犬のしつけがQ&Aで分かる!

犬のしつけで室内のサークル・バリケン・クレート訓練の方法

質問内容
はじめまして。もうすぐ、7歳になるオスの柴犬です。ペットショップで生後6か月の時に購入しました。

夫が室内飼いはNGだったので、外で飼っておりました。ラティスで囲っていましたが、留守の時に強い風でラティスが倒れ、初めての脱走をされました。それから、風を異常に怖がります。

その後、しっかり倒れないようにしましたが、田舎のため風が強く、その度にラティスをかじり、突き破り、脱走を繰り返しました。仕方なく、係留をして飼うことにしました。(写真1)

その後、しっかりした鉄製のサークルを購入し、しばらくはその中に犬小屋を置き、飼っていましたが、風が吹いたりして、怖いと脱走したがり、ずーと飛び続けていました。(写真2)

特に夜は怖がるので、夜だけ玄関に入れたりしてました。2年ほど前にご近所でしつけ教室をされている方を紹介していただき、その方に係留は危険なので、室内で飼うよう勧められ、現在は室内で飼っております。

夫があまり犬好きでないのと、家でパン教室をしている関係で、リビング・ダイニングはNGで、リビングに隣接している6畳の和室にフローリングを敷いて、一区画にベッドを置いて、動かせるゲートで囲っていましたが、何か怖いことがあると、そこから脱走してしまうので、大きめのサークルの上を板で止めて、その中にベッドを置いてました。(写真3)

扉があいているといいのですが、留守の時など扉を閉めると、扉を破壊し、帰るたびに血だらけ、よだれまみれ、おもらしの3点セット。仕事で帰るたびの掃除に1時間かかり、ほとほと疲れてしまいました。

そこで、バリケンを購入し、試しましたが、同じ状態で、まだ掃除範囲が少ないぐらいの違いです。半年以上パリケンのトレーニングも続けましたが、一度、バリケンの太めの針金の窓の部分を口で折り曲げてしまい、それからは無理に入れてません。(写真4)

ちなみに、しつけの先生は預かりもしていて、何回か預けた時にはバリケンにおとなしく入っているので、バリケンが嫌なのではないと思うのですが。どうも、我が家で閉じ込められることに恐怖があるのでしょうか。

6畳の部屋をフリーにして、そこからサンテラス(6畳のベランダにつけてます)に出入りできるようにすると、多少のよだれぐらいで待てます。寒い時はサンテラスを閉めていけるので、これで乗り切りましたが、これから暑くなのでさすがに難しく、また防犯上も心配です。

夜は、私の部屋のバリケンの扉を外した状態で寝かせています。特に、騒がずおとなしく寝ておりますが、時々中でおしっこをしていることがあります。マットを濡らさないよう、上手に足を上げて側面にするので、2~3日気付かないこともあります。

普段は10時間くらい我慢できますし、寝る前に外に出し、トイレをさせてから寝かせていますので、どうしてなのか、わかりません。

朝起きて散歩に行くまでと、夜ごはんを食べて寝るまでは、6畳の自分のベットで寝ています。
(写真5)これは夜です。前に映っているのが動かせるゲートです。これで、囲ってしまうと途端に尻尾が下がり、落ち着かず、飛び越えて逃げ出します。閉じていないと、御覧の通り、爆睡しています。夜や雨の時などは落ち着いて寝ています。

ただ、隣のリビングに誰かいればなので、誰もいなくなると不安になるようです。昼間やお天気がいい時、また天気が崩れる前などは特に怖がり、2階のバリケンに行っても1人では落ち着けず、6畳の部屋でもリビングに入りたがり、分離不安症のような感じです。

無駄吠えもなく、噛んだり攻撃的でもないので、お留守番と自分の場所がきっちり決まれば、本当に言うことないのですが、初めは上手くいっても、その場所がどんどんダメになり、その度に対策を講じるのですが、そこもいれなくなってしまいます。

どんな飼い方をすればいいのか、私自身迷いすぎてほとほと疲れております。

冒頭に書いたように夫はあまり犬好きではなく、最初は土・日の散歩をしていましたが、私が何かするたびにだんだん非協力的になり、今では散歩も行かなくなりました。最初の4年くらいは子供に散歩を行かせていましたが、子どもたちも家を出て行き、今は夫と二人の生活なので、世話は百パーセント私です。

散歩は朝30分くらいと夕方は15分くらいです。毎日ではありませんが、仕事の時は8時間位留守をします。

脈絡なく書いてしまいましたが、もう一度きちんと居場所を確立したいのですが、どこにどのように置いてあげたらよいのか、何が嫌なのかを理解して、先に進めたらと思っております。どうぞ、よろしくお願いいたします。


返答内容
今回は少し特殊なケースで、また色々試されてこられたのを伺いまして、「これをやれば完璧」という確証できる物はないのですが、やるべき事はアドバイスできますので、あせらないで落ち着いて取り組んでいただければと思います。

まず、根本的な原因なのですが、やはり「柵恐怖症・囲い恐怖症」(自宅という場所も結びついている)はあるはずです。

ですが↓これが気になるのです。

>何回か預けた時にはバリケンにおとなしく入っている・・
>普段は10時間くらい我慢できます・・
>寝る前に外に出し、トイレをさせてから寝かせています・・
>初めは上手くいっても、その場所がどんどんダメになり・・

↑これらからして、今はワガママの要素もかなり入っているはずです。

今回の柴君ですが、もともとの素性はすごく良い子なのです。そして、幼少期からの犬のしつけ方が良くて、吠えをガマンできる子なのですが、その分ストレスを破壊で発散しているように見受けました。

そして、奥様との関係でワガママが出てきているようにも感じます。

最初の強い風でラティスが倒れた事故から、いろいろ試されて頑張ってこられたわけですが、奥様の犬に対する接し方が少し変わったということはなかったでしょうか。

子供さん達が独立していき、ご主人も非協力的で、奥様の中に寂しさがある・・犬もかわいそう・・

こういう無意識の精神的背景によって、少しずつ犬への接し方が甘くなったということは無かったでしょうか。

本当に犬にとって苦しい環境であれば、環境が変わった最初が一番ストレスが大きいはずなのと、ドッグトレーナーのところでも同じ反応を示すはずなのです。

もちろん、先ほどもお話したように、「自宅・風・昼間・人が誰もいない」などの条件が一致した時を一番嫌がっているのは分かるのですが、それだけではないように感じました。

そこで、今回は3つ重点を意識していただきたいと思いました。

①主従関係の確認・作り直し
②クレート訓練
③室内トイレの訓練

まず環境ですが、奥様のお部屋(おそらく2階)か、6畳の和室(おそらく1階)のどちらかに決めて固定し、もう移動はしないでください。

問題は夏場ですが、理想はエアコン(設定は28度くらい)をつけて出かけることですが、経済的にご無理なら窓を開けておかないといけません。

そうなると、1階は防犯上無理ですので、2階ならば大丈夫かな?・・・というところだと思いますが、いずれにしても風と雨がある日は、窓を開けて不在にしたら部屋がビショビショになってしまいます。

もし、どちらかのお部屋に換気扇がついているのであれば、プラス扇風機で、それを回しっぱなしならばなんとかそれでも良いです。でも、それでしたらエアコンの電気代も大差がないと思います。


そしてサークル周りの環境ですが、写真3のサークルの中に、今あるバリケン(バリケンの中にベッドを入れる)と、トイレトレーを入れていただきたいです。最終的にはサークルの扉を閉めますが、しばらくは開けておいてください。

お写真を拝見しますとスノコを敷いておられますが、犬には心地良いですが、オシッコの失敗によるお掃除が大変ならば、汎用トレーをいくつか買って組み合わせ、継ぎ目にガムテープを貼ってください。

そうすれば、もし粗相してもサッと拭き取るだけで済みます。

さて、トイレですが、老犬になりましたのでオシッコの頻度は増します。そして夏場は水飲量が増えるのでさらにオシッコの頻度は増します。

そう考えると、やっぱりケージ内(お部屋)でのトイレを覚えさせることは必要です。

ということで、先ほどの①②③を、逆にトイレ訓練からお話します。


ただ単にトイレトレーを置いてアレコレ言っても犬には意味が分かりません。

まずはどこでオシッコしても絶対に叱ったりしないで、その際中にずっと「チチチチ・・」などの音の関連付けをしておくことです。お庭でしても散歩中にしても、必ず音出して関連付けてください。また、音と同時に地面を指差すジェスチャーも犬に見せてください。

それをしばらく続けると、外で音を出しながら地面を指差すと、そこで条件反射でオシッコできるようになっていきます。

そうなってきたら、今度はお庭でオシッコさせる時にトイレトレーを持って行き置いて、そこを指差しながら音出ししてください。

そこで出来たら、もちろん音とジェスチャーでポンポンして褒めますが、出来なければ、芝生の上にオシッコが始まった瞬間に犬を抱え上げてトイレの上に乗せて、そのまま音とジェスチャーを出しながらオシッコの続きをさせて褒めます。

それが関連付けてこれたら、今度はお部屋のサークル内で練習です。

犬は興奮刺激で利尿脱糞作用が高まりますが、「オシッコがたまってきたかな」と思う時間に、サークルから出して少しだけコング遊び(犬にリードを付けてそれを持ってする)か、リーダーウォークをしましょう。

その興奮刺激で犬はオシッコしたくなりますので、犬をサークル内に誘導して、トイレへの指差しと指示音でうながします。成功したらもちろん指示音ジェスチャーでポンポン褒めます。

これによって、サークル内のトイレで排泄する習慣がついていきます。(お庭で排泄することを一切させないということではありません。両方で出来るようにしておくのが理想です。)


さて、続いてクレート(サークル)訓練ですが、今はまだ扉を閉めずに留守番させてください。

しかし、お休みの日は、扉を閉めて部屋から出たり、家から出て慣れさせる練習をしましょう。

いきなりレベルを上げるのは無理ですので、まずは同じ部屋に居てあげて、サークルの扉を閉めます。知らんぷりしてテレビを見たり本を読んだりされて、犬は一切かまったり声掛けしないでください。

扉を閉められることに慣れて落ち着いてきたら、ちょっとだけ部屋を出てみます。

最初は5秒出て戻る・・また出て10秒してまた戻る・・・とういうふうに、徐々にお部屋から出ている時間を長くしましょう。

そして、それに慣れてきたら、今度はお家から出てみましょう。最初は10秒出て戻る・・次は30秒・・・というふうに、これも徐々に出かける時間を長くしていきます。

いきなり良い結果は求めないで、少しずつ適応させるのと、無理なレベルだと感じたら少しレベルを下げてまた時間をかけてそこから慣れさせます。


さて、最後に一番重要なお話です。

トイレのしつけで「教えを聞きたくなる関係」「成功して褒められて嬉しくなる関係」、サークルの扉を閉めても「イライラ要求されない関係」

これらが、犬のしつけでは大前提になります。

どんなに優れたテクニックがあったとしても、犬との主従関係がなく手法の上塗りだけでは、効果が半減したり逆効果になることもあります。

だから、ドッグトレーナーの前では良い子なのに家に帰るとまた問題を起こす・・・ということがよく起こります。

もちろん、何かトラブルがあって犬の中にトラウマとして残っている場合は、そうそう単純ではないのですが、主従関係があることで、犬も落ち着いたり飼い主さんの言うことを聞こうとする感覚が生まれるのも事実です。

それがあるかないかで、同じ手法で教えたとしても結果が全然違ってきます。

今回せっかく本教材をご購入いただきましたので、まずは犬との接し方をもう一度見直してみていただきたいのです。もう一度意識設定をしっかり整えて、関係作りを続けながら、今回の問題の直接的な練習も並行して続けていただきたいのです。

本書だけでなく、Q&Aサイトも必ず熟読されてください。読み込んでいく中で、犬の本質も知っていきますし、飼い主さんの意識改革が出来ます。

それでは、これから頑張って続けていきましょう(^_^)


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【著者:運営責任者】
犬のしつけアドバイザー
堀川春広
株式会社ホリページ代表取締役
https://www.horipage.com/
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