犬のしつけがQ&Aで分かる!

他の家から引き取った犬のしつけで吠え・噛みつき・散歩時の興奮

質問内容
犬の問題は、噛みつき、来客への吠え、散歩時の犬への吠え興奮です。
犬はトイプードル3才のオス。体重7キロ。

トイプードルは元々娘の家で飼われていた犬です。娘の家族は夫婦40代と中学生・小学生の子供がいる家庭です。

散歩はトイレのために少し行っていた程度だそうです。また、ほかの犬にも会うことも滅多になかったようです。

夏休み、冬休みと旅行に行くたびに我が家に預けに来て3ヶ月、一ヶ月と預けに来ています。車で3時間の距離のため、行き来は頻繁ではありません。

最近になって、娘が仕事に出ると言いだし、犬が留守番ばかりで可哀想になり我が家で引き取ることにしました。我が家は六十代の定年した夫婦だけの家です。ですので、ほとんどの時間家にいます。

声かけは、何かとしゃべりかけています。今回犬が来てから三ヶ月になります。スキンシップは、ソファに犬が座っていたり膝の上に乗りに来て「なぜろ」というのでなぜています。

一時は、布団に一緒に寝たこともあります。甘やかしすぎだと自覚し、ゲージに入れて寝かすようにしました。

毎日、朝、昼、夕方と15分ずつの散歩と庭でボール遊びをしています。外から帰ると足を拭くのですが、夫がぽんと庭から家に入れたときに噛みつかれ、反射的にタオルで叩いてしまいました。

また、あるときは顔をゴシゴシ拭いてうなられ、手を引いてしまいました。他には、散歩から帰りゲージに入っていた犬を訪ねてきていた友達が出そうとして、唸り、首輪をつかんでダメと叱りましたが、まだ唸って噛みつきました。

ご飯の前にしつけをおやつを使ってお座り待て伏せをさせ、褒めます。首筋をなぜてやります。

散歩はある一定のところからは動こうとしないので帰ってきてしまいます。なので15分ぐらいです。
ほかの犬を見ると引っ張りまくり二足歩行で吠えます。
ほかの犬、猫を怖がっているように思います。

ハウスは家の中の窓際に置いていたのですが、通行の人に吠えるので壁ぞいに移動しました。トイレは外で散歩時にするので室内にはないです。ハウスに入れておくのが可哀想と思ってしまい、最近やっと寝るときだけは入れています。

先日、孫達が遊びに来て散歩に連れて行くと、どこまでも歩くのです。うれしそうに。娘の家での噛みつきは、ティシュペーパーを食べたのを取り出そうとしたときに噛みつき、それ以来黙認。孫娘が顔に息を吹きかけたときに孫娘の口に噛みついたそうです。

行ったり来たり落ち着きのない生活がいけないのかと思い、我が家で犬を引き取るという判断は間違いだったのかと悩んでいます。


返答内容
今回は、「犬がどちらの家で過ごすべきか」という問題ではなく、「犬と暮らす家族がどう接するべきか」なのです。

○○様ご夫妻も、幼少期から何度も長期間預かってきましたので、犬にとってみれば家族(群れ)の一員のようになじみはありますから、そこで暮らすことは問題ありません。

そして、両方のご家庭で接し方しつけ方が間違っておられましたので、なおさら今回は「どちらで暮らすか」自体はあまり重要ではありません。

どちらが、より愛情を持って犬のしつけを続けるご覚悟をお持ちかどうかなのです。

本来は、犬はちゃんと留守番できる動物です。皮ガムと歯磨きロープでもあれば、一人遊びして退屈しのぎもできます。学生の子供二人もいますから、夕方には誰か家に居るはずです。

例えば生後6か月以内であれば、まだ血糖値のコントロールが上手く出来ないのと消化器官も未熟ですので、エサの回数を1日3回以上に分散するのが望ましいので、お昼にも誰かがいる環境が良いです。

ですが、もう成長期が過ぎた成犬ですので、日中の留守番は問題ありません。

今回は犬を、どちらがどういう思いで送り出し、どういう思いで引き取られたのか真意が分かりませんので、言及は避けますが、いろいろな要素はあるでしょう。

・娘さんご夫婦が忙しくなり犬の世話を嫌がっていたのか?
・娘さんご夫婦が犬の幸せを考えてのことなのか?
・娘さんご夫婦がご両親の寂しさを紛らわすために気付かって送り出したのか?
・ご両親がとても引き取りたがったのか?

どれが真意かは分かりませんし、全て含んでいるかもしれません。

いずれにしましても、より愛情を持って犬のしつけを続けるご覚悟をお持ちの方で、犬は暮らすべきです。留守番が長いかどうかは関係ありません。


さて、今回の犬の問題行動が出てきた原因ですが、両方のご家庭で接し方しつけ方が間違っていたことが原因です。

犬の素性が悪かったのではありません。トイプードル君は良い子なのです。しかし、主従関係の誤解やストレスを与えるような接し方を人間側がしてしまったことで、問題が起こっているのです。

ですので、家族全員が犬という動物の本質を理解し、コツコツ続けていけば犬もまた変わっていきます。

表面的な手法は重要ではないのです。むしろ手法の上塗りだけでは逆効果になります。

犬の本質を知ったならば、自然と態度しぐさ接し方全体が変わっていきます。一貫できます。それを毎日毎日犬が感じ続けて、自然に認めて主従関係が積み上がっていくのです。

そうならなければいけません。そうなっていないのに、アレコレとプロトレーナーが教えるような調教テクニックを展開しても、犬には何にも伝わりませんし、むしろ矛盾を感じて反発したりストレスが大きくなってしまうのです。


>最近やっと寝るときだけは入れています・・

↑これが出来るようになったということは、進歩しているのです。犬も頑張っていますし、飼い主さんの意識が少しずつ変わってきた証拠です。

こういうところから、少しずつ展開していけば良いのです。急にゼロから100にはできませんので、優しいレベルから徐々に増やしたり強化していけば良いのです。

例えば、昼間でも今日は1分ゲージに入れる・・明日は2分・・・

というように、優しいレベルから少しずつ慣らしていってください。

そして、ゲージから出している時も、犬にリードを付けてそれを飼い主さんが持って過ごしてください。

常に犬の行動をリードしてあげる形になりますので、自然と犬に主従関係を示すことになります。その体勢で主導型コング遊びや団らんもしてください。

犬と接することが悪いのではなく、「接し方」の問題なのです。常に毅然さと主導性を意識されてください。

犬の特性を知り、毅然さと主導性を示し続けたら、犬はちゃんと感じ取って認めてくれるようになります。

それまでは自分との戦いでもあります。続けると、苦も無く自然と表現できるようになっていきます。気が付いたら当たり前のようにやっている・・・という状況になりますので、あまり気負い過ぎないで、まずは犬の特性を勉強するところから始めてください。知っただけでも意識が変わっていきます。

主従関係ができれば、それだけでも飼い主さんに対しての要求吠えや噛みつきは減っていきますし、同じ教え方をしたとしても、犬の吸収力がまったく違ってきます。

もちろん、それは他人や犬への吠え・噛みについても同じことです。

そして、直接の教えも並行してやっていきましょう。

まずは家の中から練習です。

もともと幼少期からあまり散歩に出さずに過ごしてきたので、経験不足なのです。ですので、いきなり他人や他の犬と対面させたりしないで、優しいレベルから始めます。

家の中の窓際でも吠えるということでしたので、そこから練習です。

まず犬にはリードを付けて持っておいてください。

窓際で一緒に過ごして、犬が吠えたり唸った瞬間に「シ!」の注意音を出しながらリードをチョンと引き上げて注意します。

噛まれるのが怖ければ、作業用の革手袋をはめて、長袖長ズボン・スリッパで防備してください。作業用の革手袋は、ホームセンターで500円くらいで買えます。

窓際でも犬の興奮が激しすぎる場合は、パソコンやテレビ、玄関チャイムなどで動画を見せたり音を聞かせて練習してください。

姿や音に反応しなくなったら、シ~で褒めてあげてください。

褒め方も、猫なで声でナデナデではなく、リーダーらしく静かに堂々と褒めてください。良い型に対して、指示音ジェスチャーを関連付けながら、犬の肩付近をポンポンポンして褒めます。

そうして続けて、家の中で静かにできるようになったら、今度は外で練習です。

ここでもいきなり対面して近づけないで、遠目から見せることです。

そこでガマン出来たら先ほどのように褒めて、少し距離を縮めます。そこで吠えるようならば、先ほどのように注意音でリードをチョンと引き上げて教えます。その距離で繰り返して静かに出来るようになってきたら、また距離を縮めて練習・・・

これを繰り返してください。


犬の噛み癖の教えも同じで良いです。犬が噛んだ瞬間、注意音でリードをチョンと引き上げて教えます。

そして、お話してきたように、同じ教え方をしても主従関係しだいで、その効果がまったく違ってくるということです。これを忘れずに、普段の何気ない接し方全てを意識されてください。

また、良い主従関係が無い・・信頼できる人がいないがために、犬が不安になり他人や犬に怯えたり威嚇したくなる・・・という要素もあります。

あるいは、放し飼いでテリトリーが広くなり、それを守るため神経過敏になった結果吠えている・・・という要素もあります。


それでは今日は以上にいたします。まずは、ご夫婦そして娘さんご家族と良く良く話し合って、犬が暮らす家を決めてください。

そしてどちらで暮らすにしても、ご家族全員で犬の本質を勉強し、日々主従関係を意識した接し方に変えて、同時に直接の教えも展開していく・・・そんなことで続けていきましょう。

本書だけでなく、必ずQ&Aサイトも全体的に熟読されてください。

それでは、これから頑張って続けてください(^-^)


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【著者:運営責任者】
犬のしつけアドバイザー
堀川春広
株式会社ホリページ代表取締役
https://www.horipage.com/
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