犬のしつけがQ&Aで分かる!

犬のしつけで良いレベルになってきたがもっと信頼関係を築きたい

質問内容
・問題の内容:もっと信頼関係を築き、細い部分を修正していきたい。

・愛犬の犬種、年齢・月齢、性別:フレンチブルドッグ 1歳3ヶ月 オス。飼い始めてもうすぐ1年。

・ご家族全員の年代:一人暮らし、20代後半、1日在宅時間は睡眠時間含め14時間 犬と向き合う時間は2~3時間程度。

・過去の接し方と、一日の流れ

①過去はどういうタイミングで、どういう「スキンシップ・遊び」をされてきましたか?
スキンシップは私が構いたい時にコマンドを出してから構っていました。遊びに関してですが、一緒に遊んでくれません...
(ボール遊びをしても、私が紐を引いたら「僕の負けです?それあげます?」って感じですぐに噛むのをやめて、以降一切ボールを追わなくなります...)

②過去はどういうタイミングで、どういう「しつけ・褒め方・叱り方」をされてきましたか?
しつけはかなり厳しく、全て許可制にしてあります。褒め方は、正しい行動をした時に笑顔で「いい子」と言う。叱るときは名前は呼ばない。感情を込めず「ノー」と端的に叱る。正しい行動をとるまで「ノー」を繰り返し、正しい行動を取ったらすぐに「いい子」と褒める。基本的に声で褒めて、撫でたりはあまりしない。仰向け固め。

③過去はオヤツ、抱っこ、猫なで声でナデナデなどされてきましたか?
オヤツなし。抱っこはコマンドで「抱っこ」を教えてあり、そのコマンドを出した時のみ。猫なで声はなし。

④過去は散歩は何分、どんなやり方でしたか?
時間もタイミングもバラバラですが最低30分ほど。雨の日はなし。玄関、エレベーター、公園の出入り等、節目節目では必ず犬を待たせて自分が先に出入りする。コースは私が行きたい方向に気まぐれで歩いてます。排泄はコマンド制。道端の匂い嗅ぎNG。途中、伏せ・お座り・立て等のコマンドをランダムに出す。たまに息抜きとしてコマンドに従ったご褒美に「OK」と許可を出して短い距離を全力で一緒に走り、「オイデ」でバック。公園などの広場に着いたら一時的に「OK」と許可を出してからある程度自由に行動させたりもする。

⑤過去は一日のタイムスケジュールはどんな流れでしたか?
勤務体制がシフトで不規則のため、決まった流れはありません...毎日バラバラです。

⑥愛犬のハウス・トイレ周りの構成、放し飼い・つなぎ飼い環境など(なるべくお写真メール添付でお願いします)
最初はクレートとケージを接続していましたが留守番中に暴れて接続部分が壊れ、トイレをほじくり返したりとケージの掃除も大変なため。現在はすのこケージにプラスチック製のベッドを置いています。

堀川さんお久しぶりです。子犬を迎え入れてから堀川さんの方針を参考に暮らし、子犬もすっかり大きくなりました。

現在お家の中では留守番以外は完璧で、粗相もせず一切吠えず飼い始めてから一度も甘噛みされたことも唸られたこともなく、どこに連れて行っても恥ずかしくない立派な子に育ってくれました...

が、まだ信頼関係が感じられないのです。

贔屓目抜きに驚く程賢い子なのですが、それ故にいつ下剋上しようか企んでいる感じがするのです(笑)
特に外に出ると顕著で、抑えられている反骨精神がチラチラ見え隠れします。

・散歩に出るとリードは常に弛んだ状態で歩くスピードを変えても急に走ってもきちんと対応してくれるのですが、微妙に顔1個分ぐらい前にでたがる(ノーと言ったり、無言でリードでショックを与えて修正するとスピード落として私の後ろにつくのですがすぐに前に出る)
・アイコンタクトあまりとらない
・コマンドの反応が鈍い、たまに無視する
・家の中では一切反抗しないが、外では謎の抵抗を見せる

基本的に私には逆らえないと思っているらしく従順っぽく振舞ってはいますが、所々で試す行動をとっては様子を伺ってきます。信頼して従うというより渋々従ってるように見えることが多く、目つきもギロッと睨む感じでかなり生意気です。

毅然と振舞えない人に対しては、物凄い舐め腐った態度を取るらしく(噛む振りをしたり引っ張りまくったりマウンティング!したりするそうです!)もし、私が毅然とした態度を取らなかったとしたら大変な事になるのが目に見えています。

ある日散歩中常に繰り広げられる静かなポジション争い(リーダーウォーク)に疲れ、試しに前に出ても修正せず放置してみた事があるのですが、どんどん前に出て引っ張りそうになったり好き勝手色んなところ飛びつき始めたりと本性が出かけました。

犬同伴できる飲食店では足元で大人しく伏せてじっとしているので、いつもいろんな方々から褒められるのですが、よく耳をすませると普段は一切吠えないのに、聞こえるか聞こえないかぐらいの本当にかすかな声でアウアウ吠えてるんです(愚痴ってるおじさんみたいです(笑))

今日はそれを低い声でノーと叱ったところ、ムカッときたようで私の目を見てかなり大きな声で一声キャン!!と吠えて抗議してきました。負けずに厳しく接して止めさせたのですが、あんな反抗的な態度をするとは思わず驚いてしまいました。

どうにか、反骨精神を覆して上辺だけでない心からの信頼関係を築いていきたいのですが、どの様にしていけば信頼を勝ち取れるのかがわかりません...

犬が前に出たら無言で方向転換するリーダーウォークの練習は、私に遅れないようにどんどん駆け足になって最終的には興奮して走り回るようになり、声かけで叱って止めなきゃいけなくなってしまいます。この感じで続けても大丈夫でしょうか...

今は前に出たら声かけかリードでショックを与え、それでも直らなければ急に立ち止まり「ついて」とコマンドを出して後ろにつかせ、再度歩き出す...というのをやってみています。

が、前記した通りリードは弛んではいますが訂正しても訂正しても微妙に前に出る形になりなかなか完璧なリーダーウォークになりません...

意地の張り合いになって正直とても疲れます。

あとは、留守番中の食糞が治りません。留守番前に散歩に行けず体力が有り余ってる時は、自分のベッドで遊んでしまうようで帰ってくると謎の位置にベッドがありウンコが引きずられまくってることも多々(おかげですのこケージに買い換えました)

これらの治し方もアドバイスいただけましたら嬉しいです...

長文になってしまいましたが、どうぞ宜しくお願い致します。


返答内容
頑張ってこられましたね。正直申し上げて、この年齢・月齢でここまで出来ていたら、合格点以上です。

まだフレブル君も成犬にはなっていないわけですし、まだまだ経験不足ですから、外の世界では興奮で指示が入っていかないのです。犬は人間ほど表情が無いので変化を見抜きにくいですが、室内とは興奮度合いが全然違うものです。

この年齢・月齢で、お散歩中に前へ前へ行きたくなるのは自然なことです。現状まで出来ている犬のほうが少ないです。

それと、これから年を重ねて老犬になった時は、今度は歩き遅れて元気も無くなってきます。そんな時は若犬の頃を思い出して寂しくなったりもするものです。人間とは無い物ねだりですし、いつも自分の都合の良いように求めてしまうものなのです(笑)

もちろん、犬のしつけはここで終わりではありません。むしろ、知能も成犬並みに上がって、体も丈夫になり少しずつ経験も増えて、これから本格的にしつけと関係作りが始まるのです。これからなんです。


さて、犬の本能はやっぱりあります。知能レベルや文明への理解も、人間には圧倒的に及びません。特に日本人の大人から見たらなおさらです。

ですが、犬という知能の低い動物が人間と一緒に暮らしていること自体が、私は奇跡だと思っていますし、犬は頑張っていると思っています。

人間は入ってくる情報を自分の都合の良いようにとらえて、都合の良いように処理します。

映画やテレビドラマで、犬の素晴らしい断片を見ていくうちに、いつの間にか犬という動物を過剰に美化してしまうのです。その美化したイメージ・自分の理想が、現実の犬と違った時に、不満が出てきます。

しかし、人間の頭の中にある全てのものは、全て美化されたり逆に過小評価された記憶なのです。

だから、思ったより良いと感じたり悪く感じたりすることが多くなります。


一番最初にご覧になったと思いますが、私の販売ホームページで犬の本能を少しお話していますし、本書でもQ&Aサイトでもお話していることですが、犬はシンプルに生存競争の中を生きています。

常に競い合い、優劣のせめぎ合いの中で、強い者が群れを率いてコントロールし、強い者同士がカップルになり子孫を残す・・・という自然淘汰の大原則の中で生きています。

それに一番遠いのが日本人でしょう。外国はもっとドライで競争が激しいです。犬にはそれらすらも理解できません。本能で感じるままでシンプルに生きています。

ですので、飼い主さんよりも自分のほうが(精神的に)強いと思えば、平気で下剋上になります。

これが自然の摂理です。

ですので、犬にそう思わせないように、毅然さを貫いていただきたいのです。まだ成犬にもなっていませんから、続けていけばこれからもっと主従関係の意識は深くなっていきます。

そして、全体的に散歩と遊びの時間がちょっと足りないかもしれません。

もちろん、犬に合わせるのもいけませんし、この年齢ですと元気があり余ってキリも無いのですが、発散不足が食糞の原因にもなっています。

あとは、上手く遊べていないというのもありますね。

上手くいかない時は大原則に戻っていただきたいですが、とにかく「型を作ってあげて指示音ジェスチャーで褒めてあげること」を、一回一回徹底してください。

例えば、こちらから犬の口の中にコングを入れて、そこで「ボール」や「キャッチ」などの音でポンポン褒めてあげて、次は「ダセ」の音を出しながら犬の口から出して、手の平に乗せて見せてポンポン褒める・・・そしてまた犬の口の中に入れて・・・を繰り返します。

そうしたあと、コングを転がしてそれを指差してキャッチの音で取りに行かせる・・・

というふうに、「何をどうすれば良いのか」をもっとハッキリ明確に教えていただきたいのです。

「ある程度しつけできて来たのに、なんだかそれ以上にならないんです・・」とおっしゃる飼い主さんはほぼ100%そうですが、ある程度しつけできてくるともう犬が完全に覚えているものと思い、指示で出来ないのにムキになって指示を付けて結果を出そうとしてしまうのです。

まだ定着していない段階、少し興奮が入っている時は、犬がきちんとできないも仕方ないこともありますので、もうこちらから型を作ってあげて、分かりやすく体現させて教えていただきたいのです。ハッキリ褒めてあげていただきたいのです。

成功体験を作ってあげて褒めたほうが、犬にも分かりやすいですし嬉しいですし、信頼関係が深まります。

もちろん、猫なで声でナデナデ大げさに褒めては逆効果です。リーダーらしく堂々と静かに褒める・・指示音ジェスチャーを関連付けながらポンポンして分かりやすく褒めます。

犬にとって分かりやすい教え方、分かりやすい褒め方、が出来ていないのです。

もし今回、ご不安でしたらぜひ動画を送ってみてください。最近は携帯でもデジカメでも普通に動画を撮れるようになっていますので、それをユーチューブにでも「限定公開」の設定でアップしていただいて、そのURLをお知らせいただければ、私だけが見れますのでプライバシーは大丈夫です。

・どのように遊んだりスキンシップしているのか
・どのような教え方をしているのか
・どのような叱り方・褒め方をしているのか

が動画を撮っていただくポイントになります。


ということで今日のまとめですが、まだまだ主従関係が定着・深まる年齢ではないのと、犬に経験をもっと積ませること(成長を待ってあげること)、分かりやすい教え方・分かりやすい褒め方をもう一度見直すことです。

あと、食糞の治し方はQ&Aサイトを熟読されてください。寝る前やお出かけ前に指示でウンチさせて済ませておくことです。そのためには、普段の音の関連付け、指示を聞きたくなる関係作り、分かりやすい教え方・褒め方が必要です。

詳しくはまたQ&Aを熟読されてください。(食糞の原因は発散不足もあります)

それでは、また頑張って続けていきましょう(^_^)


犬のしつけマニュアル&個別相談の案内ページへ

 


【著者:運営責任者】
犬のしつけアドバイザー
堀川春広
株式会社ホリページ代表取締役
https://www.horipage.com/
運営者の写真
犬のしつけ方針