犬のしつけがQ&Aで分かる!

子犬の散歩のしつけ・止まって歩かない・急に走り出す・他人との関わり方

質問内容
先日は、子犬ののサークルへの入れ方について(嫌がらせずに自分で入ってもらう訓練)教えていただき、ありがとうございました。まだ、残念ながら、留守番時に自分から入ることはないのですが、少なくとも暴れられずに扉を閉められるようにはなりました。(以前は、逃げようとする犬を無理やり押し込めなければならない状況もありました、、、)

最近は、散歩の足取りもしっかりしてきて、本格的にリーダーウォークを取り入れ始めようかと思っているところです。

さて、今日は、そんな散歩時にどうしたらいいものかと思う状況について、何点か相談させていただきたいと思いメールさせていただきました。

1.散歩のために外に出ると、なかなか歩き始めません。

犬を見ないようにリードを引っ張るのですが反応しないことが多いです。どうやって歩くように説得したらいいのでしょうか。
以前に、そのような状況は、待て、の練習に使えると教えていただいたのですが、なかなかそわそわと動きたくなることもないようです。リードは、1メートル程度の短いものなのですが、歩きにくいのでしょうか。

2.車や自転車、バイク等を見ると、すごいスピードで追いかけ始めます。

まだ子犬ですので、私がリードを引っ張れば止まらせられますし、一緒に走っても追いつく速さではあるのですが、このまま犬の好きなようにさせておいてはいけないのではないかと思っています。

犬に危険がないような状態で追いかけさせていますが、積極的にやめさせたほうがいいでしょうか。散歩の始めに犬が動かないことの反動で、走っているなら、今のうちに運動をさせてしまいたい、という気持ちもありまして、現在は、ある程度容認しています。

3.近所の犬好きの子どもたちとの遊ばせ方

子犬のいいところで、散歩で行く先々でいろんな人にかわいがってもらいます。撫でてもらったり、抱っこしてもらったり、犬がいれば挨拶をさせてもらったりしています。人に対してもだいぶ慣れてきたような感じがしていいのですが、悩ましいのは、犬に慣れている子どもたちにどこまで関わってもらうかです。

犬を飼ったことがあったり、近所の犬とよく遊んでいたりと、私よりも犬の扱いに慣れているような子どもたちに度々会います。私の犬を怖がらずに遊んでくれようとしてとてもうれしいことではあるのですが、リードを渡してくれ、と言われることが何回かありました。

公園の中等、もしも手を放しても大丈夫な場所であることを確認してから、私がそばについて、リードを渡しますが、犬の訓練上こういうことをしていいのだろうか、ととても悩ましいです。預けた子どもにけが等をさせないように、と細心の注意も払います。

子どもたちは犬のことをよく見て遊んでくれますし、犬もとても楽しそうに走り回って入るのですが、犬か子どもたちがあきるまで、遊ばせていてもいいのでしょうか。子どもたちとの遊ばせ方で何かアドバイスをいただけないでしょうか。

長くなりましたが、ご指導いただけると幸いです。
よろしくお願いします。

・問題の内容 上に書いた通りです。

・愛犬の犬種、年齢・月齢、性別、(飼い始めてからの年月日数や犬を飼うことになった動機なども)

パグ 3か月 メス 飼い始めて1か月です。

・ご家族全員の年代、性別、一日の愛犬との同居時間

私のみです。同居時間は、14時間程度です。(夜含む)

・過去の接し方と、一日の流れ ※①~⑥は必ずお知らせください

抱っこやむやみに撫でるなどは極力控えています。おすわり、によく反応できるようになりましたので、遊ぶとき(ボールを投げたり、おもちゃを渡したり)は、おすわりができてからにするようにしています。

【ポイント】(※本書を読む前の、以前の状況を正直にお知らせください)

以前にメールしてからの様子です。

①過去はどういうタイミングで、どういう「スキンシップ・遊び」をされてきましたか?

現在は、スキンシップとしては、散歩帰りに体を拭いてやるときに、仰向けにしてお腹を拭いてやったり、まだなかなか成功はしませんが、ブラッシングをしたり、歯磨きの真似事をしたり、耳掃除をしたり、と何かしら目的のある時に積極的に触ることが中心です。
私の食事中に足や靴下、ズボンを噛んで遊ぶのですが、度が過ぎるときには、仰向けにしてやります。

②過去はどういうタイミングで、どういう「しつけ・褒め方・叱り方」をされてきましたか?

私がしてほしい行動をしてくれたら、よーし、と体を撫でてやります。よーし、というだけの時もあります。私の足を噛むなど、叱りたいときはあるのですが、まだどのように叱ったらいいかわかりません。

③過去はオヤツ、抱っこ、猫なで声でナデナデなどされてきましたか?

おやつをやる回数は以前に比べてぐっと減りはしましたが、今現在も、おやつでつらないと犬を動かせない状況はあります。(上記の散歩時に動かなくなったとき等)
何もなく声をかけることはほとんどなくなりました。

④過去は散歩は何分、どんなやり方でしたか?

朝30分から1時間。昼30分、夜1時間程度

⑤過去は一日のタイムスケジュールはどんな流れでしたか?

朝6時 起床・散歩
7時 朝ごはん
8時から12時半 留守番
12時半 散歩
13時半から18時半 留守番
19時 散歩
20時ごろ 夜ご飯
21時から22時ごろ 就寝

⑥愛犬のハウス・トイレ周りの構成、放し飼い・つなぎ飼い環境など(なるべくお写真メール添付でお願いします) 
サークルの中に、ハウス・トイレ・水・骨ガム・おもちゃを入れています。


返答内容
頑張っておられますね。

今の月齢では、子犬には何も求めないで、特に外の世界ではアレコレさせなくて良いです。

今の段階では、あまりにも知能が低すぎて、経験を知性に変えることができないのです。大事なことはとにかく「慣れさせる」ということです。

犬が歩かなければ、そこで止まってノンビリ観察させれば良いのです。とにかく外で過ごす時間を確保して慣れさせることを目的にされてください。距離は歩く必要はありません。運動はお部屋でコング遊びでもできるからです。

ただし、注意点は↓これです。

>このまま犬の好きなようにさせて・・今のうちに運動をさせてしまいたい・・

↑これを続けてしまうと、主従関係が逆転する原因になりますし、どんどんエスカレートして散歩中はまったく言うことを聞かない犬になってしまいます。

ですので、スタンスとしては、「歩かないのなら無理に引かない・でも犬の引っ張りにも合わせない」という意識でいてください。

それと、犬が止まって歩かない時は、それを利用してマテを教えると良いです。そしてマテをずっとさせていると今度は犬が動きたくなってソワソワしてきますので、そのタイミングに合わせてコイやツケで誘導してください。

その繰り返しです。

また、もう少し体がしっかりしてきたら(4か月過ぎたら)リーダーウォークもできますし、バックで歩いてみてください。Uターンではなく、後ろ向きで歩くのです。

犬が止まったら、飼い主さんがバックで歩いて犬を追い越します。その動きにも犬は驚きますし、そのまま進むと犬がひっくり返ることになるので、あわててついて来ます。あまり強くしないで、ゆっくりそのままひっくり返してみてください。

4か月までは、「マテの教え→コイ・ツケ」を使ってください。

一緒に歩く練習は、外よりも興奮が少ないお部屋の中でたくさん練習してください。ただし、これもすぐに完成する月齢ではありませんので、犬にリードを付けて持って主導型のコング遊びを通して関係作りをして、その中で時々歩いたり、リーダーウォークのマネごとをやってみてください。


犬と他人との接触はとても良い事です。老若男女、いろんなタイプの人に会わせてください。経験の分だけストレスの少ない社交的な良い犬になります。

ただし、リードを子供に渡すのは止めてください。「まだ子犬で無理だからごめんね」と説明してあげてください。また、まだ骨格がしっかりしていませんので、全力疾走などは脱臼や関節形成不全の原因になります。それと、小型犬でましてや子犬の場合は、あやまって子供が踏んでしまう危険性があります。実際にそういう事故は多いです。致命傷になりますし、飼い主さんも子供も心の傷になってしまいます。

子供も子犬も、お互いに知能が低くて未熟ですので、いつか必ず事故が起こります。

他人との接触は、犬を触ってもらう程度にしてください。一番良いのは、首輪をつかんでスワレの型を作ってあげて、そこで褒めてもらうのが理想です。

成犬になって、呼び戻しもしっかり出来るようになったら、フリーでコング遊びなどしてもらっても良いです。

※小さい犬はトンビや鷹にさらわれることがあるので、フリーはNGです。また周囲に大型犬がいる場合も危険です。こちらのコングや大型犬が自分で遊んでいる物を奪うために、とっさに攻撃してくる場合があります。


【その他】

>私の食事中に足や靴下、ズボンを噛んで遊ぶのです・・
>私の足を噛むなど、叱りたいときはあるのですが・・

↑放し飼いはされないで、ご自分の腰にリードを1周縛って、そこに犬を付けていてください。犬が噛んだら「シ!」の音でリードをチョンと引き上げて注意してください。


>よーし、と体を撫でてやります。よーし、というだけ・・

↑褒める時は、必ず指示音ジェスチャーを関連付けて褒めてください。それと猫なで声でナデナデや大げさにしないで、リーダーらしい態度で静かに堂々とポンポンポンで褒めてください。


>今現在も、おやつでつらないと犬を動かせない状況はあります。(上記の散歩時に動かなくなったとき等)・・

↑オヤツは止めて、先ほどお話した内容でやってみてください。


一日のタイムスケジュールを拝見しますと、ご飯の回数が一日二回でしょうか。この月齢では少なすぎます。一日の総量は同じで、それを回数を増やして(3回以上に)分散してください。

理由は、血糖値の変動が激しすぎる、消化に悪い、胃ねん転・腸ねん転にならないように。

ショップやブリーダーは、子犬を売りたいので「お仕事されている飼い主さんでも、1日二回で大丈夫ですので子犬は飼えますよ」と言うのです。それは「健康的に飼える」という意味ではなく、「死なない程度に飼える」という意味です。

6か月過ぎるまでは、食事は一日3回以上にしてください・・・


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【著者:運営責任者】
犬のしつけアドバイザー
堀川春広
株式会社ホリページ代表取締役
https://www.horipage.com/
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