犬のしつけがQ&Aで分かる!

サークルの中でトイレができない犬のしつけ

質問内容堀川様、初めまして。資料いただきました。わかりやすかったです。

よろしくお願いいたします。

・愛犬の犬種:トイプードル
・性別:オス
・生後2カ月から飼い始め、現在7か月
・動機:犬が好きだから
・ご家族全員の年代、性別、一日の愛犬との同居時間
☆私(40代)女性、外出予定の無い日は終日同居
☆夫(40代)男性、土日以外は起床後5分、帰宅後20分程度

・問題の内容:

1.サークルの中でトイレができない。

家に来てすぐの頃に長い時間外出をしてしまい、帰ったらサークルのトイレが汚れていた。その日からトイレでトイレをしなくなった。

2.遊んでいるときも、持って来るが出さない。いけないものを口にいれた時も出さないので、無理に口を開こうとすると唸って噛み付く。

3.最近、家の中に私の靴を持って集める。

4.一人でお留守番を嫌がる。サークルはおしおき場所のようになっている。クレートの中は好きみたい。一人でお留守番だと、ガムも噛まないし、エサも食べないし、トイレもしない。

5.犬も人も大好きな子ですが、ドッグラン2回目で元気なシュナウザー犬に囲まれてキャンキャン鳴いたとき、私が近くに居なくてパニックに。以来、散歩中も他の犬にあまり興味を示さない。

6.私が自分自身に甘い為か、犬に厳しくするのが下手。気を使う。


・過去の接し方と、一日の流れ:

①過去の遊びは、気が向いたときに、ボール投げや人形を引っ張り合い。

②過去しつけは、ほとんど何もしていない。褒め方は、声を出して身体をさする。今まで叱っていない。ただ、落としたものを拾って走って逃げる遊び方をする癖があり、誤って画鋲を落としたものを加えたので、慌てて起こりながら出させようとしたら、うなって、噛まれた。

③過去も今もオヤツ(はちみつボーロ、ドギーマンのささみ)をコングに入れたりして与えている。抱っこ、ナデナデ、声かけなどは頻繁な方だと思う。

④散歩は20~30分、進路は私が決めるが、先を歩かせたり一緒に走ったりする。

⑤一日のタイムスケジュールは、
AM5:30起床、AM8時朝食(食べないことが多い)AM9時散歩(時間は決まっていないが午前中に1回)。
私が事務仕事中、足元で昼寝。昼食、室内で走って遊び、私が外出中はサークルで留守番、
家事をしている間は、自由にお部屋でウロチョロ。夜ご飯時、テレビを見てるときも自由。

⑥サークルの中にクレートを置いて、その横にトイレシート。


堀川さんの資料は、とてもわかりやすかったです。いかに飼い主の毅然とした態度が必要かも知りました。そこが私のとても苦手なところだったと思います。

今も、資料を読んだあとも、なかなか毅然とした態度が難しいです。わかっているのですが、私のメンタルの問題だと思います。この子のためにはそれが良いということを、もっと認識しないといけないと思います。

今は、トイレが教えられず、お互いに自信をなくしています。最高で7時間ねばってもサークルの中でトイレをしません。トイレをしやすいタイミングにサークルにいれてもしません。おもらしのようにした時を一度見逃してしまいました。

また、一度見ていたときに嬉しくて大声で褒めすぎたら、それからもしません。外に出しているときは、一定の場所でしてくれます。サークルの中ではしないです。

よろしくお願いします。

 

返答内容

犬好きな人にとっては、ベタベタ・ナデナデしたくなるのはごく自然なことです。

ましてや、お子様がいらっしゃらないご夫婦であればなおさらです。それはとても自然な感情です。

人間の大人であれば、そういったお相手のご事情は察して、適切な対応をとることができます。しかし、犬の知能ではそれは理解できません。悪い癖が定着し、人間との関係を誤解するだけになってしまいます。

この現実は受け止めないといけません。飼い主さんも成長し、自制しないといけません。それを乗り越えない限り、犬と暮らすことは出来ません。

良いんです。まだ本書をお買いいただいたばかりですので、無理でも良いんです。でも、今回学んで今までの間違いに気付かれたわけです。もうそれで成長されているのです。前進しているのです。

ゆっくり・ゆっくりで良いですので、本書・Q&Aサイト・私からのメールを熟読していただいて、少しずつマインドセットを変えていけば良いのです。自然に変わっていきますから、心配しないで大丈夫です。

今のトイプードル君ですが、変化が色々あるのは悲観されなくて良いです。7か月半くらいだと思いますが、ちょうど知能が高くなり始めた頃なので、すごく難しい時期です。

成犬としての権勢本能・自我・独立心・相手を見抜く視点が鋭くなってきます。でも経験が乏しいので、ズル賢さや悪い部分だけが目立ってしまう時期です。

そして、今後の分かれ道になる大事な時期です。ここでしっかり主従関係を示して、悪い習慣や間違った認識を与えないようにしないと、それが生涯の基準値になってしまいます。

そして、その基盤ができていないと、個別の問題行動に対する手法を使ったとしても、意味が無くなってしまうのです。トイレの教え方・吠え癖・噛み癖を直す方法を使ったとしても、犬が言うことを聞きたいと思える関係ができていないと、効果が出にくいのです。


さて、それをご理解いただいた前提でお話していきます。

(1)トイレ

>外に出しているときは、一定の場所でしてくれます・・

↑今まで通りそこでさせ、その時に「チチチチ」などの指示音を関連付けてください。今サークルの中にあるトイレトレー(メッシュカバー付で大きな物が望ましい)をいつもの場所に置いて、そこでさせて指示音ジェスチャーで褒めてください。それをしばらく続けます。

まずはいつもの場所で、「指示で排泄できる」という段階まで成功させてください。オシッコがたまっていて、食後やサークルから出してすぐの興奮タイミングであれば、いずれ指示でできるようになります。

これから関係作りも並行して頑張っていきますので、ちょうど先ほどの段階に来たときには、ある程度、犬が成功して褒められて嬉しい現象が起こります。

まずはその段階をしっかり作ってください。

それが浸透してきたら、そのトイレの場所を徐々に毎日サークルに近づけていくことです。毎日少しずつです。

そして最後は、そのトイレをサークルの中に入れて、そこで指示音ジェスチャーでさせてください。しなかったらいったん出して遊び→また入れて促し→しなかったらまた出して遊び・・・

を繰り返します。それでもどうしてもダメな場合は、またトイレをサークルの外に出してしばらく関係作りと指示音ジェスチャーの関連付けをして、数日後またサークル内でチャレンジです。

その教え・慣れ・関連付けをコツコツやっていきましょう。


(2・3・4)

普段放し飼いに近いでしょうか。今から激変して急に閉じ込めっぱなしにすると、お互いにストレスになります。少しずつ変えていきましょう。

まずは今までに近い状況で出してかまいません。(少しずつサークルに居させる時間は増やしていく)

ただし、出した時はリードをご自分の腰に一周縛って、そこに犬を付けておくことです。

これなら靴泥棒もできませんし、ダメな物を口に入れた時はリードをグッと引き上げて注意しながら、もう片手で取り出すことができます。

そして、必然的に犬の行動全体を主導することになるので、主従関係を自然と示していけます。

しばらくはコング遊びでも団らん時でも、リードを付けて持った状態で過ごされると良いです。そうやって関係作りもしていきながら、少しずつサークルに居させる時間を増やしていきましょう。

>クレートの中は好きみたい・・

↑本来は犬は好きなんです。巣穴感覚で落ち着けるんです。嫌がるのは、ウロウロ・チヤホヤが癖になったからです。サークルやクレートの良さが分かり、良い習慣が定着すれば犬はそこが好きになります。


(5)は気にされなくて良いです。他の犬や人に、吠えたり威嚇するのは問題ですが、あまり関心が無いのはそれはそれで良いです。

お散歩は続けていただいて、外の世界への慣れを維持できればそれで良いです。


(その他)

>引っ張り合いの遊び・・

↑本書で解説した通り、止めましょう。


>過去も今もオヤツ・・

↑栄養バランスが崩れますし、好き嫌いを覚えてドッグフードを食べなくなる犬が多いです。また、オヤツで犬の気を引いたりしてしまうと、本当の関係が見えなくなってしまい、それが一番怖いのです。

>抱っこ、ナデナデ、声かけなどは頻繁な方だと思う・・

↑犬は体位で関係を示します。緊急時以外は犬を抱っこしたり、人の体の上に乗せないことです。成犬になって、本当に主従関係が定着して、飼い主さん主導のもとで抱っこすることは否定しませんが、それまではガマンです。

団らんだって、となりにピッタリ寄り添わせれば、それで十分スキンシップになります。

犬の世界では、下位が上位にすり寄ってナメナメ挨拶します。「意味なくジロジロ見つめて猫なで声でナデナデ」は、その従属的な挨拶を飼い主さんがしてしまっているわけです。


>先を歩かせたり一緒に走ったりする・・

↑行動は全て飼い主さんが主導してください。


>AM8時朝食(食べないことが多い)・・

↑もう生後半年過ぎましたので、2回で良いです。昼・夜の2回で良いです。


>嬉しくて大声で褒めすぎたら・・

↑大げさに褒めても、犬の興奮をあおってしまうだけで犬は理解できません。褒める時は、必ず指示音ジェスチャーを関連付けながら、リーダーらしく静かに堂々と褒めます。肩付近をポンポンポンしてください・・・

 

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【著者:運営責任者】
犬のしつけアドバイザー
堀川春広
株式会社ホリページ代表取締役
https://www.horipage.com/
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