オヤツがないと言うことを聞かないドーベルマン犬のしつけ
犬の問題の内容:おやつがないと指示に従わない。特にハウス。ハウスに誘導するための「コイ」。
現在、生後四ヶ月のドーベルマン♀を室内(一人暮らし)で飼い始めて1ヶ月半がたちました。子犬をむかえた当初、1~2週間ほどは、飛びかかり、甘噛み、夜泣きがひどかったのですが、今では、手に向かって口を広げてくるのですが、手を口の中に入れても歯は立ててきません。すぐに吐き出しペロっと舐めるだけです。飛びかかりも夜泣きも落ち着きました。
■しつけトレーニングは一回あたり15分程度。1日に計3回ご飯前に行っています。
※トレーニング中はご褒美としてドックフードやおやつを使い、あげる時と上げない時バラバラです。出来るようになったものは、トイレトレーニングはもちろんのこと、スワレ、マテ、コイ、ハウス、です。ツイテは現在練習中で、はじめは調子よく歩きますが、5分と持たずにすわりこみます。それでも止まらずに歩いて引きずると、途中から歩きだずというような感じです。
他、主従関係を養うと言われている、ホールドスティル、マズルコントロールは週2、3回気が向いた時行っています。ホールドスティルは嫌がります。無理矢理続行している状態です。
マズルコントロールはすぐに脱力状態に。そして、スワレの体勢からフセの状態になってしまいます。(ただ、フセはまだ教えておらず、床がフローリングで滑ってしまうようです)
■飼育環境
・昼間は私が自宅にいるときはハウスから出し、夜寝るとき、外出時、来客時など、私が家にいても目を離すときは常にハウスに入れています。(あと、人間用のソファやベッドには乗せません。前足だけかかる時はありますが全身は乗せません)
・ハウスに入れた直後は、クーンと1、2回ほど鳴き、その後は静かに寝ています。チャイム音や来客時にもまったく吠えません。
・ご飯中に器の中に手を入れたり、体のどこを触っても特に問題なし。唸ることも、吠えることもありません。むしろ尻尾を振り出します。
・逆に私が食事中のときは椅子のしたで寝ているか、ひとりでおもちゃで遊んでいます。要求吠えなどもありません。もちろん食事の順番は人間から先に食べています。
・外で散歩を始めて二週間経ちましたが、まだ外の環境(車やバイク、自転車)が怖いようで、それらが通るとすぐに固まってしまいます。
なので現時点で率先してリードを引っ張るようなこともありません。それでも歩調がおくれたり左右に引っ張ってしまった場合、すぐに方向転換し正しい型にもどしています。
・ゴミ袋をあさったり、洗濯物をあさったり等、こちらからにとって、困ることをした時、「イケナイ!」と声をかければ、
今している行動を止めます。
・遊びの時間では引っ張りっこ、ボール投げなどをしてあそんであげてます。15・20分程度。
‥と、これまではそこまで犬のしつけで困ってはいませんでした。というか、よくできていると思っていたくらいです。ですが、先日あることが発覚しました。
それは、トレーニング中(おやつがあるとき)は指示に従うが、なければ従わない、というような行動です。
空腹時のご飯前に行うトレーニングでは、指示に機敏に反応します。ハウス、マテ、コイ‥等、非の打ち所なく完璧です。ジェスチャーだけでも指示に従います。
ですが、空腹が満たされたり、おやつがもうないと察知した瞬間、指示(ハウス、コイのみ)を聞かなくなっていました。
トレーニングの時間をズラし、おやつの有無を察知させないよう工夫してみました。ですが、本人が「ない」と判断したときは指示(ハウス、コイ)にしたがいません。お気に入りのクッションへ直行し、座り込みます。
そんな矢先、先日来客予定があり、ご飯の後、ハウスに戻ってほしくてハウスの指示をしたところ、指示をやはり完全に無視。お気に入りのクッションへ。ダメだとわかりつつも、イライラした声でハウスやコイを連呼してしまいました。案の定動くこともなく‥。
時間がなかったので、仕方なく抱きかかえてハウスにいれたところ、久々の本格的な要求吠え。構わずにお客さんと話を続け完全に無視しました。数分後鳴き疲れたようで静かになりました。お客さんが帰ったあとも30分くらいたったあとにハウスから出してあげました。
ですが、このハウスに閉じ込められたというのが、不信感をあたえたのか、それを機に、閉じ込められるのは嫌だといわんばかりに、ハウスやコイというと、お気に入りクッションへ向かいそこから動きません。
また、夜寝る時間にハウスと指示を出していたのですが、それもまったくいうことをききません。(試しにおやつをみせたところ渋々動きました。おやつでつっていることがなんだか不甲斐なく感じます)
ドーベルマン犬種は賢いといいます。実際、スワレやマテなど覚えるのもとても早かったです。ですが、賢いがゆえに空腹時にご褒美(おやつ)に頼ったトレーニングだけを行っていたのが問題なのでしょうか。
主従関係ができていたと思っていたのは、飼い主側だけで、実際はおやつにつられていただけなのでしょうか。このような状況になってしまってショックでした。
市販されているどの本をみても、おやつによるしつけが紹介されていますが、このような状況の場合このままおやつによるトレーニングを続けていて良いものでしょうか‥。
また、トレーニングをはじめるのは子犬をむかえたその日からと記載されている本や、トレーニングは生後半年~1年までのあいだ、とも記載されているのもあって‥
私が焦りすぎているのか、それともまだ生後4ヶ月。こういうものなのか、など疑問が湧いてきました。
大型犬の飼育ははじめてですが、今までに実家で、中型犬5匹、小型犬1匹を飼っていましたが、このようなことは一切ありませんでした。
この状況はどう改善すれば良いのか。。。。教えてください。
何点かあとでご指摘いたしますが、基本的には犬のしつけの意識をお持ちになって接してこられましたので、とても順調にドーベルちゃんは育っています。
いくつか問題点が出てきましたが、この月齢のごく普通の犬の行動をしているだけです。
もちろん、ドーベルマンは賢い犬種ですし、今回のドーベルちゃんの素性も良かったです。良い出会いに感謝して、また頑張っていきましょう。
しかし犬という動物は、みんな賢いものです。そして「ズル賢い」のです。
まだ知能も経験も何もありませんので、感覚だけで生きています。現状の反応はごく普通です。
主従関係も積み上がる時期ではまだありませんので、今までは、「オヤツで釣られて行動していた・・」というだけの状況です。
これから主従関係を積み上げていきますので、それで良いのです。
さて、では気になった点を見ていきましょう。
全体的には、犬を飼って来られた経験も豊富にお持ちですので、接し方の意識はしっかりされているはずです。チヤホヤの甘やかしや従属的な接し方がない・・というだけでも、本当は良いのです。
しかし、オヤツは止めましょう。
栄養バランスも崩れていますし、これから知能が高くなってくるので、好き嫌いを覚えてドライフードを食べなくなる犬も多いです。
そして、オヤツで釣ると犬は表面上簡単にコントロールできるので、「犬との本当の関係作りがどれだけ出来ているのか」が、見えなくなってしまうのです。
犬に本来見せるべき態度、やるべきことがいつの間にかおろそかになってしまうのです。
これが一番怖いことなのです。
もちろん、早く結果を出したいお気持ちは重々分かりますが、本当の関係というのは、やっぱり物の効果に頼らずに時間をかけて関係作りをしていくべきなのです。
色んな手法もご存じで実践されているようですが、手法そのものにはこだわらないで下さい。
「毅然さと主導性」の意識が、飼い主さんの中にしっかり根付いていれば、もうそれで良いのです。そういう意識が根底にあれば、何をしようといつでもそういう振る舞いが自然にできているからです。
犬はそれを見続けて感じ続けて、徐々に徐々に認めるようになっていくのです。
ですので、手法も自分がやりやすくて楽しいものが一つでもあれば、それだけで良いのです。(もちろん「毅然さと主導性」があるもので食べ物や嫌悪刺激は使わないもの)
例えば、ケージを出す時に必ず犬にリードを付けて持って過ごす・・団らんも遊びもそれで行う・・
ということだけでも関係作りはできます。毅然さと主導性の要素が自然に入るからです。
マテでもスワレでもコイでも、良い型を作ってあげてポンポンと静かに堂々と褒めてあげるだけで良いのです。
もちろん、まだ関係が積み上がっていないのと知能が低いのですので、すぐには覚えられません。でも毎日毎日反復でシンプルに体現させるだけでも、続ければ習慣になり覚えるのです。
効率や即効性だけを求めてしまうと、そういうことが見えなくなってしまうのです。
>床がフローリングで滑ってしまう・・
↑犬の行動範囲には、絶対に滑る場所があってはいけません。特に子犬期は脱臼癖が付きます。安いカーペットで良いので買って敷きましょう。
分割できて、汚れたところだけ外して洗えるタイプもあります。
>引っ張りっこ・・
↑これは止めましょう。対面しての力比べですので、対抗心が強くなったり、人の動きに過敏に反応する癖・興奮癖・服を噛んで引っ張る癖が付きやすいです。
主導型のコング遊びにしましょう。
体力がドンドン付く時期なのと、もともと運動量が多い犬種ですのでコング遊び合計30分くらいと、散歩は毎日最低30分はしっかりやりましょう。できれば1時間歩きましょう。
そしてコング遊びの流れの中で、ハウスの中まで遊びを延長してあげれば良いのです。
遊んで「終わり→ハウス」ではなく、終わる素振りは一切見せないで、遊びながら段々ハウスに近づいていって、コングとご自分の手もハウスに入れて遊んであげてください。入った時には「ハウス」の指示音・指差しでポンポン褒めてください。
さらにそこでも、「扉を閉めて終わり・・」ではなく、またケージの外に遊びながら出て→また遊びながら入って・・・を数回繰り返したら、最後は褒めて扉を閉めて、また褒めて終わり・・・
という形にしてください。
犬のしつけは何でもそうですが、簡単なことから段階を作ってあげることです。
要求吠えが始まったら、ケージ全体に毛布を掛けて目隠しするか、リードを付けて出して厳しくその場でリーダーウォークをする・・
これを併用してみてください。
>トレーニングをはじめるのは子犬をむかえたその日からと記載されている本や・・
>トレーニングは生後半年~1年までのあいだ、とも記載されているのもあって・・
↑「犬のしつけ」と「調教トレーニング」は別なのです。
犬のしつけというのは、「普段の何気ない接し方」であり「関係作り」なのです。
これは子犬が家に来た瞬間から、もう始まっています。犬は新しい環境に来て、緊張と興奮が激しく、強いストレスを受けています。そして、最初の接触を基準値にしてしまうので、チヤホヤしたりケージから出してはいけないのです。
1週間くらいは、出さずにチヤホヤせず、最低限の世話だけして落ち着けることです。
そして、環境に慣れてきた1週間後くらいから、少しずつ出して主導型の遊びを通して関係作りをしたり、スワレ・マテ・コイなどの基本を教えていけばいいのです。
でも、「教える=結果を出す」ということではありません。7か月くらいまでは特に知能が低く、7か月過ぎるとズル賢くなります。
最低でも10か月付近までは、結果を期待してはいけません。
今は求める時期ではなく、「与える時期」なのです。
もう少しすると反抗期に入ります。自我・権勢本能・独立心・鋭い観察眼、こういうものが出てきますので、違った大変さがどんどん出てきます。
でも、これもごく自然なことですので、今はやるべき事を淡々と続けて、子犬の成長を待ってあげないといけない時期なのです。
まだ主従関係が積み上がる時期ではありませんので、今日お話した点を修正していただきながら、しばらくは期待しないで続けていきましょう・・・