犬のしつけがQ&Aで分かる!

犬のしつけで叱り方・褒め方と指示の出し方

質問内容実は・・・子犬の時のしつけが大事と思い、森田誠さんのDVDを購入しました。
結果、難しい&チョークチェーンはかわいそうで購入できず、普通の首輪で試しましたが、余計に手に負えなくなり、どう叱ったり褒めていいのか途方に暮れていました。

私の希望は、落ち着いて一緒にいれる生活です。宜しくお願いいたします。

・要求吠え、甘噛み、飛びつきに困っています。
・ミニチュアダックス、7か月、メスです。
・父(65歳)10時間くらい、母(63歳)8時間くらい、私(33歳)6時間くらい同居時間があります。

①寝ているときはハウスにいれています。出してくれと吠えるので外に出し遊びます。スキンシップと遊びを分けて考えたことがないのですが、眠くなって膝に来たときに、全身なででやります。起きているときはすぐに手を噛んできます。

大丈夫な時もあるのですが、森田さんのDVDのせいかわかりませんが、手を怖がるというか、だっこしようとしても逃げてしまします。

②遊びのタイミングは、すべて犬まかせです。吠えたらかまうという感じです。

③しつけは時間があるときに。といっても最近はしていません。何が正しいのかわからなくなっていたので。

褒め方はハウスの中でトイレできたときなどはすぐほめます。

叱り方はテーブルの上にのぼった時にすぐ怒ります。でも怒った後、部屋中を走り回るので手に負えません。

④オヤツはまだあげていません。歯磨き用に皮はあげています。抱っこは、「抱っこ」と言って抱くようにしていますが、「抱っこ」と言って手を出すと逃げます(泣)

ナデナデは、いい子で座っていたりすると、「Good」と言って声かけをして撫ででやります。

⑤散歩は朝6:00~7:00の間の約30分(私が)、夕方は、今は暑いので18:00くらいから30分(母が)。散歩の道は私主導で行きますが、家が近づくと歩くのは早くなり、ひっぱられる感じです。トイレは家でしてから散歩に行くとき決めています。でもして出ても、外でしたりします。散歩に出るのを待っている感じはありません。

⑥朝6:00に起床、すぐ散歩へ行き、ごはんは散歩から帰ってからすぐあげます。

8:30に母と私は仕事へ。父は昼間は家にいるのでシェールがひとりでいることはぜんぜんありません。
夕方、母が帰り、17:00ごろご飯をあげ、18:00ごろ散歩。私は20:00過ぎて帰ります。

リーダーウォークを始めて2日目です。きょうは雨で散歩に行けませんでした。あまり変化がみられません。あお向け固めも、すぐ手を噛んできます。
 
すぐに結果を求めているわけではないんですが、5月から飼い始め、毎日頑張ってきましたが、犬を飼うということに疲れてしまっています。正直、心が折れそうです。

でもとてもかわいいし、一生大事に飼いたいと思っています。早く、ストレスを取り除いてあげたいです。アドバイスお願いいたします。


返答内容まだ犬のしつけを始められたばかりですから、すぐに結果を期待してはいけません。私の犬のしつけ法は、時間をかけて関係作りをするものです。すぐ結果を出そうとする調教法にとらわれないようにご注意です。悪循環になってしまいます。

それとまだ知能が低い時期ですので、関係作りも物事の覚えも悪いのが当たり前の時期なのです。

しかし、成長期と社会化に柔軟な時期の後半に入っていますので、将来のためと思ってやるべきことを淡々と続けていきましょう。今はそれで良い時期なのです。

生後8か月くらい過ぎてくると、知能もドンドン高くなっていきます。ただ反対に言えば、ずる賢くもなるし相手も見抜く・・ということですので、今までの間違った点は素直に修正していかなければいけません。

それと、ホルモン変化や成犬の本能が強く出てくる時期なので、反抗期のような症状もありますし、今まで関係を犬が誤解していたならば、しつけに対して反発もします。

まず今回のポイントは、お母様とお父様も合わせた3人の意志行動の統一が必要だということです。

お母様も散歩に行かれますし、お父様が一人で見る時間帯もありますね。犬は相手一人一人を見て感じていますから、例えば○○様の前で犬がちゃんとしても、お父様やお母様が毅然とできないと、犬はまったく言う事を聞きません。

また、同じ問題行動でも、一貫して教えられたり叱られたりしないと、犬も何が良くて何が悪い事なのか分からなくて覚えることができません。

ご家族全員で、ホームページ・本書・メールサポートをご覧になって、決め事を話し合い統一してください。

では、過去の接し方を一点ずつ見ていきましょう。

>出してくれと吠えるので外に出し遊びます・・

↑犬の要求に合わせた時点で、もう主従関係が逆転しています。それと、気に入らないことがあると常に吠えて催促する癖にもなっています。

まず吠え癖、噛み癖は一番に直しましょう。同じ教え方で良いです。噛んだら吠えたら「ダメ!」と厳しく伝え、同時に犬の口を手で軽く閉じます。(怖ければホームセンターで600円くらいの作業用皮手袋を買いましょう)。

そして叱って終わりにしないで、良い型になった(させた)ので、口を閉じながら「シ~!」の音を関連付けながら、犬の肩をポンポンして褒めてください。

噛み癖の時も「シ~!」で良いです。「口を閉じて大人しくしている」状態と関連付けできるからです。

褒めたら口を解放してください。またすぐ吠えたり噛んだりしますから(あえて手を見せてみる)、再度「ダメ!」と厳しく伝え・・・この繰り返しです。

解放しても吠えたり噛んだりしなければ、しっかり褒めて何度も反復してください。

褒め方は猫なで声でナデナデはいけません。態度が従属的に映ります。下位の犬は上位やリーダーにすり寄って、クンクン言いながら、舐めて挨拶します。人間のナデナデは、犬のナメナメと類似しますので誤解しやすいのです。

>眠くなって膝に来たときに全身なででやります・・

↑ですので、これもいけません。まず犬の要求にそのまま応えていますので、その時点で犬に従ってしまっています。こういう場合は、無視はしないで、いったんスワレ・マテなどの指示で何か行動させてそれをポンポンして褒めてください。

まったりする時は膝上ではなく、となりにぴったり寄り添わせれば良いです。

ひざ上や抱っこがいけない理由ですが、犬同士で体を合せる時は、上位の犬が下位の体の上に自分の前足やアゴを乗せてくるのです。マウンティングも同じ理由ですが、体位が関係を表すのです。

>抱っこしようとしても逃げてしまします・・

↑これは人間に抱っこされた時の高さと不安定さが怖いからです。特にダックス・コーギー系は足が短く、落下の衝撃を吸収できず背骨や頸椎を傷めやすいです。

もともと抱っこは従属的なので、必要時以外は止めてください。ただ、診察台に乗せたりシャンプーやブラッシングの作業台に乗せることもありますね。誰かが吠えられて叩いたり、叩く素振りを見せたりしていないでしょうか。手を怖がるようになります。

もし過去に体罰や威嚇などがあったら止めて、遊びの中で慣れさせていけば良いです。

ボール遊びの中でなんとなく犬のお腹に一瞬手を触れてみる・・また遊び・・一瞬お腹を触る・・また遊び・・触られることに慣れてきたら、お腹の下に手を回し一瞬犬を少しだけ持ち上げてすぐ放す。ということを繰り返しながら少しずつ抱き上げる高さと時間を広げていけば良いです。

それとスワレ・マテを早めに教えましょう。全ての行動の基本にできます。抱き上げもマテの指示を出しながら褒めながらすれば良いです。

>遊びのタイミングは、すべて犬まかせです。吠えたらかまうという感じです・・

↑これも犬が主導になってしまっています。飼い主さんが時間を決めて主導しながら遊びます。犬の催促には構わない・・吠えたら口閉じで教えることです。

主導型のヒモ付ボール(コング)遊びが良いです。投げる前にスワレ・マテの指示・・出来たら褒めて投げる・・出来なければ型で教えて褒めて投げる・・投げたらヒモを引き回収しながらコイの練習。

遊び以外も、いつでもどこでも主導です。犬を少しかまいたい・・と思われたら、オテでもスワレでも何でも良いので「指示→犬が行動→褒める」というパターンを徹底することです。

それらの遊び方・接し方なら、楽しくスキンシップできますし主従関係も深まっていきます。

>しつけは時間があるときに・・

↑これは犬のしつけではなくなってしまいます。犬のしつけは、調教やトレーニングではありません。犬との関係作りなんです。ですので24時間365日の接し方・態度・しぐさ、全て影響しているのです。

>叱り方はテーブルの上にのぼった時にすぐ怒ります・・

↑良いですね。現行犯ですぐ叱ってください。現行犯を逃したら忘れて無視です。そして叱って終わりにしないで、必ず良い型を取らせて音とジェスチャーを関連付けて褒めることです。

今回なら、叱る前に逃げないように首輪を先につかみます。すぐ「ダメ!」と同時にテーブルから下ろして、スワレの型を作ります。そこで褒めて解放してください。

解放してもテーブルに乗らなければ、褒めてください。またテーブルに足をかけたら、叱って下ろしてスワレで褒めます。

>でも怒った後、部屋中を走り回るので手に負えません。

↑ケージから犬を出した時は、常にリードを付けるようにしましょう。暴走もトイレの失敗も防げます。そして噛んだり吠えたりしたら現行犯でリーダーウォークにすぐ移行できます。

ですので散歩は関係ありません。リーダーウォークは散歩の練習法でもなく、歩くことでもないからです。室内の狭いスペースでも出来ますし、止まって反対を見て無視・・これも立派なリーダーウォークなのです。目的は、飼い主さんが行動を主導し毅然な態度をしっかり示して関係作りをすることなのです。

最終目的は、あお向けも主導型ボール遊びも同じことです。犬のしつけ状況や犬の月齢年齢に合わせて、使い分ければ良いのです。

>いい子で座っていたりすると、「Good」と言って・・

↑ご両親にも、この英語の指示が使いこなせるでしょうか。それなら良いのですが、無理なら日本語にしましょう。(家族で統一・一貫すること)。

よく「犬への指示は英語が良い」と言われますが、これは英語そのものを理解するわけではなく、「短い音」であり「他の指示音と違いがハッキリしている」からです。

その条件が合えば、日本語でも何語でも何でも良いのです。ですので私は、「スワレ・マテ・コイ・ツケ・ヨシ・オテ・チチチ」など、3文字以内の短い音で、区別がハッキリしたモノを本書でもご紹介していますし、さらに犬は動体視力が良いのでジェスチャーによる動きも、一緒に関連付けることで覚えやすくしています。

>家が近づくと歩くのは早くなり、ひっぱられる感じ・・

↑まだ幼いので落ち着きはないです。関係作りとリーダーウォークで良くなっていきます。毎日30分以上の散歩で、外の世界に慣れさせることも重要です。人や犬や自転車など色んな動くものを見せましょう。

では、しばらく上記のイメージで続けてください。まだまだ結果を期待する時期ではありません。今は与える(教える)時期です。

頑張って続けてください(^-^)


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【著者:運営責任者】
犬のしつけアドバイザー
堀川春広
株式会社ホリページ代表取締役
https://www.horipage.com/
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