犬のしつけがQ&Aで分かる!

サークルに入らない・置いて出かけようとすると怒る犬のしつけ

質問内容
犬をゲージやサークルに入れる、リードで繋ぐ、犬を置いて出かけようとする、この3つの時に異常になります。

愛犬:トイプードル5歳メス、前々から犬を飼いたかったので、購入しました。

私(40代女性)一人暮らしです。仕事をしているため昼間は一人で留守番が多いです。

過去の接し方:

①遊びはとくにしません。スキンシップは隣にきてトントンと呼びます。そしてなでろと言わんばかりにひっくり返りお腹を向けます。で、なでます。また私が座っていたらすぐに膝の上に来ます。

②とくにしつけなどしていません。トイレはちゃんとしますし、マテはできます。がオテとフセは教えていません。

③猫なで声でナデナデ・オヤツ・抱っこ、は小さいころはしていました。

④散歩は2~3歳までは一日1回20分ほどしていましたが、膝が悪くなってから週に1回ぐらいになりました。

⑤朝起きてから1時間ぐらいは一緒ですが、仕事に出ている間は留守番、夜はスキンシップという感じです。

⑥環境は、悩み相談と合わせてご説明します。

犬は生後3か月で我が家に来ましたが、最初からゲージやサークルが大嫌いで入ってもジャンプして飛び出してしまっていました。屋根があるものに変えましたが、入れるとずっと泣き続け、ジャンプして頭を打ち付け続けるか、爪で掘り続けるか、噛み続けます。

なので、入れるのをやめました。リビングに放し飼いにしています。いたずらは一切しません。出かける際にサークルに入れてもゲージと同じ状態です。

散歩の際にリードを付けるのは問題ないのですが、リードに繋げたままにしているとリードを噛みちぎります。今まで何本もダメにしました。

これらもとても頭を痛めている事なのですが、もう一つ大きな問題があります。それは毎日仕事等に出かけるときに犬が異常に怒ることです。引き留めようと必死で吠えまくり、足や手に噛みつきます。これも最初からです。

犬の歯はもうほとんどすり減って先がとがっていない状態ですが、先日姉の足に噛みつき大変なことになりました。

ゲージやサークルに入れる、リードで繋ぐ、犬を置いて出かけようとする、この3つの時に異常になります。今更どうにかなるのかと思いながらインターネットでいろいろ探していたところ堀川さんのサイトを見つけました。どうか良いアドバイスをよろしくお願い致します。


返答内容
今回アドバイスの前に、何点か伺いたい事がございましたので、お手数をおかけいたしますが、お時間あります時にお知らせいただければと思います。

①トイプードルちゃんは3か月までどこに居ましたか?ショップですか?ブリーダーですか?

②トイプードルちゃんは、飼い主さんに対して歯をむき出して、うなって噛むことはありますか?

③お姉様を噛んだ時は、どんな理由でどんなふうに噛みましたか?散歩の時も他人に吠えたり唸ったりしますか?お部屋で物音で吠えたりしますか?

④問題の症状は家に来た子犬の頃から変わっていませんか?「ずっと泣き続け」←は、クンクン鳴きですか?ワンワン(キャンキャン)吠えですか?

⑤「膝が悪くなってから」←これは犬のほうですか?飼い主さんのほうですか?また、医者からはどういう原因で、今後どうするべきか指示がありましたか?

⑥お部屋やケージ周りのお写真撮れるようでしたら、お願いいたします。

⑦お住まいはアパート・マンションですか?一軒家ですか?

それでは以上、お待ち申し上げております。

飼い主さんからのお返事.png
堀川様、お返事ありがとうございます。

①ブリーダーです。

②私が出かける時に何度もあります。置いていかれると思うと異常に攻撃的になります。

③ですが、②と同じ状況です。引き止めようとしたのか足に噛み付きました。部屋に人が居ても、誰かが帰る時に異常に攻撃的になります。散歩の時は大丈夫ですが、車に乗っている時、窓から人が見えると吠えます。部屋にいる時、物音がすると吠えます。

④子犬の時はクンクンとキャンキャンでした。今はワンワンです。

⑤トイプードルです。一度手術をしましたが治りませんでした。痛がる様子はないですが、走るとビッコを引きます。医者からはとくに何も言われていません。 

⑥部屋にゲージは置いていません。普通に犬用ベット?を置いています。

⑦マンションです。 

よろしくお願いします。

返答内容
今回の原因は二つあります。

■ブリーダー下での育った環境
■飼い主さんの接し方・しつけ・関係作りの問題

です。

今回の子は3か月までブリーダーに居て、直で家にきました。

特にブリーダーでも、多頭の犬を分けないで、広いスペースで自由に飼っていたかもしれません。それプラス、人間も犬とベッタリ・チヤホヤだったかもしれません。さらにそこに長めに居ましたので、群れでベッタリ過ごす感覚が身についていた犬です。

ただ、もともと犬は群生がとても強いですし、まだ幼かったです。

さらに、飼い主さんが少し甘やかしてしまい、その癖が完全に固定化され、また主従関係まで誤解させてしまいました。

もともとこの子の素性自体は悪くないのです。本当に素性に問題がある犬は、いつでもどこでも激しい噛みつき・吠え・威嚇で、もう生後半年までに手におえなくなっています。


現状は、一人ぼっちを嫌がっているのが半分、そして、支配欲が満たされず怒っているのが半分です。「置いていかれる不安」というよりも怒っているのです。分離不安だけならば、飼い主さんを唸って噛むことは基本的にしません。

別の言い方をすると、頼れるリーダーがいなくて、自分で警戒や群れの防衛をしなければいけないというピリピリした精神状態になっています。だから物音で吠えますし、車での移動でも吠えます。お部屋と車の中が自分のテリトリーになっているからです。


犬をそういう精神状態にさせてしまったのが、飼い主さんの接し方です。これから意識改革をしていただいて、少しずつ変えていきましょう。

ただ、あせって無理やり変えない方が良いです。かなり長い習慣がありましたので、激変しないで、自然な変化が良いです。

飼い主さんの意識が変わると、自然に態度や振る舞いが変わっていきます。それを毎日犬が感じ続けることで、犬も認めるようになっていきます。犬は相手の精神性を見抜きますので、表面上のテクニックに終始されないで、自分がリーダーなんだという強い気持ちを毎日意識されてください。

毎日教材(特にQ&Aサイト)を読み込んでいくことで、だんだん自然に身に付いていきます。


さて実践ですが、あまり急に変えすぎると、犬も適応できずにパニックになります。毎日少しずつ変えていきましょう。

まずはハウストレーニングですね。

当然ご飯はサークル内で食べさせますし、ベッドも入れます。

練習は遊びから入ってください。

コング遊びをしていて、その中で時々コングをサークル内に転がして、ご自分も手を入れて犬を誘ってください。犬が入ったら「ハウス」の音と、サークル内を指差すジェスチャーを見せながらポンポンポンして褒めます。

そして、そこで扉はまだ閉めないことです。また「コイ」で出して遊びの続きをして、またコングをサークル内に転がして手で誘って犬を入れて、指示音ジェスチャーで褒めます。これを繰り返してください。

何度か繰り返したら、最後に扉を閉めて5秒マテをさせます。そうしたら開けて出させて褒める→また遊び→また何度か出し入れしたら10秒マテ・・・これを繰り返して、毎日毎日少しずつサークル内で過ごす時間を増やしていくことです。

急に長時間を求めないで、1分とか2分とかの小さい段階で毎日増やしていってください。

サークル内である程度マテが出来るようになってきたら、次は飼い主さんがお部屋から出る練習です。

5分くらいお部屋で本でも読んで、知らんぷりしていてください。そして、何気なしにお部屋から出て、5秒してから戻る→本でも読んでるふりをする→また出て10秒したら戻る・・・を繰り返しながら、少しずつ犬が部屋で待つ時間を長くしていきます。

そんなふうに優しいレベルから序に徐々に難易度を上げていくことで、適応しやすくなります。もちろん、その分手間も時間もかかります。結果を急がないで、コツコツ毎日続けていきましょう。


リードですが、犬をどこかにリードで繋ぎっぱなし・・・というのは、非常に強いストレスで良くありません。犬にとっては、「敵は自分に近づけるが自分は逃げられない」という状況だからです。サークル内に居させるか、慣れるまでの最初はフリーで良いです。

ただし、時間があって犬と一緒に居れる時は、犬にリードをつけてそれを飼い主さんが持っておくことです。

そうやって遊んだり団らんすることで、自然と犬を主導する形になりますので、主従関係作りに良いのです。そして、犬が吠えたり噛んだり唸ったりした時は、「シ!」の注意音と同時にリードをチョンと引き上げて注意することが出来ます。また、噛まれる前に制御しやすいですし、噛まれても引き離しやすいです。

ちなみに、犬が吠えた時も同じ教え方で良いです。

それと、来客時など時間が無くて吠えを注意できない時は、クレートかサークルに犬を入れて、毛布などの厚手の布で目隠しすることもやってみてください。効かない犬もいますが、多くの犬は落ち着きます。犬本来の特性としては、暗くて狭い巣穴感覚で安心しやすいのです。


お部屋ですが、犬が移動できる場所はすべて、マットや分割式じゅうたんを敷いてください。フローリングなどの滑る床は、犬の脱臼癖がつきやすいです。


お散歩自体はもっと増やしましょう。ゆっくり歩く有酸素運動は重要ですし、軽い運動を続けて筋力も保っておかないと、余計に関節に負担がかかります。

走るなどの激しい運動は避けて、ゆっくり長時間歩くことです。できるだけ多くの日で、30分から1時間以上を目標にしてください。

それでは今日は以上です。これから頑張って続けていきましょう(^_^)


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【著者:運営責任者】
犬のしつけアドバイザー
堀川春広
株式会社ホリページ代表取締役
https://www.horipage.com/
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