夫婦で犬のしつけや育て方の方針が大きく違う悩み
はじめまして、さっそくですが、ご相談させて頂きたいことがあります。以下、長メールで大変恐縮でございますが、どうぞヨロシクお願い申し上げます。
愛犬はラブラドールとコリーのミックス、メス、推定生後14周目(3~4ヶ月位)。動物愛護協会からもらってきました。同協会にて、避妊手術済み。(※正確な誕生日は不明です。)
飼い始めて今日で20日目です。
夫は子供のころから数犬のペット同居経験あり。妻(本人)は犬を飼うのは全く初めて。
主人は寺院の住職です。私は専業主婦です。愛犬とは、夫婦揃って24時間いつも一緒に過ごせる環境です。
お寺という環境ですので、日頃より不特定多数の人達の出入りがあり、我が家の仔犬も、犬好きのお寺のメンバー達に代わる代わる可愛がられています。
・問題の内容
我が家に来てすぐ、可愛さとめずらしさのあまり可愛がり構いすぎました。
最近、勝手な行動が目立つようになりました。呼んでも来ない、家に入れようとすると逃げる、捕まえようとすると唸る、吠える・・・
今のところは、この程度ですが、私達の誤った接し方のせいで、このままでは犬のストレスが大きくなるだろう、と思い、本格的な犬のしつけを始めたいと考えているところです。
ところが、今回ご相談したいのは、犬の問題というより、実は、夫婦間の仔犬の育て方の方針が大きく違い、当然接し方もだいぶ異なりますので、そのことで悩んでおり、お知恵を頂きたいのです。
堀川さまのマニュアルやホームページを読み、今までの間違った接し方に私自身は気付けたのですが、夫は、「そんな主従関係は、この広々とした環境では必要ない、おおらかに育てよう」と言います。
家族全員で犬のしつけの一致が必要だと認識しておりますが、主人はずっと犬を飼っている家庭で育ち、仔犬も育てた経験があるから・・と、ホームページからの情報なども、自分の考えと違うモノは受け入れようとしません。
私は、ここ数日で少しずつリーダーウオークを始め、構い過ぎ・見過ぎ、もきっぱり止めたのですが、主人は相変わらず、膝の上に載せてナデナデを日常的にしていたり、散歩の時も、広い敷地なので、リーシュなしで自由に動き回れるようにさせています。
実は、もともと私が犬が苦手で、隣人の吠えまくるうるさい犬に長年悩まされていた経験もありました。犬が来て10日目くらいに、吠え出しましたので、「やっぱり!!だから犬なんて飼いたくなかった。」と、主人に怒りをぶつけてしまいました。(この時、犬もそばにいましたので、私の怒りの気持ちが犬にも伝播してしまったと思います。)
その頃、初めて堀川さまのホームページを見つけ、拾い読みした後、構いすぎだったことに気付き、犬には接しずぎない方がいいのだな、と「早合点」し、私の足元にキャンキャン言いながらつきまとう犬を突き放すような、冷たい態度を取り続けてしまいました。
そんな事があって以来、それまで私にいつもなきついて来ていた犬が、私の方にはすっかり来なくなり、主人にばかりシッポを振って慕うような様子です。
可愛がってくれて散歩の時も自由にさせてくれる主人の方が、従属的に見える部分があったとしても、今の犬には都合がいいのだな、と思います。
一見、私より主人にすっかりなついてしまったので、主人も「やはり自分の育て方が正しい」と思い込んでいる様子です。
それでも、私はあきらめず、犬を一日数回、主人から引き離して二人だけで別室でリーダーウオークを実践しています。まだまだ気が散ってばかりで、リーシュを噛んだり、止まってしまったりですが、まだ本格的に初めて数日なので、これは続けようと思っています。(でも、まだまだ私に吠える犬を見ると、時々くじけそうになり、育児放棄したくなりますが・・)
頑固な主人には、あの手この手で少しずつ、堀川さまの方法に切り替えさせるしかないのですが、ご相談させて頂きたいのは、犬は第一のボスを主人だと思っているようですが、犬にとってボスでない私がいくらリーダーウオークをしても、空回りになるだけなのでしょうか?やはり、主人にこそ、してもらうべきでしょうが、主人はやろうとしません。
接し方や散歩の他にも、犬の住環境も見直す課題の一つですが、主人には、どこから改善してもらうべきでしょうか?
今回はこの点につき、堀川さまのお知恵を頂きたいと思っております。
さて、長くなり恐縮ですが、ここに、過去の接し方と一日の流れ (※①~⑥)も一応記させて頂きます。
①過去のスキンシップについて
いつでもナデナデ、膝にのせる、ときには夫婦で犬を奪い合うくらい、構い過ぎていました。
②過去の遊びについて
日中は忙しいので、夜、食後にボール遊び(コングではなく、テニスボール投げ)、綱引き、主人がグローブ使用での格闘技ごっこなどを、毎晩30分くらい。※今は、コングを購入したので、コング遊びを時々、一回につき10分くらい。
③過去の「しつけ・褒め方・叱り方」について
主人が犬の食事の前に、お座り(Sit)をしつけ、ほぼ出来るようになりました。褒めるときは、犬の顔を両手でくしゃくしゃにする感じで、大げさに褒めていました。
※今も、主人はその褒め方です。私は、肩をポンポンに切り替えました。
叱り方は、体罰は今までしていません。脅かし系は、グッズは未使用です。ただ、主人は、叱る時かなり大声を出し、ジェスチャーも大げさに叱ります。床や机をバーンと叩くなど。。
私は、両手で犬の顔をはさみ、目を見て、時には声を荒げて怒ったり、あるいは低い声で何度も言い聞かせをしたり、でした。
④過去のオヤツ、抱っこ、ナデナデ、声かけなどについて
おやつは、クッキーを一日に数個、しつけのときに主人があげていました。現在は、私が止めたほうがいい、と言ったら、あまり頻繁にはあげなくなった様子。
抱っこは、ナデナデは、ほぼ日常的にしていました。(現在は主人だけ継続中)
声掛けも、しょっちゅうしていました。
⑤過去の散歩について
朝、夕、それぞれ30分程度、敷地が広いので、リーシュをつけず自由に走らせていました。そのほか、外で仕事をしている間、やはりリーシュなしで、いつも自由にさせています。まだ小さいので、私たちの姿が見える範囲しか動かないようなので、そうさせてしまっていました。
しかし、友人からの指摘もあり、最近は私は必ずリーシュを付けるようにしていますが、主人は、まだまだ徹底していないようです。
⑥過去の一日のタイムスケジュールについて
6時半から7時頃、犬のクーンクーンというなき声で起床し、主に主人が、犬のトイレのために、外に連れ出し、そのまま散歩させます。
(以前は、オシッコもウンチも室内のトイレシートの上でしていましたが、ここ4~5日、外のある一定の場所をトイレに、と教え込み、すぐにそこを覚えてくれて、ウンチの時は、必ず、ないたり吠えたりして知らせてくれて、そこへ連れて行くようになりました。)
その後、朝のエサ。時間はまちまち。
日中は、私たちが外で仕事があれば、外で自由に遊びまわり、法要など本堂で仕事中は、室内のケージに入れる場合と、本堂前に繋げる場合があります。
本堂で瞑想会や写経の会など、静かにしていなければならない時は、私が室内に犬と一緒に残り、吠えないようにさせていますが、いつまでもこういう状態では、お寺の仕事が滞るので、今後の改善課題です。
私たち二人ともオフィスで仕事がある時は、犬は二人のデスクの間で寝ています。
夕方、5時半頃、主人と散歩。時々私が交代。その後、6時~7時頃に夜のエサ。
夜は、30分ほど主人と私が交代で遊び、そのうちにウトウトとデスクの下で居眠りをし出し、11時~12時の私達の就寝時に、ケージに入らせて、一人で寝させます。
その他)環境について
犬がいる部屋は、私たちが通常オフィスとして使っているスペースで、動けるのは3畳ほどの広さです。現在、ケージのみ、その室内に置いています。
私たちが部屋に居る時は、犬をケージから出し、リードなしで、その部屋内だけ自由にさせています。
犬が眠い時は、私か主人のデスクの下に潜り込んで寝ることが多いです。夜の就寝時は、ケージに入れて、しばらくクンクンなくときもありますが、そのうち大人しく寝ます。
トイレは、室内の一角にトイレシートを敷き詰め、オシッコはそこに。ウンチは、最近は外に行くようになりました。
隣接のバスルーム・リビング・寝室への立ち入りは禁止しています。
1週間程前まで、犬がいるオフィスとリビングの堺に、ダンボールを積み上げてバリケードにしていたのですが、それを乗り越えてしまうようになったので、仕方なくバリケードをなくし、境界線内で留まるようしつけ中です。
もちろん、まだ犬一人のときは、全くダメで、すぐに私達を追いかけて出てしまいますが、少しずつ、分かりかけてきている様子。この境界線を越えると、主人がものすごい勢いで烈火の如く叱りつけます。なので、主人の前ではかなり、このいいつけを守っています。
人間は失敗しないと分からない生き物です(笑い)
今回は、いったんご主人には自由にさせてみてください。アレコレ言えば言うほど、意固地になって、どちらにしても何を言っても聞かないと思います。
そして、あながちご主人の過去の経験もバカにしてはいけません。接することが悪いのではありません。ご主人も犬を叱る意識(リーダー気質)はお持ちのようですので、主導の重要性はある程度理解されているはずです。
主導性の理解が心のどこかにあって、遊びをする分には、それはそれで良いのです。
犬と何も接しないで冷たくすることが良いのではなく、毅然さと主導性を持って大いに接していただきたいのです。
そして、家族間で犬との接し方にギャップがあるといけませんので、しばらくは本格的なリーダーウォークや仰向けは避けてください。
ご主人もこれから気付いていくはずですので、それを待った方が良いです。このままギャップを作ってしまうと、犬は理解できずパニックになりますし、「アイツは嫌なヤツ・・・コイツは何も言わないから良い・・」というような感覚でしか、物事や人間を見れなくなってしまいます。
ただし、もちろん奥様も犬をチヤホヤ・・というわけではなく、毅然さと主導性は意識していただいて、その上で、ご主人とのギャップを大きくしないことです。
リーダーウォークも仰向けも、遊びの中にちょっとずつ取り入れるくらいで良いです。そうすればギャップが少なくて済みます。
まずはベタベタ・チヤホヤはしない、主導でコング遊び・・・その程度のレベルでしばらくキープされてください。
もうすぐ反抗期に入ってきますので、また犬にも変化が出てきます。ご主人の言うことも段々聞かなくなってきますので、少しずつ気付かれることでしょう。
ちなみに環境ですが、経済的に許されるならばケージとクレートハウスはあったほうが良いです。思わぬ誤飲・感電・交通事故、犬が死んでしまってからでは遅いのです。そういった事故はとても多いんです。
今までは子犬の本能の感覚が残っていましたので、行動範囲も狭かったですが、これから成犬の本能がドンドン出てきます。
徘徊・探検・破壊・テリトリー意識・権勢本能・狩猟本能・自我などなど、甘く見ては危険です。
では、今日は以上ですが、5か月から反抗期・・7か月からズル賢くなってきて変化が出ます。そんな時期も動揺されないで、あるべき態度で一貫して犬と接してください。
今回は上記のように、少し犬とご主人の変化の様子を見ていきましょう・・・