犬のしつけがQ&Aで分かる!

一人暮らしでも犬は飼えるか?→普通に飼えますが・・・

質問内容
私は今、職場の寮で1人暮らしをしています。先日、実家で飼っていた犬を12歳で見送りました。

最後の3か月は実家の母と妹、私とで介護生活でした。体も心も大変な時期でしたが、今、思うのは、「それでも幸せな時間だった」ということです。

ペットロスになるのではないかと心配しましたが、仕事もあるので何とか普段の生活に戻っています。

少し、気持ちが落ち着いてきた今、1つの思いが悶々と頭の中をめぐっています。

1人暮らしでも犬はきちんとしつけをして飼えるのでしょうか?

いろいろ考えた結果、実家でまた皆で飼うのではなく、1人で飼ってみたいという気持ちになっています。これまでの犬は室外犬(先日看取った犬は玄関犬でしたが)でしたので、室内犬を育てた経験はありません。これまでの室外犬は、偶然、吠え癖や噛み癖、飛びつき癖などなく、小さい頃はあったようにも思いますが、苦労せず修正できました。ちなみに柴犬のような見た目の雑種でした。

住環境、病気になった時や老犬になった時の世話、そのあたりの調整は最低限必要なことと思います。ただ、「しつけ」という面で、「1人暮らし」「夜勤勤務もある不規則な仕事」は、私の努力でクリアできることなのでしょうか?

仕事後の散歩、経済的な出費などある程度の大変さは覚悟していますが、「しつけ」という面では経験がなく想像が難しいです。

こんな自分の環境でもまた愛犬を迎えられる、と分かるまでは犬は飼えません。

飼い主としてしっかりと犬をしつけるという意識があれば、1人暮らしでも愛犬との充実した生活を送られている方もたくさんいるのでしょうか?

これまでいろいろな飼い主の方と接してこられていると知り、ご意見を頂ければ幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。


返答内容
お一人暮らしで犬を飼うこと、家族で犬を飼うこと・・・これはどちらもメリット・デメリットがあります。

家族で犬を飼うと、必ず接し方のバラツキが出てしまいます。よほど皆さんの団結が無い限り、家族間で犬の接し方がかなり違ってしまうのが現状です。

一貫・統一されないと、犬はまったく理解できないどころか矛盾やギャップでイライラ反発したり誰かに攻撃的になってしまいます。

一方、お一人暮らしであれば、勉強した自分だけが一貫して犬をしつけることが出来ます。

ですが、もちろんご自分が一貫しなければ意味がありませんし、気を付けたいのは、一人暮らしの寂しさから無意識に犬をチヤホヤしたり、癒しの面で依存的になってしまうことです。それだけ忘れないでください。

デメリットですが、社交性が乏しくなることです。幼少期から、老若男女色んなタイプの人と接することで、人間好きでストレスを感じにくい犬になります。

ですが、これは補えることであり、お仕事から帰ったり休日に色んな所に子犬を連れ回して、老若男女色んなタイプの人に会わせれば良いのです。お散歩も好きになって、老犬になってからも嫌がりません。

そして、例えば家族が多かったとしても、留守番が長ければ同じことです。

今回は職場の寮ということですので、もしかしたら職場に近いんじゃないでしょうか。

そうであれば、お昼や休憩時間にいったん帰って、エサやりとトイレの片ずけ(しつけ)が出来ます。


>夜勤勤務もある不規則な仕事・・

↑これも問題ありません。犬には人間のように、7時間寝て17時間起きてまた7時間寝て・・のような決まった生活習慣はありません。

1時間寝て1時間起きて3時間寝て2時間起きて・・・のような、人間よりも細かいサイクルで活動しますので、昼に熟睡することもありますし、夜中に一人遊びすることもあります。


>1人暮らしでも愛犬との充実した生活を送られている方もたくさんいるのでしょうか?・・

↑たくさんいらっしゃいます。職場の寮や社宅で犬を飼っていて、夜のお仕事だったり、不規則な方もいらっしゃいます。

そもそも犬の生態が不規則なので、あまり関係がありません。反対に、かえって時間を決めて完璧に規則正しくしてしまうと、かえって要求吠えなどの原因になります。

犬に合わせる意識は持ってはいけません。

ただし、エサの時間・回数は大体決めてあげると良いです(正確に固定はしない)。胃酸や胆汁など消化器官のリズムもありますので、毎日何時間もずらすのは良くありません。

子犬期は特に、一日3回以上に分けてあげてください。(詳しくは本書やQ&Aサイトにて)


さて、それではまとめになりますが、「一人暮らしでも犬は飼えるか?」というご質問のお答えであれば、「普通に飼えます」ということです。

ただし、家族が何人であろうと、「犬のしつけは簡単である」という意味ではありません。

その犬の生まれ持った素性によっては、ほとんど手がかからず楽に育てられる場合もありますが、大半はそうではありません。犬を大切にしているご家庭ほど、犬は群れの意識を強めますので一緒に居たがり、それが要求吠えやストレス噛みなどになります。

昔は、外飼いや玄関飼いが多く、あまり家族という強い意識が無かった時代ですので、そういう時代・そういうご家庭で淡々と飼った犬は、もともと心身ともに距離があるのが当たり前に育つので、ワガママもないのです。

ですので、それと同じように接してあげれば良いのです。

ただ、12歳は犬としてはちょっと寿命は短めでしたね。外飼い・玄関飼いは、心身ともにストレス(寒い・暑い・外の気配)が強いからです。

犬のしつけ上のご心配をされるのであれば、玄関飼いしていた時のように、ある程度精神的な距離を置くことです。それが出来るかどうか・・・

犬のしつけは、飼い主さんの成長でもあります。

それでは、頑張って続けていきましょう(^_^)


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【著者:運営責任者】
犬のしつけアドバイザー
堀川春広
株式会社ホリページ代表取締役
https://www.horipage.com/
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