犬のしつけがQ&Aで分かる!

子犬を飼う前の準備や心配ごとのご相談いろいろ

質問内容
いつも相談に乗っていただき、ありがとうございます。

先日ご相談した、犬の「出べそ」、腸ヘルニア(腸ずれ)の一種とのことでしたが、ブリーダーさんから連絡がありました。

とても信頼のおける、長年のお付き合いをしている獣医さんが、手術しましょうとおっしゃったそうです。数々の手術をお願いしていて、30年来一度も手術で失敗ということがないお医者さんなので、まず大丈夫、とおっしゃっています。

また、不必要な手術はハッキリ「しない」とおっしゃる方だそうです。毛に隠れるとはいえ、傷が残りますので、このまま引き取っていただけるなら、お値段を下げますとの申し出がありました。

名前までつけて、その名でもう呼んでもらっていたので、今さらな気もして、主人も「もうこの子はうちの仔だし」と言いますし、このまま引き取ろうかと思っています。どう思われますか。 

ただ、引き取りは、快く○月○日まで預かってくださるとのことで、3か月近く、母親と他の犬たちと過ごせます。
その点は安心なんですが...。

さて、そのほかの質問です。

①クレートですが、NEWバリケンネル P-200 M を購入予定です。キャバリア犬にはサイズ的に、小さすぎたり、大きすぎたりしないでしょうか。

②それから、83日目で我が家に迎え入れる予定(まだ若干、迷っています)ですが、骨ガムは用意する方がいいでしょうか。いろんな形やサイズがあるので、おススメのメーカーや、サイズ、形を教えてください。
 
③クレートの中には、どういったものを敷けばいいですか。フワフワの物は暑そうだし、おしっこされると洗い替えもいるんでしょうか。また、その上にペットシーツをかけておくものなんでしょうか。

④添付写真の生後40日目というものですが、正面を向いている子の鼻です。(横を向いている子は、姉妹だそうです)

前回、気にしなくていいとのことでしたが、健康上「大丈夫」ということでしょうか。見た目はこのまま、ずっと、まだらの鼻ということなんでしょうか?

実は、この子たちより16日後に生まれた仔たちはみんな、もう黒い鼻だそうです。同じ環境で、こういうこともあるのでしょうか。個体差ということなら、色白の子は皮膚が弱い、とかありますか?

⑤コングは、パピー用のものを買いましたが、ひもを取り付けられるものという商品は見つけられず、中におやつを詰められるというものに、太めの綿ひもを通し、中で大きめの結び目を作り、抜けないようにしましたが、これでいいのでしょうか。(写真添付)

以上、いろいろ書きましたが、お返事よろしくお願いいたします。

Q&A、毎日楽しく読み進めています。
自分の質問がUPされていて、ビックリしました(笑)


返答内容
>このまま引き取ろうかと思っています。どう思われますか・・

↑値引きしてもらって、むしろラッキーです。人間の子供もそうですが、脱腸・腸ヘルニアは結構多いものです。

先日もお話したように、手術自体は簡単で、ただ穴を縫って塞ぐだけです。人間もそうですが、問題は麻酔との相性です。個体によってはアレルギー反応でショック死します。

ですが、まともな医師ならば手術前には必ず麻酔テストをしますし、ベテランであれば何も心配はないでしょう。

それとある意味ラッキーなのは、麻酔に抗生剤も入りますので、ケンネルコフや線虫感染も駆除できる可能性があります。

大抵の子犬は何かしらの感染症にかかってくるものですが、ブリーダーもショップもコストを掛けれないので、そのまま放置して飼い主さん任せになってしまうのです。


①これはまだ誰にも分かりません。

家系によって、個体によって、あるいは遠い血縁の交配の場合は、子供が大きく健康で賢く育つ傾向があります。

「大は小を兼ねる」で、ご心配ならば最初から大きい物を買いましょう。ケージが大き過ぎたならば、組み立てる位置を調整すれば良いですし、クレートハウスが大き過ぎたならば、奥にダンボール箱や木の板を置いてガムテープで止めれば良いです。


②留守番が長いご家庭で、犬に破壊癖が無ければご不要です。今の段階では、まだ気にされなくて良いです。

③基本的には何も要りません。

寒冷地の真冬でなければ、毛布やベッドは要りません。もともと犬は分厚い毛皮を着ています。イギリス発祥の犬ですし、むしろ日本は夏場の熱中症の方が危険で、もし何か置くならば、木のスノコか石マットがあれば一番良いです。

ヒンヤリシートなどの化学製品は置かない方が良いです。犬がボロボロに破壊して飲み込みます。

ですので、トイレシートもそのまま敷かないで、メッシュカバー付のトレーが一番です。犬の足も汚れにくいです。


④鼻の色は気にされなくて良いです。親犬が違っても、交配のタイミングでも、同時に生まれた兄弟姉妹によっても違います。

色白、地黒というだけの差です。

環境から受けるリスクですが、これはあります。でもそれぞれ一長一短があります。

例えば、白人は赤道付近など紫外線が強い地域では、皮膚癌が多いです。

逆に、黒人が北欧で生活すると紫外線が足りなくて骨粗しょう症になったり、子供の歯が生えてこなかったりします。

色の黒さというのは、紫外線をどれだけ遮断するかの色素になります。

今回は、あまり気にしないで人間と同じように生活させれば良いですが、もともとはイギリスで作出された犬ですので、日照量がとても少ない地域です。無理に日光浴はさせない方が良いです。散歩の時にちょっと当たる程度で良いです。


⑤遊びをコントロール(主導)出来れば何でも良いです。

犬があまりにもヒモだけに反応する場合は、コングはヒモ無しにして犬にリードを付けて飼い主さんがそれを持っておくと良いです。

目的は、飼い主さんが遊びを主導することにあります。

ただ、子犬の内は動く物に何でも反応して猛獣のように遊びます。主導できれば、ヒモで遊んでも何でも良いんです。(引っ張りっこはNGです)・・・

飼い主さんからのお返事.png
あぁ、やっと、気になっていたことがすっきりしました!
とても迅速なお返事をいただき、本当にありがとうございました!

>それとある意味ラッキーなのは、麻酔に抗生剤も入りますので、ケンネルコフや線虫感染も駆除できる可能性があります。

↑この発想はありませんでした!目からうろこです!ありがとうございます!

さて、さっそく③のクレートの中の件ですが、確認です。
木のスノコか石マット、もしくはメッシュカバー付きのトイレトレーにトイレシートをセットして、クレートの中に入れておくといいということでしょうか。(ゲージ内のトイレとは別に)

ということは、万が一のおしっこの失敗のことを考えるなら、木のすのこだと、おしっこがしみ込んで臭いが取れなくなる可能性がありますよね。石マットか、トイレトレーがいい気がしますが...いかがでしょう?

それから「主導」ということについてですが、要は、どう遊ぶかとか、どう声掛けするかとか、どう触るか、という細かいことよりも、本来は、毅然とした態度で、主従関係をきちんと醸し出せていれば、極端な話、たとえ撫でても、多少膝の上に置いても大丈夫、ただ、多くの人はその毅然さが犬に伝わる形でうまく表現できないから、テクニックとして、撫でたり、猫なで声を出したり、体の上に犬の体の一部が乗らないようにしたほうがよい(その方が犬が誤解しにくい)

という解釈でいいんでしょうか。

堀川さんの存在は、本当にありがたいです。

以前ネコを飼い始めたときには、結局あれこれ心配したことは、案ずるより産むがやすし、で、本当に大した手間もかかりませんでしたが、犬は、いろいろ手がかかりそうなので、楽しいやら心配やらで、犬もまだ来ないうちからあれこれとすみません。

これからもしばらくは、あれこれと相談させてくださいませ。よろしくお願いいたします。


返答内容
>メッシュカバー付きのトイレシートをセットしてクレートの中に入れておく?・・

↑これはトイレのことです。

クレートの中は石マット(夏)かスノコが良いです。


>木のすのこだと、おしっこがしみ込んで臭いが取れなくなる・・

↑この可能性はあります。

それがご心配ならば、

・夏は石マット
・春秋は何も敷かない
・冬は毛布

で良いでしょう。


>毅然とした態度で、主従関係をきちんと醸し出せていれば、極端な話、たとえ撫でても、多少膝の上に置いても大丈夫・・

↑そういうことなんです。

ただし人間というのは、入ってくる情報を自分の都合の良いようにとらえてしまう傾向があります。主従関係がしっかり出来るまでは、犬に誤解させないためにもキチンとした方が良いです。

それと、ベテランにならないと調整力が難しいのと、犬の個体差によっても反応が様々です。(犬種や性別のことではありません)

でも、それを知っているのと知っていないのとでは全然違います。


>テクニックとして、撫でたり、猫なで声を出したり、体の上に犬の体の一部が乗らないようにしたほうがよい(その方が犬が誤解しにくい)・・・

↑そういうことなんです。

伝統芸能や武術の世界では、よく「守破離」と言われます。

最初は師匠の型を忠実に守って、そこから型を破り離れて独自性を出していく・・・

という過程があります。犬を飼う初心者の方、自信が無い方、困ったことがある方は、まずは守から入っていただきたいのです。

そしてそれは同時に、飼い主さんの意識を高めて精神的に成長していただくためのものでもあるのです。

だから、どうしても甘やかしが止められない飼い主さんや勘違いしている犬には、「最低限の世話以外三日間無視してみてください」と言うことがあります。

ただし、無視だけが良いのではありません。

スキンシップも大切ですし、物事も教えないといけません。

無視が良いのではなく、「どう接するか」だけなのです。

主導と毅然さの意識のもとで、しっかり遊んだりスキンシップを取っていただきたいのです。

(最初の1週間は出したりかまわないこと。ブリーダーやショップと同じように、淡々と世話だけすること。)・・・


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【著者:運営責任者】
犬のしつけアドバイザー
堀川春広
株式会社ホリページ代表取締役
https://www.horipage.com/
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