、最初の1週間はチヤホヤ厳禁)

お部屋でも放したりしないで、呼び戻しやトイレのしつけが浸透するまでは、犬にリードを付けてそれを飼い主さんが持っておくようにして、その状態で遊んだり団らんしてください。それができない時間帯はゲージ内です。

そうすることで、猫ちゃんも安心できますし、犬が猫に飛びつこうとしたらリードをチョンと引き上げて「シ!」などの注意音で教えることができます。

そして何よりも、犬の行動全体を飼い主さんが主導することになるので、主従関係を作るのに良いです。その他、トイレの失敗・誤飲事故・暴走なども防ぎやすいです。


さて最後になりますが、とても重要な注意点です。

先代のゴールデンちゃんを亡くしたばかりなのと、前回のいろんな反省から、今回の子犬を過保護に可愛がってしまうことです。意識していないと必ずそうなります。

お話を伺う限り、前代のゴールデンちゃんはとても素性が良い子でした。威嚇・噛み癖・吠え癖が問題点として明記されておりませんでしたので、もしそうだとしたら、とても素性が良い子なのです。飛びつき・引っ張り・脱走などは自然なことで、健康な大型犬ならば普通のことです。それは飼い主さんが主従関係を作りながら教えれば良いだけのことです。

先代の犬が良い子だったことと、亡くしたばかりの悲しみから、今回の子犬に甘やかしをしてしまう可能性が高いです。それだけお忘れなく、皆さんで意識していてください。

必ずご家族全員で、本書とQ&Aサイト全体を熟読されてください。もちろんこのメールもです。

それでは、これから頑張って続けていきましょう(^_^)


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【著者:運営責任者】
犬のしつけアドバイザー
堀川春広
株式会社ホリページ代表取締役
https://www.horipage.com/
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