犬が主人と遊ぶ時と私と遊ぶ時の集中力が違う
堀川様、連日のメールすみません。またまた、質問したいことがあり、メールさせて頂きます。(ヨークシャーテリア5か月)
昨日、主人が出張から帰り、犬の散歩が出来なかったのでコング遊びをしてくれてました。
型と音とはなりませんが、一応お座り、待てで遊んでいるのですが、犬の集中力が違うんです(笑)
離れて見てる私でさえ、嫉妬するくらいの集中力です!
私と遊ぶときは、投げたり紐を引いたりして動きを出しても、紐を噛んだり、とにかくソワソワしたりして集中力が続きません(笑)
主人のしつけ方と言っても、手を噛んだら、そのまま手を押し込んでみたり、目を見てダメと言ったり、騒がしくしていたら「うるさい!」と言い、たまに、私のしていることを真似するくらいです。→遊んでいても、あまり噛まれないようです。
以前から、主人は遊ぶのは上手です。自分の手足や、おもちゃを駆使して、犬も楽しそうに遊んでいました。
主人からは「お前の言葉には、誉める時も叱るときも抑揚がないから、犬に伝わらないんじゃないの?」と言われます。
また「悪いことをしたら、ちゃんと怒らんと、犬には伝わらへんし、この人は怖いと思わせなあかん」とも言われました。
私は、毅然とした態度をとろうと、興奮が伝わらないように冷静をこころがけて接していたつもりでしたが、なにが違うんでしょうか?
また、毅然とした態度というのは、ふだんの生活(家族と接する時)でも、心がけないといけないのでしょうか?
お忙しいと思いますが、返信お願いいたします。
>この人は怖いと思わせなあかん・・
↑これは正解です。教えるべき事は毅然と一貫しないと伝わらないんです。
ただし、犬によって、あるいはしつけの進捗状況によっては、強弱の調整をしないといけません。
例えば、今のご主人の強弱がそのまま他の犬に当てはまるか、というとそれも違います。犬によってはキツすぎて、防衛本能だけを刺激してしまうことになります。反発するだけの犬もいます。
今回は、ヨーキー君に合った強弱が分かってきましたので、もう少し態度を厳しくしてみてください。
それと、これは仕方の無い面もありますが、犬は「普段面倒を一番見てくれる人」に尊厳を感じにくい傾向があります。もちろんこれも接し方しだいなのですが、「単なる世話係」のような感覚を持つことがあります。
奥様は相手を思いやる、とてもお優しい方だと思います。
私も多少人生経験もありますし、3000件以上メールサポートをしてきましたので、文面で相手の方の性格が分かります。
私達人間の大人からすると、奥様は素晴らしい魅力的な人間性の持ち主なのですが、犬には「優しさ=弱さ」と映る場合があります。
これは人間同士でも同じで、そういう反応をする大人もいますし、国民性によっても大きく違いますし、知能の低い子供の段階ではそう感じる子が多いです。
日本人は少し特殊で、外国人には理解しがたい優しさがあります。「わび・さび・惻隠の情・和の心」を、外国人は理解できない場合が多いです。それを「弱さ」ととらえて見下したり、悪用してより強い要求を押し付けてくるのです。
そういうものを総称して「アニマルスピリッツ」と言います。動物的感性ということです。
物おじしないでドンドン行動するという良い意味で使われることが多いですが、すぐに人を見下したり自分勝手な悪い面も表裏一体です。
もちろん、奥様の素晴らしいご人格を変える必要はありませんし、無理に変えようとすると苦しくなります。
でも、今日の私の話を聞いていただいて、少しでも「なるほど」と思われたら、少しずつ変わっていけます。毎日意識していると自然に変わっていくんです。心配しなくても大丈夫です。
人間家族への接し方も無理に変える必要はありませんが、毎日犬のしつけを意識されることで、自然と毅然さが増していくはずです。
「毅然=冷たい」ではありませんので、お優しい性格はそのままで、それを堂々と表現してください。
ヨーキー君の世話をする時に、マメにグルーミングし過ぎたり、気遣いし過ぎない方が良いです。
「犬は世話をしてくれる人になつく」と言われますが、これは半分間違いで、接し方しだいで逆になってしまします。
ヨーキー君の世話は、ご主人も含めて分担しましょう。
不安を抱えながら犬と接していると、それも犬は見抜きます。堂々と毅然さを貫いて、「それで言うこと聞かないのなら知らない!」と、ケージに入れるくらい気丈で良いのです。
遊ぶ時も、犬をオモチャにするくらいの気丈さがあって良いのです。
奥様も犬も、お互いに成長しながら変わっていきますので、ご心配されないで気持ちを強く持って望むことです・・・