子犬のしつけで妻が甘やかす、噛み癖も直らず困っている
犬は柴犬の雌で、生後2ヶ月。遊ぶ時以外はサークル内で過ごしています。
私と妻は40代で、夫婦2人暮らし、共働き。
以前から白い柴犬を飼うことに憧れており、なんとなく柴犬の子犬を探していました。
完全なる一目惚れで、柴犬雌の子犬(生後65日目)をブリーダーから購入し、今現在生後80日目となりました。
柴犬の飼育は難しいとネットで知り、慌てて堀川さんの『犬のしつけマニュアル』を購入させて頂きました。
マニュアルの購入前であったため、子犬が自宅に来て最初の一週間は声かけ、追いかけっこ、引っ張り合い、よしよし、ナデナデ状態を繰り返していました。
お願いが1つ、相談が1つ、質問が2つ御座います。
夫婦ともにマニュアルとQ&Aを読ませて頂いております。私はマニュアルとQ&Aの通りに接しているつもりです。しかし妻が事あるごとに、犬をチラ見し、話しかけ、膝に乗せてナデナデを繰り返し、更に膝の上で寝かしている状態です。
妻は可愛さのあまりについやってしまうと言い訳を繰り返します。そのせいか犬の甘噛み、トイレの躾が一向に進歩しません。
早速のお願いで申し訳ございません。妻はQ&Aの良いとこ取りをして、躾を楽観的に捉えており、犬を溺愛しております。
そんな妻に今の段階の躾がどれほど大切かを教えたいのですが、私では説得力がなく、全く聞き入れません。
そこで堀川さんにお願いです。この状況が続くと子犬はどんな成犬になり、いかに苦労するかを説いて頂きたいのです。
実際どうなるのか私には検討がつきません。嫌な予感はしております。勿論お願いですので、この件に関しましては無視されても構いません。何とかして説得したいと思います。
次に相談です。
普段子犬を遊ばせる時は、居間に隣接する和室に設置したサークルから出し、抱えて2階へ連れて行きます。
2階の寝室(居間、和室にはカメラ、キャンプ等のギアが多数置いてあるため1階では子犬を放せない)で遊ばせるのですが、甘噛みが酷いため仰向け固めで叱って終わることがほとんどです。
みなさんがおっしゃる通り、褒める隙がなく、叱る噛まれる叱る噛まれるの繰り返しで終わってしまいます。
また甘噛みの後は、興奮しており本噛みで攻めて来ます。
また私も興奮してしまい仰向け固めではなく、片手で抱え宙に浮かせた状態で口を抑えてしまうのですが、これはNGでしょうか?
またゲージに戻す以外に子犬の興奮を冷めさせる方法は御座いますか?
2階寝室にも予備のゲージ(寝かすことはないです、トイレとなってます)があるので、興奮した際はゲージに入れています。しかしゲージから出しても、同じことの繰り返しとなってしまいます。
すでに本噛みが始まっているので躾けの方法を見失い焦っております。
褒めることができませんが、この繰り返しでよろしいのでしょうか?
また甘噛み、裾、袖、カーテン等を噛むなどを叱る際は『ダメ』で統一しているのですが、甘噛みの時は『シー』に変更した方が良いのでしょうか?
最後に質問です。
妻は膝に乗せる以外は革の手袋で対応し、噛まれているかどうか分からないそうです。
噛まれた確信がある時は仰向け固めで叱り本噛みモード突入です。最近妻は腕を噛まれました。
私は素手であらゆる箇所を触っていますが、幸いどこを触っても嫌がりません。要求吠え、無駄吠えはほとんどありません。
トイレは1階のサークルではオシッコのみ100%トイレシートに出来ますがウンチはしません。2階の寝室ではオシッコはゲージ内のトイレシート(シート内実施確率100%)、ウンチはゲージの外のトイレシート(シート内実施確率は低いです)で行い、トイレが3箇所存在します。これは良くないのでしょうか?
堀川さんのマニュアルに出会わなければ、甘噛み以外は満足していたと思います。しかしマニュアルとQ&Aを読んでいると、とても将来不安です。私たち夫婦と子犬との関係性はうまくいっているのでしょうか?
また2階へ連れて行く(抱えて連れて行く)事自体が良くないのでしょうか?(散歩へ行けるようになった際も2階でのウンチは続けようと思っていますが・・・・・・)
①夫婦共働きのため出勤前の食前に約20分間ウンチをさせるため2階寝室で好き勝手に歩かせてトイレを誘発し、紐付きのぬいぐるみを噛ませています(噛んでる姿は猛獣そのものです)
また私が午後出勤の際はお昼の食事前に同様の遊びをしています。帰宅後の夕食前も同様です。夕食後妻は膝に乗せて撫でて寝かしていました。今でも私の目を盗んで膝の上で寝かせています。
②甘噛みの際はマズルコントロールを行なっていました。
1階サークル内でのトイレは躾ていないのでウンチはせずオシッコのみです。(留守番をさせるのでゲージ内でウンチをしない事を良しとしてました)
2階寝室でウンチをしそうになるとトイレシートに運びウンチをさせ褒めてました。オシッコは教えてないですが2階予備のゲージでしています。Q&AではNG行為ですが留守番があるので続けようと思っています。散歩に行けるようになった際も2階寝室でのウンチの習慣は続けるつもりですが現実には階段が・・・・・むり
③おやつはないです。それ以外はしていました。(今でもたまに)
④まだ散歩はないです。
⑤一日のスケジュール
平日週4回は1日3回朝昼晩の食事前に2階寝室で遊ぶ(ウンチをさせる)夕食後は居間でスキンシップ(膝上でナデナデ)留守番3時間。
平日週2回は1日2回朝晩の食事前に2階寝室で遊ぶ(ウンチをさせる)夕食後は居間でスキンシップ(膝上でナデナデ)留守番10時間。
休日週1回は1日3回朝昼晩の食事前に2階寝室で遊ぶ(ウンチをさせる)他に数回ランダムで2階寝室で遊ぶ。
⑥写真はないです。
1階和室
アイリスオーヤマ ウッディーサークル(屋根付き)W98×D67×H56
出入口側から半分ベット、奥半分トイレシート
居間に隣接している和室に設置。引き戸にて居間と和室を区切っているので、寝かせる際は引き戸を閉めています。
2階寝室(フローリングのためカットシートを敷きつめてます)
アイリスオーヤマ コンビネーションサークル(屋根付き)W93×D65×H65
トイレとして使用(ウンチはしない)
ウンチ用のトイレシートも部屋の隅に設置
今現在はサークルから出す際は必ずリードをつけて持っています。
コング遊びはMサイズを購入してしまい咥えることができず紐をかじっていますので今週末買い換えます。
頂いたアドバイスをもとに妻の意識改革に取り組もうと思いますので、お手数をおかけしますが返信をお待ちしておりますので、宜しくお願い致します。
頑張っておられますね(^_^)
奥様としては、おそらく、テレビドラマや映画・ネット動画などから、犬への良いイメージだけが脳裏に残ったのだと思います。
また、女性の母性本能は強いですので、自然なことでもありますので、あまり強く責められないで、お互い理解を深めていきましょう。
さて、メディアでも目にすることがありますが、犬に躾らしい躾をしていないにも関わらず、チヤホヤ甘やかしで育てても良い子もいることは事実です。
ですが、それが多数派なら良いのですが、現実はそう甘くはなく、それゆえに私へのご相談も絶えることがありません。
その子が、前者か後者かは誰にも分かりません。
子犬のころはヤンチャでも、しつけによって良くなる子もいますし、逆に子犬のころは大人しかったのに成犬になって豹変してしまう子もいます。
だからこそ、最低限のしつけをして無難に育てるという準備は、必要なのだと思います。
中には、しつけをしなかったばかりに、成犬になって完全に立場を誤解し、気に入らないと激しく噛み付き、家族全員を病院送りにしてしまった犬も少なからずいます。
それが家族相手ならまだ良いのですが、他人にケガをさせてしまい通報されれば、飼い主に法的な責任が発生したり、犬が殺処分になってしまうこともありえます。
そうなってから後悔したのでは遅いのです。
だからそうならないように、子犬のころから意識を持って接していただきたいのです。
かと言って、無視だけや接しないことが良いわけではありません。
スキンシップも遊びも、たっぷりしていただいて良いのです。そして必要です。
でもそれを、どういう意識でどうやるか、によって、犬との関係が大きく変わってきます。
奥様だって、犬との関係が悪くなるのは悲しいはずです。
ひどいケースでは、激しく手を噛まれ、神経が損傷して手が不自由になる後遺症が残ってしまうようなケースまであります。
そんな生活は悲惨です。
「犬と暮らすのが苦痛でしかたない」というお悩みをいただくこともあります。
そんなふうになっていただきたくないので、ぜひ、ご主人とご協力いただきながら、良い犬に育てていただきたいと思います。
さて、では子犬のしつけのお話に移ります。
まず、今の子犬の月齢では、知能も経験も何もありませんので、小さな猛獣状態が普通です。
これが当たり前ですので、直ぐの結果を期待しないことです。
期待するから不安になったりガッカリしてしまいます。
ですが、子犬の限界もありますので、結果を出そうとあせってしまうことが逆効果になる場合もありますので、結果はまだ求めないでください。
結果は求めない、でも注意するべきことはコツコツ淡々と注意し続けて、子犬の理解と成長を待ってあげましょう。
>片手で抱え宙に浮かせた状態で口を抑えてしまうのですが、これはNGでしょうか?・・
↑これで犬の興奮と噛み付きが収まれば大丈夫です。
ただ、噛み癖が強い子(強い時)は、接触系のしつけで更に興奮パニックになる場合もありますので、そうなる場合は接触しないで、リードを使った教え方にしましょう。
まだリーダーウォークはできません(4カ月過ぎてから)が、首輪とリードに慣れてからは、注意音+リードをチョンと引き上げる感じで引き離しながら注意してください。
そのためにも、今もされているように、犬をケージから出して遊んだり団らんする時は、リードを着けて飼い主さんが持っておくと良いです。
そうしておけば、噛んだ瞬間に注意しながら引き離せますし、噛まれないように制御もしやすいです。
また、お散歩の練習にもなりますし、トイレへの誘導もしやすくなります。
呼び戻しの練習もしやすいですし、自然と主導性を示すこともできます。
他には、
・注意音+口閉じ
・注意音+噛まれた指をそのまま犬の口の中に押し込む
・注意音+仰向け
・注意音+リーダーウォーク(4カ月過ぎてから)
という方法もありますので、その子が反応が一番良い方法を探ってみてください。
それらでも、子犬の興奮が収まらずにパニックになってしまう場合は、無理しないでケージに戻したほうが良いです。
子犬は集中力が続きませんので、10分でも遊べたら十分です。
それ以上は無理ですので、段々グダグダになってきます。
そうなったら、もうケージに戻して寝かせたほうが良いです。
30分や1時間などは、集中力が続きませんので、10分×5回・6回・7回・・・など小分けにして出して、団らん・遊びをしましょう。
あとは、噛まれると痛いですし感情的になってしまうのと、褒める余裕もなくなりますので、革手袋で防備してスワレなどの型を作ってあげて褒めると良いです。
多少噛まれてもそのまま気にしないで型を作ってキープして、動かなくなった一瞬をとらえて褒めてください。
また、犬の行動を利用するのも良いです。
例えば、子犬は落ち着きがありませんので、マテなどが苦手ですが、反対に考えれば動きたくてチョロチョロしますので、それを利用してリードを軽く引きながら誘導してコイを教えると良いです。
逆に、コイを教えているのに止まって動かなくなった場合は、それを利用してマテを教えると良いです。
また、ぬいぐるみに反応が強いようでしたら、投げる前にマテの練習して褒める、また投げる時に「キャッチ」の音を関連付けて教えたり、追いかけてくわえたら、名前を呼びながら「キャッチ、●●良い子!」で、声だけで褒めても良いです。
指示だけで結果を得ようとされないで、こちらから型を作って褒めてあげることと、今のその子の動きを利用して教えて褒めると良いです。
そうしてあげることで、褒める機会も増えます。(褒める基準を低くしてあげる)
>叱る際は『ダメ』で統一しているのですが、甘噛みの時は『シー』に変更した方が良いのでしょうか?・・
↑短く単音に近いものでしたら何でも良いのですが、「ダメ!」のように否定型ですと感情的になってしまう方もいますので、そういう場合は、「シ!」のような指示型が良いでしょう。
>トイレが3箇所存在します。これは良くないのでしょうか?・・
↑最初はこれでも良いです。
失敗するとイライラしたりお掃除も大変ですので、今はトイレシートをたくさん敷いておいて、音の関連付けに注力しましょう。
そして、指示で排泄できるようになってきたら、褒めやトイレへの指さしジェスチャーも関連付けていき、徐々にケージ内のトイレでの排泄を増やし定着させ、それにともなって他の場所のトイレシートを減らしていきましょう。
>私たち夫婦と子犬との関係性はうまくいっているのでしょうか?・・
↑今の段階では、結果は出ませんので気にされてはいけません。
まだ子犬が幼すぎて、一緒に生活している期間も短すぎます。
生後一歳くらいで答えが見えてきます。それまでは反抗期もありますし、変化が大きくて不安定です。
あせってアレコレやり過ぎないで、チヤホヤと過干渉だけ気を付けていただければ大丈夫です。
あとは、主導性と毅然さだけ保って、たっぷり遊んだり散歩したり団らんされてください。
>また2階へ連れて行く(抱えて連れて行く)事自体が良くないのでしょうか?・・
↑直接の抱っこを癖にするのは、あまり良くありません。
ペット移動用の肩掛けバッグや、要らなくなったリュックサックなどに入れて、顔だけ出させて、それを担いで移動すると良いです。
他には例えば、外の散歩でまだ怖がったり、車の通りが激しくて危ないような場所でも、そうやって移動すると良いです。車でのドライブでも同じです。
>今でも私の目を盗んで膝の上で寝かせています・・
↑人間の体の上に乗せないで、あぐらをかいて股の中に入れると良いです。犬は床に寝かせてください。
また、人も横になって、隣りにピッタリ寄り添わせても良いです。
では今日は以上ですが、まだ子犬も幼すぎますので、あまりあせらないことです。
厳しすぎても逆効果になりますし、チヤホヤでも犬が誤解します。
まずは、ご主人と奥様の中間点を探る感じで進められると良いでしょう。
犬にとっては、矛盾やギャップが混乱します。
今日の内容を奥様にご覧いただきまして、少しでもご理解を深めていただければと思います。
それでは、またQ&Aを熟読いただきながら、頑張って続けていきましょう(^_^)