犬のしつけがQ&Aで分かる!

柴犬が他の犬にガウガウ威嚇する場合のしつけ方

質問内容
堀川様たいへんご無沙汰しております。我が家の柴犬(メス、2015年3月生まれ、4歳9か月)のことです。

他犬との関わり方で悩んでいます。

飼い始めたころ(生後7か月)からしばらくは、他の犬と道ですれ違うと必ず伏せて横になりお腹を見せ一方的に匂いをかがせていました。

それが徐々にお腹を見せるのではなく、匂いをかぎあうようになり、上手に挨拶ができていたのですが、1歳半ごろからか、挨拶がしたくて自分から近寄って行ったにもかかわらず、匂いをかぎ終わったらガウと言って歯を見せ威嚇するようになってきました。興味ないからバイバイと言っているような感じでした。

何度も堀川さんにご相談しようしようと思いつつ、上手に挨拶できる日が続いたり、威嚇することがやはりあったり、そうこうしているうちに時間が経ってしまい今、威嚇すれば簡単に状況を変えられるとしっかり学習してしまい、かなり問題だなと思っています。

ガウガウと言った直後、私たちはNOと言ってリードを引きます。そのあとの行動は、そのままその場をすぐ立ち去る、犬はお互いに近づかず人間同士は少し会話する、たまにですが、様子をみながら犬同士を再度近づけたこともあります。

幸いこれまでは、道で(お互いにリード付き)、うちの子の威嚇に対して怒ってきた犬はいません。

初めのうちは、ある一定の犬に対して威嚇する傾向がありました。大きい犬、ブルドッグ系の顔の犬、毛むくじゃらの犬、威圧的な犬。単に怖かったのかもしれません。

そのうち、ドッグランで他の犬がもらっているおやつを自分も欲しくて、お友達犬のボールや木片が自分も欲しくて、面白いものを見つけてそこへ他犬が寄ってきたとき、等にも威嚇するようになり、

今では、お友達犬が一緒に散歩中なにかしらにしつこく吠えているとき、遊んでほしそうにじゃれてくる子犬、ドッグランでしつこく追ってくる犬、道や浜辺でノーリードで急に近づいてくる犬になど、

面倒な場面、回避したい場面でも簡単に威嚇するようになっています。

このような場合、飼い主はどのような態度をとるべきなのか、迷っていろいろやってきたものの、事態は少しずつ悪化しており今どうしていいのかわかりません。

人間に対しての威嚇はこれまで、寝ようとしていたところを近所の子供に首輪をもって引きずられたとき、他犬に威嚇した直後その飼い主が近寄り話しかけたとき、にありました。

今のところ威嚇で済んでいますが、いつか他犬を噛んでしまわないか、威嚇したことで他犬から逆に襲われないか、そのうち人間にも・・・、と心配です。

先日同じマンションに住む優しい若い犬と、近くの公園で10分ほど上手に一緒に過ごし、帰りにマンションのエレベーターに後から乗りこもうとしたその犬に向かって威嚇しました。エレベーターは自分のものと言いたかったのでしょう。

一方、威嚇しないでエレベーターに一緒に乗れる別の犬もいます。

優しい犬、小型犬、おとなしい犬に対しては、比較的平静でいられ、匂いを嗅いであいさつした後、遊びの雰囲気にもなります。ならないこともあります。

やばそうと思ったら、私からリードを引いて、もういいねと言いながら、その場を離れます。

ただ、道で自分より大きい犬、いかつい犬、暴れそうな犬、面倒そうな犬には、ただ普通に横切ればいいものを、当たらず触らず上手にすれ違うようにと私もこの子も無駄に心配している、といった感じです。

私が勝手に思っていることが全部この子に伝わって変な警戒心を与えている気もします。怖がりな性格が私とそっくりです。

うちの子が噛まれたことが一度あります。

空き地の前の道路を歩いていたら、ノーリードで飼い主と遊んでいた大型犬が空き地から突然走って出てきて噛まれました。

大きなけがではありませんでしたが、以前からすごい剣幕で吠えかかってくる犬だったので本当に恐怖でした。

そんなこともあって、ますますこの子も私も怖がりになっていったのかもしれません。

実際、私は以前より、特に大きな犬には近づけなくなりました。

主人は私と違ってあらゆるものに恐怖心がないオープンなタイプで、そのことはうちの子も察知していると思いますが、主人だけと散歩中も他犬に威嚇することはあります。

うちの子が道で犬に対して吠えたことはありません。吠えられても吠えません。

奇妙な動きをする見知らぬ人間には低く数回吠えますが、ほとんどありません。

吠えるのは、玄関ドアの外に人の気配があるとき、宅配の人が来た時、暗闇に人影や変な明かりが見えた時、家で私たちに遊んでほしいときにたまに、です。しつこくは吠えません。

道では他犬に少々吠えたほうがいいのかもしれません。そうすれば相手も近づいて来ないでしょう。

うちの子は、他犬が歩いているのを見ると、伏せをして待っていることがあり、近づいてお互いに匂いをかいで、そのあとガウと言うので、私も相手の飼い主もびっくり。

最近は、どうせ最後にガウと威嚇するのだろうなと思うので、犬同士は挨拶したそうでも、私が立ち止まらずにさっと通り過ぎることもあり、社交性を養うどころか閉鎖的な性格に拍車をかけているんだなと後悔することがよくあります。

最近は道の向こうから犬が来ているのが見えると、引き返そうとしたり、一瞬立ち止まったりするようになっています。

実家の犬(小型犬のおじいさん)とは、数か月に一度会うのですが、普通に一緒にいられます。お友達犬もいます。

ドッグランへも数か月前までは行っていましたが、お友達犬(誰とでも遊べる社交的な犬)がいても、うちの子はいつもいつも誰かと遊びたいわけではなく、ポツンと真ん中に一人でいることもありました。

そのうちドッグランで威嚇することもあったりで、今はほとんど行っていません。

犬慣れする機会が必要なのに、このまま逃げ回っていても社会性が失われる一方です。

考えてみれば、友達犬の飼い主は私のお友達でもあります。そんな飼い主同士の空気も読み取っているのかもしれません。

主従関係もどこか崩れているのでしょう。呼び戻しができていないことは問題です。柴犬にはよくあることかもしれませんが。

仰向け固めは一度しかやったことがありません。うちに来て数日後でした。

この子には必要ないのではないかと思い、やるのをやめました。今思えば、やり続けるべきだったのでしょう。

お散歩は朝夕だいたい1時間ずつ、夜に5分ほどオシッコの散歩をします。

トイレは外でしかしません。クレートは食事とお水を置く場所となっています。それ以外は入りません。

お散歩の歩き方には問題ないと思います。外では首輪とリードの指示に従っていれば安心と思っているようです。

お散歩時はしゃべりかけないようにしていますが、家の中では、意味なく話しかけたり目を見てなでなでしたり。。。

家族それぞれがしています。これはだめだなと思っています。

犬に威嚇すること以外はおそらく大きな問題はありません。家でいたずらをするということもなく、日中は私たちが仕事をしている横でほとんど寝て過ごしています。

基本的に1日中家の中でフリーです。夜寝るときはリビングです。

たまにですが、家の中でリードをつける、というのはやっています。

とりとめもなく長々と書いていますが、もっと早くご相談して何か対処していればよかったと反省しています。

この子なりの基準で判断して威嚇しているのでしょうが、

どうして自分から挨拶をしに近づいたのにガウガウと威嚇するのか、そして他犬にガウガウと言った直後の私たちのとるべき行動をぜひ教えてください!
ガウガウ威嚇せずに挨拶を済ませるという積み重ねをし、社会性を取り戻さねばなりませんね。

たくさん読んでいただきありがとうございます。


返答内容
頑張っておられますね(^_^)

私が感じた主原因としては、↓これなのかなと感じました。

> 大型犬が空き地から突然走って出てきて噛まれました・・

↑どんな犬でも、また人間でも、このような経験をすればほとんどが臆病になったり警戒心が強くなります。

それでも、例えば「大型犬を見ただけで激しく吠えたり逃げまどう」というような状況にはなっていませんので、むしろその子の素性は穏やかなほうではないでしょうか。

そして、今のような状況も、犬としては自然な本能の反応でもあります。

自分を守るため、群れを守るための防衛反応は、ごくごく自然なことですし、むしろ正常で立派な反応でもあると思いますので、悲観はされなくて良いと思います。

また、年を重ねてきて知能も上がり、自分の本当の仲間や群れの認識がハッキリしてきて、それ以外の個体とは無理に深く付き合わないという判断もあるかもしれません。


ただ問題は、今後それが悪化しないかどうかということと、噛み付きなどの攻撃に発展しないかどうかですよね。

そうなれば、やはり犬との関係、教え方、慣れるための練習はやっていかないといけません。

その3つはセットで、どれも外せません。

なるべく逃げないで、でも距離感は無理せず、少しずつ他の犬と間合いを詰めながら練習していきます。

そのためのお散歩の機会、時間は長くしましょう。

他の犬に近づく時は、いきなり急接近しないで、徐々に距離をつめていき、近くなったらリードを短めに持ったり、飼い主さんも一緒にしゃがみこんで首輪をガッチリつかみます。

飼い主さんご自身も興奮しないように、慣れが必要です。

興奮するとアドレナリン等のホルモンが出ますが、それは臭いで伝わり、人同士でも犬にも伝播します。挙動も変わります。

そして、犬を落ち着けるために、「マテ」や「良い子」などの指示を出しながら、ポンポンして褒めて教えてあげてください。

もし犬が反応した場合は、「シ!」の注意音と同時に、リードや首輪をチョンと引いて制御すると同時に注意で教えます。

そして、その「教えを聞きたくなる関係」が重要になります。

今一度、本書やQ&Aを熟読していただき、意識設定を見直し、普段の何気ない接し方をご注意ください。

無視や接しないということではなく、主導型でたっぷりと遊んだりスキンシップをされてください。

もちろん奥様だけでなく、ご主人も同じように出来るように、知識・意識や練習を共有してください。

柴犬ちゃんまだ5歳ですから、これからもまだまだ学んだり経験したり、落ち着きも増していきます。

あとは飼い主さんが、あきらめないで続けるかどうかです。

それでは、またQ&Aを熟読いただきながら、
頑張って続けていきましょう(^_^)


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【著者:運営責任者】
犬のしつけアドバイザー
堀川春広
株式会社ホリページ代表取締役
https://www.horipage.com/
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