犬のしつけがQ&Aで分かる!

犬の散歩で引っ張る場合のリーダーウォークのしつけ方法

質問内容
堀川様、お聞きしたいのですが、リーダーウォークのしつけ方法はどのようなやり方なのでしょうか?

犬に恐怖感や痛みを与えるような方法ではないですよね?

私にも抵抗なくできる方法なのか?が心配です。

実は先日、ドックカフェにいたドックトレーナーの方に何か困っていることがありますか?と聞かれ、犬の散歩で引っ張られて自分が追いつくのが大変だということを相談しました。

するといきなりトレーニング用のチェーンをうちの犬の首にまきつけて、リーダーウォークの練習をやってみせてくれたのです。

終わってから、そのチェーンのしくみを見せられ、その時はじめてそのチェーンが首が締まるものだという事を知り(チョークチェーン?というのがこれでしょうか?)大変ショックをうけ、違和感を感じました。

とてもじゃないけど、あんな虐待みたいな道具を使って犬の首をぐいぐい引っ張るなんて私にはできません。


返答内容
私のページを熟読していただければお分かりになられると思いますが、私はしつけグッズや食べ物で釣る手法を使わないようにお願いしております。

嫌悪刺激の回避反応や、食べ物で釣って犬を行動させても、それは飼い主さんとの良い関係で動いたわけではないからです。

そういう手法を使えば使うほど、犬との本当の関係が見えなくなってしまいます。

それが一番怖いことです。

ただし、例えば虐待を経験した保護犬には、最初は食べ物を使って信頼関係を最低限作らないと全く進まない状況もありますし、犬が凶暴だったり大型で家族や飼い主さんの身に危険が及ぶような状況では、道具の力に頼らなければいけないこともあります。

しかしそこまでではない場合がほとんどですので、しつけグッズや食べ物で釣る手法はおすすめしません。


さて、リーダーウォークですが、本質は「飼い主さんの主導性と毅然さを犬に示し続けること」になります。

ですので、それが出来れば別にリーダーウォークでなくても良いですし、反対に言えば、いつでもどこでもそれは一貫しなければいけないことなのです。

一貫できていないから、犬に関係の誤解を与えてしまっているわけです。

例えば、生後半年未満の子犬は、まだ知能も経験も何もないですし、骨格もしっかりしていませんので、求めてはいけないのですが、知能がそこそこ上がってきている生後半年以降は、キチンと示していけないといけません。

親離れをして、強いリーダーに従うという成犬の本能・特性が出てくる時期だからです。

「トレーナーがチョークチェーンを使っていきなりやり始めた・・」というお話でしたので、おそらく、もう成犬に近いかそれ以上の年齢の、中型犬か大型犬なのだと推測いたしました。


その場合でも、私はチョークチェーンは使いません。

そして、しつけの進捗度合い、体の強さ、慣れを見ながら、段階を作ってあげる必要があります。

例えば

■犬にリードを着けてそれを飼い主さんが持って、お部屋で団らんやコング遊び
■その遊びの中でお部屋で一緒に歩いてみる
■お部屋やお庭でリードを短めに持ってリーダーウォークに近付けていく

・最初は、数歩歩いて止まる→また歩く→止まる・・・の繰り返し
・90度曲がる→Uターンでの切り返し
・早歩き→止まる→早歩き→強い切り返し

というように、優しいレベルから徐々に段階を上げていくことが重要です。

■さらには、まだ若犬の場合は、外の世界での経験不足によって、興奮パニックで引っ張っている要素もあります。

リーダーウォークによる主従関係の構築だけでなく、外の世界に慣れさせる練習も並行して行わないといけません。

長い距離を歩かなくても良いので、お庭や犬OKの公園で、飼い主さんはノンビリ座って、その周辺をリードが届く範囲で、犬にウロウロさせながら、外の世界をたくさん経験させていただきたいのです。

■そこで落ち着いてきたら、リーダーウォークの練習を始めます。


ということで、主従関係の問題なのか、外の世界に激しく興奮しているだけなのか、それとも両方なのか・・・

良く見極めて、修正していかないといけません。

おそらくですが、今回は両方まだ不十分なのだと思います。

「リーダーウォークの方法は?・・」など、表面的な手法論で勉強されないことです。

犬は常に飼い主さんを感じています。

まずは犬という動物の特性・本能を良く知ってあげて、知識と意識を深めていただきたいです。

犬は飼い主さんのしつけ手法自体を見ているわけではなく、自分にとって相手がどういう存在かを感じて反応しています。

犬からそう感じられる存在にならないといけません。

それは知識や意識からくる、態度や振る舞い全体なのです。

それを犬が毎日毎日見て感じて、一貫されるから認めるようになっていきます。

この相手は自分が好き勝手していい存在なのか、それとも自分が従うべき相手なのか・・・

犬はそれを感じ取って、反応しているだけなのです。

もちろん、人と暮らすルールや、指示行動の形は教えてあげないといけないことも多々ありますが、根本の関係があるか無いかで、その教えの効果がまったく違ってきます。

それでは、これから頑張って続けていきましょう(^_^)


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【著者:運営責任者】
犬のしつけアドバイザー
堀川春広
株式会社ホリページ代表取締役
https://www.horipage.com/
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