犬のしつけがQ&Aで分かる!

犬のしつけでリーダー説や主従関係を否定する人は逃げているだけ

Q.ご質問:
堀川さんの犬のしつけが勉強になりました。最近の本や情報では、リーダー説や主従関係を否定してるのもあり、どっちを信じていいのかわからず、迷いが生じていて、態度があやふやになっていたせいか愛犬も混乱してたとおもいます。

やっぱり愛犬を見てるとテキストに書いてあるとおり、リーダーになる人が必要だなと思いました。ジロジロ見ない、無意味にナデナデしない、リーダーウォークは徹底していこうと思います。

ただ、ベビーカーを押しながらなので、難しいです。問題ですが、ピンポン吠え、来客吠え、警戒吠え(たまに)、散歩時、犬に吠えることで悩んでます。

今の所、家で吠えた時は、缶をならして脅して吠えやましています。それをしないと吠えたままです。吠えてる時、犬に吠えなくていいって伝える為には、どういう対処をしていけばいいでしょうか?

対処しなくても吠えなくなってくるのでしょうか?
吠え方は興奮しながらけたたましく吠えます。

ホームページで見たマズルを抑えるやり方がのっていましたが、テキストには、リーダウォークとありますが室内でリーダーウォークをするのでしょうか?

玄関入ってすぐに狭い部屋なので難しそうです。マズルを抑えるのがいいかなっと思いますが、もうちょっと詳しく教えてほしいです。よろしくお願いします。

・愛犬の犬種 トイプードル 年齢3歳 性別 男の子
・大人2人 子供1歳一人 一日の愛犬との同居時間 まちまち 8時間 最近寝るのは別々。

①どういうタイミングで、どういう「スキンシップ」をされてきましたか?
テレビを見ながら、なでなでしながら話しかける。仰向けでマッサージ。

②どういうタイミングで、どういう「遊び」をされてきましたか?
かまってあげれず、うろうろしているときに、おもちゃを渡して一人遊び。おもちゃを投げて、持ってきてもらう。 (持ってきても放しませんが・・・。)

③どういうタイミングで、どういう「しつけ・褒め方・叱り方」をされてきましたか?
犬のしつけ教室も行ったり、出張トレーニングをお願いしたりしてリードでひっぱったり、缶で音出したり。今も吠えた時は、缶をガシャンとしてます。褒めるときは、いい子~って声をかける。おやつをあげる。

④オヤツ、抱っこ、ナデナデ、声かけなどされてきましたか?
ナデナデは、近づいて来たときによくしてました。

⑤散歩は何分、どんなやり方でしたか?
15分から30分ぐらい。引っ張らないけど私の足より前に出てる感じ。今出張トレーニングもお願いしてて、注意を飼い主に向けるためと散歩楽しいと関連付けるため、おやつをちょくちょくあげながら散歩。

⑥一日のタイムスケジュールはどんな流れでしたか?
朝ごはん、散歩、部屋で自由にさせたり、サークルに入れたり。(最近は犬のスペースを仕切って、かまえない時はそこにいます。)行けるときは夕方も散歩。
夕ご飯、子供が寝たあと、かまう。

・愛犬のハウス周りの構成、環境など
犬のスペースに、クレート、ベット、トイレ、お水をおいてます。
狭すぎず、広すぎず、ちょうどいいんじゃないかと思います。


A.お答え:

まずトイプードル君は非常に素性が良い子ですね。そして○○様も、トイプードル君が幼少期から色々犬のしつけを勉強されてきたんじゃないでしょうか。

大抵の犬は生後半年までに問題が起きて大変です。3歳まで大きな問題なく、現在も家族に噛み付いたり吠えたりしないわけですよね。群れを大事にする良い子です。良い出会いに感謝して、今まで以上に頑張っていきましょう。

と言っても、特別複雑なことや手間のかかることは必要ないのです。天罰方式やオヤツをあげるような犬のしつけ方もいけません。

「主従関係」というと必ず誤解される方がいて、力でねじ伏せる・・ですとか、強く命令する・・というイメージを持たれるかもしれませんが、そうではなく、「主導」なのです。

私達人間や他の多くの動物もそうですが、知的群生動物は群れになると必ず役割が決まり、それぞれ関係性が自然にでき、影響し合います。これはとても自然なことですし、いつも優しく厳しく一貫して良い方向に導いてくれるリーダーは、みんな信頼し、好きなはずです。

そういうリーダーがいない群れ・組織は衰退し壊滅します。何万年もの自然淘汰の中を生き残ってきた本能は消えません。現代の人間社会でも同じことです。

威圧や力でねじ伏せるのではなく、そういう存在が真のリーダーであり、犬との接し方もそうしてあげるべきなのです。

主導やリーダーシップの本当の意味が理解できない人、ビジネスで犬のしつけをする人は、犬との関係作りを否定します。犬のしつけ教室の中には、「噛む犬お断り」、「日本犬お断り」なんていうおバカなドッグトレーナーもいます。

良い犬しか相手にしていないから、そういう手法でも上手くいくのです。でも大半の犬には、物の効果は表面的でありすぐ薄れます。

そういう人が、物を使うテクニックを重視し、関係作りを否定するのです。つまり、時間のかかる関係作りよりもビジネスの利益効率を優先したいからです。


では、まず吠えを止めさせる練習やリーダーウォークのお話の前に、接し方のお話です。

犬のしつけは手法の上塗りだけでは絶対に成功しません。普段従属的であったり、チヤホヤ甘やかしがあると犬は見抜きます。犬から認められていない人から、どんなに優れた手法で教えられたとしても、聞きたいと思えないからです。

犬の知能は低いです。シンプルに体現で教える・・そこに音とジェスチャーの関連付け・・何を教えるのもそれだけです。そうでないと知能が低いので覚えられないのです。そして、そのシンプルな教えも叱っても褒めても普段の関係作りで全然効果が違ってくるのです。

それらの根本は普段の何気ない態度なのです。犬はとぼけた顔していますが、犬の本能で感覚で見て感じています。人間の子供もそうです。

> なでなでしながら話しかける・・

↑意味の無い話しかけ、ナデナデ、オヤツに抱っこ・・全て止めましょう。犬の本能の視点からは従属的に映るのです。ナデナデは、犬のナメナメに類似します。犬の下位は、上位やリーダーをジロジロ見て、すり寄って、ナメナメして挨拶します。ですので人間のナデナデを誤解する犬が多いです。

抱っこもそうです。犬達が体を合わせる時は、上位の犬が下位の犬の体の上に自分のアゴや足を乗せるような体勢を取ります。つまり体位が関係を表しているのです。ですので、犬を膝の上に乗せてマッタリなど・・を誤解する犬がいます。抱き上げるとおとなしくなる犬は多いですが、それは犬が高い場所が怖いのでジッとするだけの話です。

> いい子~って声をかける。 おやつをあげる・・
> ナデナデは、近づいて来たときによくしてました・・
> おやつをちょくちょくあげながら散歩・・

↑褒める時も、リーダーらしく毅然と「○○良い子!」と伝え、肩をポンポンして褒めるのが良いです。高揚した甲高い声、大げさはいけません。オヤツもNGです。本当の関係性が見えなくなってしまいます。

天罰方式や物の効果で罰や注意を与えるのも同じことです。どれだけ関係ができているのか見えなくなってしまうからです。それと犬は適応力があるので、物の効果などすぐ慣れて効かなくなります。

音を出す天罰、チョークチェーン、臭いのスプレー、苦いシロップ・・犬のしつけグッズはすぐ慣れて意味がなくなるので止めてください。そしてそれを使おうと思われた時点で、関係作りを放棄しあきらめてしまっています。そういう精神状態で、犬から認められ良い関係になることはないのです。


ではリーダーウォークのお話です。室内でたくさんしてください。「リーダーウォーク」は散歩のための練習法ではありません。関係作りをするための手法であり、リーダーとしての威厳や態度を示すための儀式なのです。無理に歩かずに止まって反対を見て無視・・でも良いのです。狭い場所ならすぐ折り返せばいいです。廊下でも部屋でも狭くてもどこでも出来ます。

あるいはリードを腰に縛って、お洗濯など家事をしながらでも出来ます。

「主導性」を示せればいいのです。ですので、リーダーウォークに限らず、ちょっとした挨拶など何事も同じです。ちょっと声をかけたい・・触りたい・・と思われたら、意味なくナデナデ話しかけではなく、オテでもスワレでも何でも良いので必ず「指示→従う→褒める」というパターンを意識することです。

指示で出来なかったら型を作ってあげて褒めて教える・・そういう接し方なら主導でき、スキンシップも取れ、物事も楽しく教えていけます。

いつでもどこでも主導を忘れないでください。遊びもスワレ・マテをさせ出来たらボールを投げる・・投げたらヒモを引いてコイ・ダセの練習。

ゴハン前も食べてる途中もスワレ・マテ、出来たらヨシで食べさせる・・常に主導です。


では最後に他人や犬への吠え癖です。トイプードル君は素性が良い子ですが、幼少期に社会化不足がありました。あまり外に出る機会が多くなかった、時間が短かった、外で嫌な思いをしたことがある・・どれかあったでしょう。

でもあきらめる必要はありません。犬も哺乳類ですから、生涯に渡って学び成長し環境に適応していく能力を持っています。散歩が短いですので、最低30分にして、休日などはご主人にたくさんしてもらってください。

といっても距離をたくさん歩く必要はありません。どこかに座ってノンビリ人や犬を見るだけでも全然違います。

まずは環境への慣れ・・そして体現で直接教えることも必要です。

> 対処しなくても吠えなくなってくるのでしょうか・・

↑いいえ対処しないと変わりませんし、退屈吠えや要求吠えの癖が付くとエスカレートします。

今回は警戒吠えですね。まずは会う経験をたくさん積んで「怖くない・・吠えなくても良いんだ」と理解させることと、口閉じで直接教えることを併用してください。

犬や人が前方に見えたら、首輪をガッチリつかんでスワレ・マテの型を取らせます。飼い主さんも一緒にしゃがんであげてその型をキープしてください。犬とすれ違うまで、スワレ・マテの指示を出し続け、そのままでいられたら肩をポンポンして褒めながら見送りましょう。

もし吠えたら、現行犯で「ダメ!」と厳しく伝え、首輪をガッチリつかみながら犬の口を手で閉じます。「シ~」と伝えながら肩をポンポンして褒め、口を解放します。解放するとまた吠えますので再度「ダメ!」・・・ひたすらこの繰り返しで、何度も反復します。

ただし、今の真夏は体温調節のために犬はパンティング(ハアハア息をする)を激しくするので、あまり長時間口を閉じないで短時間で回数をこまめにするようにしましょう。

そして家でも同じ教え方で毎日練習しましょう。ご主人と協力してチャイムを鳴らしてもらい練習する・・あるいは宅配などのちょっとした来客時も、犬にリードを付け会わせ、そこで練習する慣れさせる・・ということをすると良いです。

避けないで積極的に慣れる場・教える場を作ってあげることです。

犬のしつけ教室や出張トレーニングは止めましょう。「物の効果を使わない手法で関係作りのやり方を飼い主さんが学ぶ」というものなら良いですが、プロのドッグトレーナーが教えるものではまずありません。

それと、犬とドッグトレーナーが関係作りをしても、意味はほとんどないのです。

まずは意識改革から始めてください。何をするにも最初は上手くいかない事ばかりです。それで良いんです。でも毎日続けると段々上手くなっていきます。自然にできるようになっていきます。

必ず結果は出ますから、続けることです(^-^)


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【著者:運営責任者】
犬のしつけアドバイザー
堀川春広
株式会社ホリページ代表取締役
https://www.horipage.com/
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