犬のしつけがQ&Aで分かる!

散歩でリードを付けようとすると逃げて唸る犬のしつけ

質問内容こんにちは。本書読ませていただきました。

2歳になったばかりの雌のプードル犬(体重3.5キロ)についてご相談いたします。

犬は散歩が大好きで、「散歩に行くよ」と言うと、とても喜びます。しかしリード(前足を入れて輪を頭をくぐらせる布製ハーネス)を付けようとすると逃げ回ります。

無理に装着させようとすると唸ります。ここ一週間位この状態が続いています。

どのように対応すればよいか、ご指導下さいますようよろしくお願い致します。

 

返答内容

まず、表面上の対処法ばかりに気を取られないことです。「散歩は喜ぶ・・でもリードは嫌い・・」ということは、コントロールされることを嫌がっているわけです。

例えば、首輪がチョーク式などの場合は、頭の良い犬は見抜いてその装着をかたくなに拒否しますが、ボディハーネスの場合は優しく、むしろ犬のほうに有利に力が作用します。

本当は、骨格や気管の弱い年老いた犬や病気の犬に使う物です。犬に有利に働くので引っ張りが強くなることもあります。もし普通の首輪をお持ちでしたら、それに戻してください。(無理に買う必要はないです)

さて、お話戻りますが、「リードを嫌がらない対処法」を求めるのではなく、「何をされても嫌がらない関係作り」をしなければいけない・・ということに気付いていただきたいのです。

そうしないと、「ブラッシングを嫌がる」「足ふきを嫌がる」「何でも気に入らないことは唸る・吠える・噛む」「散歩で引っ張る」「言う事聞かない」というように、犬に関するあらゆることに問題が発生し、その度に表面上の対処法を追いかけないといけないことになります。

そうなってしまう原因が、飼い主さんの普段の何気ない接し方や態度(主従関係作り)が根本になっていることにも気付かないといけないのです。

犬が飼い主さんを認め信頼していたならば、指示に従って褒められることは喜びです。

犬にスワレをさせポンポン褒めます。そのままマテをさせポンポン褒めます。マテをさせたままハーネス(リード)を付けポンポン褒めます。楽しい散歩に行けます・・犬にとっては嬉しいことばかりです。

ですが、これが関係作りができていない人だったらどうでしょう。「散歩は好き・・でもこの人に主導されるのが嫌・・だからハーネスを付けるのは嫌・・」ということになってしまいます。

こういう背景に気付いて自分の過去の接し方を省みないといけないのです。

中には特殊なケースもまれにあります。家族の誰か、もしくは訓練士から強引にハーネスを付けられ激しく調教された・・という過去の嫌な学習があれば嫌がることもあります。

ですが、そういうことが無ければ、これは明らかに主従関係の崩れになります。

ちなみに余談ですが、「犬がシッポを振っているから喜んでいる・・」とは限りません。犬は怒っていても緊張していても、「興奮」でシッポを振ります。

ですので「散歩行くよ」の声掛けでシッポを振った時は、必ずしも嬉しいとは限りません。ただ単に、外の世界の興奮と関連付けられて、興奮がよみがえりシッポを振っているのかもしれません。

もし次回ご相談いただく際は、メールサポート要領の項目をお知らせくださいませ。私に送らなくてもそれをまとめているだけでもご自分の修正点に気付くことも多いでしょう。Q&Aサイトでも同じようなケースをたくさん解説しています。

今後の進め方ですが、まずは普段の何気ない接し方から根本的に見直して改善されてください。決して表面上の手法の上塗りだけで解決しようとされないことです。それでは永遠に結果は出ませんし、関係作りも出来ません。

そして、リーダーウォークを中心にしましょう。まずは余計な興奮が少ない家の中でタップリしてください。

犬から唸られてビクビクしていると、犬は余計に面白がったり見下したり緊張興奮が伝播します。そうならないように、また万が一噛まれてもケガしないように、作業用の革手袋を買うと良いです。ホームセンターで500円くらいで買えます。

唸られても気にしないで、淡々とリードを付けて淡々とリーダーウォークを続けてください。これも手法のキレイさにこだわらず、形にこだわらず、ご自分の毅然さと主導性をとにかく強く意識して犬に示してください。

毎日毎日示し続けて、犬が認め根負けするまで続けないといけません。本当に根競べです。

難しいテクニックなど要りません。「自分がリーダーなんだ・・君の好き勝手は許さないよ・・」という意識を強く強く念じて続けてください。

毎日続けることで、それが自然にできるようになっていきます。犬も「この人にはかなわない・・わがままは通じない・・」ということをちゃんと学習していきます。社会性のある哺乳類は、ちゃんと理解できる本能を持っています。

普段の何気ない接触も同じです。接することが悪いのではないのです。毅然さと主導性を持って接してほしいのです。

オテでもスワレでも何でも良いので何か指示を出し、犬が出来たらポンポン褒めてあげる・・指示で出来なければ型を作ってあげて教えて褒める・・そういう接し方なら、スキンシップもとれますし物事も覚えますし関係作りも出来るわけです。

まずは、ご自分の意識改革です。本書・Q&Aサイトを何度も何度も熟読してください。接し方も自然と変わりますし、リーダーウォークも少しずつ展開していってください。

もう2歳ですので、ある程度関係や習慣も定着しているはずです。激変するとお互いストレスになると思いますので、急に変えないで、少しずつ優しいレベルから展開していきましょう・・・

 

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【著者:運営責任者】
犬のしつけアドバイザー
堀川春広
株式会社ホリページ代表取締役
https://www.horipage.com/
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