犬のしつけがQ&Aで分かる!

犬のしつけで犬が悪い事をした時の叱り方

質問内容
スコティッシュテリアのミックス犬  3才 メス
主人 45  私40  息子10  娘 5才
もらったばかりの犬です。

堀川さんの本を先日購入させていただきました!
とてもわかりやすく、子どもでも読めるようにふりがながふってありますので、うちの子どもでも、自分で読めるので、感謝しております。

ごほうびのおやつをあげずに、しつけができるなんて、素晴らしい本だと思います!

質問があるのですが、たくさんあってすみません。

1、犬が悪いことをしたとき、どうしたらよいか?
現行犯で、悪いことをしたのを見つけ、叱るとき、どのようにしたらよいでしょうか。

2、「ノー」のジェスチャーと教えかたはどのようにしてらっしゃいますか?

3、犬が吠えたとき、ほえたらだめだと教えるにはどうしたらよいですか?
むだ吠えをなくすにはどうしたら、よいでしょうか?

4、散歩のとき、他の人や犬をみてほえたり、エキサイトした時、どうしたらよいですか?

5、人にとびつくのですが、どうしたらよいですか?
いまは、「ダウン」といっているだけですが、時々しか言うことをききません。どう対処したらよいですか?何かジェスチャーをした方がいいですか?

6、散歩中や裏庭に放しているときなど、ひろい食いをします。解決法は?

7、呼んでも戻ってこないときの解決法は?

8、犬が自分の家の中にオシッコ(マーキング?)をする時の解決法は?
私どもの家の中ではオシッコをしないのですが、私どもの家の中に犬のサークルと犬の家がありまして、犬のサークルの中にオシッコをします。

9、オシッコを失敗した時の対処法は?
興奮した時など、オシッコをもらしてしまいます。また、興奮してないときでも、オシッコを失敗した時はどうしたらよいですか?

たくさんの質問があって申し訳ありません。インターネットで検索して、プロのトレーナーさんのe-bookにしようか、堀川さんのe-bookにしようかと、さんざん悩みましたが、メールで親切丁寧にサポートしてくださるときいて、安心して、堀川さまの本を選ぶことができました。
 
とても感謝しております。ありがとうございます。


返答内容まず、スコテリちゃんは3年間別の環境で暮らしてきて、長い習慣もあったでしょうし、まだ新しい環境に慣れていません。また、人間で言う人格形成もある程度出来ている後なので、激変しないで、現状や性格を理解してあげて、少しずつ教えていきましょう。

ただし、甘やかしやチヤホヤをして良いということではありません。犬は新しい環境に来て、最初の数日間で相手との基準値を作ってしまいますので、従属的な態度を見せないように意識してください。

犬のしつけは、個別の対処法を重視しないことです。普段の何気無い接し方を通して正しい関係が出来たから、犬は飼い主さんに「褒められて嬉しい・・叱られて気まずい・・教えられると覚えたくなる」ということが機能します。

それを忘れず、大前提の関係作りを意識しながら、個別の教えもしていきましょう。

では、ご質問の内容です。

1と2を一緒にご説明します。犬のしつけでは、「叱る」ことは「褒める」ための過程に過ぎない・・とご理解ください。叱って止めさせるのではなく、例えば「マテ」の指示で動きを止めて悪い事をさせない・・という良い行動をさせるポジティブな指示によって、結果的に止めさせ褒める形が良いです。

また、例えば犬がジタバタ興奮して吠えたり噛んだりする場合は、片手で首輪をつかみ、もう片手で犬の口を閉じるので、両手がふさがり「ノー」のジェスチャーは出来ません。

ただ、「ノー」と言いながら、口閉じをしようとする手の動きが、ジェスチャーとして犬の中で関連付けされます。

ですので、無理にジェスチャーを意識しなくても、「悪い型を止めて・良い型を取らせるための過程の動きが、自動的にジェスチャーになっている」、と思われて結構です。

もしくは「マテ」で動きを止めることです。

犬に物事を教える時は、叱って終わりにしないで、良い型を取らせ指示音やジェスチャーを関連付ける・・というところまでをセットにしてください。

3、の吠えのしつけです。

犬の吠えは基本的に2種類あります。いわゆる無駄吠え・・という、飼い主に何か①要求する吠えや、退屈でひたすら吠えるものです。

もう一つは、他人や犬などを②威嚇・警戒するための吠えです。

直接の教え方としては、共通します。吠えたら「ノー」と厳しく伝えながら、犬の口を手で閉じます。良い型になったのでそこに「シ~」の指示音を関連付けながらポンポンで褒めます。

褒めたらすぐ口を解放しますが、するとまた吠えますので再度「ノー」と・・・ひたすらこの繰り返しです。

繰り返すと、口を放しても吠えない瞬間がきますので、しっかり褒めて何度も反復します。特に退屈吠えや要求吠えの場合は、甘くしてしまうと、「吠えればかまってもらえる」と犬が勘違いしてしまうのでご注意です。

4と5も同じように教えますが、興奮が激しいので、落ち着かせるためと確実に教えるために、飼い主さんも一緒にしゃがんであげて、犬におんぶするような体勢で首輪をガッチリつかみスワレ・マテの体勢を作りキープさせます。

(激しく興奮してからではなく、他人や犬が近づく前にしてあげて準備しておくと良いです)。

その体勢で、犬が吠えたら先ほどのように教え、吠えない瞬間があったら褒めてあげます。口閉じの型と指示音をひたすら関連付けすることを意識してください。

威嚇・警戒吠えですので、もう一つの要素として「慣れ」も大切です。以前暮らしていた環境では、社会化できる場が少なかったのでしょう。

急にたくさんの人に対面はさせないで、最初は少し離れた場所から、行きかう他人や犬などを見せ、先ほどのように教えていき、慣れの様子を見ながら、少しずつ近くで見送れるように練習していきましょう。

犬が経験を積んで、ガマンを飼い主さんに褒められれば、少しずつ自信も付いていき、「怖くない・・吠えなくていい・・吠えちゃいけない」ということを、段々理解していきます。

6、はリーダーウォークをたくさんしてください。散歩時はもちろん、家の敷地内でもたくさんしてください。また、ドライフードを地面に点々と置いて、犬が近づいたら「ノー」でリードを引き、フードに届かせない型を作り、「ツケ」の指示音で褒めてまた歩き出す・・次のフードの地点へ・・「ツケ」でフードを通り過ぎれたら褒める・・食べようとしたら再度「ノー」・・・ひたすらこの繰り返しです。

7、大前提は関係作りです。そして本書の「コイ」の要領で教えてください。その前にマテができると教えやすいです。また、主導型のヒモ付ボール遊びを通して、関係作りと呼び戻しを練習していくことも実施してください。

8と9のトイレのしつけです。

まず物理的な環境も整えます。サークル内に余分なスペースはないでしょうか。サークル内は、ハウスとトイレと通路があれば良いです。キレイで広い場所があれば、犬は当然そこでしたくなります。

トイレをキレイに保つことと、余分なスペースを作らないことです。そして、トイレは可能な限り大きくすることと、犬は「滑る・しなる・ズレル・高い」場所が苦手です。トイレにその要素があるといけません。

トイレのしつけは、犬のしつけの中で唯一、叱ってはいけません。犬は、自分がした行為はオシッコしただけですので、失敗を叱られても理解できず、オシッコの行為そのものが叱られた感覚になってしまい、隠れてアチコチするようになります。

本書の条件を作って促し、とにかく現場をおさえて、その瞬間で、「チチチチ」などの指示音と指差しで場所の関連付けをしながら褒める・・それをやった数に結果が比例します。

そして、今までお話してきた内容に全て共通しますが、普段の関係作りが大前提です。それがないと、どんなに優れた手法があっても継続的な結果は出ません。

あせらず関係作りを重視して、続けてください(^-^)


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【著者:運営責任者】
犬のしつけアドバイザー
堀川春広
株式会社ホリページ代表取締役
https://www.horipage.com/
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