犬のしつけで散歩中の引張りと臭い嗅ぎ
お世話になります。これからマニュアルを参考に犬のしつけに再度取り組みます。どうぞよろしくお願いします。
・問題の内容:散歩中に電信柱や草原など、気になる匂いがあるところで止まってしまいます。それ以外は、引っ張りもなく比較的従順にリーダーウォークについてきているので、時々は止まってすきなことをさせてやっているのですが、そのようなやり方はよくないのでしょうか。
以前通っていた犬のしつけ教室の先生は、お散歩は、犬が色々なものを五感で感じ、経験する、とても大切な時間であると言われていましたが、ただひたすら前を見て寄り道もせず歩き続けるだけでは、犬にとってゆっくり五感を刺激する機会にはならないようにおもいます。
・愛犬の犬種、年齢・月齢、性別、(飼い始めてからの年月日数も):
トイプードル、3才半、オス
・ご家族全員の年齢層、性別、一日の愛犬との同居時間:
実家に 両親と弟が住んでいます。 私は一人暮らしですが、日中仕事で留守にするので、実家で犬の面倒をみてもらっています。
①過去はどういうタイミングで、どういう「スキンシップ」をされてきましたか?
自宅でデスクワークの時に膝に乗せて抱っこしています。 実家では、両親共によく抱っこをしているようです。父がソファーで仰向きで寝ていると必ずその上に(お腹の上に)乗って犬が一緒にねています。
②過去はどういうタイミングで、どういう「遊び」をされてきましたか?
朝、起きてすぐに少しボール遊びをします。
③過去はどういうタイミングで、どういう「しつけ・褒め方・叱り方」をされてきましたか?
普段は餌の前にマテ、フセをさせています。以前トイレトレーニングをしていた時は、失敗するたびに無理やりトイレシートの場所に連れて行き、「 ここでトイレをするんです!!」と、厳しく叱りつけていました。( 結局トイレは覚えてくれなかったのであきらめましたが。。。。)
④過去はオヤツ、抱っこ、ナデナデ、声かけなどされてきましたか?
オヤツは時々あげています。声かけとは、犬に話しかけるということでしょうか?しつけのとき以外はほとんど話しかけません。
⑤過去は散歩は何分、どんなやり方でしたか?
私が仕事の日は、朝近所を10~30分散歩しています。休みの日は、ゆっくり遠くの公園まで行ったりもします。
家ではトイレをしないので、トイレのためにも朝は必ず外に出ています。
日中は近くに住んでいる実家に預けて私が夜迎えに行きます。夕方、毎日父が散歩に連れって行ってくれます。バイクで少し遠くの森林公園まで、そこでは広い草原で、リードを外して自由に3,40分程走り回っています。たくさんの違う犬種のワンちゃんたちが同じように走り回っている、ドッグランのような状態です。
・愛犬のハウス周りの構成、環境など:
うちでは寝るときだけ、 ハウスの中であとは自由に家の中で放しています。実家にはケージ、ハウスはありません。
遠藤さんのDVDマニュアルを購入して全くうまくいかず、その後犬のしつけ教室に1年通いましたが大した進展もなく、出張トレーナーさんにも何度か御願いしましたが、経済的に続けるのが難しくなり途中でやめてしまいました。いろいろな問題をそのままにしてきたので、 これを機会にもう一度やり直したいとおもっています。どうぞよろしくお願い致します。
トイプードル君の素性は良い子です。飼い主さんに向かって、噛んだり吠えたりも無いようですので良かったです。この良い出会いに感謝して頑張っていきましょう。
犬のしつけ教室でも出張訓練でもプロトレーナーのDVDでもダメだった・・ということは、そこで教えてもらえなかった・気付けなった何かが間違っていたわけです。必ず原因があります。
それはしっかり受けて止めて、意識改革や環境の改善をしていかないといけません。それをやらないと、これからも変わりません。
まず、犬のしつけや接し方全体が一貫できていないはずです。トイプードル君は一日の大半をご実家で過ごしていますね。
子供さんが自立したご年配の方の犬への接し方は、たいていが甘やかしになります。犬をどんなに優秀な訓練士が調教したとしても、普段接する家族が変わらなければ何も意味はないのです。
犬は相手一人一人を見て感じていますし、最初はある程度言うことを聞いたとしても、飼い主さんが訓練士と同じ行動・教え方や態度をとれないと、また犬は好き勝手し始めます。
一貫されないので定着しない・・相手を見抜く・・この二つでまた崩れるわけです。
ですので、訓練士さんが教えても、○○様が同じようにできない・・ご実家の方が同じようにできない・・では何も変わらないのです。
そして、今回私の教材やサポートで、○○様が学ばれたとしても、ご実家の方が同じようにできなければそれもまた同じことになります。
まず環境をハッキリ決めましょう。もうトイプードル君は成長期ではありませんので、日中食べ物が無くても低血糖にはなりません。水が飲めてトイレもあります。犬は留守番できる動物ですので、ご実家に預けないで自分で一貫して犬をしつける・・これが1つの方向性です。
ですが、激変はいけません。犬もお父様もストレスが大きくなりますので、少しずつ少しずつ預ける日数や時間を減らしていきながら慣れさせることです。
もう一つは、預けるならば、ご実家の方全員に犬のしつけを徹底的に学んで一貫してもらうことです。ですが、それは難しいでしょう。先ほどお話したように、子供さんが自立したご年配の方は、注意されないとついつい気が付いたら甘やかしやチヤホヤ・・こうなってしまいます。
そして、自分の犬ならまだ責任感も出ますが、実際にはあずかり犬なわけです。そういう背景では、毅然さはなかなか一貫できません。
では、散歩中の臭い嗅ぎと引っ張りのしつけについてです。
まず、犬の知能には限界があります。同じ条件で歩いているのに「今はクンクンして良い」「今はクンクンしてはダメ」と言われても犬は理解できないのです。
何か条件のメリハリがあって、それを一貫されないから分からないし定着しないのです。
例えば、リードを付けて飼い主さんと一緒に歩いている時はクンクンしてはダメ!・・を一貫して、ドッグランでノーリードで放している時は好きにしてOK!・・散歩中でも飼い主さんが座って休んでいる時はOK!・・というふうにハッキリ条件を分かりやすくしてあげることです。
もちろん、それだけでは解決できませんので、普段の何気ない接し方の改善を大前提にリーダーウォークも練習しないといけません。
>「犬が色々なものを五感で感じ、経験する・・」
↑これももちろん大切なことです。しかし、犬の嗅覚は人間の数百倍以上です。ワザワザ地面に鼻をくっ付けなくても、色んな臭いの情報が次から次へとやってきます。外を歩いているだけでも十分良い刺激になっているわけです。
眼で見る刺激も、耳で聞く刺激もあるわけです。ちなみに、犬は窓を締め切った家の中からでも、外を行きかう人や動物の臭いを感じているくらいです。
そして気を付けないといけないのは、電柱の臭い嗅ぎです。他の犬がしたオシッコの臭いを嗅いだだけでも伝染する病気があります。
また草むらには、たいていノミやダニが待ち構えています。それが媒介して線虫に寄生します。草むらを好きに歩かせている犬の腸には線虫が寄生している場合が多いです。
まずは言うことを聞きたくなる関係作り・メリハリを付け条件を分かりやすくしてあげること・教えを一貫すること・・
これを忘れないことです。
本書を熟読していただき、少しずつ展開して続けていきましょう。3年間の習慣や関係もありますので、激変しないで少しずつ優しいレベルからやってみてください。そして一貫して続けることです。結果はすぐ求めないことです。
普段の何気ない接し方・関係作りの方法・リーダーウォーク・トイレの教え方、みんな載っていますので、あきらめないでやり続けることです・・・