犬のしつけがQ&Aで分かる!

東京の住宅街でもドーベルマン犬を飼ってしつけできるか心配

質問内容
実は犬はまだ我が家にはいません。ですが悩んでおります。

現在高校生の娘は、小学校の低学年の頃よりドーベルマンを飼う事を熱望していました。代わりにラブラドールはどう?等という代案には一切妥協しませんでした。

私はそれならば、大人になって独立して責任がとれるようになった時点で飼うように言いましたが、娘はドーベルマンの事をいろいろ調べ、確かに注意が必要な犬だが家庭でも十分飼えるという前向きな資料を集めたり、実際ドーベルマンのリードを引かせてもらったりとアピールしていました。

それでも私はノーと言い続けたのですが、娘の想いが天に通じたかのように色々な偶然が重なり、ついにあと一週間もすれば生後3ヶ月のドーベルマンが我が家に来ることになったのです。

私自身子供の頃から大型犬とすごしていましたし、小さい犬も好きですが、やはり大きな犬の方が好きです。

昔の私の犬は大きな美しいコリーでしたが、外飼いの為か自然と人間をリーダーと認識していたようで、あまり問題はありませんでした。

また仕事でヨーロッパにいた時は、大きな犬が仕事場でもカフェでも飼い主の足元におとなしく鎮座している姿をいつも見ていたので、そんなものだと思っていました。

しかしドーベルマンを東京の住宅街で飼うとなると、その責任の重さに心配になり(しかも断耳もされていている)、いろいろ検索すると何だか現在の日本の犬は20年前とは少し違う性質なのか??と思えるほど、しつけ教室、犬の保育園、いろいろなカリスマ訓練士にあふれ(東京に200箇所以上!)、女優さんの飼っていたドーベルマンによる噛み付き事故等、心配になることばかり出てきます。

そんな方の犬ならきちんと訓練されていたでしょうに。

近所を改めて観察すると殆ど愛玩犬です。ドーベルマンのような威圧的に見える犬を、住宅密集地で飼うだけで迷惑なのではないかと再び心配になりました。

我が家は主人、娘二人の4人家族で、温度差はそれぞれありますが、みんなで飼うと意見はまとまっています。娘はどちらかというと責任感の強い子で、本の通りリーダーウォークで散歩する、と言うのですが華奢な子で、周りは不安になるかもです。

一体今更何を言いたいのだと言われそうな話ですが、沢山の相談を受けている堀川様からご覧になって、犬種の選択がすでにトラブルの元という事はありますか?

長文ですみません。


返答内容
今回はご心配ないです。もう高校生になれば、身体も大きいですし、小学生のころから言い続けるなんてなかなか根性がある子ですね(笑)

お話を伺う限り、犬のしつけの本質もご理解されているようですし大丈夫です。

もともとドーベルマンはドイツ生まれの軍用犬で、ロットワイラーやピットブルなどと同じように見た目も少し怖いのですが、犬種や性別でご判断されないほうが良いです。

同じ犬種・性別でも、みんなそれぞれ個性があります。

セラピードッグになったドーベルマンもいますし、私の会員さんのドーベルマンもみんな良い子に育っています。保護犬のドーベルマンでも良い子になっています。

片や、噛みつきが激しく飼い主さんを病院に送りにするトイプードルやチワワもいます。

むしろ、「大型犬は大変だ」という認識があるほうが、かえって頑張ってしつけするので良いんです。

それと、頭の良い軍用犬ですので、飼い主さんがしっかり主従関係を作れば、他の犬よりも安全に制御できるという面もあるわけです。

結局は育つ環境、飼い主さん次第になります。

どんなに優秀なドッグトレーナーさんに任せたとしても、その後は家族と過ごすわけです。犬は相手一人一人を感じて反応しますので、飼い主さんがダメな方ならば、犬も問題を起こすようになります。また、犬はドッグトレーナーさんと飼い主さんのギャップも感じます。

今回はご心配されることはありませんが、大きく3つ注意点があります。

(1)ワクチンが終わったら、たくさんの人に会わせること

とにかく子犬期は、色んな場所に連れていって、老若男女や騒がしい子供、色んなタイプの人に会わせることです。

たくさん経験を積んで慣れていれば、興奮刺激も警戒感もほとんど持つ必要がなくなります。

また、いくらドーベルマンでも、子犬ならば怖がらずに寄ってきてくれる人は多いはずです。

確かに、犬好きの人でも成犬のドーベルマンが前から来たら少し怖がるのは自然ですし、犬嫌いの人ならば恐怖です。

ですが、吠えずに引っ張らずにゆったり歩く姿を見れば、安心出来るものです。もちろん、犬嫌いの方には配慮されてください。相手が小型犬でも怖がる人がいます。

それと、人通りが多く混雑した道は歩かないようにされてください。

あとは、成犬になったら見た目を少しでも怖くないようにするために、可愛いマントとか帽子とか何か着せると良いです。(雨の日は明るい色の雨具)

周囲の人の反応が全然違ってきます。

それから、リードを直接手で持つと犬が急に引っ張った時に外れて危険です。必ず、リードをご自分の腰に投げ縄のようにひっかけて縛り、そこに犬を付けて、余ったリードを手でコントロールすると良いです。


(2)体罰でしつけしない
(3)甘やかし・従属的な接し方・放し飼いをしない

この二つも重要です。

体罰は、犬の防衛本能を刺激してしまいます。

もっと強い体罰を加えると、その人の前では何となく大人しくなりますが、それは嫌悪刺激を避けたいだけであり良い関係ができたわけではありませんので、反撃のチャンスをうかがったり、他の弱い人を攻撃するようになります。


そして甘やかしでも結果的に同じようになります。

自分が群れのリーダー的な認識を持つようになり、自分が気に入らない時は家族に噛んだり吠えたりしますし、群れを守るために他人や他の犬に対しても攻撃的になります。

権勢本能が過敏になります。

放し飼いも、テリトリーが広くなりますので、その分それを守るための神経を使います。権勢本能が過敏になりますし、ストレスです。

普段はゲージ内ですが、活発な犬ですので、散歩はもちろん家での主導型コング遊びで十分発散させてあげてください。


>犬種の選択がすでにトラブルの元という事はありますか?

↑ということで、まとめになりますが、どの犬も長所・短所があります。

軍用犬で大きくて気も強いという、一件短所のようにも見えますが、一方で「頭の良い訓練が入りやすい犬」であるわけですので、皆さんでしっかり犬の本質を学んでいただいて、正しい育て方しつけ方をすれば、他の犬種よりも良い犬になれる。という答えになります。

人や動物に攻撃な犬というのは、もちろん生まれ持った素性もありますが、ほぼ100%、育った環境・飼い主さんの教育しつけ次第なのです。

これはドッグトレーナーには出来ないんです。一緒に暮らす飼い主さんにしかできないのです。

生まれ持って素性に異常がある子は、すでに乳児のころから異常です。親犬や兄弟に常に威嚇して攻撃して、まともに一緒に過ごせないです。そういう犬は普通は流通しないです。


では、必ず本書とQ&Aサイトを皆さんで熟読していただいて、家族会議でルールを決めて、一貫するようにしていきましょう。

これから頑張って続けてください(^_^)


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【著者:運営責任者】
犬のしつけアドバイザー
堀川春広
株式会社ホリページ代表取締役
https://www.horipage.com/
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