犬のしつけがQ&Aで分かる!

犬のしつけで信頼関係が出来ているか不安

m1.png本日は、犬のしつけでの信頼関係についてのご相談をさせて下さい。

少々長くなりますが、現在の状況として「リーダーウォーク」時の挙動と、「あお向け固め」の様子、アイコンタクトや「すわれ」等の指示を出す際の挙動等について記載いたします。

柴犬(オス、5カ月)」を迎えてから約1ヶ月経過いたしました。

その間、前回のメールサポートでいただいたとおり「リーダーウォーク」と「あお向け固め」を毎日実行してまいりました。「リーダーウォーク」に関しましては、人間の横をかなりこちらをちらちら見て意識しながらペースに合わせて歩くようになりつつあります。

顔じゃなくて脚を意識していることと、同一方向に歩く距離が長くなると尻尾が人間のちょっと前にあるぐらいまで前に出てしまう(リードが張るまでは前に出ない)時があるのが気にはなりますが、四つ角等の分岐点の前で一次的に止まると、犬も止まり、人間が歩き出すまで待っておりますし、若干前に出た時に180度ターンすると、緩んでいたリードが張る前に気づき犬も180度ターンいたします。

形にはなっているのですが、リーダーとして認めて付いて歩いていると言うよりは、首にかかる衝撃が嫌でそれがかからないように意識して歩いているような気がして、いまいちすっきりとしておりません。

当初は、犬がダッシュしようとした瞬間に私が180度ターンして歩き始めますので、首への衝撃がカウンターできまるため強すぎたのかなとも思っております・・

次は「あお向け固め」ですが、相変わらず目を合わせるのを強烈に嫌がります。あまり無いのですが、ハシャギが過ぎる際や、「ワン」と一声吠えてしまった際(基本的にほとんど吠えません)、歯が当たってしまった際等には「あお向け固め」の際に下あごを固定して目を見て低い声で「ダメ!」とやるのですが、逃げようと強烈にもがきます。

下あごを固定されてますので動けないため体はガチガチに力が入っていますし、とにかく目玉だけでも必死にそらそうとします。

そのような状態ですが動きは止まりますので、撫でで褒めに入ろうかと手の力を抜いてゆきます。すると途端に横向き寝の状態になり、そこでやっと体の力も抜けてリラックスします。

釈然としないのですが、体をあずけておりますので受け入れたと考えて、その状態で背中や前胸を撫でながら「良い子」と声をかけたり、耳や尻尾、脚等の体のあちこちを触ったり撫でたりいたしますがだまって受け入れてくれます。

しばらくそうした後に、手をどけて私が立ちあがろうとするのですが、その瞬間に犬もすごい速度で逃げるように立ちあがり、水から出た時のように全身をブルブルブルとしたり、尻尾や脚を噛みまくります。

また、「あお向け固め」に入る際は首輪を手で押さえてそこに片手の指をかけ、もう片方の手を前足の脇の下に入れて持ち上げてゆっくり背中から下ろしているのですが、首輪に手がかかった段階で必死に暴れまくります。

ひどい時には、「あお向け固め」をやろうと考えて腰を落としながら首輪の方に手を伸ばし始めた段階で察して必死に暴れまくります。リードがついているのであえなく首輪を掴まれて固められてしまうのですが、ここまで嫌がるものなのでしょうか・・・

最近では、手を近づけるだけで手を鼻先で遮ろうとするような動きをして手を近づけさせません。咬みはしませんが・・
褒める際に撫でようとしたり、ポンポンと軽く叩こうとする際も同様で手を近づけられるのを嫌がっているように感じます。(ちなみに、撫でる際は上から手を近づけると良くないかと思い、手を犬目線まで)

さらに、「すわれ」をやろうとしたり、名前を読んでこちらを見るかと呼びかけてみるのですが、明後日の方を見て絶対にこちらを見ようとしません。こちらから移動して目を見ようとすると目をそらして違う方を見ます。下あごに手を添えてこちらに向けようとすると、やっぱり違う方を見ます。

「ひも付きコング」で遊ぶ際も、以前のサポートメールにあったとおり、「すわれ」をさせてそのご褒美に遊ぶのですが、その際も視線は「ひも付きコング」に釘付けです。何度か「すわれ」と声をかけると座るときがあるので、すかさず褒めて遊びます。しかしながら、指示を聞くと言うよりコングで遊びたいからしたがっているという感じで信頼関係とは言い難い気がしております・・・

以上は外での状況です。

悪いこと(グチ?)ばかり書きましたが、屋内のゲージの中にいるときは良いこともあります。以前のメールサポートでいただいたとおり、基本的にかまわずにいて、「すわれ」等の指示を出しそのとおりにしたら褒めるようにしておりますが、ゲージの中では呼びかけた際にたまにですがこちらを見ますし、たまたまなのかもしれませんが「すわれ」の指示で座ります。その際は「良い子」と褒めております。

ただ、もともと何かを待つ時には座る犬でしたので、指示で座ったのか自発的に座ったのかは不明ではあります・・・

それ以外の時は、かまってやりたいのをぐっと我慢して無視しておりますが、かなりの確率でこちらをじっと見ているのを感じます。

また、「すわれ」の指示を出すためにゲージのそばに行って腰をかがめると、近づいて来て鼻をペロリと舐めます。手指を近づけるとペロペロ舐めてきます。その際は、ほんの僅かに尻尾もフリフリしています。

このような感じなのですが、信頼関係構築に向けて進んでいるのでしょうか。また、今のままの対応で良いのでしょうか。

またしても長文となってしまいまして恐縮ですが、1ヶ月やり続けてみて、不安な気持ちがかなり大きくなりましたのでサポートをお願いする次第です。お手数をおかけしてしまいまして恐縮ですが、よろしくお願いいたします。


m2.pngまったく不安になられる要素はありません、大丈夫です(^-^)

ちゃんと進歩しているわけですから、自信を持ってやり続けてください。私から見たら今はこれで全然OKです。今は犬の成長期ですし、しつけを始めてまだ一ヶ月しか経っていません。これからどんどん信頼関係が深まっていきますし、知能も高くなっていきます。全然ご心配ありません。

犬を家族に迎えたのが少し遅かったので、それまでの癖や感覚もまだまだ残っています。

以前も申し上げましたが、不安や不満・イライラを常に持って接していると、必ず悪循環になります。感情は臭い・脳波などで伝わります。大きな気持ちで成長を見守る必要があります。犬も少しずつ成長しているわけですが、結果を急ぎすぎるとそれに気付かず素直に褒められなくなってしまいます。

そして、犬からの見返りを求めてはいけません。自分がこんなに愛情を注いでいるのに・・頑張っているのに・・と思っても犬には理解できません。場合によってはその気持ちからくる行動が、犬には従属的に見える場合も多々あります。普段まったく犬の面倒を見ない、犬をかまわない家族の方を、かえって毅然とした人・・と認め、注目し言う事を聞く場合も多いです。

私も過去結果を求め過ぎてしまい、苦しみました。しかし、色んな犬のしつけ法をやり尽くし、勉強しなおしてからは犬に一切期待しませんでした。「結果が出るまでやり続けよう、シンプルに分かりやすくしよう」・・考えていたのはそれだけです。ほんの少しでも進歩したら、素直に喜ぼうと考えながらやり続けました。あせったり、物を使ったり、即効性の手法を使ったりしたこともありましたが、結局は結果は安定せず、もうそれしかないんだな・・というところまでいったので、自然とそういう意識になりました。

犬に限らず知能の低い動物を育てる事は、皆同じです。根比べです。不安になったり感情的になったら負けなのです。毎日毎日、何度も何度も見せ続けるから、その数に比例して犬も認めるようになっていきます。この人にはかなわない・・という犬の根負けです。

ボール遊び続けてください。スワレ・マテをしっかりさせるわけですが、ご自分の目を見る教えをすると良いです。ご自分の目を指差して「ミテ」・・しつこくしつこく繰り返します。顔を横にそむけたら、下あごをつかんでご自分に向けてください。目が一瞬でも合ったら逃さないように褒めます。目を見るまで褒めない・投げないようにします。

飼い主に注目しなければいけない、注目したほうがいい・・ということを犬がまだ理解していないのです。ならばもっともっと分かりやすくします。目を見たら褒める、顔をそむけたらこちらに向かせて褒める・・できたら褒めてもらえる、遊んでもらえる・・ということを理解させる機会をもっともっと増やしてください。結果が出ないのは、まだ回数が足らないということです。

> 当初は、犬がダッシュしようとした瞬間に私が180度ターンして歩き始め
> ますので、首への衝撃がカウンターできまるため強すぎたのかなとも

↑私の考える犬へのリーダーウォークは、体罰でもなく嫌悪刺激を与えることが目的でもありません。リーダーとしての毅然な態度を見せ続けることです。犬に一切合わせない・・もしくは犬の思惑の逆をする。これを繰り返すと犬は「この人にはかなわない。自分のワガママは通じない」、と自然に理解していきます。犬の根負けです。嫌悪刺激や体力でねじ伏せるのではありません。精神的な強さを見せないといけません。犬は群れのメンバーを常に観察し、試すこともあります。その中で動揺したり、不安になったりすると、必ず見抜かれます。

> また、「あお向け固め」に入る際は首輪を手で押さえてそこに片手の指をかけ、
> もう片方の手を前足の脇の下に入れて持ち上げてゆっくり背中から下ろしてい
> るのですが、首輪に手がかかった段階で必死に暴れまくります。

↑犬にとって「首輪をつかまれる=嫌なことが起こる」、というパターンばかりが繰り返されると、犬は学習します。しばらくは、あお向けにする直前の体制で止めて、褒めることを繰り返すと良いです。また首輪をつかんで「マテ」、で褒めるアクセントをたくさん入れると良いです。

> あえなく首輪を掴まれて固められてしまうのですが、ここまで嫌がるものなので
> しょうか・・・

↑自分の優位性を強く感じている犬ほど嫌がります。・・と申し上げると、余計にムキになる方がいらっしゃいますが、本書にも書きましたとおり、激しく抵抗する場合は無理せず、リーダーウォークを多用してください。目を合わせないし、直接触れないのでお互い冷静になりやすいです。

家の中で暇さえあればやってください。「ウォーク」と名が付いていますが、私のリーダーウォークは歩かないことも多いです。犬の抵抗が激しい、引っ張りが強い場合は、あえて動かず止まって犬と反対をジッと見て無視・・ず~とそのままで動かない事もあります。

それを犬に見せ続けるから、犬は根負けします。「この人にワガママは通用しない」・・そう犬は理解していきます。そうなるまで続けるしかありません。

最初にも触れましたが、今は犬の成長期です。少し早い犬はこの時期に反抗期に入っている場合もあります。結果はすぐ出ないが、やり続けないければいけない時期・・こういう時期が必ずあります。まれにそれが無く、犬のしつけに全然苦労しない犬もいますが、それはまれです。

必ず良い関係になる時期がきますから、やり続けることです。私がメールを拝見する限り、色んな進歩が見て取れます。少しでも進歩したら、それを喜びに感じ褒める心の余裕を持つことも大切です。完成形や理想形にならないと、どうしても褒めることを忘れてしまいますが、その過程で少しでも進歩したら喜んで褒めるべきです。

犬の知能の低さを理解して、許してあげてください。それができると小さなことも褒められます。もちろん許して終わりでは進歩しないので、少しずつ出来るように何度も何度も繰り返します。

では、また今まで通り頑張って続けてください(^-^)


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【著者:運営責任者】
犬のしつけアドバイザー
堀川春広
株式会社ホリページ代表取締役
https://www.horipage.com/
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