犬が散歩の帰り道で止まって動かなくなる場合のしつけ方
堀川様、先日はうちの犬の引っ張り癖の相談に乗ってくださり本当にありがとうございました。
毎日の服従訓練など、ご本に書いてある通りにして訓練士の方に勧めていただいたeasy walkというタスキを付けましたら、嘘のように引っ張らなくなりました。
それでも付いて!のような掛け声は必要とのことでしたので、それをしながら楽に散歩を楽しめると喜んでいました。が、それもつかの間、今度は座り込みをするようになりました。
朝の散歩の時には、行きたい方向に行かせろと座り込みをしても強い態度でのぞめばいうことを聞いてくれるのですが、午後に毎日ではありませんが、仲間の犬が原っぱにいた時にはリードを外してあそばせるのです。
どの犬とも大喜びで遊んで走ってそれはよいのですが、その後そこから帰る時が地獄になります。誰が手伝ってくれても動きません。
そこを離れたくないし疲れてもいるのだとは思いますが、今日もやっとの事で原っぱを出ても帰り道に座り込み、果てには寝転がり頑として動きません。引きずろうが餌で釣ろうがビクともしません。
犬はまだ8ヶ月なので疲れさせ過ぎたのでしょうか。でも他の犬も帰り道が一緒であればちゃんと歩いてくれます。
家では言うことを聴いていても、外で私の言うことなどまるで無視です。訓練士との稽古の時はバイバイと言って走って隠れると飛んで追って来たものですが待てど暮らせど来ません。
この頑固な態度をするようになってから、午後の散歩は出かけるのが怖くなります。5分の距離を30分もかかるのですから。
これも反抗期なのか、他に理由があるのかどうかアドバイスをお願い致します。
頑張っておられますね(^_^)
症状としては、反抗期の典型的な反応になります。
犬は7・8カ月くらいから急激に知能が上がっていきますが、まだ主従関係が確立する時期ではありませんし、経験も足りませんので、ズル賢さだけが目立ってしまう時期なのです。
単純に、「もっと遊びたい」という気持ちもありますし、本能的に親離れの意識が芽生えるので、普段の反応も変わる時があります。
ここが踏ん張りどころです。
今までの時期は、飼い主さんは親犬として見られていた立場でしたが、ここからは毅然とした強いリーダーシップを持った相手に犬は惹かれるようになっていきます。
もちろん個体差もあります。
ずっと幼いままで飼い主さんに甘えて変わらない子もいますが、多くの犬は、この時期から変わっていきます。
ただそれも、過渡期なので、混乱が多いのです。
落ち着くとまた元に戻るケースが多いですし、知能が上がり経験も増えますので、飼い主さんがきちんと一貫出来れば、ドンドン良い関係になっていきます。
さて、今回のような場合の対処法ですが、逆にマテを教えると良いです。
犬が止まって動かない場合は、ムキになって動かそうとするのではなく、犬の行動を逆に利用してやれば良いのです。
犬が動かない場合は、マテの指示音ジェスチャーで動きを止め、数歩先で少し離れて(リードは着けて持っておく)、マテをさせたままにしてください。
※無駄に触ったり声掛けしたり食べ物を使ったりなど、過干渉をしない!
そうしていると、今度は犬が動きたくなってジリジリ・ソワソワしてきますので、そのタイミングでコイの指示音ジェスチャーを出しながら、リードを軽く引いて誘導してあげてください。
犬が来たら毅然と褒めながら、そのまま止まらないで歩き続けます。
その中で、犬がまた止まったら、またマテの指示で動きを止めて・・・・
という繰り返しになります。
また、ある時は完全無視で切り返しもしてみてください。
対面してグイグイやってしまうと、嫌悪感が生まれたり、反射抵抗の作用でますます反発します。
目を合わせず完全無視で、毅然と続けることです。
知能が上がってきますので、「この人にはワガママは通用しない」ということを理解していきますし、条件反射も身についていきます。
本能的にも、毅然さと強さを持った相手に惹かれる感覚が強くなっていきます。
ここで、飼い主さんとしても子離れが出来ないと、犬から認められる存在になれません。
犬は『相手の雰囲気』を、ものすごく敏感に感じ取ります。
ご本人の意識が、自然と態度や振る舞いに現れます。
それと余談ですが、あまりしつけグッズを使われないことをおすすめいたします。
犬は知能が上がってきますので、「嫌な物を着けられる」ということを理解できる場合があります。
そうなると、それを付けようとする相手にも嫌悪感を持つことがあります。
特に、飼い主さん自体が変わらないでグッズに頼ってしまうと、余計に犬がギャップを感じてしまうので、そこは要注意です。
また、人間の心情としても、そういう表面的効果があると、ついついそれに頼ってしまって、態度や意識のほうが甘くなってしまうものです。
以前の私も、それで失敗した経験があります。
今回は、しっかり勉強されているので大丈夫と思いますが、確認のためにお話しいたしました。
ということで、10カ月くらいまでは期待されないで、毅然と続けてください。
犬も段々理解していきますので、たっぷり遊ばせたら、後はメリハリを持って毅然と対処されてください。
止まったらマテ・・・のやり方ですと、ちょっと手間はかかりますが、今は教えが必要な時期ですので、それも計算に入れて時間に余裕を持ってお出掛けください。
また、帰るルートも同じにされないで、別のルートから遠回りに帰ると良いです。お散歩コースのパターンをたくさん持っておくと良いです。直線的に帰らないで、横道にそれながら回って帰ると良いです。
それでは、またQ&Aを熟読いただきながら、頑張って続けていきましょう(^_^)
堀川様、早速のお返事ありがたく拝見させていただきました。
本当にこの時期、以前の仔犬状態から変化が見られます。
以前は私達の目の届く所にいつも陣取っていたのにひとりでテラスに出て遠くを見ていたり独立心のようなものが出てきていました。まだオシッコはメスのようにしますがそのうち片足を上げ出すのでしょう。
散歩の時も私達を試しているように感じることもしばしばです。
このままなし崩し的に今までの服従、信頼が崩れるのかとガッカリしていましたが過渡期、と言う言葉に希望を持つことができました。
午後の散歩も私が時間を気にしながら出かけると立ち往生にイライラしてしまうので余裕を持って出かけます。
いつでも忽然とした態度に勝るものはありませんね。
昨日は全てがまずい方向に行ってしまいました。私が先に突き放して原っぱから出て行ってもまた他の犬の飼い主が彼を構ってあげたりしてまた私が出て行く、などしたい放題にさせる結果になってしまいました。
座り込んだら座り込んだでこちらも知らないふりで待てをかけて待つ。そういう風に構えてみます。
この相談メールも、本を買った時だけだけかもと思っていましたが、このようにアドバイスをいただけて本当に嬉しいです。グッズもほどほどにいたします。笑。
ひとつ質問ですが、本に出ていた何度も使える骨のおやつですがあれは食べてしまうものなんですか?
先日購入はしたものの、そのまえにやった骨をプレスした骨の形のおやつを一気に食べて嘔吐、軟便に陥ったものであげるのをためらっております。
リッキー君のように長く噛んで遊んでくれるとよいのですが。
いつも頼れるアドバイス感謝しております。ありがとうございました。
骨型の形をしたスナックオヤツと、牛皮・豚皮のガムはまったくの別物です。
まずは原材料の成分を見て、必ず 牛皮・豚皮であることを確認されてください。
そして、小さい物だとすぐに噛み千切って飲み込んでしまうので、大型犬用の大きくてぶ厚い物を選ぶと良いです。
ただ、必須というわけではなく、ケージやクレートハウスやトイレへの破壊癖が強い場合への、破壊ストレス発散のためと思ってください。
良いガムが見つからなかったり、飲み込みが心配な場合は、天然コットンの歯磨きロープでも良いです。
また、一緒に遊ぶ時間にコングをたっぷり噛ませて遊ばせてあげて、それで発散できていればそれでOKです。
それでは、またQ&Aを熟読いただきながら、頑張って続けていきましょう(^_^)