犬のしつけがQ&Aで分かる!

わがまま頑固でストレスで吐血しフードを食べない犬のしつけ

質問内容犬は、わがまま頑固で、ストレスで吐血しフードを食べない状況です。

トイプードル男の子2歳1ヶ月。体重2.2キロ。嫌がらせしても絶対に人に噛み付きません。でも半年前ほどから他犬にすごく吠えるようになりました。強気です。

家族は夫婦と大学生の息子です。

犬を飼い始めて間もなく、私は婦人科系の病気に合わせ、心の病もあり、更に息子の進学でピリピリし、愛犬にとっては最悪なリーダーになってしまいました。

自分の気分によって、おやつを与えたり、おもちゃもどんどん買ってきて与え...吠えれば、人間の乳児のようにあやし、今思えば...愛犬じゃなくて、私の赤ちゃんにしてしまっていました。それは犬にはすごいストレスだったのですか?

愛犬は、痩せていて胃腸の弱い子で、環境の変化やストレスで、見たら驚く程の吐血や血便を、生後8ヶ月頃から繰り返すようになりました。

手作り食とちょっとでもお腹の調子が悪いと薬をあげていたせいかもしれないと、療養食のフードに変えるように言われ、フードに切り替えてきましたが...当然の事ながら、食べるわけがありません。甘い私はトッピングを次々と変え、おやつを混ぜ食べさせました。

・決意して、まだ5日目です。フード以外与えるのは辞めよう。必要以上に関わるのは辞めよう。メリハリのある接し方をしよう。

・先日...まだ混乱してる時に、愛犬の首輪を掴んで、マズルを掴んで大きな声で咬んでみろー!などと、いきなりやってしまいました。これは虐待ですよね...

愛犬は怯え、嘔吐を始め、翌日から下痢が3日続いてしまいました。自己嫌悪で愛犬と一緒に寝込みました。下痢中...それでも絶食をさせてみる事を初めて試しました。そして少しずつ缶詰のフードで回復できて、それ以降おやつを減らしたり、遊びを要求しても無視をし、行くところもありませんが留守番させる為に2~3時間家を出たり、フードを食べなければ、片付ける事をし始めました。

しかしながら、こんな猛暑に始めることになって、愛犬の体調が心配です。もちろん温度管理には注意していますが、小さいだけに、それに愛おしすぎて、まだまだ心が揺れ動くに決まっています。中途半端が一番いけないことも頭ではわかっているのですが、今は張り紙をして自分に言い聞かすことしかできず、正直恐いです。

・それと、とっさの行動で、躾と虐待の区別もわからない時がありすごく不安です。

無視をする...人間にしたらいじめですよね?でもでも、相手は犬です!犬のリーダーになるんです。葛藤し続けます。先の見えないトンネルに思えます。でも、それが出来たら、自分の病気も治るように思いたいです。

・とにかくまず、フードから徹底したいのですが、頑固な愛犬です。ストレスで吐血したらどうしたらいいですか?そこは病院に行くタイミングですか?

・家族ですが...主人は忙しくあまり家に居ませんが、協力してくれます。困ったのは、大学に行った息子が久々に帰ってきます。愛犬をとても可愛がっていました。かなり環境が違っているはずです。最低限守ってもらうように言いますが、私だけでも毅然としているだけでも効果はありますか?

・ハウスをさせる時、おやつで誘って入れていました。強引に入れてハウス嫌いになりませんか?他の方法ありますか?夜はハウスの中のクレートで寝ています。

...本当に長々とすみません。せっかく購入させていただいたのに、大型犬でしたので、始めはピンと来ず(既に擬人化していたかも)、ちゃんと利用していませんでした。厄介な飼い主でご迷惑をおかけしますが、お返事戴けましたら、急ぎませんのでどうぞお願いいたします。

 

返答内容

犬のしつけは、犬の調教ではありません。犬との関係作りです。

関係はどうやって作るか・・これも、表面上の調教やテクニックではできません。犬は相手の態度しぐさ接し方全体を見て感じて、それに適応しているだけなのです。

では、飼い主さんの態度しぐさ接し方全体をどうやって整えれば良いのか・・

これがマインドセット(意識設定)です。

犬の特性を知り理解してあげる・・だから飼い主はこう接するべき・・

こういう意識がご自分の中にあるかどうか・・それが最初にやるべき事なんです。

そのマインドセットができたら、後は時間の問題です。犬は本能で感じていきます。一貫して続けることで認めるようになっていきます。認めるようになったら、物事を教えるのは簡単ですし、関係の崩れによる要求吠えや噛みつきなら何も教えなくても消えていきます。

その犬の特性・飼い主としてあるべき意識設定は、本書とQ&Aで学んでいけます。対処の事例もたくさんあります。

必ず本書とQ&Aは熟読されてください。大型犬も犬種も性別も関係はありません。そこにこだわるようなマインドセットでは、犬の本質を理解できません。


さて、そうお話したわけですが、まず今回やっていただきたいことは、犬のことではありません。

先ほどのマインドセットは、健康な人だから学べることです。何をするにも同じです。

今の健康状態・精神状態では、何をしても悪循環になり自己嫌悪に陥るだけです。

大学生の子供さんがいらっしゃいますので、ご年齢的に更年期障害からくる、うつ病ではないかと推測します。

私も若いころから数年に一度襲ってくるので、思考・行動パターンから、うつ病だと想像できます。

まずはこれを治しましょう。犬のしつけはしばらく何も考えないでください。変えないでください。アレコレしなくて良いです。(後半に少しだけアドバイスします)


うつ病の認知療法をちょっとご紹介します。

>療養食で以前より良い状態になっていることに気づいて来ました・・

↑これが大事です。

何かを解決するために、他の方法がないか考え、いくつか試してみることです。考えることに疲れたり思い浮かばない時は、本を見たり、今回ならは、私のQ&Aサイトを見たり聞いたりしてください。

今回は、たまたま妹さんの紹介で別の獣医から別の療法を指南され、結果的に試すことになりましたよね。

その結果、「こんな方法もあるんだ・・別のやり方や考え方もするべきなんだ・・」ということに薄々気づかれたのです。

同じように、いろんな出来事に対して、「こんな方法もありかも・・逆のことをやってみよう・・」と考えてみると良いです。

更年期で不安定ですが、うつ病としての症状は重くなく、回復期に入っているようです。少しずつ多角的な思考ができるようになってきていますし、私への質問の内容からしても、柔軟な思考ができるようになってきています。

さて、もう一つやっていただきたいのは、食事と有酸素運動です。

更年期でホルモンバランスが変わりますが、脳の神経伝達ホルモンのバランスも崩れてしまうのです。

思考も、体を動かす指令も、上手く働かなくなるのです。

もし通院されているようでしたら、SSRIなどの抗うつ薬を処方されたかもしれません。

あれは、セロトニンやノルアドレナリンなどの神経伝達物質の流れを整えるお薬です。

ただ、薬というのは何でもそうですが、表面上の症状を抑えるだけなので、根本原因は余計にひどくなってしまいます。犬のお薬もそうですが、常用してはいけません。使う場合は、本当に緊急時です。

ホルモンバランスと自律神経は、食事と運動で整えることができます。

まず運動です。1時間以上連続で歩きましょう。合計1時間ではなく、1回で1時間です。犬と一緒にゆっくりノンビリで良いので、一日1回1時間です。

私は雨でも雪でも台風でも、犬に雨具を着せて365日休んだことがありません。虚弱体質だった私が、もう何年も1回もカゼを引かなくなりました。昔、実は犬が癌になったのですが、それも治しました。

ジョギングや水泳はかえって活性酸素がたまるのと、長期的には関節を痛めるのでNGです。

ゆっくり長時間の有酸素運動は、自律神経・ホルモンバランスを整え、血行と免疫力を高めます。

そして食事です。以下は、神経伝達ホルモンを正しく作ってくれます。

大豆製品全般、ごま、高野豆腐、のり、きなこ、さつまいも、バナナ、にんにく、マンゴー、アボガド、くるみ、玄米、日本そば、干しシイタケ、しめじ、きくらげ、海藻類全般、ナッツ類、栗、キャベツ。

そして、真水も飲みましょう。1日2リットルが目安です。脳は80%が水分です。水分が足りない・・汚れている・・となれば、とうぜん脳の働きにも影響が出ます。

そして良質な脂を摂らないといけません。不足している脂は、「オメガ3」です。青魚・緑黄色野菜・くるみ・豆類に含まれています。そして、「オメガ9」のオリーブオイルも良いです。

食事は以上ですが、絶対に「納豆」を食べてください。できれば毎食です。上記の成分だけでなく、抗酸化ポリフェノールやエンザイム(酵素)も含んでいます。

思考や肉体・美容の維持向上に、強力に働いてくれます。国内産大豆の良い商品でも3パック100円くらいですから、安いもんです。


さて、最後に犬のお話です。

>私の赤ちゃんにしてしまっていました。それは犬にはすごいストレスだったのですか?・・

↑これは事実です。受け止めないといけません。ストレスを与えた・・というよりも「ストレスに弱い犬にしてしまった」という方が正確です。だから神経性胃腸潰瘍で吐血するわけです。

チヤホヤされるのが基準値になりますので、それがされない時はイライラします。主従関係も誤解します。

では、反対に↓これは良かったのか?

>愛犬の首輪を掴んで、マズルを掴んで大きな声で咬んでみろー!・・

↑犬はまったく意味を理解できません。褒めるのも叱るのも、大声や大げさはただ単に犬の興奮をあおったり防衛本能を強くしてしまうだけです。

そして、激変してはいけないのです。

犬に何かをする・・という感覚は持たないでください。飼い主さんの意識設定が変わる→態度しぐさ接し方が変わる→犬の感じ方が変わる→一貫する→犬が認めるようになっていく・・

これをしなければいけないのです。

ですので、まだ犬にはしばらく何もしないでください。

もちろん散歩はしますし、主導型のコング遊びで楽しく発散はしてください。犬にリードを付けて、自分で持って、主導しながら遊ぶことです。それだけでも関係作りに良い影響が出ます。

>私だけでも毅然としているだけでも効果はありますか?・・

↑奥様だけでなく家族で一貫しないと、犬はパニックなるだけで理解も適応もできません。

遊び・散歩・団らんの時間以外は、4点セットのゲージ内に居させて、かまわないことです。接触する時は、メリハリを作って時間を作り、飼い主さんの主導と毅然さのもとでやらなければいけません。

>ストレスで吐血したらどうしたらいいですか?・・
>そこは病院に行くタイミングですか?・・

↑これは獣医さんの判断に従いましょう。

>強引に入れてハウス嫌いになりませんか?・・

↑コング遊びをハウスの中まで延長してあげれば良いです。ただし、一回で入れて扉を閉めて終わりにしないことです。

入れてまた出して遊び・・また入れて出して遊び・・指示音とジェスチャーを関連付けながら褒めて教えることと、「ハウス=遊び終了」というパターンを連想させないためです。

数回やったら最後は閉めて終了して知らんぷりです。もし吠えたら、ゲージやクレートハウスに毛布を掛けて目隠しをしましょう。

それでもおさまらない場合は、その場でリーダーウォークです。


フードですが、犬が食べない場合は無視して下げて、次の時間まで一切食べ物は与えないでください。二歳過ぎてますので、まる一日はほとんど食べなくても大丈夫です。

でも、まる二日食べないのは危険です。フードを少しのお湯でふやかして、粘度みたいな固さにしてください。そして、犬の上アゴにそれを塗り付けてください。自然に少しずつ飲み込むことになります。

トッピングやオヤツは栄養バランスが崩れますし、余計に好き嫌いするようになります。もう一切止めてください。


では今日は以上ですが、もう一度おさらいです。

まずは犬よりも人間優先です。うつ病の治療が先です。

認知療法で物事を考えてみる・・良い食事と1時間の散歩・・

そして犬の特性理解とマインドセット・・

まずはそれだけで良いです。後は時間の問題です・・・

 

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【著者:運営責任者】
犬のしつけアドバイザー
堀川春広
株式会社ホリページ代表取締役
https://www.horipage.com/
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