犬が致命的な病気になった時は躾は一切忘れてください
今回は犬が病気になってしまい、まだ良い関係を築けていない状況でどうすればいいか教えてもらいたくて連絡しました。(外飼いでほとんど散歩も行かず家族全員に本気で噛みつくようになった雑種犬)
詳しくお話しますと、今朝餌をあげに行ったところ上手く立てず地面に突っ伏しているのをみつけ、直ぐに病院に行き結果は脳梗塞か脳出血だと診断されました。
どちらなのかは大きな病院でないと分からないそうなのです。また眼も一時的ではあるのですが見えていないようです。これから毎日その脳の症状和らげる注射を打ちにいくことになりました。
そこでお医者さんに外ではなく20度くらいの温かいところで安静にする必要があるといわれ、直ぐにケージ、小屋を用意し自分で歩くこともできない状態なので、抱きかかえる時も抵抗はできないためすんなりとケージの中に入れたりすることはでき、今はそこにいますが仕方ないとはいえ急な環境の変化で犬にはかなりのストレスではあると思うのです。
この状態でも今までのように接していけば主従関係が築けていけるのか、また回復してきたときのまたひどく抵抗をすれば、どうしていけばいいのかなど色々聞きたいこと、相談したいことがあります。堀川さんはどのようにしていくのがいいと思いますか?
とても残念ですし、心配です。まず、病気が治るまでは、もう一切犬のしつけのことは忘れてください。
病状・年齢からして、もう長いことがないかもしれません。一日一日、たっぷり愛情をかけて残る余生を過ごされてください。
体の自由が効きませんので、吠えたり噛んだりもないはずです。
もし一命を取り留めたとしても、脳梗塞・脳出血は必ずと言っていいほど後遺症が残ります。
犬が本当に元気になったならば、そこからもう一度しつけをやり直せば良いだけです。元気ならばいくらでも犬のしつけはできますが、このまま死んでしまったら何も意味がありません。後悔するだけです。
まずは犬の健康第一で、回復するまでは躾のことは一切忘れてください。
いろんなところでお話していますが、やっぱり犬の外飼いは寿命が圧倒的に短くなります。さらに今回は散歩をほとんどされなかったことで、人間でいう成人病になってしまいました。犬も人間も同じですが、毎日長時間歩くことはとても大切なのです。
個人的には、「明日死ぬかもしれない」というつもりで毎日過ごすのが一番と思います。
家の室内に居させ、温かい場所でたっぷり愛情を注いでください。
もちろん、犬にとってみれば環境が変わりますので精神的な興奮はありますが、この真冬で脳疾患ならば、外よりはましです。
このまま愛情を注げないまま死んでしまったら、それこそ後悔します。
もう犬との時間は残り少ないと思って、ご家族が悔いのないようにされるのが一番です。
また、どこまで医療費をかけるかもご相談されてください。
MRIやCTを撮って手術したり継続治療となれば、とてつもない治療費がかかります。それでも治る保証はありません。犬が苦しむようならば安楽死も検討しなければいけません。
このまま、あまり治療費は大きくかけず、良い環境で安静に保存療法されるのが一番と思います。犬が歩けるようになったならば、お部屋や廊下をゆっくり歩きまわってください。
病気の時はビタミンCや酵素などが不足します。
エサが食べれるようでしたら、ミカンかリンゴを少しだけすりつぶしてドッグフードにかけて食べさせてください。(ドッグフードも10歳以上用に)
ドッグフードはお湯でふやかしておいて、人肌くらいに冷ましてから先ほどの果汁をかけてください。
では、まずは良い環境を早急に整えてください。回復をお祈りしております。