犬のしつけがQ&Aで分かる!

甘噛みする犬へのしつけ態度

m1.png一か月半ほど前に、用水路に捨てられていた犬を譲り受け、里親になることになりました。
小さいときからのしつけが大事だと聞いてはいましたが、なかなかどのようにしていいのかがわからず、いろんなしつけ本やHPなどを閲覧しましたが、どうもしっくりいかないものがほとんどでした。高額のDVDも買えず、根本がどのようにしたらいいか分からない状態でした。
 
甘噛みがあり、(幼犬なので、ある程度は仕方がないのでしょうが、)先日、長男の手を血が出るくらい噛みました。触られるのを嫌がる傾向があって、触ると噛もうとします。今回は傷も大事には至らなかったので良かったですが、このまま噛み癖が治らないと、困ると思い、いい方法はないものかと思っていたところです。早く犬といい関係が作れるように、気長に訓練していきたいと思っています。アドバイスいただけると嬉しいです。


m2.png一つ一つの問題行動に対する対処法が大事なのではありません。甘噛みも要求吠えも、犬が主従関係を理解していないのが根本原因なのです。物事を教えても聞かないのも同じ理由です。ですので対処法もお教えいたしますが、普段の何気ない接し方、主従関係の意識・・これを絶対に忘れないでください。子供さん達にもかみくだいて教えてあげてください。

それと捨て犬や、早い段階で親兄弟から引き離される人気犬種の問題もあります。本来は子犬が騒いだり甘噛みすると親犬がしつけたり、兄弟に怒られたりしながら、遊び方や接し方を学んでいくのですが、早い段階で親兄弟と離れてしまうとそれが分からないのです。
 
大前提は主従関係ですが、物事の良し悪しは型と音で体現させて教えなければ、犬の知能では理解できません。
 
甘噛みは絶対に放置してはいけません。子犬だから許すという考えは持たないでください。親犬になったつもりで毅然と教えてください。
 
必ず現行犯で教えます。わざと手を見せると噛もうとするので、「ダメ」と同時に首輪を軽く引き、もう片手で口を軽く閉じてください。(吠えも同じ)。当然噛めませんので、すかさず褒めます。そしてまた開放して手を見せると噛もうとするので、再度「ダメ」と同時に首輪を軽く引き口を閉じる・・褒める・・この繰り返しです。
 
そして続けていくうちに手を見せても噛まなくなる瞬間がやってきます。そこでしっかり褒め、何度も反復すると理解できるようになります。
 
そうやって何度も何度も良い事と悪い事を体現させないと、犬の知能では覚えられないのです。
 
物事の教えは何でもそうです。型と音(できるだけジェスチャーも)。
 
散歩についても例外は作らず、左に付かせると決めたら付かせるよう教えます。リードのからみは取ります。
 
ただ、その前に家の中で十分「ツケ」の練習をしましょう。リーダーウォークそのものは、「リーダーとしての毅然とした態度を示す」のが目的です。その手段の一つが、あお向けであり、リーダーウォークなのです。(リーダーウォーク=散歩ではありません。)
 
「ツケ」は、これも型と音です。犬よりも一歩先に行き、自分の左足の外側をポンポンたたき「ツケ」の音・・同時にリードを引き犬をたぐり寄せ、左足のわきに付けさせます。付いたらまた「ツケ」の音と同時に褒めます。
 
また一歩先に行き、「ツケ」と同時にリードで誘導・・付いたら「ツケ」と同時に褒める・・
 
この繰り返しで「ツケ」の指示がどういうものか犬は理解していきます。
 
静止状態で十分出来るようになったら少しずつ歩きを加えていくと良いです。もちろん外でも練習しましょう。
 
 さて、ここまでは教える方法をお話しましたが、今までも解説したように主従関係が出来ていないと、せっかく教えても犬は言う事を聞こうともしません。
 
今回気を付けていただきたいのが、犬の生い立ち・・つまり捨て犬だったということを哀れに思い、犬を気遣い過ぎたり、過保護にしたり、かまい過ぎてはいけません。
 
犬はそこまで家族の気持ちを理解することはできません。犬は犬の本能でシンプルに感じ、判断するだけです。従属的に見えれば自分の優位性を感じ、主従関係を誤認します。だから気に入らないことがあれば噛みますし、吠えます。
 
また甘噛みは相手を試す・・反応を見るための行為でもあります。捨て犬で可愛そうだから・・子犬だからと容認していると犬は主従関係を誤認します。
 
今はまだ軽くても、これから成長にともない成犬としての権勢本能も強くなっていきます。そうなると手に負えなくなってしまいます。
 
24時間・365日、常にリーダーとしての毅然とした態度を見せ続ける・・これが犬のしつけの根本なのです。
 
子供さん達にも教えてあげてください。犬の感じ方・・本能を・・
 
だから意味無くかまう、声をかける、見つめる・・オヤツ、抱っこ・・そうしないで、かまいたいと思ったら必ず何か指示を出して出来たら褒める。あお向けやヒモ付ボール遊びもやってください。それらならスキンシップも取れ、主従関係が保てるからです。
 
物事を教える手法も大切ですが、もっと根本の接し方を意識してください。最初から上手く出来ません。毎日毎日何度も何度も意識するから自然にできるようになります。主従関係も積み上がっていくのです。一夜にして良い関係など出来ません。

では、頑張って続けてください(^-^)


犬のしつけマニュアル&個別相談の案内ページへ

 


【著者:運営責任者】
犬のしつけアドバイザー
堀川春広
株式会社ホリページ代表取締役
https://www.horipage.com/
運営者の写真
犬のしつけ方針