犬のしつけがQ&Aで分かる!

成犬の里親になったが近づくだけで唸ったり吠える柴犬のしつけ

質問内容
今年の一月に愛犬を病気で亡くしました。若い犬は自分の年齢もあって断念し、3日程前に、成犬の里親になりました。

ブリーダーさんから、3歳の柴犬の女の子を購入しました。

ブリーダーさんからは、「とても人懐っこくて誰にでも抱かれるいいこです。早く慣れて一日も早く外へ連れ出してあげてください」と言われました。

自宅に木製のケージをつくって、その中にハウスを置いて、普段はその中で過ごしています。

扉を開けると喜んで出てくるのですが、呼んでも来ませんし、近づくと唸ったり吠えたりします。

リードもつけられない状態です。何をどう始めたらいいのかわかりません。ご指導願います。


返答内容
今回は、冷静に二つの選択肢を考えてみられてもよろしいと思いました。

①ブリーダーさんと相談して戻していただく

今回は、ブリーダーさんの方から「とても人懐っこくて誰にでも抱かれるいいこ」というお話があったわけですが、その通りではなかったわけですので、「それならば飼えない」という選択肢もあって良いと思います。

ブリーダーさんに嘘をつくという意図はなかったかもしれませんが、現実として嘘の結果になってしまったわけですので、ブリーダーさんには責任をとっていただかなければいけません。

例えば、「飼って数週間後に関係が悪化してきた」となれば、それは飼い主さんに問題があるわけですが、今回は来てすぐに問題が起こりました。

しかも「近づくと唸る」というのは、かなり問題です。

ご年齢まで存じ上げませんが、子犬が飼えないということであれば、気難しい柴犬はなお難しいですし、老犬になって介護が必要になればもっと大変です。

それならば、小型犬に切り替えた方が良いです。あるいは、ウサギなど別のペットも選択肢です。


②勇気を出して本気で犬のしつけに取り組む

今回の柴ちゃんは、ブリーダー下で甘やかされて主従関係を誤解していたか、新しい飼い主さんを認めずイライラしているかもしれません。

成犬になった日本犬はそういう傾向が強いです。特に頭の良い子は、前の飼い主さんと比較します。

犬は、初対面の人や時々会う人に対しては、大抵、人懐っこいものです。

ただし、それは初対面や時々会う場合でのお話です。

そこから数日間一緒に過ごし、群れのメンバーとして意識し始めると、相手が自分にとってどういう存在なのかを判断しようとするのです。

そこで、自分の優位性を示したり、相手の反応を見ようとする行動をとります。

他には、体罰や怒鳴ったりして怒った場合にも、防衛本能が刺激されて今回のような反応になります。

ここで気持ちで負けないで、毅然さを貫けるかどうかです。

まず防備を準備されてください。

古着の厚手の長袖長ズボンを着て、腕の素肌を出さないことと、手は作業用の革手袋をはめてください。ホームセンターで500円くらいで買えます。

しっかり防備をしてリラックスしてのぞんでください。怖がってビクビクしていると、それを見て犬はさらに見下したり、犬の興奮をあおってしまいます。

防備をして、エサを食べさせたり(マテはさせないこと)、コング遊びをさせてください。それに夢中になっている間に、サッとリードを付けてみてください。(ケージの中で)

ケージの扉を開ける時に、リードを付ける前にパッと解放しないことです。

犬は出たいので多少大人しくするかもしれませんので、扉の前にご自分がいて出入り口を塞いで、リードを付けてからご自分がどいて出入り口を解放します。

リードが付けられれば、その状態(リードを飼い主さんが持った状態)で主導型のコング遊びをして、その中でちょっと一緒に歩いてみて、そこから徐々にリーダーウォークに近づけていきます。そして、そのままの流れでお散歩に出かけてください。

仰向けはまだしばらく無理ですので、犬にリードを付けて持った状態でコング遊び、か、リーダーウォークにしてください。数週間経って、犬に変化が出てきたら仰向けにも挑戦してみてください。

ということで、以上のようにしてリードが付けられれば、そこから少しずつ進歩していけます。

犬は相手の精神性を鋭く感じています。猫なで声でナデナデのような態度では、すぐに見下してくる犬がいます。

先代のワンちゃんがとても良い子だったのだと思いますが、本来は犬はそういうふうに、生存競争の中を生き残ってきた子孫達(人間も同じ)ですので、大事なポイントは譲らないように、しっかり示してあげないといけません。


さて、しかし反対に、それでもリードを付けられないのであれば、もう手はありません。プロトレーナーに来てもらっても、それは一時的なだけであって、解決にはなりません。

直ぐにブリーダーさんに抗議して返金していただいてください。

まずは少しやってみてからでも良いですし、今すぐに判断されてもよろしいと思います。時には撤退も必要です。

その場合は、もう犬はお飼いになられない方が良いかもしれません。運よく良い犬に出会えた場合はラッキーなのですが、やはり犬は犬です。難しい場合が多いのです。

それでも飼うとお決めになられたのであれば、もう勇気を持って毅然と続けるしかありません。そういう気合も、犬は感じ取っています。

それでは、これから頑張って続けていきましょう(^_^)


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【著者:運営責任者】
犬のしつけアドバイザー
堀川春広
株式会社ホリページ代表取締役
https://www.horipage.com/
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