犬のしつけがQ&Aで分かる!

犬のしつけで散歩での引っ張りと人や犬への吠え

質問内容
屋外で、犬3匹の多頭飼い(放し飼い。全てオス)をしております。

問題:散歩での引っ張り、人や犬への吠え(結局は主従関係ができていない事が一番の問題なのだとは思いますが)

一番困っているのは:
①ピットブルとボクサーの雑種犬
年齢は2歳半くらい(生後2ヶ月くらいの時に里子で広場から貰ってきました)
オス、23キロ。

他に:
②生後2年3ヶ月くらいのダックス犬
③生後約2年のミニチュアダックス

3匹共、去勢はまだで、来年手術をする予定です。

家族は二人。
夫36歳:早朝から夜中付近まで不在の事がほとんどで、平日は犬との接触はほぼありません。週末に時々犬と遊んだり、散歩に出たり。
私37歳:犬達と過ごす時間は、その時にもよりますが、散歩を入れて1日2~3時間くらいだと思います。

【以前の状況について】

①の雑種犬:
我が家に来て1ヶ月は室内。飼い始め直後体調を崩して獣医さんに連れて行ったり、などがあり、かなり甘やかしていたと思います。

夫は完全に人間の子供扱いで、一緒のベッドで寝させた事もありました。そして、犬の体調が心配な事もあり、付きっきりな時もありました。

撫でたり、話しかけたりしていました。甘やかした為か、ある朝起きたら、私を見ただけで唸ったり、毎日噛まれたり、歩いているだけで洋服を噛んで引っ張られたりが始まりました。

チョークチェーンを使ってみた事もあるんですが、最初はビックリして静かに。でも、2,3回目からはチョークを見ただけで歯を見せて体勢を低くして唸り、つけようとすると大暴れ。攻撃性が増しただけだったので、すぐに使用をやめました。

あまりにもひどかったのと、予想していたよりもどんどん大きくなった為、室内では無理と判断し、2ヶ月目からは犬小屋を買って外飼いにしました。

最初に体調を崩して、その治療をしていた為ワクチンを打ち始めるのが遅れ、まだ散歩はできない状態でした。ワクチンが終了してない時点で体重が10キロ近くあり、抱っこで散歩も私には無理だったので、夫が数回した以外はしていませんでした。

最近のスキンシップは、ブラッシングをしたり、歯磨き(じっとはしていませんが)をしたり。最初の頃はブラッシングも嫌がってさせてくれなかったですし、今は私に唸ったり、噛んだりはないので少しは良くなっているんだと思うんですが。

遊びは、①の雑種犬自体は追いかけっこが好きなようで、例えば庭の枝などをくわえて走り回るのを、追いかけて欲しいようです。最初の頃は追いかけてましたが、私は現在はやらないです。

夫は犬の顔の前に手をかざして動かし、わざと犬を興奮されて遊んでいたりする事があります。攻撃性を刺激するだけなのでは?と思い、止めるよう言っても、普段何も世話をしないせいか、特に気にしないようで、たまに今でもやっています。

とにかく、お座り、待て、伏せだけは教えなければ!と思いなんとか教え、大抵できますが、気がのらないとしない事もあります。

散歩に行く前とエサの前は完璧にできるのですが、散歩の途中だと出来ない事の方が多いです。怒る時に、イライラして怒鳴ってしまう事も多かったと思います。ネット情報などでも、怒るのも褒めるのもその時!すぐに!という事は知っていたので、ソレを心がけていました。

夫はそういったことも、気にしていないようで、いくら説明しても後から怒ったりしています。しかも、人間の子供の話して聞かせるように。

子供の頃の噛みがひどすぎた時は、普段ビーチサンダルを履いているので、それでお尻付近を叩いたりしていました。夫に思い切りビーチサンダルで叩かれた記憶が強いのか、現在でも、ビーチサンダルを見ると、一目散で逃げます。

おやつは以前は多かったです。犬用のおやつから、りんご、バナナなどのフルーツまで。現在は、基本的に牛皮ガム?だけです。外飼いになってからは、ナデナデは減りましたが、"放っておいてかわいそうかしら?"と、いつも犬の顔を見て微笑んでみたり、用もないのに声をかけてみたり(元気?とか)イケナイ飼い主の見本みたいだったと思います。

正直なところ、今年半ばくらいまでは、あまりちゃんと散歩をしていませんでした。最初は散歩を怖がっていた犬でしたが、気がつけば犬ぞりのように引っ張られ、時々足をくじいたり。

また、現在海外に住んでいるのですが、犬は皆よく飼っているのですが、公共の道路を放し飼いしていたり、飼い主は散歩せず、犬だけでウロウロしている事も多く、それにも緊張し、気が重くなって、散歩から遠のいてしまいました。(言い訳にしかすぎませんが)

日本でいうモラルというものがほとんどない国ですので、シェパードのような大きな犬から、ピットブルまで1人でウロウロしているので、攻撃的な家の犬とケンカになったら?!という恐怖があります。

が、そうも言っていられないので気合を入れなおし、散歩を毎日ちゃんとするようになりました。1日2回を目指していますが、1回の時もあります。1回の散歩は、20~30分程です。

人、犬、トラック、バイクなどにも反応して吠えたり飛び掛ろうとしたりする事があるので(いつも必ずではない。共通項はまだ見つけられていません。比較的小さな犬は大丈夫なようですが)、あまりにも交通量が多い所や、人の多すぎる所は私の力では抑えきれない為、避けています。

また、坂の多い町で石畳の為、比較的坂が少ない道を選んでいます。下り坂だとものすごい勢いで引っ張られてしまう事が多いので。

ただ、最近は家を出る前にお座り、待てをさせ、私から出る、入るができるようになってきました。また、紐を短く持ち、家などの壁と自分との間に入れて歩かせるようにしたら、以前よりだいぶ落ち着いて、私の横で歩ける時もでてきました。

まだまだ引っ張るし、時々人や犬に激しく反応して後ろ足2本で立ち上がって、動かなくなったりもしますが。元々食べ物にはそれほど執着のない犬で、エサでつる作戦は散歩中は通用したことがないので、現在は全くエサ、道具系は使いません。

最近は、朝7~9時頃に散歩、エサ、犬スペースの掃除。午後の涼しい時間に2回目の散歩です。昼間はかなり暑いので、できるだけ避けています。
基本的にエサは散歩の後です。お座り、待てを必ずしてから食べさせます。堀川さんがおっしゃっているように、散歩やエサの時間を固定しない方が良いと思っていたので、できるだけ同じにならないようにしています。が、早朝すぎても放し飼いの犬が多すぎたり、昼間は暑かったりと、ある程度時間帯は限定されてしまいますが。

それと、割と最近、2番目のダックス犬と流血まみれになるくらいの大ゲンカを数回した為、危険だと判断し、ダックスと①先住犬のスペースを別にしています。(隣り合ってはいますが)

以前は2番目の犬がボスのような感じでしたが、それが崩れてきていると思っていた時の出来事でした。

さて、本日、早速庭でリーダーウォークをやってみたところ、1回目はまぁまぁうまくいきましたが、2回目はやりたくなかったようで、お座りもせず無視。

無理矢理紐をつけて歩いてみましたが、紐を噛んだり、伏せをして動かなくなったり。仰向けにするのはまだまだ先の事になりそうです。

体を持って、ゴロンとさせようかな?くらいの所で噛みにきます。(本当に噛むわけではありませんが、そういうそぶりを見せて抵抗して、逃げます)

犬の様子をよく観察しながら、堀川さんの犬のしつけを何度もよく読みながら、少しずつやっていこうと思っています。


返答内容みんな可愛くて、毛艶も良くて健康そうです(^-^)

さて、では犬のしつけのお話ですが、すでに多くの点に気付かれているので良かったです。ぜひ少しずつ修正していってください。

アレコレ一気に激変してしまうと、犬にも飼い主さんにもストレスになりますので、徐々に変えていけば良いです。

それと、外国人でおおらかな人にはなかなか日本人の厳格な感覚は理解できないものです。あまりガミガミ言わないで、まずは今回気付かれた改善点や本書の内容をやり続け、犬の様子が変わってくれば、さすがに旦那さんも気付いて見直しますので、実績を作ることです。

外国人はクールな現実主義者が多いですので、実績を示せば見直すはずです。

では、気になった所・補足を一つずつ見ていきます。

>ビーチサンダルで叩かれた記憶が強いのか・・

↑犬には、体罰と自分のした行為を結び付けて反省する知能はありません。攻撃性が増し、信頼関係が崩れ、歪んだ記憶が残るだけです。体罰や大声など威嚇的な怒り方は厳禁です。

「ダメ」の指示音で悪い型を止めて・良い型を取らせてスワレ・マテなどの指示音やジェスチャーを関連付けながら褒める・・というセットにしてください。

そして、それを聞きたくなるような関係作りをしていきましょう。

チョークチェーンなどの嫌悪刺激やオヤツも、もう使わないでください。表面的になんとなくコントロール出来てしまうと、関係作りが出来ているかのような錯覚に陥ってしまいます。これが一番怖いことです。

散歩は毎日1回以上、30分以上してください。前方に人や犬が見えたら、まずスワレ・マテの型をガッチリキープさせます。

犬と肩を組むような感じか、犬におんぶするような体勢で、首輪をガッチリつかんで型を保ちます。そして人や犬とすれ違うまで、マテの指示音を出しながら静かに待てたらポンポンで褒めてください。

そこで吠えたら、「ダメ」で口閉じをして、良い型になったので「シ~」の指示音を関連付けながらポンポンで褒めます。

褒めたら口を解放します。静かに出来たら褒めますし、また吠えたら再度口閉じで教えます。

関係作りと並行して、直接の教えもそうやって続けてください。犬や他人から避けないで、教える機会を作ってください。(強引に対面させないで遠くから少しずつ慣れさせる)。

口閉じが怖ければ、作業用の革手袋を買ってください。日本のホームセンターでは500円くらいで買えますので、欧米でも安く買えるはずです。

大きい犬の場合は、腕だけでリード(紐)を持つのは大変なので、まずは腰に一周縛ってから、余った部分を腕でコントロールすると楽です。また、それなら万が一、持っていた手が外れても安心です。

>散歩・エサはある程度時間帯は限定されてしまいます・・

↑もちろん、ある程度の時間帯は決まっても良いです。キッチリ「○○時」にしないことと、犬の要求に合せないことだけ意識されてください。

>紐を噛んだり・・

↑吠えと同じ教え方で良いです。「ダメ」で口閉じし、褒めて解放・・また見せて噛んだら教える・・見せても噛まなければ褒める・・の繰り返しです。(完全無視で淡々と動いても良いです)。

>伏せをして動かなくなった・・

↑これを逆に利用してマテの指示を出してください。そうやってずっと待たせていると、今度は犬が動きたくなってしょうがなくなるので、少しじらせてからツケの指示で軽くリードを引きながら、自分の太ももをポンポンして呼びます。隣にきたら犬をポンポンで褒め、歩き出します。

また犬が止まって動かなくなったら、同じことを繰り返します。あるいは、反対をジッと見て無視・・でも良いです。

犬のしつけは根競べです。主導性と毅然さを見せ続け、犬が「この人にはワガママは通じない」と根負けして認めるかどうかです。

>仰向けにするのはまだまだ先の事になりそう・・

↑ヒモ付ボール遊びを取り入れて、その中で時々一瞬ひっくり返してみる・・そういうところから始めてください。

広いお庭ではなく、現在の犬小屋のあるスペースがありますが、そこが良いです。狭いスペースで転がして、飼い主さんがしっかり回収して遊びを「主導」することが大切です。

お庭でヒモ無しですと、犬がボールを独占して逃げ回って終わり・・となってしまうので、そうではなく常に主導することが大切です。

>いつも犬の顔を見て微笑んでみたり、用もないのに声をかけてみたり・・

↑これが外飼いのデメリットです。(室内でも同じことですが)

また、犬に留守番を長くさせている人も、同じ心理でかまい過ぎます。しかし、もちろんその接し方が犬の本能には関係性の誤解を与えてしまいますし、留守番時とのギャップが大きくなるのです。そのギャップがストレスになり、興奮も激しくなります。

一緒に居る・・でもベタベタしない・・という空気のような関係が一番良いです。

かと言って無視だけしていても、犬は何も覚えられませんし関係作りも出来ません。ですので意味なくベタベタではなく、「主導」で接してほしいのです。

主導型の遊びなら、楽しく運動・スキンシップ・関係作りができます。ボールを転がす前に必ずスワレ・マテ(他にはアイコンタクトなど)を指示し、できたら褒めて転がす・・できなかったら型で教えて褒めて転がす。

転がしたらヒモで回収しながらコイ・ダセの練習。(いずれはヒモ無しで出来るようにします)。

また、ちょっと犬を触りたい・・声をかけたいと思われたら、意味なく声掛けナデナデではなく、オテでもスワレでも何でも良いので、とにかく何か指示を出し行動させ、犬が出来なければ型で教える・・という「主導」で接することです。

本書のとおり、何気ない態度しぐさも犬は感じ取っていますので意識してください。

犬の放し飼いはいけません。(鎖での直接の繋ぎもいけません)。犬小屋の置いてあるスペースが良いので、そのスペースと庭との出入り口に開閉できるゲートや柵を付けましょう。

ケンカする二頭はしばらく柵で隔ててください。飼い主さんの存在がしっかりしてくれば、それだけで争いが無くなる場合もありますし、制止の指示も聞きやすくなります。

そして、遊びの時間に少しずつ接触させながら関係を改善させましょう。

では、以上をしばらく続けてください。長い習慣がありましたから、結果を急がず焦らず少しずつ変えていくことです。

では、頑張って続けてください(^-^)


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【著者:運営責任者】
犬のしつけアドバイザー
堀川春広
株式会社ホリページ代表取締役
https://www.horipage.com/
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