犬のしつけがQ&Aで分かる!

せまいマンションで子犬を飼う場合の環境としつけ方

質問内容
犬種:チワワ(♀)生後2ヶ月半。生後70日まで親兄弟と一緒に暮らしていました。家に迎えて10日程です。

家族は、夫、私ともに30代、小さい娘。

一日の流れ:私と娘は大抵家におります。主人は帰宅時間が遅く22時ころ。
チワワは基本はゲージにいて、朝、みんなが起きたら一度ゲージをあけ、しばらく遊ばせてからごはん。その他は時間ができたら構うというスタンスです。

ごはんは3回です。(ふやかしたドッグフード)
夜もごはんを食べさせる→しばらく遊ぶ→ゲージ

家に迎えて、すぐに堀川様の本を購入させて頂き、(来て3日位は怯えてごはんも食べなかったので、なるべくそっとしていました)「毅然とした態度」「抱っこ、なでなではしない」「仰向け固め」「主導権を握った遊び」「ごはん前のマテやお座り」などを心掛けています。

最近は首輪、リードをつけての「リーダーウォーク」への準備も始めました。(首輪はつけっぱなし、リードはゲージから出るときは つけます)おやつはあげていません。(心を鬼にして、構わないように心掛けてます。3歳の娘がもう一人増えたような気がしてきました・・・)

問題点?は環境です。

現在住んでいるマンションは基本ペット不可なので、小さいうちからきちんとしつけて、なるべく吠えさせないようにしようと思ったため、色々と探しているうちに堀川様の著書に出会いました。

マンションですが狭く、小さい子供もいる為、子供の遊び場と主人の寝床とチワワのゲージの場所が一つの部屋になってしまっています。(クレートも置きたいのですが、クレートを置くスペースがありません)

教えて頂きたいのは、こんな環境でも大丈夫なのかなぁということです。

写真ですが、散らかっている部屋でお恥ずかしいのですが現状を知ってもらう為あえて送ります。

チワワのゲージからは台所が見え、逆に言うと私も意識して目を背けていても、ゲージが視界に入ってしまうのです。

それに子供も遊ばない訳にはいかないので、しょっちゅう和室へ出入りすることになります。

要求吠えですが、そんなに激しくはないのですが、ゲージから出して少し遊んで戻した後、しばらく吠えます。必然的に台所に立つことが多いので、チワワと目が合う→出せと吠えることが 多くなりつつあるこの頃です。

ドアを閉めるか、もしくはゲージを布で全て覆ってしまうと5分程度?で静かになりますが、果たしてこの方法で良いのかと言うのも心配です。(ちなみに一度鳴き止めばゲージでおとなしくしており、今のところ夜中や帰宅時なんかも吠えたりしません)

隣のおうちには、犬を飼った旨、うるさくしたら申し訳ないことは伝えているのですが(吠え声は全く聞こえてないみたいです)やはり気になります。

・この環境でも大丈夫なのか?

・吠える→ドアを閉めるかゲージを布で覆う でもOKなのか?(要求には応じません)

・そのうち要求吠えはなくなるのか?

が心配な点です。


<チワワが親兄弟といたときの様子>

3人兄弟オス2、メス1だったのですが、オスの2頭が激しくじゃれていてもチワワだけ入れないような感じで、いつも後ろで見ているタイプでした。他の2匹は私にすぐに近寄ってきてお腹も見せてくれていたけど家のチワワだけは、なかなかそばに来てくれることもせず、ましてやお腹も見せてくれず仰向けにしようものなら全力で拒否でした。

そして怖いからだと思いますが部屋に入っていくと必ずチワワが「ワン」と吠えることが多かったです。

<現在の様子>

仰向けは最初こそ嫌がっていましたが、今はだいぶリラックスしています。娘がやっても大丈夫です。主人がやっても抵抗はしませんが、しっぽは震えています。

甘噛みもしません。(遊んで調子に乗り始めるとやったりもしますがダメって言うとすぐやめます)

遊びは紐つきボールには食いつきますが、すぐ飽きてしまい他のおもちゃに目移りします。お座り、マテ、はだいぶできるようになりましたが、まだ私に視線は向けないし、命令を聞かないことも多々です。(型と取らせて褒めるはやっています。)
早い段階で、堀川様の著書に出会えたことには大変感謝しております。どうぞアドバイスの程、宜しくお願い致します。


返答内容
チワワちゃんは素性の良い子ですよ。目がキレイで頭が良いです。

臆病・警戒心は、動物にとって大切な本能です。頭が良い証拠です。本当に問題がある犬は、人を見るたびに歯をむき出して威嚇してくるような犬です。

子犬期や甘やかし後に、甘噛み・要求吠えすることはごく自然なことです。これから教えながら成長を待ってあげれば良いです。

さて環境ですが、クレートは置けるはずです。丈夫なクレートを選んで、その上にダンボール箱や収納ボックスを置けば、そこが物置になりますので、例えば現在床に置いている物(ドッグフードやグルーミンググッズ、子供のおもちゃ、ちょっとした家電物など)は、その中に置けば良いのです。

そして、それでもどうしても置けない場合は、ゲージの半分を木の板やダンボールで囲って巣穴感覚にしてあげてください。(半分は風通しの良い場所も確保する)

特に天井は、丈夫な木の板をくくり付けてください。犬も安心できますし、物置き場にすることができます。今のように布をかけるだけですと、これから犬が環境に慣れて体力もついてきて元気いっぱいになった時に、飛びついて布を噛んで引っ張って落とし、ビリビリに破いて飲み込んでしまったりします。


吠え対策に布をかけるのは有効です。

夏場は暑くならないようにエアコンをつけていただきたいですが、布は今のような物だと光を通します。そうではなくて、毛布などの厚手の布を掛けて、暗くて狭い巣穴感覚になるようにしてあげてください。

落ち着いて吠え止んだら、少しだけ開けて様子見・・・静かにできたらまた少し開けて様子見・・・というふうに段階を作りながら慣れさせていくと良いです。

部屋のドアを閉めるのも良いです。興奮の要素を取り除いて落ち着けてあげる必要もありますし、知能が上がってくれば「吠えるとかまってもらえないんだ」「良い子に出来たらかまってもらえるんだ」ということを理解していきます。

今はまだ知能が低すぎて理解できません。甘噛みのしつけなどもそうですが、早く結果を出そうと無理しても理解できず、犬の防衛本能をあおってしまうだけになるので、結果を急がず淡々とコツコツ続けることです。

犬の吠えは「何もしなくてもいずれ直る」ということはありません。その個体によって様々ですが、犬によっては「退屈吠え」「遊び吠え」「要求吠え」として癖になります。

そういう癖を付けさせないように、お話した布掛けや、Q&Aサイトで解説しているように注意音を出しながら「口閉じ・首輪やリードをチョンと引き上げる・リーダーウォーク・あお向け」を併用して教えていかなければいけません。月齢や進捗状況、犬との相性で使い分けていきましょう。

そして大前提が、要求させない主従関係作りです。

それなくして、調教の上塗りだけでは、何の解決にもならず犬のストレスが増すだけです。

これも本書・Q&Aでたくさん解説しているように、普段の何気ない接し方を工夫し、主導型の遊びから始めてください。


さて環境に戻りますが、畳の部屋は工夫してください。オシッコや水汚れなどもありますので、まずビニール系の水を通さないシートを敷いて、その上に滑らないように絨毯やマットを敷きましょう。

ゴム系の滑らないシートなら一石二鳥です。

チワワは脱臼しやすい犬種ですが、さらに子犬はリスクが高いです。滑りやすい床で遊んだりさせないようにされてください。成長期の関節形成不全も心配です。

同じ理由で、高い場所にも乗せないでください。

お写真を拝見しますと、ソファーの上に乗っているようです。写真を撮るために乗せただけならば良いのですが、普段は乗せないでください。

脱臼や骨折しやすいのと、主従関係を誤解する犬もいます。犬がソファーの上に乗り、人が床に居る構図は良くありません。犬が自分の立場を誤解しやすいです。


>お座り、マテ、はだいぶできるようになりましたが、まだ私に視線は向けないし、命令を聞かないことも多々です。

↑この月齢の犬の知能では、できないのが当たり前です。無理してたくさん教え過ぎたり、できるまで強引にやり続けるのは要注意です。無駄にイライラして信頼関係も失ってしまいます。

遊び半分で良いですので、こちらから型を作ってあげてそこに指示音ジェスチャーで褒める・・・でも結果は期待しない・・・指示だけで結果を得ようとしないで、今はひたすら型を作ってあげて教える・・・というスタンスでいてください。

それをスキンシップや遊びの一環にすれば良いです。物事も覚えますし、主導性も示せますので、毅然さを保ってやれば主従関係作りにもなります。

3か月過ぎたら、犬にリードを付けてそれを持って、団らんしたり遊んだりしながら、その中で時々一緒に歩いてみて、お散歩デビューの練習をしましょう。

4か月過ぎたら、少しずつリーダーウォークに近づけていきましょう。


では今日は以上ですが、ご夫婦で必ず本書とQ&Aサイトを全体的に熟読されてください。

それと、月齢の低い子犬が来たばかりで、これから寒い季節でもあります。健康第一で気を配ってください。良く観察(横目でチラチラ見たり鏡に映す)して何か気になったことがあったら、すぐ獣医さんに診てもらうことです。

タイミング的に子犬の健診はされましたか?

咳・鼻水・クシャミ・下痢・フラツキ・高熱など、注意して観察は続けてください。

それでは、これから頑張って続けていきましょう(^_^)


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【著者:運営責任者】
犬のしつけアドバイザー
堀川春広
株式会社ホリページ代表取締役
https://www.horipage.com/
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