犬のしつけがQ&Aで分かる!

犬のしつけでウンチまみれにならない方法

質問内容
①犬の問題の内容

オシッコをシートではない場所にします。ウンチも3回に1回は失敗します。

じゃれて甘噛みをしてきます。常に舐めます。やめろと言ってもしつこくしてきます。

人が何か食べると、しつこく食べようとする。ダメと叱って、絶対にあげません。

家で放し飼いにしているので、テーブルに乗らないようイスはテーブルから離しておいているのですが、うっかり椅子とテーブルを近くにしているとみていない時にテーブルに乗ってちらかします。

②愛犬の犬種、年齢・月齢、性別、(飼い始めてからの年月日数や犬を飼うことになった動機なども)

トイプードル、9か月、オス。実家で飼うはずだったが、高齢の猫がいて犬と相性が悪く、猫が具合悪くなったため引き取ることになった。

③ご家族全員の年代、性別、一日の愛犬との同居時間

父、40代、男、1,2時間
母(私)、40代、女、2,3時間
長女と次女が小学生

④本書を読む前は、どういうタイミングで、どういう「スキンシップ・遊び」をされてきましたか?

朝夕方 散歩10分ほど、犬が先を歩く感じ。
次女に常にまとわりついて噛む、飛びついてじゃれる(次女は嫌がる)。
抱っこや膝にのせて眠ったりします。
誰も相手にしないと、ひとりでクッションやスリッパなどで遊びます。

⑤本書を読む前は、どういうタイミングで、どういう「しつけ・褒め方・叱り方」をされてきましたか?

食事の前にお座り、お手。できるまで、できたら「よし」で食べる。
ケージがあったときは、ケージから出す前に「待て」できたら開けて褒める(今は放し飼いです)。
噛んだり、まとわりがしつこかったりすると、口を押えたり、顎を押さえたりします。
おしっこをシートじゃないところですると、叱っていました。
無駄に吠えると、叱ります。

⑥本書を読む前は、オヤツ、抱っこ、猫なで声でナデナデなどされてきましたか?

おやつは、今もたまににぼしをあげます。抱っこもします。可愛いときは、ナデナデします。

⑦本書を読む前は、散歩は何分、どんなやり方でしたか?

朝と夕方10分程度、犬が先に歩く。まず庭でウンチとおしっこをしてから出発。

⑧本書を読む前は、一日のタイムスケジュールはどんな流れでしたか?

5時半~6時半 散歩10分
帰宅後 朝ごはん
家族がいない間は、犬はひとりで過ごします
叔母が昼間に一度見に来ます(水がなかったら補充してくれます)
15時~16時 次女帰宅 遊ぶ
17時~18時 散歩10分
帰宅後 夜ごはん
家族とじゃれる、近くで寝ている、ひとりで遊ぶなどして過ごす
10時ころ就寝

⑨愛犬のハウス・トイレ周りの構成、放し飼い・つなぎ飼い環境など(なるべくお写真メール添付でお願いします)

キャリー用のソフトケージ、または、床置きソファで冬場は寝ていたようです。夏は、床で寝たり、ケージに入ったり、ソファで寝たりしています。

トイレは2か所。リビングの角2か所にシートを置いています。放し飼い。

⑩その他

散歩のときにリードウォークを私だけやっています。
家族も本を読んでいますが、特に何もしていません。
初めに必ず、お座りをさせます。
餌の時に、お座り、お手、お替り、伏せ、待て、1分待たせてから「よし」といいます。
噛むと口を押えます。しつこいようなら首を押さえつけます。
私には、噛んだり、ダメと言ったことはしつこくしてきませんが、長女や次女にしつこくします。
主人にも噛んだりしますが、怒ると怖いので、すぐお腹を見せています。

以前はケージに入れてましたが、オシッコとウンチまみれになるので掃除が大変で放し飼いにしました。

ケージの中ではトイレにちゃんとするのですが、家族が起きてくると嬉しくて出してほしくてケージの中を走り回り、ウンチを踏みつけ飛び散らかしました。

放し飼いにしてからは掃除は楽ですが、失敗やシートがないところにオシッコをするようになったので、困っています。

夏になり、最近すごく暑いので散歩も行ってないです。庭に少し放す程度。

ハウスやケージをまた設置しようかと考えていますが、ウンチまみれになるのは大変なので、ちゃんとトイレにしてくれるよう、またウンチを上手にさせるにはどうしたらよいか教えていただきたいです。

よろしくお願いいたします。


返答内容
頑張っておられますね(^_^)

今回は、トイプードル君がおかれてきた生い立ち・環境や、子犬としての現状も理解してあげながら、環境を整え、一工夫し、根気良く教えてあげてください。

まず、その子にとっては、今までの生い立ちも影響があります。

生まれてから今まで、何度も家族と別れたり、引っ越しをしてきたわけですが、子犬にとってみると、それはとても強い緊張・興奮・不安ストレスを抱える要因になっています。

さらに、生後9カ月ということで、反抗期の末期にきています。

とてもイライラ興奮しやすく、成犬としての本能も強く出てきます。その割に、まだ経験不足で関係作りも出来ていませんので、悪いところだけが目立ちやすい時期なのです。

まだ一歳くらいまでは落ち着きませんし、色々変化がある時期ですので、それは理解した上で接してあげていただきたいと思います。


さて、では本題に入りますが、環境を整えて一工夫してあげます。

そして、トイレのしつけの基本形をコツコツ続けていきます。

まず環境ですが、本書の写真(下図)のように、クレートハウスとケージ柵を合体させて、寝床とトイレの区別をハッキリ付けてあげましょう。

http://osiete-wanwan.com/img/p25.png

例えば、ただ単にケージ柵の中にトイレシートだけ敷いてあっても、なかなか区別がつきにくいんですね。

そして、 クレートハウスとケージ柵を合体させることで、寝床側とトイレの距離も開きますので、ウンチ踏みのリスクが減ります。

また、シートだけですと、端にオシッコした場合に床面にこぼれてお掃除が大変ですので、メッシュカバー付きのトイレトレーがあったほうが良いです。トイレとしての区別もつきやすくなります。


そしてもう二つの工夫がありますが、まずはトイレの配置です。

例えば、トイレの配置が、お部屋の出入り口側にあると、家族が入ってきた瞬間に犬は家族に一番近付ける位置に移動しながらピョンピョン跳ねたり右往左往します。それでウンチを踏んでしまいます。

ですので、トイレの位置は家族から一番遠い位置に配置しましょう。


そしてもう一つは、下図のように、トイレへの通路を半分だけ仕切ります。

http://osiete-wanwan.com/p24.png

↑この図のように、クレート側とトイレ側の通路を、半分だけ仕切ります。

通路の寸法を測り、その半分の大きさの金属柵をホームセンターで買い、ヒモや針金でくくり付けましょう。

柵を付ける側は、お部屋の中心側です。犬が家族に向かって飛びついてくる側です。

反対に、お部屋の壁側(奥側)の通路を開けておき、いつでもオシッコ・ウンチが出来るようにしておきます。


続いて、しつけの面になります。

まずは、本書とQ&Aに書いてある基本形をしっかり続けてください。

どこで排泄してしまっても、絶対に叱らないで、「チチチチ・・」の指示音の関連付けに注力します。

犬のしつけでトイレだけでは、絶対に叱ってはいけません。

犬の知能では、「場所の失敗で叱られた」ということが理解できませんので、排泄の行為自体と叱られたことを結び付けてしまい、ますます隠れて粗相するようになってしまいます。

まずはしばらく、排泄の行為と指示音をしっかり関連付けします。

そうしたら、排泄しやすい条件(※)を作って、トイレへの指さしジェスチャー(もしくはリード)で誘導して、指示音で排泄をうながしてください。

(※) 排泄しやすい条件 というのは、起床後、食後、ケージから出た瞬間や遊び始めの興奮刺激、になります。

そうすることで成功率が高まります。

成功したら、もちろん指示音や犬の名前でしっかり褒めてあげてください。

犬も嬉しくなりますし、事前にオシッコやウンチをさせて回収しておくこと(出し切っておくこと)ができますので、失敗する要素が減っていきます。

それを続けることで、定着していきます。

(褒められて嬉しくなる関係作りが大前提ですので、そちらも並行して続けてください)


さらにもう一つの要素がありますが、まだ子犬で知能が低く、落ち着きもないということが影響しています。

もともと、犬もキレイ好きと言いますか、わざわざウンチやオシッコを踏んで汚れたくはないので、冷静でいられるときは、わざわざ踏んだりはしません。

今はまだ、あらゆることに経験不足で、興奮してパニックになってしまうから、ジタバタして踏んでしまいます。

家族にも慣れて、一緒に居るのが当たり前の良い関係になり、知能も経験値も上がってくることで、全然変わっていきます。

ですので、家族の接し方やしつけ全体も関わっているのです。


さて最後ですが、今は真夏で熱中症も危険ですので仕方ないのですが、真夏以外は、朝晩のお散歩が10分というのは短いです。

お部屋のトイレで排泄できれば、お散歩の回数は一日一回でOKですが、時間が短すぎます。

最低30分、出来れば1時間くらい、ゆっくり歩きで良いですので、もう少し運動量を確保していただきたいです。

暑さや悪天候で行けない場合は、エアコンがしっかり効いたお部屋や家の中で、リーダーウォークでの疑似散歩や主導型コング遊びで運動量を確保していただきたいと思います。

運動不足でストレスがたまることでも、落ち着きがない、トイレの失敗や噛み付き、しつけが全体的に効果が出ない、ということに影響があります。


(その他)

>次女に常にまとわりついて噛む、飛びついてじゃれる(次女は嫌がる) ・・

↑家族で団らんする時などは、奥様かご主人が、犬にリードを着けて持っておくようにしましょう。

そして、リードを活用して注意します。

「トイレのしつけで、マメに連れて行き、指示で排泄させておく・・」というお話もいたしましたので、誘導しやすいように、どっちみちリードを着けて持っておかないといけません。

コング遊びで主導もしやすくなります。

その中で、もし犬が子供に飛びついたり甘噛みしてきたら、「シ!」の注意音と同時に、リードをチョンと引き上げて、引き離しながら注意します。

それをコツコツ繰り返してください。

また、これも先ほどお話ししたように、運動不足や反抗期(ホルモンバランス)のイライラも影響します。知能の低さ、幼さ、経験不足も影響しています。

あとは、お嬢さんにも犬の特性を良く解説してあげて、毅然さと主導性を失わないように教えてあげてください。


それでは、またQ&Aを熟読いただきながら、
頑張って続けていきましょう(^_^)


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【著者:運営責任者】
犬のしつけアドバイザー
堀川春広
株式会社ホリページ代表取締役
https://www.horipage.com/
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