預けている時間が多いせいか信頼関係がイマイチに感じる犬のしつけ
本を購入させていただきましたばかりなのに、早々にメールしまして、申し訳ありません。
本を読んでホームページも見たのですが、私の場合は最初に何からやればいいのか、そして今やっていることは合っているのか、不安になりまして、メールを送ることにしました。よろしくお願い致します。
◯問題の内容:
私がやり初めたことですが、まず、頻繁に見て、声かけて撫で撫でしていたので、止めました。今は、完全に無視状態です。これは、このまま続けていいいでしょうか?
それと、室内でのリーダーウォークをしたのですが、リードでつながれるのが嫌なのか、横になって動きません。Q&Aで、バックしたらいいとあったので、やってみたら、無反応でした。
そのまま待てとこいの練習をしたらいいともあったので、やってみたら、こいで来ませんでした。なので、何もつけてない時によく私について来るので、私の前を歩いたら、向きを変えたり、止まったりしてます。これは効果かがあるようで、以前より、私の動きを見るようになったと思います。このやり方でもいいいでしょうか?
あとは、お座りの練習から始めてます。型をつくろうとするとサークル内に逃げるので、型をつくるのは止めてます。
あお向けは、わりとすんなりしてくれます。
今、初めたのはこれくらいです。
何か他にやるべきことがありますか?間違えてることととかありますか?犬を飼うのは初めてで、自分のやってることに自信がもてなくて不安です。いかがでしょうか?
◯愛犬の犬種:シーズー
◯年齢・月齢:1歳4カ月
◯性別:雌
◯飼い初めと動機:
飼い初めて、1年と2カ月。動機は、会社の人が飼い犬に子供を生ませたいということで、飼ってみないかと声をかけられたこと。今まで犬と触れ合ったことはなかったんですが、犬との生活に憧れはあったので、飼うことにしました。
◯家族構成:私のみ(30代女性)
◯愛犬との同居時間:7時間ぐらい
◯過去の接し方と、1日の流れ:
①時間がある時に、ぬいぐるみや音の鳴るゴムのおもちゃなどを投げる遊び
②時間はきめずにご褒美を使っての、お座りと待てとふせの練習。トイレがちゃんと出来た時やお座りなどが出来た時に、褒め方は高い声でリアクションを大きめで撫で撫でする。トイレの失敗で、そこにつれて行って、叱り方は、おしりをたたいて、ダメだと言う。
③おやつはあげてます。これからもあげたいのですが、止めないといけませんでしょうか?撫で撫でと声かけはしてました。抱っこは家の中だと、嫌がって降りたがるので、あまりしていませんでした。
④散歩は習慣になるとのことで、してませんでした。でも、最近、習慣にならない程度にと考えて何日かおきに家の前の駐車場を少し歩きます。怖がってるので、10分ぐらいです。
⑤5時に起きて私の朝の準備の合間に少しフードとおやつを食べたり遊ぶ。8時に出勤の18時帰宅で、9時頃にごはんで、時間の合間に遊ぶ。10~12時に就寝。こんな感じです。
⑥写真添付します
今まで一緒に暮らしてきまして、大きな問題は起こさない良い子なのですが、信頼関係が築けてないのを感じてきました。
私が、家を空ける時は頂いた方に預かってもらっているのですが、そこではとてもやんちゃで楽しそうで(親と兄弟がいます)、その方にとても甘えているようです。
私が、気が弱い性格なので、リーダーだと認めてもらえず、そのため、ストレスを感じさせてるだろうなと思ってました。
私が悪いのは分かるんですが、どうしたらいいいのか分からず悩んでいたところに堀川さんのホームページに出会いました。犬との信頼関係を築くことに焦点をあてているところが、まさに私が探し求めていたことでした。
これから、頑張っていこうと思いますので、よろしくお願い申し上げます。最後に、おかしな文章になっている所もあるかと思います。申し訳ありません。
頑張っておられますね(^_^)
今回は、もともと問題行動があるわけでもありませんし、シーズーちゃんの素性も良い子で良かったです。
ただ、生活環境が少し特殊ですので、ここで一度、ライフスタイルや犬との暮らし方を根本的に見直すことも必要かもしれません。
少し冷静に考えてみますと、犬の立場になってみた場合に、犬がどのように感じるだろうか、ということがあります。
もともとの生家にほぼ毎日通い、自宅と行ったり来たりしていますが、もともとシーズーちゃんにとってみれば、そこは自分が生まれ育った場所であり、親兄弟と今も一緒に過ごせます。
そして、自宅で飼い主さんと過ごしている以上の(濃密な)時間を、そこで過ごしているわけです。
客観的に見た場合、その子にとっては、実は今も生家が本来の居場所であり、飼い主さんの自宅には一時的に行っているだけ、という感覚かもしれません。
しかも、生家でブリーディングされた方のほうが、その子にとってのリーダーのような位置づけのままかもしれません。
今回、飼い主さんがどんなに頑張ったとしても、今と環境が変わらないのであれば、関係の変化はかなり難しいのではないかと思います。
本当にその子と信頼関係・主従関係を深めるためには、もちろんご努力も必要ですし、ご自分が変わらなければいけない部分もあります。
ですが、それだけでなく、環境も変えないといけません。
それを、どうとらえるかになります。
その子のことだけを考えれば、生家で親兄弟や元の飼い主さんと暮らすほうが楽しく安心できる環境かもしれませんし、今のご自宅と行ったり来たりで環境が安定しないのもストレスになります。
しかしそう言ってしまうと、「じゃ~最初から犬を飼わないほうが良かった」となってしまいます。
でも、犬を飼うとお決めになられた以上、そして「この子と関係を深めたい」と思われるのであれば、
『生家には預けないで、ご自分ですべて面倒を見る』
ということが必要になってきます。
もちろん、例えば冠婚葬祭であったり、お泊りで出かけたりなどしなければいけない時は、ペットホテル代わりに預かっていただいたり、たまに遊びに行くなどは全然OKです。
例えば、まだ生後2・3か月くらいで消化器官が未熟な時期は、食事回数を分けたりトイレのお掃除なども頻繁に必要ですので、長すぎる留守番は良くないですが、もうこの年齢になれば留守番は普通にできますので(しつけや慣れは必要です)、生家に毎日預けるのをお止めになってみてはいかがでしょうか。
もちろん、その分、遊び時間が減るわけですので、ご自宅でご自分で補ってあげないといけませんし、お散歩していなかったのも問題です。(増やさないといけません)
生活習慣も、しつけ(接し方)も変わりますので、犬としては面白くなく、最初はストレスが出ると思いますが、そこで一喜一憂されないで根気よく続けられるかどうかになります。
では、そうやって続けていただくご覚悟が出来た、その後の進め方です。
まず、現状でシーズーちゃんには、特に問題行動はないわけですよね。
ですので、あまりアレコレ無理に変えないことです。
変えないで良い部分もあるでしょうし、変える場合は少しずつです。
まず、お散歩は行きましょう。
いろんな人や物や動物に慣れておくことは重要です。
そうでないと、家の中に居ても、外の未知の恐怖(音や臭いなどの気配)に過敏になり、吠え癖が強くなったりします。
有酸素運動は健康にとても良いです。
ですが、今回いきなりリーダーウォークをされて犬が動かなくなってしまったように、その犬にとって急に難しいことをやってはいけません。
まだ首輪やリードに慣れてもいない時点では、難し過ぎたのです。
まずは、リードを着けてそれを飼い主さんが持って、団らんしたりコング遊びするだけ・・・という感じで良いのです。
そして、リードを気にしない感じになってきたら、少しゆっくり歩いてみる・・・それに慣れたらリーダーウォークの要素を強くしていく・・・
というような段階を作ってあげると良いです。
あるいは、『犬にリードは着けるけど、持たないでプラプラ自由に動かせる』、ということから始めても良いです。
「リードを着けられて制御される」ということ自体が、その子にとって経験不足で嫌なことになってしまっています。
ですので、もう少しハードルを下げてあげれば良いです。
>効果があるようで、以前より、私の動きを見るようになったと思います。このやり方でもいいいでしょうか?・・
↑これはこれで良い事ですので、続けてください。
ただ、お話ししたように、リードに慣れてお散歩できるということも必要なことですので、それも優しいレベルから始めてください。
>型をつくるのは止めてます・・
>ぬいぐるみや音の鳴るゴムのおもちゃなどを投げる遊び・・
↑日常生活の中で、スワレ・マテは絶対必要になってきます。
グルーミングや健康診断・病気予防の投薬、お掃除の時などなどで、必要な場面が出てきますし、関係作りそのものにも影響します。
ですが、これも優しいレベルから始めると良いです。
オモチャ投げの遊びができるということですので、投げるフリをしてから、投げる前にサッとスワレの型を作ってあげて、パッと指示音ジェスチャーで褒めてあげて、すぐにオモチャを投げてあげることです。
また、オモチャにヒモを付けて、回収(遊びを主導)しやすいようにすると良いです。
>オヤツはあげてます。これからもあげたいのですが、止めないといけませんでしょうか?・・
↑オヤツは止めましょう。
ドッグフード以外の食べ物は栄養バランスが崩れますが、ドッグフードをオヤツにするにしても、食べ物で釣ってはいけません。
食べ物で釣って犬を動かしている限り、犬との本当の関係が見えなくなってしまいます。これが一番怖いことです。
「良い関係がそれなりにできているんじゃないか」という錯覚に陥ってしまうのです。オヤツが無いと犬が行動しなかったり、信頼関係が保てないようであれば、それが本来の現状の関係レベルだということです。
犬にとってのご褒美は、『自分が認めた人から褒めてもらえること』になるようにしましょう。
それも、猫なで声でナデナデではなく、リーダーらしく堂々と、指示音ジェスチャーを関連付けながら、ポンポンポンして褒めてください。
もちろん、嬉しい感情は表現していただいて良いのですが、甲高い声で大げさに振る舞うような『下位の態度』ではいけません。
常にリーダーの自覚を忘れないで、優しさだけでなく、毅然さと主導性を一貫されてください。
本書とQ&Aの熟読によって、その知識と意識が深まっていきます。
それでは、またQ&Aを熟読いただきながら、頑張って続けていきましょう(^_^)